腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ブレイブリーデフォルト ~フォーザ・シークウェル~

2022年07月15日 00時30分36秒 | ニンテンドー3DSゲーム感想文
【ハード】3DS
【メーカー】スクウェア・エニックス
【発売日】2014年8月7日
【定価】2700円(現物版)
【購入価格】2380円(新品)
【プレー時間】90時間


いやー今作はね……まず購入時にドラマがあってね。聞いてくれる? 恐らく今まで書いた俺の話の中でも最高級にキモいけど。
あれは忘れもしない7年前、のいつかは忘れた。どっちやねん。当時の俺はまだ発売日にもゲームを買う普通のゲーオタだった。
もちろん今と変わらず投げ売りゲーム購入も大好き。基本投げ売り、たまに新作……そんな感じでゲームを買い、遊んでいた。
しかしある日、ふと気付いたのである。ゲー活において「新作でも、投げ売りでもない新品ゲームの購入」が、一切ないことを。
ゲームは基本的に発売から時間が経つにつれ値が下がる。投げ売りほどでなくてもだ。が、定価近くを保つタイトルも稀にある。
そういったゲームを買うことが、もしかしたらガキの頃を含めてもないかもしれない。ううむ、何故だ? 割高感があるからか?
確かに新作でないゲームを新作並の価格で買うのは、やや損な感がある。……けどそれは「ゲームの価値」を見ていないだろう。
ゲームは「時間と共に価値が落ちる」のか? 違う。新旧関係なく、ゲームの価値は面白さで決まる。そしてそれは俺が決める。
なら「新作ではない高値新品」を買ってもいいだろう! いや買うべきだろう!? うわわああああ!!! ……最高にキモい。

誰も付いて来られない世界に入ってるが、その時の俺はそう強く思ったのだ。そしてすぐ実行した。決心が鈍らないうちに。
ネットのゲーム屋を眺め、条件に合う作品を探した。で、まず決めたのが「ボーダーランズ ダブルデラックスコレクション」だ。
PS4版が発売から1年以上経っていたが、価格は高いまま。撃ちゲーだが好評は多く耳にしていたから、ゲーム内容は信じられる。
確か6500円くらいだったが、購入。……はい、未だ未プレーです。そしてその間、DL版が大セール常連です。俺もう死にたい。
一度、DL版が100円になってたこともあった。あの時はマジで泣いた。せめてもの意地でDL版は買ってない。やる時は現物だ。
結果論になるが、この企画は失敗だった。いや別に非新作高価ゲーを買うのはいいんだが、買ったらすぐにプレーしろ!!!
そういうことだ。更に時間が経ったら状況が変わるのもおかしくないだろう。ボダラン2は何も悪くない。俺が悪い。はぁ。
で! この時、もう1本買ったゲームがあったのだ。それこそが「ブレイブリーデフォルト ~フォーザ・シークウェル~」ナリ。
こちらは廉価版だが、同様に発売1年ほど経っていたものの、値段は安定。内容的にも一度やってみたいと思ってたタイトルだ。
そしてこれも結果論だが、今作は今現在も価値が落ちていない。中古でさえやや高く、俺の購入は間違ってなかったと言える。
……まぁ何にせよ、はよプレーせぇってのは変わらんが。ほんま。7年も寝かすて。色んな面で、間違ってるのは、俺。はぁ。

てわけで、今作は購入時点で「特別な一本」だった。それをこんだけ寝かせた事情は、まぁいつものことなので割愛する。
ブレイブリーシリーズは3DSで2本、Switchで一本が発売、ホゲ化もされ、スクエニ新規RPGとして割と活躍している、と思う。
やっておかねばならない一本だ。そろそろやろう、とやっと重い腰を上げた次第である。3DS、もうすっかり過去ハードだな。
つっても「たった9年か8年前のゲーム」であり、そんなに古いもんじゃない。これは強がりではなく厳然とした事実だ。
普段から10~15年前のゲームをガンガンやってる俺は、その程度の年月で近代ゲームが古びないことをよく知っているのだ。
3DSだけにグラフィックだけはショボいだろうけど、その分立体視はある。今じゃ味わえない懐かしの最新技術を楽しもう。
取り敢えず開始。……2014年でもう説明書なかったんだな。簡易説明カードだけは入っていたが。業界の悲しい変化である。

さて今作、RPGである。それも恐らく狙って「古き良き」RPGを、更に言えばジャパニーズRPGを目指して作られた、と思う。
広いワールドマップを歩き回り、点在する街やダンジョンへ。途中で船が手に入り、最終的には飛空艇でどこへでも飛べる。
戦闘は由緒正しきコマンドバトル、敵を倒した経験値でレベルアップし、得た金で武器や魔法を店から購入。
また今作はFFシリーズの色も濃く、メインシステムに「ジョブチェンジ」「ジョブスキルの装備」がある。「FF5」が近いな。
しかしジョブ自体は「白魔道士」「忍者」等がありつつ、「商人」「スーパースター」等の、寧ろドラクエを彷彿させるものも。
「SFC時代のFFの後継的作品、だがFFそのものにはしない」て方針だろうか。スクエニとしても追いたい方向性なのだと思う。
俺としても今作には旧来のRPGを期待していたので、望みはほぼ完璧に叶えられた。そして今でも旧来のRPGは面白かったのだ。
なんかもう最近、旧作と新作、2Dと3D、その辺の境界が自分の中で溶けてきている。もう全部「ゲーム」てだけでいいんじゃね?
数も種類も増えすぎた結果、シンプルに整理したくなってきた。まぁ取り敢えず、難しく考えずこのRPGを楽しめばいいのだ。

今作は非常にオーソドックス、旧式の日本RPGとして作られている。が! 戦闘システムに一つ、かなり新鮮で攻めたものがある。
「ブレイブ」と「デフォルト」だ。名前で一目瞭然だが、タイトルにも絡めてある。その意味でも今作最重要システムである。
まずブレイブ。これは「コマンド権の前借り」である。最大3回まで、つまり次の次の次のターンまでの行動を前借り出来る。
例えば自ターンにブレイブを3回(上限)発動し、現ターン分を含め「戦う」を4回選択すれば、怒涛の4回一気攻撃が可能なのだ!
……が、前借りは前借り。となれば当然、次ターンから3回分は一切の行動が不能になる。敵の攻撃は喰らい放題、非常に危険。
そしてデフォルト。これはブレイブとは逆に「コマンド権の貯金」をする。ブレイブに倣い、3回分までの行動貯金が可能だ。
更にデフォルトには従来RPGでのガード行動の効果もあり、単純に被ダメを減らす意味で選んでもいい。一石二鳥のコマンドだ。
この2つのシステムを組み合わせれば……例えばデフォルトで3ターン敵の猛攻に耐え、次からブレイブで一気に反撃をしたり。
弱めの雑魚戦では最初から全員のブレイブ全開で即時殲滅を狙ったり。戦闘が終われば前借りも何もチャラになるからね。
単純ながら奥が深く、一気に注ぎ込む爽快感や、逆に溜め込む充実感(?)があり、面白いシステムである。正直、感心した。
これ一つで旧式RPGたる今作が十分現代的最新作になっていたと思う。RPGのスクウェア、健在ナリ! ……は言い過ぎ? はぁ。

で、「1ターン4行動が可能は強すぎじゃね? その後行動不能になっても」と思うやん。けどもちろん、バランスはそれ前提。
ブレイブ全開だと確かに大火力を出せるが、それだけで倒せるような甘い強さの敵は雑魚ですら少ない。ボスは言わずもがな。
またブレデフォは敵側も使ってくる。こちらの全力を敵はデフォで耐える→無防備なこちらに敵全力ブレ→終了 なんてことも。
今作、ハッキリ言って戦闘バランスはキツい。少なくとも俺はそう感じた。ちなみに難度は3段階に設定可能で、その真ん中だ。
ブレを吐くべき時、デフォで耐えるべき時を見極めること、そして攻勢時に備え自軍強化・敵弱体化を整えておくことも大切だ。
今作はそれらバフ管理が極めて重要で、単純に殴っても大したダメージは出ない。そしてバフは数ターンで終わるものばかり。
テキトーにかけても攻勢時に切れていたり、また敵の魔法で解除されたりもする。このやり取りも今作の難しいとこだ。
あと戦闘面で個人的に非常に厄介だったのが、「戦闘不能(HP0)になってもブレ状態が保存されること」だった。
今作は敵の攻撃が非常に激しいので、戦闘不能は頻繁に発生し、当然ながらそこからの蘇生もガンガン行われる。
その際にバフ効果や状態異常はリセットされる……のは分かるが、ブレイブの状況、ターン借金は生存時から引き継がれるのだ。
なのでターン借金が3ある時に戦闘不能になると、復活しても3ターンは何も出来ない。そのまま再度あぼーんも日常茶飯事。
だが確かに、戦闘不能でターン借金がリセットされると、ちょっと便利過ぎる。キツい仕様ではあるが、筋が通っている。
旧来のシステムに新ネタを取り入れ、バランスはキツめ……なかなかのものである。完全版としての調整も入ったのだろうな。
しかしノーマル難度でこれなら、ハードはどんだけキツいの? プレー中たまにそれを想像して怯えていた。今作、甘くないよ。

そしてもう一つの大システムが、こちらは皆お馴染みの「ジョブチェンジ」だ。初期はすっぴんで、最終的には20以上もある。
ちなみに今作はクリスタルが物語の核にあるが、ジョブは「そのジョブに就いている敵幹部を倒して手に入れる」形である。
例えば盗賊ボスを倒して盗賊ジョブを入手、ってな。正直ピンと来なかったが、FFと一緒にするのが嫌だったんだろう、多分。
ジョブはいつでも好きに変更可能で、変えると当然パラメータが上下する。けど装備品にジョブ縛りはなく、何でも装備可能。
しかし今作には「装備適正」があり、例えば黒魔道士が剣を装備しても、適正がEだから効果が非常に低い、といった具合だ。
ジョブチェンジの度に装備を変える面倒臭さをカバーしつつ、手抜きは認めない仕様である。……なんか半端だな。
しかし中盤からは「剣適正S」等のスキルが揃ってくるので、その辺は色々便利になる。そこそこ面倒だが面白いと言うべきか。
あと今作はゲームの規模に反して装備品の数が少なく、特に防具は驚くくらい少なかった。その意味では管理にあまり困らない。
加えて中盤までは装備品が高くてなかなか買えないしね。そう、今作は金欠ゲーでもある。バランスが甘くないんよほんま。

そしてジョブに連なるのが、豊富に存在するアビリティだ。1レベルに一つ、ジョブレベルは最大14、つまり1ジョブに14アビ。
特殊なコマンドあり、装着により効果を発揮するものあり、先述の装備適正をSにするものあり……アビリティは実に多彩である。
当然ながら、1度覚えたアビは他ジョブになっても装着可能。あと、他ジョブの特性コマンドも別途装着することが出来る。
そうして「好きなジョブ・好きなアビ・好きなジョブコマンド」で好きなキャラを作るのは、今作の一番楽しいとこかもしれん。
白魔法、黒魔法、両手持ちといったお馴染みのアビもいいが、今作ならではのアビが増えてくると、非常に頭を悩まされる。
というのもこのジョブ関連のバランスが、絶妙なのだ。「よくここまで全てを半端に出来たものだ」と感心した。褒めている。
どのジョブ、どのアビリティも魅力がありつつ飛び抜けた性能ではない。だから「これやってりゃ鉄板」が一向に作れない。
後半に入手できるジョブが強いというわけでもなく、高いジョブレベルで得られるアビリティが超強力というわけでもない。
超強いアビもあるにはあるが、それには超痛いデメリットが伴っていたりする。武器防具と違って完全な上位互換は一切ない。
ほんま、よくこのバランスを実現したものである。その分強くなる快感は薄めだが、バランスを重視したんだから仕方あるまい。

戦闘バランスは終始キツく、特にボス戦は初見だとほぼボコ負けで「こんなん勝てるか!!」と思わされることだろう。
しかしそこはテレビゲームの基本、「勝てないのなら考えろ」だ。幸い、今作には試すべき手段が腐るほど用意されている。
それに加え、純粋なレベルアップや装備の強化といった基礎の基礎を絡め、更に諦めない精神を投下し、やがてボスを倒す。
今作はボス戦が非常に多く、その度にこういった経験をする。正直とても疲れるが、倒せた時の快感が一入なのも事実である。
ちなみに多いと言っても大半のボスはサブクエスト扱いなのだが、倒すと新ジョブが手に入るので、避ける理由は存在しない。
正直、「なんでこれがサブ扱い?」と首を捻ることが多かった。全部メインにすると冗長すぎるというのも分からんでもないが。
俺はもちろん全ボスを抜け目なくぶちのめして行った。正確には3回ぶちのめされた後に何とか借りを返すという形だったが。
その度に装備やジョブやアビをあれこれ悩むのはしんどくも楽しい「ゲーム」であった。9年前のゲーム? 何の問題もない。
死にまくるので、消費アイテムのうち、フェニックスの尾だけが怒涛の勢いで減っていくのは今作の特徴と言えるだろう。
しかし生き返ってもHPは瀕死状態だから、そのターンに殴られて再度死ぬのも日常。尚レイズは同じ効果、アレイズは完全回復。
「中間の蘇生アイテム(魔法)」があればなぁとプレー中ずっと思っていた。全滅多発は自明なので、この点は不満が残った。

今作はすれ違い通信やフレンド周りにも力を入れていて、それらで人を集めると本編でも得をするシステムがある。
……が。3DS自体が商品価値を終えている現在、すれ通なんてとても無理だ。まして同ゲームをやってるフレンドなど無茶過ぎる。
しかしそこはよく考えられていて、「ネットからゲストフレンドを召喚できる」のだ。……大半のユーザー、それのみにならね?
ネット越しであれば現在今作をプレー中の人もいるようで、割と問題なくお得要素を楽しめた。……なんか違う気もするが。
中でも「村の復興(召喚者が新しい村人になる)」は非常に重要で、復興を進めると武器屋等の店が開店していくのである。
ここで買える装備は本編以上に強力で、特に道具使用でケアルラ発動の「祝福の盾」は、便利すぎて拝みたくなるほどだった。
魔法でケアルラが買えるようになる前に手に入るし、道具使用に制限はなく、盾としての性能も上々。神装備としか言えん。
実際、これはスクエニの救済措置というか、今作のバランスに含まれている気がする。祝福の盾があってもキツイのは同じだし。
他にも有用装備はあったが、祝福の盾は別格だったのでここに特筆しておく。ブレイブリーデフォルト・ザ・祝福の盾であった。

しかし復興はともかく、戦闘中に行える「フレンド召喚」は滑っていたとしか思えない。とにかく、雰囲気をぶち壊している。
というのも、そのフレンド(ゲームの生成キャラ含む)のMiiが、バンと表示されてるのだ。今作のメニュー画面等で。
Mii(今や懐かしい響き)はMiiだから、ゲーム中のキャラと見た目も雰囲気も全く噛み合ってない。それらが画面に並立する。
まぁ、凄まじい違和感である。「なんでこんなのを前面に出すんだ?」と不思議で仕方なかった。復興だけでよかったろうに。
詳述は避けるが、このMii要素はラストバトルにも絡んでくる。バトル自体は非常に壮大なのに、マジで雰囲気ぶち壊しである。
更に更にラストバトルには驚天動地の仕掛けがあり、それがまた雰囲気を滅殺するのだが……これは是非君の目で確かみてくれ。
いや、あれはスゲーよ。「ふざけるな!」と怒りたいとこなのに、あまりにもあまりのことに笑いが先に来たもん。俺の負け。
例えるなら、初代「聖剣伝説」のレベルアップメッセージかな。ああいったスクウェアの狂気が今も残っていることに驚かされた。
……90時間やった末のバトルでアレを見せられる俺の身にもなれっての。まぁ衝撃は凄かったが。3DSでしかやれないことだしな。


物語。古式ゆかしいRPGである今作は、物語もシンプルに「4つのクリスタルの輝きを取り戻す戦い」を描くものになっている。
世界に4つあるクリスタルを悪の帝国……じゃなくて公国軍が我が物にし、輝きを失わせた。それに伴い、各地で異常現象が多発。
クリスタルの巫女たるヒロイン「アニエス」はそれを阻止するために(何故か単身で)旅を始め、主人公ティズと出会う。
ティズはクリスタル関連で最大の異常現象「大穴発生」により、故郷の村が壊滅してしまった天涯孤独の少年だった。
ティズは何か「僕が君を守る」的にアニエスに同行。ただの村の少年なのに公国軍をブチのめしていく世界最強級戦士へ。
そこに記憶喪失の青年「リングアベル」、公国トップの娘ながら軍に疑問を抱いた「イデア」が加わり、4人パーティが完成。
パーティは最後までこの4人で、戦う相手はほぼ公国絡みのみ、目的はクリスタルの開放、そのために世界4つの地域を回る。
非常にシンプルな作りで、今作のコンセプトに合ってると思う。用語もFFを知っていれば親しみやすいものばかりだった。

……が。今作は古式ゆかしいRPGではあるが、制作者は物語を単純化するつもりはなかったようだ。中盤から、色々と激変する。
前半が茶番だったような展開に加え、FFのクリスタルへの反発心もあるのか、必ずしもクリスタルが正とは限らなくなってくる。
4つのクリスタルを解放し、最後の目的を達した――そう思った瞬間、所謂「ループ」のような現象にティズらは巻き込まれる。
しかし検証の結果、ループではなかった。例えるなら、平行世界の過去に戻ったような形だった。これは一体……?
ここからはシナリオをもう一度なぞるような流れになる。ただし飛空艇を持ってたりするので、進行は1回目よりずっと早い。
しかしボスキャラは全員復活し、しかも「2周目に見合った強さ」での再戦となる。序盤のボスなんか、桁外れに強化されてる。
単純な再戦ではなく、メッセージは新規のものなので新鮮味もある。少労力で効果大……この手法は非常に上手いと思った。
一方で戦闘は一周目より格段に厳しくなり、より緻密なジョブやアビの運用が求められる。ゲームはここからが本番である。

……が。劇的に強くなったボスを倒していき、やっと2周目(ぽい世界)も終盤に来るやん。そっからが今作は大問題なんだよ。
結論を言うと、2周では終わらなかった。じゃあ3? 答え、5。wwwww 6だったかも。マジでもう覚えてないくらい。
ちなみに、2周目に入った時点でEDに辿り着くことは可能。が、それは仮EDで、所謂「真のED」は5周付き合わないと見られない。
いやぁ、分かる? 多少ボスの構成や台詞が変わってると言っても、同じ世界、ほぼ同じ流れを5周も繰り返すんだよ?
ちなみに「違う世界」のはずが、何故か宝箱は1周目の状態そのままで、新たなアイテムゲットに喜ぶといったことも出来ない。
ハッキリ言おう、飽きる。いやごめん違う、割と楽しめた。じゃええやん。けど長いのだとにかく。「しつこい」のだよ!!
一体何度同じ流れを体験させるのか。それも最初から5周あると判明してたわけじゃない。3周目くらいで明らかになるけど。
2周目でこそ「上手いやり方だな~」と感心したが、所詮は素材流用の使い回しネタだ。何度も通用するようなもんじゃない。
それを何度もやってるんだから、そらこっちは辟易するよ。こんなゲーム見たこと無い。そういう意味では偉大かもしれん。

また、物語的にもこの構成はかなり問題がある。これだけ疑似ループを繰り返すんだから、キャラは当然疑問を抱く。
そして3周目辺りで、これが「陰謀」であることに気づくのだ。そのことはプレーヤーにもほぼつまびらかにされる。
なら何故5周も付き合うのか? それはそこまでしないと真ボスを引き出せず、つまり真EDに到達できないからだ。
なのでキャラもプレーヤーも「これは茶番」と重々理解しつつ3周目以降のプレーは行われる。……その空気が、どういうものか。
これもある意味非常に新鮮だった。あんな空気で進むゲーム、今作以外にないと思う。気まずいというかアホらしいというか。
色々と説明が難しいが、プレーすれば一発で分かるからぜひ触れてみてほしい。他では味わえない体験があるよ。それは本当。
ただ、とにかくしつこいし、空気が気不味い。5周は長いと制作者は思わんかったんか。幾ら何でもやり過ぎである。
それでいて、最終的に真ボスを引っ張り出したら、キャラは「そういうことだったのか!」て今気付いたような台詞を吐くし。
全然噛み合ってないよ。シナリオ自体は良質だったと思うが、それをゲームに組み込むことに盛大に失敗している。
それでも細々としたボス戦の変更点等でなんだかんだ楽しめてしまうのがまた質悪い。いや今作、面白いのよ、マジで。
実に問題作である。古式ゆかしい正統派RPGのガワの中が、まさかこんな尖った作りだとは。ゲームの世界、どこまでも奥が深い。

シナリオが非常に長いだけに、4人のメインキャラとも非常に長い付き合いになった。当然、強い愛着も湧いたよ。
……と言いたいとこだが、正直そこは微妙だったな。とにもかくにも、ヒロインのアニエスが個人的に全然魅力的じゃない。
「常に丁寧語口調の黒髪ロング巫女」というストレートな設定なのだが、立場的に当然ながらクリスタルを盲信する姿勢がなぁ。
そもそもあんなことを彼女一人が背負うのがおかしい。クリスタル教団とやらは何をやってんだよ。そういう違和感も強い。
アニエスの我儘じみた旅にヘイコラ従うティズにもやはり好感は持てない。2人は恋仲になるが、あっそ勝手にすればと思う。
リングアベルとイデアは上2人に比べれば好きになれたが、リングアベルは設定が強引過ぎてそれが最後まで引っ掛かった。
お前、それが素顔なんだから、正体に気付く人間幾らでもいるだろが! なんで延々と謎の男なんだよ。無理があり過ぎる。
イデアがティズに行って三角ラブコメになれば楽しめたかもしれんが、彼女はリングアベル寄りでカップルは綺麗に分かれてる。
テイルズのスキット丸パクリの会話システムがあったりと、キャラ描写に力は入っていたが……如何せん、魅力が薄かった。
キャラ作りは何か「古い」と感じたな。悪い意味で。俺は偉そうに語れるほど現代の創作キャラを知ってるわけではないが。


グラフィック。3DS全盛期タイトルだけに立体視は当然採用。綺麗ではないが「今では見られない映像」を見せてくれている。
ただ、背景はいいのだが、キャラの等身が低く、ゲームの雰囲気を一段階チャチに感じせていた。要するに不満に思った。
なんつーかな、「シアトリズム」のキャラに抱いたのと似た不満である。あっちは明確な嫌悪感で、今作はそれほどではないが。
もっと等身を上げるか、ガッツリアニメ絵にした方が映えた気がする。……いや俺は偉そうに語れるほど見識はないのだが。
今作は3DSの機能を使ってはいたけど、据え置き機で豪華に作ってくれた方が合ってたと思う。今更言っても詮無いことだが。
とは言えキッチリ作られているからもちろんダメダメではない。キャラもフィールドもダンジョンも演出も十分に見られる。
グラフィックには金をかけてない(多分)が、その分工夫が感じられた。……偉そうに。それもこんな後になって。

一つ非常に不満を抱いたのが、イベント時だ。今作は登場するジョブ全てに固有グラフィックがある。しかもキャラ毎に。
それ自体は素晴らしいのだが、ジョブの中に見た目がは割とブッ飛んだものもある。「スーパースター」なんてその典型だろう。
で。RPGなんだからシナリオ上のイベントがある。無論今作に多数ある。ポリキャラがフルボイスで動き、見応えがある。
……その際のキャラ衣裳が「その時のジョブ」のものなんだよ!! 黒魔道士なら黒ローブ、ナイトなら全身鎧。
そしてスーパースターなら、グラサンに派手な衣装。本当だよ。その格好でクリスタルに纏わる真面目なイベントを行うのだ。
凄まじいまでの場違い感である。キャラにはそれぞれ素の状態、すっぴんの衣装がある。イベント時はそれを固定にすればいい。
実際、ジョブ衣装はあくまでイメージの話で、本当にキャラがそれを纏ってるわけじゃかろう。装備品は別途あるんだから。
こんなことをすれば違和感が噴出するのは分かりきっているのに、何故採用したんだ。制作者の考えが分からない。
あと仲間のイデアは公国では剣士として育てられたようで、イベントでは何度もそれに言及される。「腕を上げたな」とか。
けど俺は、意識してたわけじゃないが、育成の流れでイデアを完全に魔道士系にしちまったんだよな。ジョブはそればかり。
だから俺のイデアはローブを纏って剣の師匠とのイベントをこなし「剣閃がどうの」とか言ってる。いやー。ないです、ない。
ラストバトルの演出もそうだが、今作は「雰囲気ブチ壊しを分かっててやってる」とこがある。理解不能である、マジで。
ジョブ衣装のままイベントに入ることを喜んでるプレーヤーはいるんだろうか。つくづく余計なことをしてくれたと思う。


音楽は、非常に良かった。タイトル曲、メニュー曲、フィールド曲、戦闘曲、そしてボス曲……どれも良質。どれも気に入った。
プレー時間が長かったこともあり、耳と体にも強く残った。しかも嬉しいことに今じゃ各種サブスクにある。愛聴しまくってる。
一番のお気に入りは、公国ボス戦曲「彼の者の名は」だな。俺の脳内コレクション「良質中ボス戦曲」がまた一つ増えた。
ループのせいで非常に回数が多い公国ボス戦を戦い抜けたのは、この曲が盛り上げてくれたからという理由も大きい。
そして思い出したんだよ。「確かシアトリズムFFCCのDLCに今作の曲もなかったっけ?」と。んで調べたら、あった、あった。
4曲用意されていて、この曲もあった。もちろん購入!! ……ええいケチ臭いことをせず、4曲とも購入じゃい!!
もうすぐ3DSのDLC自体が販売終了するし、迷ってる時間はなかった。まぁいい。後は時々テキトーに楽しむとしよう。
ラスボスや真ラスボス戦もカッコよくていい(両方シアトリズムにあり)が、これらはループの間延びでどうしても、ね。
今作のループ制は実に一長一短である。長く楽しめたともダレたとも、愛着が湧いたとも萎えたとも。うーむ……。


ふぅ。真ラスボスまで倒せば、もう世界を隅々まで穿り返すほど歩き回ったことになる。さすがにこれ以上はない。終える。
レベルは自然に99になったし、ジョブも殆ど上げきった。素でそこまでやらせるのは今作の凄いとこでありエグいとこである。
……実はその後、隠しボスがいることを知ったのだが……仕様を見て「あ、無理」と思ったんで止め。幾ら何でも無茶だ。
まぁ存在自体が隠されてるし、「本当にやりたい人だけ戦ってね」なボスであろう。俺は勘弁。あいつは謎の味方なのさ。
で。今作には続編がある。Switch「ブレイブリーデフォルト2」ではない。「ブレイブリーセカンド」である。……ややこいな。
セカンドは今作の直接的な続編で、物語も繋がっている。というのも、実はクリア後に「続編の冒頭」がプレー可能なのだ。
まぁプレー可能といってもほぼムービーだが、かなり気を引かれる内容だった。だって今作、ハッピーエンドじゃないからね。
あれだけ長い戦いを経てラスボスを倒したのに、EDの最後の最後で妙に悲劇的に終わる。まぁ悲劇確定というわけでもないが。
ともあれ、今作をこれだけやった以上、セカンドのプレーは必須である。既に持ってるし、当然プレーする。……そのうち、ね。

「特別な一本」を7年越しにガッツリとプレーできて満足である。……まさかこんなに長いゲームだとは想像出来なかったが。
その意味じゃ「発売済み定価(廉価版だけど!)」で買ったことも報われたと言える。7年前にプレーしたら今以上だったろうな。
今更すぎる事実だが、やはりゲームは中身である。「発売から時間が経ってるのに高い」は、中身の質が落ちていない証左だ。
いやまぁ、現実は必ずしもそうとは限らんが。個人の感性も絡んでくるしな。けど基本的にはその考えでいいと思う。
数年経ってるのに高いゲームは、今でもそれだけの価値があるのだ。躊躇するな、買え。小賢しい悩みよりも目の前の面白さだ。
比類なく中身が全てな我が生涯娯楽・テレビゲームへの認識をまた少し改めて終わり。たまには買えよ、そういうゲームを。

……いやその前に、最近は新作購入さえさっぱりなんだが。高値安定新品を買うなら先に最新作に触れろって話になっちまう。
7年前とは状況が全然違うんだよ。全く「追いついてない」んだよ。兎にも角にも、良くも悪くも、選択肢が鬼のように増えた。
なので高値安定新品を買うハードルは7年前よりずっと上がってる。例えば任天堂のSwitchタイトルとか、現状まず買わない。
そんなことで悩み、行動して満足できた7年前はまだ幸せだったんだな、と。いや今もゲームだらけで超幸せだけどさ!!!
ごめんこの話は止めよう。多分これから一生付き纏う悩みだからな。まぁとにかく、ゲーム大好き。これ。だけは。ずっと。
はぁ。






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4 コメント

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Unknown (アンバサダー)
2022-07-19 07:29:42
1コメゲットでちゅ。
返信する
Unknown (ota)
2022-07-19 23:28:07
そっか。ゲームやってね。
返信する
Unknown (Unknown)
2022-07-21 15:32:25
ホゲ化って言葉をはじめてみました
前も似たようなのをここで見た気がするので、
スマホゲー化かなとおもったら合ってました
好意的でないことを表しているのかもですが、
あまりにもあんまりな略し方で、
わかりにくくわかっても特にすっきりもしない、読む流れの邪魔にしかなってなかったので、
言葉の選び方はもう少しわかりやすくお願いします
返信する
Unknown (ota)
2022-07-21 23:39:02
ああ……ゲームの話なので伝わるかと思ってたんですが。
俺は所謂ガチャが反吐が出るほど嫌いで、大半がそれを採用しているスマホゲームも嫌悪してます。
その気持ちを絡めた個人的蔑称としてホゲはもう結構長く使ってます。馴染んでるので今後も使うと思います。
文章は俺なりに伝わるように書いてるつもりですが、用語に関しては受け入れてもらえるとありがたいです。
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