腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ピクトロジカ ファイナルファンタジー≒

2018年03月24日 01時26分45秒 | ニンテンドー3DSゲーム感想文
【ハード】3DS
【メーカー】スクウェア・エニックス
【発売日】2017/7/12
【定価】150円(1回の課金)3000円(課金上限)
【課金額】1500円
【プレー時間】106時間


ゲームの世界も変わったもんだ。……なんてのはあまりにも今更すぎる話だが、事実ではあるから言っておく。
ハード性能は青天井で上がり、2Dが3Dになり、ネット接続可能になり、最近ではVRなんてのも。次はAIか。ラスボスにザラキか。
つっても、そういったゲームの変遷については、まぁ予想出来た。どんな内容かは分からなくても、変化はして当然だからな。
……けど。「販売・価格形態」……これの変化に関しちゃ、全然予想できなかった。まさかこんな時代が来るなんて。嗚呼。
ゲームがいつどうなろうと、「金を払ってソフトを買う」のは変わらないと思っていた。そらそうやろ。人類不変の原則だぞ?
全然不変ではなかった。今では「基本無料」など何も珍しくない。何かの拍子で「無料進呈ゲーム」が発生することも多々ある。
改めて、変わったなぁと思う。あっさり変わり、その度たじろぐ。適合に苦労する。やっぱこの世界、俺には向いてない。はぁ。

もちろん送り手も慈善事業ではなく、無料だろうと何だろうと最終的に金に繋がるよう画策している。そこはまぁ不変だ。
だから無料に罪悪感を抱く必要は一切無い。……しかし違和感、そして「嫌悪感」は拭えない。少なくとも俺の場合は。
「日本基本無料ゲーム」における収益の柱・ガチャはその象徴だ。俺はあれが死ぬほど嫌いだ。吐き気を催す邪悪と思ってる。
俺が基本無料にどうしても親しめない理由の9割はあれだ。……まぁ細かく語るのは止めておく。字を書くのさえ気分悪いし。
んで。あれじゃない基本無料なら、「好きではない」けどさほど問題ではない。「体験版→製品版」の変形とも言えるしな。
それでも自分から積極的に手を出す気もない。買ったゲームでさえ大量に積まれているのだ。そちらを先にやるのが筋だろう。
多数の積みゲを持つ俺には、そもそも「無料ゲーム」は別に嬉しくもない。俺が金持ちって話じゃないが。知ってる? うるさい。
まそんなわけで、今は家庭用ゲーム機にも基本無料が多くあるが、触れたことはほぼなかった。無論それに課金したことも、な。

「ピクトロジカ ファイナルファンタジー≒」である。ちなみに≒は「ニアリーイコール」と読む。何気に呼称を知らんかった。
元はスマホゲで、3DSに移植&色々追加という仕様で去年発売……いや配信された。基本無料、アイテム課金制である。
上記の理由で、本来は俺の触手が反応するゲームではない。……が。今作は。ピクトロジカとは。要は、ピクロスなのだ。
俺はピクロスが好きである。無機質で味気のないマスの中、「論理」を武器に頭で戦う、実はとても熱いジャンル。
壁に当たった時の息苦しさはキツいが、考えに考えて突破口を発見し、そこから雪崩式に問題が解ける際の快感も格別。
あれはいいものである。正直不人気ジャンルである思考型パズルの中で、ほぼ唯一「定番」として存在しているのも大きい。
ピクトロジカとは変な名前だが、トラブル回避目的だろう。中身はガンピクロスだ。……ピクロス自体の著作権は誰にあるん?
まぁいい。ピクロスということでまず興味を引かれた。そして次に、題材だ。言うまでもなく、FFシリーズがネタ。おお!
俺はFFシリーズも好きである。1~15まで、ナンバリングを全てクリアーしている(ネトゲ除)。フフン。お前ら15やったか??
まぁピクロスのゲーム性と題材はほぼ無関係なのだが、メニュー周り等がFF関係になるだけでも大きな魅力だ。これは、いい。
ということで、DLしてみた。ただしこの時点では「体験版をやってみる」という体裁だった。本番ではない。
俺は「始めたゲームは終わらせる」を信条にゲームをやっている。……稀に例外は出るが、概ねこれを守っている。多分。
だが体験版なら話は別だ。あくまでお試しなんだから、やってみて止めるのもオッケー。俺の誠意は出し入れ自在。
プレー開始。無料ゲーム、か。ぶっちゃけそれを梯子するだけでも「時間潰し」には十分なんだろうな……。


で。ふむ。ハッキリ言って。無茶苦茶面白かったのよね。大当たりだった。うわ凄くええやんこのゲーム。
まずはピクロス。これはもう説明不要だろう。ピクロスつったらピクロスだ。インターフェースも含めて完成されている。
相変わらず、面白い。簡単な問題も難しい問題も、一つ一つ確実に解いていく。何度やってもピクロスは面白いゲームだ。
それだけでも十分なのに、今作にはもう1つ「戦闘」要素があるのだ。詳述は後にするが、これもまた面白かった。
戦闘は「メモリア」という歴代キャラの人形が戦うという設定で、このメモリアを集めていくのも今作の楽しみ方だ。
ピクロスを解いたり戦闘で勝つと新メモリアが手に入る。更にレベルアップも可能。戦闘で役立つスキルや魔法を覚える。
ほか、解いた題材を閲覧するモードがあり、それを眺めるのも楽しい。ちなみに今作はドット絵重視、「分かっている」系だ。
戦闘はSFC時代までを彷彿させる横バトルで、登場メモリアは全てドットの顔絵と戦闘用絵が用意されている。無論3D作品もだ。
FF15キャラでさえドット絵で横バトルをする。今作のために描き下ろされたものなのかは分からんが、実に嬉しい仕様だ。
凄いやんけ、まさかこんなに面白いとは。思わぬ大当たりに喜び、俺はガンガン今作をプレーした。買ってよかった。……え?

……そう。今作は基本無料。「基本」だ。基本が終われば、応用有料。いつまでも子供じゃいられない。大人になれ。金寄越せ。
大人な俺はもちろんそれを承知の上でDLした。いつか課金要素が来る。まぁ別に何でもいいよ。アレでさえなけりゃ同じだしね。
今作の課金要素、それはズバリ「エリア開放」である。1エリアにつき150円。ちなみにこれ以外にはない。分かりやすい形だ。
今作のピクロスやバトルは「1エリアにつき総数1~15くらい」用意されている。それが全部で30エリア、前から順にやっていく。
そのエリアを終盤までクリアーすれば「次のエリア開放条件」を満たす。……が、この時点ではまだ次には行けない。封鎖中だ。
じゃあ封鎖を解くには? 「待ち」である。「時間」である。指定された時間が経過すれば、次のエリアに進めるようになる。
お分かり頂けただろうか。この待ち時間が嫌なら、課金にて即、次のエリアが開放されるわけである。まさに金で解決するわけだ。
しかし中には「払わぬ媚びぬ省みぬ!」な糞プレーヤーもいることだろう。ご安心を、神スクエニはそんな糞共にも神対応。
待てばいいわけだ。金を払わずとも、時間が経てばちゃんと次エリアは開放される。例外はなく、30エリア全てで、だ。
所謂「無課金プレー」も完全に可能になっている。課金が嫌なら待てばいい、待つのが嫌なら金を払えばいい。
筋が通っていると思う。基本無料嫌いな俺でもこれなら納得。ゲームの面白さも相俟って、非常に好感を持てたのだった。

とは言っても、序盤はそんなこと殆ど気にならなかった。エリア1→2への開放待ち時間は、30分。たったこれだけ。
そんなの閲覧モードを眺めたりメモリアパーティーを組むだけでも過ぎ去る時間だ。「待ち時間」の体をなしていない。
エリアを進めると、待ち時間は 1時間→2時間→4時間→8時間…… どんどん増えていった。それでも、俺は余裕だった。
1エリア15ステージをやるだけでもそれなりに疲れるから、その日はそこで終えても別に不満はない。寧ろ好都合なくらいだった。
制限であるはずの待ち時間が、休憩時間として作用しているのである。なんじゃこのゲーム、こんなとこも神かよと思ったよ。
恐らく待ち時間は倍々で増えていき、最終的には3日くらい必要になるのではなかろうか。課金を促すならそれくらい当然だ。
さすがに数日待つと「早くやりたい」と思うが、無料ならしゃーないだろう。この程度の枷は受け入れるさ。そう思った。
……待ち時間の増加が延々止まらないことに気付くまでは。3日→4日→5日と増えていく。おい……これどこまで伸びるの?
正解は、14日。エリア20到達後に。これが上限。つまりエリア20後は、一つ進める毎に14日待つ必要があるというわけだ。
ごめんなさい、「基本無料」を舐めてました。「課金圧力」を侮ってました。序盤の快適さは、全て撒き餌だったんですね。
待ち時間が7日を越えた辺りで「いつまで伸びるんだこれ!?」と不安になり、ネットで調べて、愕然としたよ。
7日でさえ上限の半分なんて。これが「無料の重み」か。金を払わないとはここまでされる罪なのか。……アホか。はぁ。

むぅ。んで、1エリア開放に150円だが、「3000円払えばそこで全エリア開放」となる。3000円以上は課金不可能とも言えるな。
今持って良心的なシステムだと思う。ホゲ版は知らんが、3DS化するにあたり、やっぱその辺は気を配っているのだろう。
では、どうするか。金を払うのはいい。ゲームがかなり面白いし、そこは何の異議もない。……だが「幾ら払うか」は?
エリア開放は、待てば成る。そして俺は数日程度なら待てるのだ。でも7日以上となるとさすがに長過ぎてたまらん。うーむ。
これは「幾ら払うか」がポイントになると思った。いやいいんだよ別に即3000円出しても。でもそれじゃ、ちっと面白くない。
うーん。ゲームはガンガンやりたい。けど待つのは嫌。でも金で解決するだけってのも品がない。どんだけ厚かましいねん。
……本当に、俺はアカンなぁと思った。性根やね。はぁ。とにかく、待つにしろ金払うにしろ、早く決めんと気持ちが悪い。
一度ツイッターでアンケートを募ったりもしてみた。「僕は課金した方がいいでしょうか?」って。知らんがな。
そしたら(考えて入れてくれたかは別として)「課金しろ」の得票が一番多かった。オッケー。……で、幾らにする?
更に考えた結果、「エリア20まで、つまり待機13日までは待ち、それ以降は全額課金」と決定。パチパチパチ。……はぁ。
これだと課金額は1500円、全額の半分でまぁいい按配だ。それでいて待ち時間も相当にある。13日も待つって。正気かよ。
でも、この待ち時間もまた、今作に組み込まれたシステムの一つ。つまり「待つのもゲームのうち」と考えたのだ。
イライラしつつ「はよ開放されろ」とするのも今作のプレー形態、遊び方の一部だと思うのである。
……決して金をケチってるんじゃないよ? ホントだよ? チッ。てわけで折衷案に決定。14日までは、無料忍耐プレーだ。
無料やせ我慢と、課金の両立。今までにない新鮮な体験だったことは確かだ。……やっぱフツーに買うのが一番だよ。はぁ。

いやぁ……上の決定をしたのは、確かエリア15辺りだったのよね。つまりそこから5エリア分は、徹底的な待ちを求められた。
エリア15→16の待ち時間は、9日。そこから10日→11日→12日→13日 と増えていく。書けばあっさりしているが、実際は……。
長い。あまりにも長い。プログラム的には無論用意されている。「プレーは可能」なのだ。ただそれが封印されているだけで。
何故? 金を払っていないから。……いや、理屈は分かる。分かるけどさ。これ、正直、むっちゃ不愉快やわ。やってられん。
ちなみに1エリアは、2~3時間でクリアーできる。それで全要素をやれるわけじゃないが、次エリア開放権はゲットできる。
そこからは、待ち。只管待ち。カレンダーに印つけて待ち。こんな用途で○書かれたカレンダーが気の毒だった。ごめんな。
数日程度なら我慢できる。一週間なら「無料の重み」と考えれば我慢できる。でも10日とかそれ以上とか。アホらしいわ。
ゲームの作り……いや売り手との世界一虚しいチキンレース。俺は一体何をやっているんだろう。人生について考えさせられる。

そしてだ。こんだけ間を開けると、次第に「ゲームに冷めてしまう」という非常にまずい効果もあった。やる気が、失せる。
先述のように、今作は非常に好感触だった。だから基本無料でも続けたし、待ち時間も我慢出来た。……でも、限度がある。
10日も11日もじっと次のエリアを待てるほど俺は純情じゃない。俺にはやるべき他ゲーが幾らでもある。忙しいのだ。うるさい。
「たった150円のために何をやってるんだ俺は」なんて気分にもなったよ。ある意味製作者の調整が完全に機能していたと言える。
それでも一度決めたことだから、エリア20までは待つ。只管待つ。待てば海路がなんだっけ。時が未来に進むと誰が決めたんだ?
……やっぱあかんわこれ。ゲームでこんな体験は初めてだが、失敗したと思った。これがゲーム性の一部であるわけがない。
けど、例えば3日待つのに150円払っていたら、それはそれでモヤモヤが残ったと思う。どこにするか、線引きが難しい。
結局「この料金体系が悪い」と言いたい。ユーザーに選択の自由がある、と? そんな言葉でこの糞制度を誤魔化すな。
最初から何千円と提示してくれりゃ何の問題もなかったんだよ。それなら買うか買わないか、非常に簡単に対応出来るんだよ。
ああ、わぁってんよ、八つ当たりだ。誰に強制されたわけでもない。今作をやることも待ちも課金も、全部俺が決めたことだ。
それでもメーカーに当たりたくなるほど、嫌な体験だった。一度はやっておくべきだったかもしれんが、もう二度とごめんだ。
やはり「基本無料」は合わん。俺には徹底的に合わん。今後も避けよう。「絶対やらない」とまでは言い切れんが……。
「タダほど高いものはない」と昔の人は言ったが、今は「タダほど難しいものはない」かな。意味は知らんけど。はぁ。

そうした虚しき待ちの日々も、エリア20に到達することでやっと終わった。……大分気持ちは落ちていたが、しゃーない。
ちなみにこの待ち状態の間、ピクロス欲を満たす為に「マイニンテンドーピクロス ゼルダの伝説トワプリ」をプレーした。
これは純粋なピクロスだったので大変楽しめた。……それが更に今作への意欲を微妙にしたが、もう言うまい。終わったことだ。
もう何も怖くない。即1500円をブッ込み、全エリアを開放。つってもプレーはこれまで通り前から順にやる必要があるけどな。
とにかく、もう待つ必要はない。やりたいだけやれる。エリアと共に、ピクロス欲も全開放だ! ……枯渇とか言うな!!
うーむ。面白い。散々抑圧されてたせいもあり、「好きなだけピクロスをやれる」だけで十分面白かった。単純な奴だな。
1エリアに10問、それが10エリア分、つまり100問が一気に開放。ちょっとやそっとじゃ終わらん。地道にやるしかない。
只管に解く。ちなみに問題の規模は最大が15×20マス。あと「メガピクロス」もある。近代ピクロスのテンプレなのかな。
規模が決まっているから、先に進めば難しい問題が出てくるというわけではない。「詰まる時は詰まる」のがピクロスだ。
もちろん詰まる時は盛大に詰まったよ。間違いに後で気付き、修正も出来そうになく、数十分を無駄にしたことも何度もあった。
まさにピクロス、論理のゲーム。マイニン版でやりまくったから一旦満たされたかと思っていたが、そうでもなかったようだ。
ピクロスに囲まれた生活。少なくともつまらないとは全く感じなかった。偉大なゲームである。最初に考えた人、偉すぎる。
……もう一生これやっとけばいいんじゃね? なんて極端なことも考えられるほど。まぁけど、一生遊べるゲームである。最高。

ただ今作のピクロスには一つだけ難点がある。先述のようにメモリアは成長するのだが、それにはアイテムを必要する。
そしてそのレベルアップアイテムは、ピクロスを「ヒント〇回」「〇〇分で」といった条件付きでクリアーすると貰えるのだ。
このうちヒント条件はどうでもいい。俺はそもそもそんなもん見ないからだ。……が、制限時間は何度か引っ掛かり、困らされた。
けど、論理のゲーム・ピクロスで時間制限はダメだと思うのだ。脂汗流しながら考える時間は、無限に与えられるべきじゃないか?
論理が見えなければ一歩も前に進めない、それは構わない。でも論理を見付けるための苦労はゆっくりさせてくれ。
個人的にピクロスは早解きするパズルではないと思うのだ。こればかりは納得が行かず、不満が募った。まぁこれだけだけど。
各問題に設けられているアイテム所得条件を、全てを満たしてクリアーした。うむ、完全勝利。今回もピクロス楽しかった。完。

……で終われればよかったと思うが、残念ながらそうは問屋が卸さなかった。まさか今作に、こんな「裏の顔」があったとはね。
そう、バトルである。キャラ人形メモリアを使って歴代モンスターと戦う変則横バトル。今作のもう1つの要素だ。
まず、戦闘前にパーティーを組む。上限5人で、それ以外に制限はない。作品を跨いだどんなパーティーでも組むことが可能。
メモリアはアイテム使用でレベルが上がるが、パラメータやスキルは全て自動で取得していく。自分で弄る要素はない。
武器も自動で用意されるので、戦闘前にプレーヤーがするのはパーティーを組むことだけだ。かなり簡素な作りである。
準備が出来たら、戦闘開始。単純に敵集団を倒せばいい。幾つかの集団を倒せば、最後にボス戦。ボスを倒せばクリアー。

んで戦闘システムだが、ゲームがゲームなので、ピクロスである。つっても「表」のピクロスとはかなり勝手が違っている。
戦闘で出されるピクロスは、全て5×5マス。ハッキリ言って考える余地などない、「見て解ける」超簡単な問題である。
だがここでのピクロスは表とは全く違い、只管「速さ」を問われるのだ。速く解くと戦闘が有利になるよう作られている。
加えて、塗りミスに大きなペナルティが課せられる。具体的にはメモリアが行動不能になったり。雑な塗りは許されない。
ピクロスはマスを埋めるものだから、速解きとなると幾ら簡単な問題でもミスしがちで、これが意外とシビアである。
更にメモリアは「〇番目に行動する」が発動条件であるスキルを持つ者が多い。んでこの行動順が、「塗れた行の順」なのだ。
例えば5×5全部埋める問題が出たとする。実際それもある。この場合「正解」は超簡単だが、スキル発動となると話は別だ。
「最初に行動すればスキル発動」メモリアがパーティーの3番目にいたら、3行目を最初に塗り潰せばいい。……伝わるかな?
もう1つ、戦闘では「ブレイク」が非常に大事。これはFF13から持ってきた(多分)、攻撃力アップシステムである。
攻撃を続けていくとブレイクゲージ溜まり、MAXでブレイク発動。攻撃力が150%になり、一気にダメージが増える。
しかも更に攻撃を重ねると%がどんどん上がり、最高999まで行く。ただしこの間ゲージは減っていき、0で元に戻る。
このブレイクゲージの管理が今作の戦闘においては非常に重要。そしてこれにもピクロスの速解きが絡んでくるのだ。
問題自体は極めて簡単ながら、速度と塗り順の要素を入れることにより、今作ならではの戦闘システムを作り上げた。
やるなぁ、と思った。ピクロスの面白さに加えてこの戦闘の巧みさがあったから、俺は今作に最初非常に好感を持ったのだ。
実際、途中まではめっちゃ面白かった。ピクロス面白くて戦闘面白くて、全くなんて神ゲーだと思ったよ。……はぁ。

今作の戦闘、中盤までは楽しく遊べる。「ちゃんと勝てる」から。……が、そこからはおかしい。バランスが一変する。
要するに敵が強くなるわけだが、その強さが……何というか、おかしいのだ。「強すぎる」ではなく「間違ってる」と感じる。
例えば、戦闘はターン制で、1ターンに敵も味方も行動は基本1回ずつ。……なのに終盤の敵は、謎に複数回行動を取る。
それも「戦闘開始直後に強化魔法」「相手の行動を受けての反射」といった、どうにも宇宙の法則を乱した行動が多い。
まぁそういうのは大抵ボスキャラだし、RPGのボスとはそういうものかもしれんが、今作の終盤は「そんな奴ばっか」になる。
必死で維持しているブレイクゲージをゼロにする攻撃をされたり、突如一撃全滅技を出してきたり……何なんだよこれ!?
理不尽理不尽また理不尽である。何かしら予兆でもあるならともかく、本当にいきなりそういうことをしてくるのだ。
HPも尋常でなく高くなり、ブレイクを利用しても戦闘にかなり時間がかかるようになる。負けると精神ダメージもデカい。
正直これは実際やってみないと分からないと思う。とにかく「おかしい」。バランスが狂ってる。どうなってんだよこのゲーム。

更に終盤の戦闘を厄介にするのが、表ピクロスにもあった「クリア条件」だ。表同様、満たせばレベルアップアイテムを得られる。
表ではクリアタイムとヒント閲覧くらいしかなかったが、裏の戦闘モードではこれがめちゃくちゃ増える。
「男(女)だけのパーティーでクリア」「スキル〇〇を使用して」「3人パーティーで」等だ。可能なら同時に満たしてもいい。
登場するメモリアは皆一長一短で、スキルや必殺技は各々一つずつしか持っていない。「最強キャラ」がいない平等な作りだ。
そういう作りだから、条件を満たすためにはパーティーを頻繁に入れ替える必要がある。それだけでも相当な負担である。
ちなみに今作はパーティー編成のインターフェースが壊滅的に悪い。頻繁に変更するのにどうしてこうまで配慮ないんだと呆れた。
条件を満たすためのパーティーは「ベストの布陣」ではないから、戦闘の難度はより上がる。全力パーティーでも厳しいのに。
単に倒すだけでも大変なのに、条件クリアーを全て達成するためには3回も4回もボスを倒す必要が出てくる。もうマジ大変。
表ピクロスを全部やるだけでも長時間頑張ったし、戦闘モードはほぼウイニングランのつもりだったが、大間違いだった。
今作の「本当」は、戦闘モードにあった。実は表ピクロスはオマケ、メインはピクロス風味の高難度戦闘ゲーム。嗚呼。

最初にプレー時間を書いたが、うち表ピクロスは30時間くらいだろうか。ピクロスとしては非常に長くやった実感がある。
……で、戦闘モードはその倍以上。ハッキリ言って今作はこんな長時間やるようなゲームじゃない。品質の話じゃなく。
一体何だったんだろう。時間の無駄だったとは思わんが、「おかしなことをやった」とは強く思う。何だったんだこのゲーム。
明らかに調整のおかしい戦闘を延々プレーし、何とか突破し、次また同じことを繰り返す。今思い出してもよう分からん。
こう書くと「ハマっていた」ように見えるかもしれんが、その実感もない。まぁもちろん面白さも感じてはいたが。
恐らく、最近よくぶち当たる「再起難度」が低いからだろうな。今作、戦闘バランスは出鱈目だが、そこは非常に楽なのだ。
全滅してもメモリアが失われることはなく、ただ戦闘前に戻るだけ。また消費アイテムの概念はなく、常に全開状態。
戦闘が長引くことはあるが、再挑戦は即座に可能。総じて再起難度が低く、故に何度も挑める。……挑んでしまう。
製作者がテキトーに決めたとしか思えないクリア条件、出鱈目としか思えないバランスに、ついつい挑み続けてしまう。嗚呼。
ゲームがおかしいと、プレーヤーもおかしくなるんだろうか。今作をこれだけプレーした自分が我ながら気持ち悪い。
頑張って褒めれば「不思議な魅力がある」ゲームなのかのう。さっぱり分からん。まだまだゲームの世界は謎だらけである。

終盤の敵はどいつもこいつも異常に固く、ブレイクさせ、更に%をかなり上げなければまともなダメージが通らない。
だから早めにブレイクさせ、ガンガン%を上げ、更にそれを維持するプレーが必要。頭も手も相当忙しいことになる。
ついでに精神的にもキツイ。ブレイク後はゲージがどんどん減っていくから、その維持に神経を使う。0になったらほぼ投了だ。
こういう攻撃事情に加え、当然敵の行動への対処も必要になる。攻撃は大事だが、パーティーが全滅すれば本末転倒だ。
詳しくは書かないが、戦闘では「ブレイク重視」「回復重視」「防御重視」の形態選択があり、どれか一つしか選べない。
ブレイク重視だとすぐ死ぬし、回復や防御重視だと敵に全くダメージが通らない。あち立てこち立た、頭が痛い事この上ない。
メモリアはレベルアップさせられるが、その上限は僅か9。全キャラ共通。こんなの中盤には達成可能。その後は強化一切なし。
つまりキャラの強さに頼ることも出来ない。先述したが、メモリアの強さは平均的で、後半に強力なのが手に入るわけでもない。
もうほんま、あーーーーーー!!! と叫び出したくなる。つまらんわけではないが、とにかくおかしいよこのゲーム!!!!
……伝わらんよなぁ。未プレーの人にゲーム内容を伝えるのは非常に難しいもんだが、今作はホントそうだ。やらんと分からん。
でもこのゲームをやってる人はあまりいないだろう。仮にやるとしてもピクロスが目当てであろう。それで正しいと思うが。
戦闘モード、全ての条件を満たしてクリアー。俺の完全勝利。やり切った。誰にも伝わらんけど、たった一人で誇っておく。
ただ、一応勝ったが「何か間違ったんだろうか」とも思う。ゲームバランスではなく、俺のやり方が間違っていたのでは、と。
「何かとんでもない思い違いをしていたのではないか!?」と。……まぁ俺の人生ではようくある不安感だ。気にしたら負け。
他の人は20時間くらいでサックリ終えてるんかもしれん。超重要システムを見落としてるのかもしれん。……忘れよう。
なーんだーかなー。面白くなかったわけじゃないし、達成感も十分にあるんだが。狐につままれたようなゲーム。うーむ。


他は。グラフィックは、ドット絵素晴らしいってこと。これだけで十二分に価値があると言っていいだろう。実際魅力があった。
残念ながら立体視には非対応……つーか今の3DSゲームってそれがデフォなのかな。分からん。もう誰も驚いてはくれないしね。
音楽は、歴代FF曲の多用を期待していたが、それは殆どなく、今作オリジナルばかり。それでいて曲数が少ない。
戦闘曲の種類が少なく、つまらなかった。やっぱFF曲でやりたかった。……そこまでは過剰サービスになるという判断なのかな。
音楽の引用が少ないので、メモリアも敵もFF塗れなのに、意外とFF感には浸れなかった。ピクロスと戦闘ばかりだった印象。
物語も一応あったと思うが、シアトリズム等のFFオールスターものと同様、プレー中に忘れてしまうレベル。何の意味もない。
中身は非常に濃かったと思うが、ガワについてはもう少し(FF色等)頑張ってほしかったな。まぁそんな大きな不満じゃないが。
インターフェースは、ピクロスについては完璧。タッチパネルとボタン両対応、いつものパーフェクト操作性。文句なし。
一方でメモリア選択周辺は、頻繁に使うのに扱いにくく、非常に不満が募った。……やってるうちに慣れてしまったのが悔しい。
「お気に入りのパーティー登録」はあるべきだし、スキルや魔法でのふるい分けももっと簡単に出来るべきだろう。
あとメモリアの個性をもっと多彩にしてほしかった。メモリアの個性の薄さは今作の欠点と言えるだろう。
つってもこれは望みすぎか。総数160体もいるんだしな。戦闘バランスを取るためには仕方ないのだろう。そう、バランスを……。

今作は総エリア数30だが、実は隠しで2エリアが用意されている。プレーするには? 連動だ。何と? ……無論、スマホ版よ。
うぁあああ。マジか。マジである。正直気は進まない。非常に進まない。でもここまでやり込んだ以上、無視は出来ないよな。
てわけで、涙を呑んでスマホ版をDLしてインスコールしてみた。そこまで嫌なのかよ!? いや別に。でも嫌ではあった。はぁ。
ちなみに俺のスマホは容量が冗談のように少なく、常にカツカツ。ゲーム等のアプリはそもそも入れたくても入れられない。
なのでスマホ版を入れるために色々やってやっと領域を確保。……動かしたら残り100M程度まで来たよ。マジで。情けない……。
連動自体はスマホ版のチュートリアルを終えればすぐ可能で、そこはありがたかった。速攻で手続きをし、速攻でアプリ消去。
あっちはあっちで面白そうだとは思うが、「俺の世界」ではない。俺は家庭用ゲームに生きる。そして死ぬ。さよなら。はぁ。
……で、追加の2エリアだが、特に変わったことはないので、フツーにプレーしてクリアーした。難度も高くなく、やや拍子抜け。
ただクラウドやライトニングといった超人気キャラ(多分)のメモリアがここで手に入るのはどうかと思った。本編で寄越せよ。
俺は本編クリア後に隠しをやったので、ここはかなり不満だった。「なんでクラウドおらんの?」とずっと不思議だったからな。
そんなこんなで、隠し2エリアもサクッと突破。今作でやれることはこれで全てやった。長い、長い戦いだった。
今作にはXBOX的な実績システム「アチーブメント」がある。「ピクロス〇問クリアー」「戦闘で〇回勝利」等だ。
最後の最後に「全てを極めし者」のアチーブメントを取得した。これにて完全クリアー。……長い、長い戦いだった……。

ふぅ。ピクロスと思ってプレーし、実際大いにピクロスだったのだが、それを遥かに上回る戦闘モードがあるゲームだった。
おかげでピクロスをやった思い出がかなり上書きされ、「ピクロス疲れ」も感じてない。……これで良かったのか? むぅ。
別に奇をてらった内容じゃないが、謎によう分からん不思議なゲームだったね。課金体系も、「おかしい」戦闘モードも。
基本無料に関しては、勉強させてもらったわ。「意地を張って無料で頑張る」のは良くないと骨身に染みた。
かと言ってサクッと課金するのが癪なのも事実。結局このシステム、俺には「合わない」。今後も避けよう、なるべくな。
そして異常と思える戦闘要素に、これまた異常と思えるほど時間をかけて付き合ったこと。よくやったものだ。我ながら理解不能。
ゲームにハマった経験は腐るほどあるが、これはちょっと違う。むぅ……やはり「狐につままれた継続」と言うか。分からん。
無論、基本的に面白かったことは言うまでもない。じっくりたっぷりピクロス&戦闘に取り組めた。満足である。
スクエニがどれくらいの売上を狙って今作を3DSに持ってきたのかは知らんが、まさかここまでガチとはね。ありがとよ。
続編は恐らくないだろうが、「ピクロスを絡めた戦闘」というアイデアは発展の余地が大いにあると思う。何かに繋げてほしい。
無難にドラクエだろうか。シアトリズムと同じ流れで。いいと思うよ。是非出してくれ。ネタは今作に劣らずあうだろうからな。
そのままでも手を加えても面白い比類なきパズルゲーム・ピクロスのこれからを応援して終わり。マスを埋めれば、いつも楽しい。

……けど、基本無料は、なるべく止めてね。スッキリしようよ? 金額の大小じゃないんだよ。気分の問題なんだよ。
とか言いつつ、今作が最初から3000円だったら、躊躇するよね。「俺にとって適切な価格で提供しろ」と。つくづく勝手だ。
勝手なメーカーと勝手なユーザーが、金を巡って繰り広げる心理戦。どうやって搾り取るか? どうやって出し渋るか?
その駆け引きは、或いはゲーム本体よりずっと面白い。のか? けど俺にはそのゲーム無理そうなんです。現実的過ぎて。
リアルが必ずしも優れているわけじゃない。ゲームやるなら、架空の世界で。金のことで悩むのは実生活で十分なんですよ。
はぁ。






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