今、アンテナと言うものが影を薄くしています。
我々の時代では八木アンテナだけではなく、ワイヤーアンテナ、ダイポールアンテナ(ブラウンテナー)、ログペリアンテナ、ディスコーンアンテナ、スイスクワッド、HB9CV、ヘンテナ(これは本当にこれで登録されています)、アンテナは100種類以上あります。
このアンテナは致命的問題がありました。それは高周波数のアンテナは受信した電波が高周波数ほど減衰しやすい。その結果、受信はしても受像機、受信機に届かないのである。
それを抑える為に昔は「アンテナ直下ブースター(増幅器)」が大問題として存在した。だが、それで間に合ったのはUHFまでだった。
SHF(衛星テレビ)ではアンテナ直下ブースターでは、既に減衰しきって電波として意味がなくなっているのである。
そこでである。アンテナの給電部分(ここが受信した電波の集まる所)に増幅器を置いて直下ではなく、もっと近くに増幅器を置いたのである。
そこで、である。BSを受信する機械の「アンテナに電源を供給する」と言うのがあるでしょう?それはBSアンテナの受信部分に付いている増幅器に電源を供給するのである。
他にも私が知っているSHFの技術では見えなくなったものがある。それはUHFぐらいから必要だったものとして「キャビティー」と言うものがあった。コイルとコンデンサーと抵抗がある形状の共振構造を作る事だ。それが、それよりも小さい半導体で増幅処理されるから見えなくなったが、昔はあった。
このキャビティーは人体の影響も受けるので、あまり無い方が良いのだが、今もちょっとした正式な送信機には、両面二層プリント基板のランドとコイルとコンデンサーとで形成される共振系の構成で作られている。
だが、これらは極めてナチュラルな高周波数の増幅技術では必要なもので、昔は半田ごてでの半田付けでは、通用せず、銀蝋付けでF栓でコネクタリングをしていたりする。このF栓は今のFコネクタではなく、F栓である。それ以外にも空芯の表面波を使った通信線もある。その為の面倒臭いコネクタもあった。
今は2.4GHzをいとも簡単に使うが、それは西暦2000年頃からの新技術で、2000年頃は1.2GHzが青息吐息だったと思う。
この頃の残滓として、一番思うのは「貫通コンデンサ」が無くなった。「貫通コンデンサ」は1970年代から出てきて1990年代まで「半導体に寄生している虫」の「大好物」だった。
この頃、お花畑トタンジスタ(形が花の様なトランジスタ)や、お花畑FET(やはり形が花の様なもの)が花盛りだった。チップトランジスタが出回りだした頃で、本当に、色々なものが大きく、その為のスケールエフェクトがあって、それを何とかする為にしたものである。
このような技術があって、今の無線LANやブルーツースの技術があり、その先の問題は、プログラム問題だけではなく、その前提となっている技術に波及する恐れがある。その一助になれば、良いのだが、やっぱり、ダメはダメなのだろう
最新技術を追い続ける姿があるが、その前の前提となっている技術との比較を見て、これはどうなっているのか?今後、これはどうなるのか?という問題を追う目が必要なのだろうと思う昨今である。