オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

越前海岸を目指して

2023年07月01日 | ツーリング


 新しいオートバイで心機一転,北陸の海,越前海岸を目指すことにした.ルートはもちろん山越えで,徳山ダムから深い山間道路を縫うように走っていく.まずは岐r270で馬坂峠を越える.峠のトンネルは鉄板と鉄骨で支持された独特なものだった.



 岐r270からR157を北上し,温見峠を越える.温見峠は酷道として有名だが,登山口にもなっていて,そこそこの交通量があったので素通りしてしまった.R157から福r230を経由して東走すると,笹生川貯水池が現れる.この辺りになると秘境という感じで,交通量はほとんどなくなる.



 この福r230も温見峠に劣らずのなかなかの険道だった.笹生川貯水池と九頭竜湖の間が峠区間となっていて,伊勢峠と名が付いている.大雨の影響で随所に洗い越しがあって,新車の車体はオフロードバイクのようになってしまった.



 伊勢峠を下っていって,しばらくするとようやく九頭竜湖の湖岸が見えてくる.酷道や険道を走り通しだったので,ここでやっと一段落だ.新しいオートバイもくねくね道を前のオートバイ以上にそつなくこなしてくれた.



 箱ケ瀬橋を渡って,九頭竜湖の湖岸をR158で流していく.さすがにこの辺りは観光名所のようで交通量が多い.九頭竜ダムは初めてなので,立ち寄ってみることにした.九頭竜ダムはロックフィル式で,大きな堤体とごつごつとした岩塊が特徴的だ.



 ダムの下から先には開放的な景観が広がっている.ダムの真下にあるのは長野発電所で,水力発電としては福井県最大の電力量を供給しているそうだ.それもそのはずで,九頭竜ダムの貯水量は国内5位で,奈良県の池原ダムよりも順位がひとつ上になっている.



 九頭竜ダムから先は市街地の大野市や鯖江市を避ける形で国道を乗り継いでいって,越前町は河野の海岸にたどり着く.山越えして,やっと海にたどり着いた時の達成感は言葉にしがたいものがある.



 梅雨の中休みとは言え,よく晴れた真夏のような蒸し暑い日で,越前海岸には南中したばかりの太陽が真っ白な光を降りそそぐ.風も波もない穏やかな日本海と空の青い世界が見渡す限りに続いていた.

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