オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

真夏の不思議な雲

2022年08月21日 | 紀伊半島


 三重県熊野の二木島湾は複雑に入り組んだリアス式海岸で,東端には楯ヶ崎があることで知っている人も多いと思う.二木島湾から楯ヶ崎は見えないが,鋭くとがった英虞崎の先端と二木島灯台を遠望することができる.とてもすばらいしいロケーションだ.



 二木島湾には甫母(ほぼ)町という小さな漁師町が,二木島漁港と楯ヶ崎の中間にある.ここも熊野灘を眺めるにはすばらしいポイントだ.国道脇にちょっとしたスペースがあるので,休憩しているマスツーリング中のライダーたちをよく見かける.



 甫母町は海岸すれすれのところに国道が走り,海と国道を挟んで民家が建ち並んでいる.海が近く,国道とは思えないほどの狭い道も印象的なところだ.先客がいないときは,わたしもここでオートバイを停めて,甫母町や二木島湾の風景を眺めて休憩することが多い.



 そんな甫母町,二木島湾の上空に不思議な雲を見た.晴れ渡った青空に少し雲が出ていた.ところが,一筋の巻雲だけが虹色に色付いていることに気付く.下の方から,白,青,緑,黄,赤の順で美しいグラデーションを成していた.



 調べてみたところ,これは環水平アークという大気光学現象の一種だと思われる.太陽と雲の高度がある条件を満たすと,雲を形成する氷晶に太陽光が屈折して,雲が虹色を帯びるという.雲の形があまりよくないので,不完全な環水平アークだと思うが,とてもきれいで神秘的な光景だった.

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