真夏の予感 尾鷲港

　行野浦で朝陽と海霧を観たあとは，八鬼山トンネルをくだって再び尾鷲市街，尾鷲港へと戻ってきた．まだ昇りきらない太陽が，低い位置で真っ白にさんさんと輝いていた．そして，早朝から雲ひとつない快晴だ．



　尾鷲港からは漁船が低いエンジン音を響かせながら，頻繁に沖合へと繰り出していく．漁船と佐波留島，そして波止場の釣り人のシルエットを一枚の写真に切り取ることができた．尾鷲港の魅力が表現されたワンシーンだと思う．



　行野浦のオーシャンビュースポットでは，先客のカメラマンがいて驚いたけど，ここ尾鷲港ではまだ漁師と釣り人以外に出くわしたことがない．尾鷲港の漁師たちから，たまにいる写真を撮っているライダーとして認知されていれば嬉しいかぎりだ．



　そういうわけで，ここ尾鷲港では自分の世界に入り切って，夢中になってシャッターを切ることができる．この情報量があまりにも多い世知辛い世の中にあって，「静」を感じられる貴重なところだと思い始めている．



　ところで，佐波留島の真上に太陽が昇るまで，あと２か月だ．今年こそは，尾鷲港できれいな日の出を観れればいいなと思う．