オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

涼をもとめて

2023年07月20日 | くねくね道


 ここ最近の休日は好天に恵まれて,オートバイに乗ることができてはいるものの,真夏日を凌駕する酷暑となっている.まだ暑さの耐性ができていないので,紀伊半島の海沿いを走るには体がもたない.たまには紀伊山地のど真ん中にでも行ってみよう.



 池原ダムからシニゴー線を西走し,まずは十津川村を目指すことにした.白谷トンネルのある峠に向かって,400cc二気筒エンジンを唸らせながら,標高をぐんぐんと上げていく.峠にたどり着くと,暑さとは無縁で涼しい風が吹き荒れていた.



 峠でしばらく涼を堪能した後は,白谷トンネルを通過して峠を下って行く.道中はここ最近の大雨の影響で,路肩にある砂防堰堤がまるでミニチュアの渓谷のような呈をなしていた.これが国道なのだから驚くばかりだ.



 そして,シニゴー線を走り終え,無事に十津川村へとたどり着く.シニゴー線からR168を南下することになるのだが,ここからは交通量も多くて,ペースが上がらず暑さとの闘いが始まる.たまらずに龍神村へと分岐するシニゴー線を西へ進むことにした.



 シニゴー線へ入るとすぐに交通量は皆無となり,急に辺りの気温もひんやりとしてくる.ところで,シニゴー線の下北山村~十津川村区間はよく利用するけど,この十津川村~龍神村区間はまだ1度しか走行したことがない.



 下北山村~十津川村区間のシニゴー線は幅員も広く,路面状況も良好でとにかく走りやすいのだが,この十津川村~龍神村区間のシニゴー線は幅員が狭く,ガードレールもほとんどない.そして,路面状況もすこぶる悪い.



 そういうわけで,過去に1度だけ下北山村~十津川村区間のシニゴー線を走行した時の記憶がありありと蘇ってくるのだった.以前,走行したときに原型を保っていた建屋も今では無残にも瓦礫の山と化していた.時の流れは残酷なほど無情に過ぎていく.



 このガードレールのない幅員が狭く路面状況も悪い道を1速と2速を多用しながら,慎重にそつなくこなしていく.正直,気温を気にしている余裕はない状態だが,暑さとは無縁で涼しいのが唯一の救いだ.



 随所にある転落,死亡事故多しという看板が目を引くが,これは気を抜いたらそうなってしまうと言う注意喚起だと思う.それにしても,この日は驚くくらい対向車のオートバイとたくさんすれ違うことになった.小排気量からリッターバイクまで皆,ソロで走行していた.



 この酷暑の中でライダーであれば,排気量に関係なく考えることはおなじで,皆,涼をもとめてシニゴー線に自然と吸い込まれたのかもしれない.龍神村にたどり着くと,再びうだるような暑さが襲ってくるのだった.

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