初詣

　年末年始は，コロナウイルスの感染状況も落ち着いていたので，東京の実家へ帰省したものの，近所の神社でさえ参拝する人たちで溢れかえっていた．そんなわけで，年始の初詣は諦めて，京都へ戻ってきてしまった．



　２０２２年が明けて，一週間後にオートバイで童仙房の先，南山城村の野殿にある六所神社へ初詣に向かった．冷え込みの厳しい静かな休日の朝，六所神社には誰一人おらず，辺りは静けさが張り詰めていた．



　六所神社の参道は，高い杉木立が林立していて，昼間でも薄暗く，独特の雰囲気がある．そして，長い参道の先にかやぶき屋根の拝殿が見える．かやぶき屋根にはうっすらと積雪の跡があった．



　六所神社には境内にいるだけで，何か心落ちくような不思議な雰囲気がある．そして，ひとつひとつの物が素晴らしい風景になって見える．やっぱり自分には，人であふれかえった神社よりも山奥にある神社の方が向いているらしい．



　手水舎で身を清め，手を合わせて参拝を行うことができたが，賽銭箱の横には，時節柄，消毒液のボトルが置いてあった．このような山奥にある神社にまで，コロナウイルスの猛威が迫っていることを思い知らされる．



　２０２２年も明けて早々にコロナウイルスの第六波が押し寄せている．今年こそはコロナウイルスが収束し，一刻も早く穏やかな日が訪れることを願うばかりである．

＊　＊　＊