尾鷲港から20キロメートルほど北にある紀北町の大白公園に初めて立ち寄ってみた.整備された芝生にヤシの木が等間隔に並んでいる.早朝の公園には,散歩されている地元の方が数名ほどいるだけで,静まり返っていた.
昇ったばかりの朝日がとても暖かくて,芝生に座っているだけで,オートバイで冷えた体がすぐに暖まってくる.公園は東向きで海に面している.芝生の先は防波堤になっていて,海まで下りて行けるようになっている.
体がすっかり暖まったところで,眩しい朝日を浴びながら海岸まで防波堤を下りて行く.海はおどろくほどに穏やかで,波がほとんどない.そして,正面には大小無数の島々が浮かんでいる.
海岸はいわいる砂礫海岸というやつで,歩くたびに足が沈み込んでとても歩きにくいが,防波堤から海までは目と鼻の先で,海の目の前に降り立つことができる.穏やかな海を見ていると,うとうと眠気が差し込んでくる.
海岸に腰掛けて,紀伊の松島と言われる紀伊長島方面をカメラのズームレンズで追ってみると,大小たくさんの島々が海面から浮かんで見えた.これは冷たい空気と温かい海面の温度差による蜃気楼の一種で,浮島現象と言うそうだ.
穏やかな海と紀伊の松島が織りなす風景はとてもきれいで,大白公園で迎えた幻想的な一日の始まりだった.
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