goo blog サービス終了のお知らせ 

もんく [とある南端港街の住人になった人]

スペインかポルトガルの港町に住みたい
日本→インドネシア→台湾→マレーシア→日本
since Oct. 2004

町工場が滅びたら日本も滅びる

2013-05-05 16:16:43 | どうにか4年目マレーシア
中国製品は何でも安すぎる。

例えばベアリングの値段。6202zzがマレーシアで買うと1個RM0.85、日本円にすると27円。日本製であるとその10倍の値段になる。もちろん中国生の品質は良くない。回してみると新品の時からガタが大きい。それにカクカクするものも混じっている。

それでもある程度使えてしまうから困る。使っているうちに壊れる。壊れるので交換作業は発生する。ただし、交換作業をするのはバングラデシュから来た労働者。これも賃金は安い。月給は残業代込みで約4万円だ。

そうなるといくら壊れなくても日本製のベアリングを使う決心はなかなかつかない。為替が調整されて日本メーカーが海外生産すれば話は違ってくるのだろうが、なかなか難しい問題であることは確かだろう。


ただ、日本はまだまだ凄い。どう逆立ちして見ても日本にしかないもの、技術は多い。台湾にいるとき、ネジ1本、まとも物が台湾では購入できず、日本から飛行機で送ってもらわねばならない事があった。であればその他の物については言わずもがなである。その時、台湾では世界で最も微細なプロセス半導体を作っていた。にもかかわらずネジがダメなのである。

こうした状況は多かれ少なかれ今でも続いている。


逆に困るのは、日本の技術者がその恵まれた日本での状況を当たり前だと勘違いしてしまっている事だ。ネジと言って求めればネジとして全く完璧なネジが安く手に入る。金属材料であれ樹脂であれ、それから作った多種多様な製品、生産用機械その他、全て間違いない物が手に入る。

日本の技術者は自分で設計して出来上がった製品がそうした高度で完璧な要素技術に支えられて作る事ができたのだと言う事を忘れている。それがいかにも当たり前だと思っている。何気なく使っている装置も材料も当たり前に考えてしまっている。

会社が海外工場を立ち上げた時、協力工場がコスト削減のために海外生産する場合、そこで初めてそれが当たり前でなかった事に気付く。今まで日本で築いてきたものが名も知らぬ中小企業努力と協力があったためだと気付く。

それまであまりにも恵まれすぎていたのだと。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。