日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎望郷(未来探偵ロクロ その13)

2024年04月01日 | ◎本日の想像話
 手紙と荷物を預かった探偵だとミツオは告げた。聞いていた話と違う移動方法だと感じたので仕方なく手紙を読んだことも明かした。手紙をカメラとして機能しているエリーにかざす。ミツオが手紙を読み上げる。文章が進むにつれて伊集院博士の顔色がみるみる変わり、博士は全文を聞き終わる前に言葉を挟んだ。
「これは須田の仕業か……」
「といいますと?」
「君たちの乗っている軌道エレベーターで天空に荷物を上げるには5日間かかる。予定にはない便だ。何が起こっているのか原因究明をしていたところだった。突然、地上にも連絡が取れなくなってしまった」
「手紙と一緒に渡されたこの箱がもしかして何か関係があるのでしょうか」
 エリーが手のひらにのせた箱を博士に見せる。
「中を見てみようじゃないか」
 博士の提言に腹をくくる二人。改めて箱を観察したミツオとエリーは、いつの間にか、箱の中が、かすかに点滅していることに気づいた。二人は箱を机に押しつけるように固定しながら、慎重に包み紙をはがした。そして、箱を開けた。
 まばゆい光を放つ、つるりとした大きな碁石のような金属が中に入っていた。
「それは」
 すべてを理解したかのように博士は言葉を失う。
「分かりますか」
「須田が私のもとを離れる原因になったものだ。あらゆるプログラムに侵入できる危険な発明だよそれは」
 モニターの中の博士は大きな声を上げた。
「それよりも、私の妻子を30時間後に殺すと須田が言っている。地上への連絡手段が途絶えている。復旧の目処は立っていない。なんとかしてくれ」
 博士は藁にもすがる思いで助けを求めた。
「須田との間に何かあったのは事実なのですね……」
 ミツオは博士に問いかけた。

コメント
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