日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎恐るべき犯人

2012年07月06日 | ◎これまでの「OM君」
何て凶悪な意志と熱意だ。


工作重機が発達した未来。
ホームセンターで安価、コンパクト、高出力の掘削機が売られている。
良くできた機械で地下を掘削する場合、地面がバターの様に静かにさくさくと掘れる。
掘れるだけではなく同時に落盤防止のシールド的な強度を壁面に保つことが出来た。

この犯人は人質をとって籠城した。
しかも計画的籠城というやつでたちが悪い。
地下迷宮を自分でこしらえて、そこに籠城した。
先遣隊が2チーム入っていったが、トラップが仕掛けられており、2チームとも通信は途絶えた。
地下構造の全貌がまったくつかめない。
事態は膠着した。

犯人からの連絡が入った。
「通し番号ではないバラバラの紙幣で1億円入り口のテーブル状の棚の上に載せろ。確認次第、人質は解放する。」
「待て、人質の安全は確保できるのか!」
「大丈夫だ。人質は絶対安全だ。」

1億円が用意され、棚の上に置かれた。
棚の底板が音もなく空き、落とし穴に落ちるように1億円は真っ暗な闇に落ちていった。

「確認した。人質を解放する。ただし、地下10階に解放する。
そこまで迎えに来てやれ。
人質は安全だ。
動かなければ。
食料、水はたんまりと置いておいた。
通信機器もそばに置いてある。
5時間後にしか電源は入らない。
迎えは注意して来ることだ。」


とにかく、ありとあらゆるトラップが仕掛けられていた。
クレイモア、地雷、ワイヤー爆弾。

10cmきざみで安全を確認し、下に下に進む。
構造自体はいたってシンプルだった。
200mまっすぐ進むと階段がある。
下る。
200m折り返す。
また下に進む階段がある。
繰り返しだった。

5時間後、解放された人質から連絡が入った。
「犯人はあの後逃げました。
この奥にも通路が続いています。
どこに行ったのかわかりません。
とにかく、ここを一歩も動くなと言われました。」

地下10階部分に到達するまでさらに20時間かかり、ようやく人質を地上に連れ出すことが出来た。

ここから先、犯人の逃走を追う訳だが、ここまでの準備をした犯人なら、逃走経路の確保も抜かりないはず。
いったいこの先何km続いているのか。

あの掘削機は民間に流してはだめだ。
コメント
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