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Xbox360販売不振の要因と改善策について

2006年02月07日 19時09分15秒 | 批評
Xbox 360 発売記念パック(初回限定生産) 特典 ファイナルファンタジーXI ベータバージョン付き

マイクロソフト

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1.はじめに
私は昨年にXbox360を購入しました。動機はXbox360用ソフトであるDead or Alive4をプレイしたかったからです。Dead or Alive4はとてもよいソフトで私を十分満足させてくれました。
しかし、私はXbox360の将来にとても不安を抱いています。
本記事ではXbox360の現状の分析と問題点を抽出し、改善策として何が必要が検討したいと思います。

2.Xbox360の現状
Xbox360は2005年12月10日に旧機種であるXboxの後継機種として発売されました。今日で発売から約2ヶ月経ちました。
売り上げは伸び悩んでいるようです。発売日当日の販売台数はある雑誌の記事によると6万2000台であったようです。雑誌の記事によるとXbox360は週4000台のペースで売れているようですので、発売日から計算すると現在の普及台数は10万台程度であると推定されます。旧機種であるXboxの発売日当日の販売台数は12万4000台ですから、Xbox360の立ち上げは旧機種より遅れをとっていることになります。
旧機種より遅れをとっているこの状態は、販売不振であると言わざるを得ません。

3.Xbox360販売不振の要因
私はこのXbox360の販売不振の要因は以下の三つあると考えます。
確かに、以下に挙げた要因以外にも販売不振の原因はあると考えます。例えば、旧機種Xbox事業の失敗も新機種Xbox360の信用を落とし、その結果Xbox360の販売不振に陥ったと言えなくもありません。

しかし、ゲーム業界のみならず何も知らない消費者に新商品を買わせるには消費者を注目させる「広告」と「目玉商品」が必要です。またゲーム業界では特に「旧ユーザーの助け」も必要です。これらを結果的にないがしろにしてしまったことが、今回の販売不振の要因であると考えられます。

(1)「広告」戦略の失敗
「ハイデフ」を売りにしたXbox360の広告は失敗であったと私は考えます。
なぜなら、広告に使う言葉は消費者に解りやすい言葉を使うべきだからです。

「ハイデフ」と言う言葉は消費者に普及しているとは言い難く不適切な表現であったと考えます。また、Xbox360はゲーム機です。消費者の注目はゲーム機本体の特徴よりは、そのゲーム機でどんなゲームができるのかの方が重要です。ゲーム機であるのにゲームを中心に広告しなかったXbox360の宣伝は失敗であったと言えます。

(2)「目玉商品」の発売延期
私は目玉商品である「Dead or Alive4」がハードと同時に発売されなかったことがハード販売不振の原因であったと言えます。
Xbox360の購入を検討していた方の多くはこのタイトルが目的であったと思われます。ハードの立ち上げには消費者をハード購入に踏み切れさせる「Dead or Alive4」の同時発売が、必要不可欠でした。

現状のXbox360は「Dead or Alive4」がハードと同時に発売されなかったことにより、
「Dead or Alive4」の発売延期>ハード発売日に様子見待ちの消費者が続出>ハードの売上不振>更に買い控える消費者が続出>ハードの売上不振>・・・のような悪循環に陥ったと考えられます。
従って「Dead or Alive4」の発売延期は、ハード販売不振の原因の一つであったと考えられます。

(3)「旧ユーザー」をないがしろ
私はXboxユーザーがXbox360の購入を控えていることもハード売り上げ不振の原因であると考えます。
ハードの販売台数を増やすにはXboxをよく知っている旧機種のユーザーを新機種に移行させることは、広告宣伝費用も少なくハードの販売台数を増やす手段としては非常に有効であると考えられるためです。

発売から2ヶ月経って、Xboxの発売当日の販売台数よりもXbox360販売台数が下回っていることから、XboxユーザーがXbox360という新しいハードに移行していないことを顕著に表しています。発売後2ヶ月も経った時点で下位互換対応タイトル数がたった20タイトルであることは、マイクロソフトが結果的にXboxユーザーを軽視してしまったと言わざるを得ません。

以上より、Xbox360販売不振の原因は一つは「広告」の戦略を誤ったこと。二つ目は「目玉商品」の出遅れ。三つ目は「旧ユーザー」の軽視が原因ではなかったかと推測します。

私は(1)項の「広告」の戦略を誤ったことが一番の原因であると考えます。なぜならば「ハイデフ」のという言葉が消費者に伝わらず、消費者にXbox360がゲーム機であるとの印象を与えられなかったからです。

4.Xbox360販売数増加のための改善策
ハードの立ち上がりで苦戦を強いられたXbox360ですが、改善策として以下の3つがあると考えます。
確かに、以下の改善策以外にも方法はあると考えます。例えば、Xbox360とPCやポータブル機器との連携機能を重点的に宣伝し単なるゲーム機でないことを消費者にアピールしゲーム機以外の目的で消費者に購入させることです。

しかし、ハードが発売された後は、「目玉商品」があることを消費者に知らしめ新規ユーザーを獲得することと、「ソフトタイトルの充実」が今後のより重要な課題となると考えます。そのためには「参入メーカを増やすこと」も重要です。

(1)参入メーカーを増やしソフトタイトル数を増やす
プレイステーション3の発売も春に控え時代は次世代機の覇権争いに移りつつあります。
今後はプレイステーション3よりもXbox360のソフトウエア開発費が安いこと売りにして参入メーカを増やすことが重要です。
なぜならば、メーカが多く参入することはソフトウェアタイトルが増えることを意味し、ソフトウェアのタイトル数が増えることは、幅広い層のユーザーの嗜好に対応できることを意味するからです。

最近で言えばNINTENDO DSの例があります。DSには開発コストが安いことを理由に多数のメーカが参入しています。またその結果、多くの意欲作や実験作が市場にでまわり市場が活発化し、ハード購入者が後を断たない状態です。
これらの好事例を参考にマイクロソフトはプレイステーション3よりも開発費が安いことをメーカに宣伝し、多くの参入メーカを増やすことが必要であると考えます。

(2)「目玉商品」をアピールし新規ユーザーを獲得
私はXbox360の販売台数を上げるためには、消費者にわかりやすい言葉で宣伝する必要があります。
Xbox360はゲーム機です。それゆえ、「ハイデフ」と言う消費者にわかりづらい言葉を使った宣伝を止め、Xbox360でどんな面白いゲームができるのかを消費者に宣伝することが必要です。

Xbox360にはファイナルファンタジーを手がけた坂口博信氏製作総指揮の「ブルードラゴン」、「ロストオデッセイ」や、キューエンタテイメント開発の「ナインティナイン・ナイツ」などの注目タイトルがあります。これらの「目玉商品」の名前を具体的に挙げて消費者に解りやすくアピールするのです。
消費者に「ハイデフ?なにそれ?ハイビジョンのこと?ふーん。」で終わらせるよりは、「ロストオデッセイ?なにそれ?ファイナルファンタジーの坂口博信が作ってるゲーム?ふーん、なんかしらんけど面白そう。」としたほうが宣伝として好ましいのではないでしょうか。

(3)完全下位互換とし参入メーカを増やす
Xbox360はXboxのソフトに完全下位互換する必要があると考えます。
なぜならば、ソフトメーカを多く参入させるためには開発費等のコストを下げ、参入メーカのリスクを下げる必要があるからです。

ソフトの開発費の高騰はゲームメーカの悩みの種です。特に新ハードのゲームの開発は開発機材や開発ツールも少なく開発費が高騰します。メーカがリスクの高い新機種のソフトの開発に躊躇するのももっともです。ましてや今一歩普及していないハードのソフト開発ならなおさらです。一方、旧ハードは開発機材やツールも充実しているので、開発費を抑えることができメーカのリスクを軽減することができます。更にメーカは開発したソフトをXbox360市場とXbox市場の両方に売れるというメリットもあります。プレイステーション2も発売当初はプレイステーション2のソフトよりプレイステーションのソフトの方が多く発売されていました。
従って、下位互換を充実させてメーカに新機種でゲームを製作するか旧機種でゲームを製作するか選択の幅を広げることによって、メーカの参入しやすい環境をつくることが必要なのです。

以上より、私は今後の改善策としては「参入メーカーを増やしソフトタイトル数を増やす」ことと「目玉商品をアピールし新規ユーザーを獲得」すること、また「完全下位互換とし参入メーカを増やす」ことが必要であると考えます。

私は上に挙げた対策のうち特にマイクロソフトに期待するのは、私が既にXbox360のユーザーであることから、(1)項の改善策の実施を期待します。

5.最後に
ゲーム業界は、多くのユーザーを獲得したメーカ以外は成功しないと言われています。そういう意味ではハードの立ち上げに遅れをとったマイクロソフトは後手を踏んだと言わざるを得ません。
しかし、幸いにもライバル機であるソニーのプレイステーション3や任天堂のレボリューションはまだ発売されていない状態です。このライバル機がいないある意味独占状態でいかに新規ユーザー数を獲得しライバル機に差をつけることが、今後のXbox360成功のキーを握っていると私は思います。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2006-04-06 21:27:22
Xbox360販売不振の原因は一つは「広告」の戦略を誤ったこと。二つ目は「目玉商品」の出遅れ。三つ目は「旧ユーザー」の軽視が原因という分析には賛成です。

私がXbox360を買わない理由として、PS3と比較してスペックが著しく低いことを挙げます。本来はXbox360はPS3より後に出すことにより、スペック優位をつくるべきだったのです。

少なくともこれだけXbox360の販売不振であれば新たにソフトを作りたがるメーカもないでしょう。

万が一私がXbox360を買ってたら、まだ価格が高い内にオークションに出してますね。

正直Xbox360には少し期待してたのに残念ですね。

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