ヒットマン アブソリューションを買った。日本語版は来年の発売だが、待ちきれずにアジア版を買ってしまった。
半分以上プレイした感想だがゲームとして良くできており面白い。ただ、従来のシリーズから変更した点も多くあり、ヒットマンらしさが失われている点も見られる。
まず、今作はステージの始めにと終わりにムービーが入り、従来シリーズよりストーリー性が重視されるようになった。従来シリーズはひたすらターゲットを暗殺するだけだったのでストーリ性は少なかった。そのため本作をプレイするまでヒットマンは冷酷な殺人マシーンのように思っていたが、意外と人間らしい側面があり、これまで以上に感情移入できるようになった。
また、操作性も従来より改善されている。従来シリーズは意図しないアクションが暴発したり、逆に実行したいアクションが発動しなったりでイライラさせられることが多かった。しかし、今作ではキャラクターの上に実行可能なアクションが予めボタン表示されるので、意図したアクションが出しやすくなった。
更にインスティンクトと呼ばれる能力により、敵の進行方向やアイテムや仕掛けの位置などが分かるので初心者もあそびやすくなった。
ただマップ構成はかなり従来シリーズより変わった。従来シリーズでは一つのステージは一つの大きな箱庭だったが、今作では一つのステージは、いくつかの箱庭が連続して続く構成となっている。結果、ステージ全体としては従来より広くなっているようだが、一つの箱庭は小さめだ。
ゲーム性は従来シリーズからかなり変更になった。本作では基本的に敵に見つからないようにカバーを使って移動し、ターゲットに近づくのがメインとなる。
更に大きな変更点は変装システムだ。ヒットマンといえば変装システムが特徴的だが、本作では変装は弱体化している。例えば、ボディーガードと作業員がいるマップで、ボディーガードに変装すると、作業員からは変装はバレないが、ボディーガードからは見破られるようになった。従来シリーズではボディーガードに変装したら作業員とボディーガードの居るエリアでは変装は見破られなかったので、本作では変装は従来シリーズほど万能ではない。これは意外と大きな変更点で、本作では小さめな箱庭の連続でその一つの箱庭に例えばボディーガードしか居ないようなケースもある。そうなると、その箱庭ではボディーガードに変装する意味がなくなってしまうので、結局カバーでの移動を強いられることになる。その結果、攻略の幅が狭まってしまったように感じる。
と、以上が大まかな感想だ。こんなのはヒットマンじゃないと拒絶する人もいるかもしれないが、個人的にはヒットマンシリーズの一つの実験だと思ってとても楽しんでいる。ただ、事故死や暗殺といった要素は弱まったのは確かに残念だ。しかし、スニーキングは楽しく、一見して敵に見つからずに移動することが難しいようなマップでもルートは隠されており、何十回も試行錯誤を繰り返しルートを探すのは骨が折れるが楽しい。
この点を踏まえて、ステルスアクションゲームが好きな人は楽しめると思う。