大倉草紙

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【東京】 皇室の名宝 ― 日本美の華 1期 永徳、若冲から大観、松園まで (東京国立博物館)

2009年10月26日 21時00分00秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
10月24日(土)
当日の行程: 【報土寺】【勝海舟邸跡】【赤坂氷川神社】【志賀直哉居住の跡】【久国神社】【勝安房邸跡】【日枝神社】 → (銀座線・溜池山王駅~上野駅) → 【皇室の名宝 ― 日本美の華 1期 永徳、若冲から大観、松園まで(東京国立博物館)】


この日、『皇室の名宝』展を観に行く予定はなかったのだが、誘いのメールを受け取り、赤坂散策を切り上げて、上野に向かった。
到着したのは午後2時半過ぎ。
館内に入るのに5分ほど並ぶ。
本当に「名宝」だらけだ。
思い出すままに書く。


『唐獅子図屏風』狩野永徳筆(右隻)
右隻の唐獅子は貫禄がある姿。
左隻には、永徳の曾孫・常信が描いた唐獅子が置かれている。
絶対に強くないだろうな、という感じの唐獅子だけれど、なんともいえない愛らしさがある。
並べてあるからこそのおもしろみ。

  
『動植綵絵』伊藤若冲筆
左から、「老松白鳳図」、「向日葵雄鶏図」、「紅葉小禽図」
「群魚図」のルリハタの描写に、プルシアンブルーを用いていたことが分かったとニュースで見た。
これまでは、平賀源内の『西洋人物図』(1770年代前半)で使われたのが最初だとされてきたが、若冲はそれよりも早く、プルシアンブルーの絵の具を取り入れていたらしい。
このことを意識して観たせいかも知れないが、「群魚図」以外の作品においても、ところどころに用いられている青色が画面を引き締めていて、とても美しく感じられた。
それにしても、30幅揃うと迫力あるなあ。
どれもこれも、素晴らしい。

●『旭日猛虎図』円山応挙筆/まるまる太った猫のようでかわいい。長くて、背中から角が生えたように折れ曲がっている尻尾が気になる。
●『唐子睡眠図』長澤蘆雪筆/これも印象深い。ぐっすり眠った子どもの絵。
●『虎図』谷文晁筆/水面に映った虎の顔がよかった。
●『花鳥十二ヶ月図』酒井抱一筆/どれも素敵だ。こういうものを目にすると、月替わりで自宅に飾ることができたらどんなに嬉しいことだろう、といつも思う。
●『西瓜図』葛飾北斎筆/北斎は好きなのだけれど、これはちょっと……。斬首を想像してしまった。
●『御苑春雨』横山大観筆/幽玄の美といった感じ。
●『宮女置物』旭玉山作/象牙でできているとは信じ難いほどのしなやかさを持った作品。十二単の重なり、紐のやわらかな感じに驚き、見入ってしまった。
●『七宝四季花鳥図花瓶』並河靖之作/気の遠くなるほどの細かさ。並河靖之の七宝作品は、いつ観てもため息が出る。花瓶を取り巻く人々も、思わず「へえー」「すごいねえ」と呟いていた。
●『七宝月夜深林図額』濤川惣助作/水墨画と見紛うほど、ぼかしが素晴らしい。
●『紫紅壺』河井寛次郎作/やさしく美しい色がよかった。

2期もまた楽しみだ。

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