最近の新聞では、原発が全停止した今夏の電力不足に関する報道が、目に付きます。
エネルギー政策の転換期を迎えて、先週は再生可能エネルギーの取り組みについて、秋田県・山形県に視察調査に行ってきました。
初めに訪れた秋田県庁では、知事公約でもある産業振興・雇用創出の観点から、昨年の震災前にすでに「新エネルギー産業戦略」を策定。
中期目標として、2020年までに風力や地熱、太陽光といった再生可能エネルギーの導入目標を、具体的に数値を示して取り組んでいます。
北海道では2001年に、全国に先駆けて「省エネルギー・新エネルギー行動促進条例」を制定していますが、昨年度からの第2期行動計画には、数値の目途すら立てていません。
国のエネルギー基本計画を待って設定するとしていますが、他府県に比べても再生可能エネルギーの資源を多く抱える本道ならではの、取り組みようもあるはずです。
知事のリーダーシップというよりは、もはや‘ヤル気’ の問題でしょう。。
次に、東北電力が行なう、「上の岱(かみのたい)地熱発電所」を視察。
平成6年から最大出力28,800kWで運転開始し、県内約7万5千世帯の電力を賄っています。平均出力は27,000kWと90%の稼働率で、安定した電力となっています。
機械の音がうるさくて聞こえなかったかもしれません。。
発電所内のタービン前にて。
地熱蒸気は、発電所から離れた3ヶ所の基地で、13本の井戸から採取されています。
次の日は、山形県庁へ。
担当者から、「山形県エネルギー政策基本構想」について説明を受けました。
知事の‘卒原発’ の理念の下で、20年後には原発1基分に相当する100万kWを新たなエネルギー開発で賄おうとするものです。
その後、最上川土地改良区が管理運営する、「南館小水力発電所」を視察。
取水地から調整池までの落差約110mから生じる水圧により発電しています。
土地改良区ということで、非かんがい期間の水利権確保が課題となっているとのことです。
最後に、県の企業局が管理運営する、「新野川第一発電所」へ。
国直轄の長井ダム建設にともない、旧発電所は水没するため移設。2012年6月から発電を開始しています。
夕張のシューパロダムと経過が似ているため、担当者もそれと比較したお話をされてました。
発電所内では、
普段では入れないようなところまで、案内していただきました。
画像下に水が流れてて、中央部分が超高速回転しています。
自然エネルギーは電力供給が不安定だ、というような話をよく聞いていましたが、今回視察した限りでは、そうは感じませんでした。
すべての原発が停止した今、原子力に頼らない、早急な新エネルギー開発・普及拡大への取り組みが急務といえます。