深度計予備回路

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XATHのお話~

2008-10-28 16:29:20 | ボトムズ(模型とか嘘設定とか)
えっと、昨日のちくちく作業「失敗でした!!!!!」
夜になるとパンドラTVの繋がりがわりくなるのが原因に違いありません!
とりあえず、「引き返す勇気」は大事なので、
潔く失敗作はゴミ箱して、こぼれた水をまた汲み始めるのでした・・・・・

てなこんなに、たいして日記っぽいことが無い日は、読み物のコーナー
「読書の秋だし 長文OK」ってことで、XATH(解りやすく言えばH級ドッグ計)の、嘘インストを一つ

<<そろそろ立体物だしてくれませんかね!メーカーさん様!!!!!>>
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XATH02   「見果てぬ力」

XATHは、秘密結社の開発によるヘビー級ATに振られる形式名称であるが、
中でも、XATH02に代表される、パーフェクトソルジャー専用に開発された スペシャルメイドのH級ATについて述べる。

XATHシリーズの開発は、非公式にアデルバビッツで行われているのであるが、その背景は、極めて複雑なものであった。

「PS専用AT」の開発は、当初より、ギルガメス内におけるPS計画の一環であり、計画と並行して、「各社」に極秘発注されている。

「パーフェクトソルジャー」とは、白兵戦はもとより、現在存在が確認されている全ての兵器をもって、
最大の戦果をあげることを可能とする、文字通りの完全な人造兵士である。

中でも、AT搭乗時のパフォーマンスは最重要事項であった。

しかし、予測されるPSの身体能力は、理解の範疇を超えるものであり、その入力の全てを受け止めるATは、当然存在しない。

開発要請は、AT製造メーカー数社に打診されたものの、
PS計画自体の不透明性に対し“いままでに前例の無いパフォーマンスを発揮する新型ATを白紙より開発する為の莫大なコスト”は、非常にリスクが高く、
09型を納入する最大手、アデルハビッツだけが、受注を承諾した。

それに並行して、新型MCと、PR液の開発要請も、専門メーカーに打診されており、それらの目標性能を消化できる機体の設計は、当然白紙から始められることになる。

高出力化に理想的なH級機の製造ノウハウが少ないアデルハビッツ社は、まず既存のM09をベースに開発する方法を検討したが、強度、補機スペースとも「まったく見込みが立たない」状況に陥ることになる。

H14に続き、H06までが、ヘビー級の制式機として他社から納入されていた当時、
アデルハビッツとしては、いずれにしても少数生産にとどまるであろう、特殊なH級機の図面を、ゼロから引くのは、あまりにリスクの高い状況であった。

そこで開発チームは、奇抜な解決策に至るのである。

09型の図面を「1.1倍」に拡大し、構造材断面と、補機スペースを確保しつつ、自社のもつ、膨大な機体データーを、転用する事で、開発コストを大幅にカットしたのである。

この目論見は見事に的中し、ポストM09の雛形としても充分な説得力を持つものとなる。

そして、プロトタイプの製作が順調に進む中、事件が起こるのである。

謎の組織によってPS計画の研究資料と先行試作体が、ギルガメスの研究施設より強奪されたのである。

事実上 計画自体が頓挫したギルガメスは、専用AT開発の無期限休止をアデルハビッツに告げることとなった。

この時点で、PS専用ATの試作は事実上停止したものの、09に変わる新型の可能性として、社内で独自の開発は続けられることになる。

その派生機として、試作の大型フレームを
エキセントリックな外装(計画自体の機密性を踏まえた「限りなくアデルバビッツ製ATに見えない偽装」とも取れるシルエットである)で包み、
新鋭のモニター機器を搭載して、コスト度外視で特殊部隊への配備を目的とした「グランドリードッグ」が、試作されたとされているが、
運用や詳細含め、この機体の一切について、正式な記録に残されていない。

その後事態は二転、ギルガメス高官 ヨラン=ペールゼン氏の仲立ちで、「某組織」から、PS専用ATの製造再開を、非公式に打診される。
開発費も前倒しに投資される運びとなり、願ったり叶ったりであったが、泣き所はその納期であった。

実戦段階に入ったPSの為に、一刻も早い専用機の納入を求められたのである。

取り急ぎ、新型MCのテストを行っていた09型に、専用のチューンと装備を加え、数機をPS用としてロールアウトさせた。
この“ブルーティシュドッグ”から齎された、PSのテストデーターは、予測を上回るものであり、試作型の「XATH-01」は、運動性能の上方修正を余儀なくされる。

結果、この試作機は、要求された破格の運動性能と引き換えに、標準液交換時間20時間という、致命的な低燃費を解消できぬまま、先行テストが行われる、ベライダ高地レッドショルダー訓練施設に納入されることになる。

赤く塗られた、XATH-01は、試作PSによりテストが行われていたが、“訓練施設襲撃事件”の折、回収できぬまま消失することとなった。

XATHは、その後も急ピッチで改良と熟成が繰り返された。

試作品のステレオセンサーと、PSの戦闘嗜好に合わせた、格闘戦用の火器内蔵アイアンクローを追加された後、クメン内乱に乗じて試験運用される予定であったが、
組織より“空間戦闘への簡易対応”を、要求されたため、XATHの納入は、更に先延ばしとなってしまうこととなった。

しかし、クメン内乱は終末に至ったおり、組織よりの緊急要請によって、充分なテストはおろか、簡易空間戦装備のまま、XATHは異例の実戦配備となった。

XATH-02のコードネームを与えられたこの機体は、PCPRパックの装備と、MCの効率化 PR液の再選定によって、「陸戦装備での」稼働時間120時間以上を確保できていたにも関わらず、
配備時は、リザーブタンクと冷却機構が、空間戦の補機類に食われ、陸戦において22時間という、非常に短い液交換時間に終止することとなった。

しかし、青く塗られたXATH-02と、PSの組み合わせは、想像を絶する戦闘力を発揮し、
クメン王国を包囲した傭兵部隊とメルキア戦術降下部隊のATを、ノーダメージで、数十機戦闘不能にするという、華々しいデビューを飾った。

“ストライクドッグ”のペットネームを与えられた同機は、その後も、PSと共に転戦を繰り返し、アデルハビッツ製ヘビー級筐体のポテンシャルを、非公式に広告することになる。

XATH-02は、最終的にスペアを含め5機程度が試作された。

そのうちの一機は、完全な陸戦(砂漠)専用に換装され、大型のPRリザーブタンク(”青いXATH”の二倍以上の容量)を装着、充実した冷却機構を合わせて、通常機並の稼働時間と、圧倒的な機体ポテンシャルを両立する事に成功している。

徹底したチューンが施された同機は、恐らくこの時点において、ATの頂点といって差し支えない傑作機である。
<通常の兵士には、完全なオーバースペックである事は言うまでもないが・・・・・

その後、PS計画もろとも、組織が消滅した折、アデルハビッツ社は、再びこの大型ATをギルガメスに売り込み、制式に結びつけることに成功した。

ギルガメス、アデルハビッツともに、水面下の思惑もあり、一筋縄では行かないとおもわれた交渉であるが、
件のクエント動乱の折、星団中が見守る中、記録的な突破劇を演じたATの存在は、その全てを水に流せる程の説得力を持つものであった

制式決定後は、一般兵士用にデチューンされた後、ATH12の形式名が与えられ、少数が実験的に配備された。