単気筒ライダー(だった男)のひとりごと

愛犬チビ と CB400SSライダーだった前期高齢者の日々

物部長穂記念館

2024-04-23 | ちょこっと旅・温泉

 

秋田県由利本荘市の郊外、県道9号(秋田雄和本荘)線を北進中。

思わずうっとりして幸せな気持ちになる農村の長閑な春の風景。

 


 

沿道に何気なく咲いているサクラの素朴な美しさが素敵ですね。

枝垂れサクラでしょうか、バイクを停めてサクラと一緒に記念撮影。

 


 

新波橋から望む雄物川の流れは、雪解け水を満々と湛え重量感に溢れています。

 


 

協和町まで行けばわかるだろうと、大体の位置を頭に入れてきたのですが・・・・

行きつ戻りつする国道13号線の道端に「物部長穂記念館」の案内を見つけました。

 


 

なかなか人に出会えない中、JR峰吉川駅近くの郵便局で道筋を訊き、何とかたどり着いた。

記念館は「まほろばの里 中世の館 唐松城」として整備された公園の奥の方にありました。

 


 

学生時代の水理学や水文学の教科書に「物部式」を何度も見ました。

偶然、地図上に「物部長穂記念館」を見つけた時、いつかは・・・と思っていました。

まさか、秋田県のこんな片田舎(すいません)のご出身とは思わなかったものですから。

水理学の追試を4回も受けたボクが敢えてここを訪ねるという大いなるミスマッチが、笑える。

 


 

水理学水文学の分野よりも、構造物の耐震性に関するものが多かったのは意外でした。

神童にとってはすべてが専門分野ということ、"赤点野郎"と一緒にすんなっていうこと。

 


 

博士がお国の技術官僚だったということを初めて知りました。

大隈重信、西園寺公望が辞令交付者とは恐れ入りましたなあ。

日本近代史の一ページを見ているようだぜ。

 


 

久しぶりの「マニングの公式」には、思わず苦笑した。

ずいぶん、お世話になりました。

 


 

物部長穂博士は近くの神社が実家だとあったので訪ねてみた。

立派な杉並木の先にあった「唐松神社」

 


 

何組かの赤ちゃんを抱いた家族連れやお腹の大きい妊婦さんがお参りするのに遭遇。

安産と子授けの神社としてこの地域に親しまれているんだそうな。

 


 

物部長穂博士の生家と記された案内の先に建つ威厳のある建物。

多分これが生家だと思いますが、近づいてみると「社務所」とありました。

 


 

行き帰りに走った秋田雄和本荘線沿いを流れる芋川で、面白い景観に出くわした。

100% 自然がつくった景観なんでしょうか・・・、疑いながらよーーく観た。

 


 

上流部には明らかに人工物とわかる構造物がある・・・取水のための頭首工でしょうか。

分からないのがこの岩らしきもの、風化した表面は岩そのものなのか、モルタルっぽくもある。

この辺の道路河川に詳しいヤス君に今度会ったら訊いてみようかな。

 


 

この頃よく考えるようになったなあと思うことは、いつバイクを降りるかってこと。

そろそろ・・・とは思いつつ、今じゃないだろう的な思考回路は、老いの症状なんでしょう。

自分では決めかねていたボクに、唐松神社の神様が引導を渡してくれたのかもね。

そう、ボクも今がいい潮時だと思います。


雄物川町はいい町そう

2024-04-13 | ちょこっと旅・温泉

 

昨夜も頭の中には色んなルートが思い浮かんだけれど、結局、欲張り過ぎなんだよね。

夕飯時までには帰宅したいという性分なので、あっちこっち周ることなんて無理。

シーズン最初は、国道7号~107号と繋いで、ご贔屓の岩手県湯田温泉へ。

 


 

国道107号を走り秋田県内陸部へ、旧東由利町地内の遠方に八塩山を仰ぐ。

ここまで来た実感では、ボクんところから見たあの山は本当に八塩山かなと思っちゃう。

 


 

よーく見ると、八塩山の背後に白い雲にまぎれた白い鳥海山の山頂部分が確認できた。

昔、八塩山の麓にある「八塩いこいの森」をチラッと覗きに行ったことがある。

親水空間を演出する大きなダムやキャンプ場パークゴルフ場等が整備されていました。

 


 

元々バイクが好きツーリング大好きという訳じゃないので、「只走り」はすぐに飽きる。

なので、少しでもインセンティブを与えたくて、ルート上に地元の資料館を探したりする。

今回も事前に「雄物川郷土資料館」を見つけておいた。

 


 

雄物川町は合併の結果かもしれませんが、行政区域が雄物川を挟んで両側に広がるんだね。

市町村の行政界は大きな川や山脈の稜線が境界になることが多いんだけどね。

以前、道路の案内板で名投手スタルヒンのお墓がこの町にあるのを知り、訪ねたことがある。

普通の小さな田舎町だけれど、意外な何かが期待できそうな町のような気もする。

 


 

よくあることですが、玄関に足を踏み入れるとまず怪訝な顔をされてしまうんだ。

観覧希望の旨を伝えると、これもよくあることですが、慌てて館内の灯りをつけてくれる。

わあっ! とにかく細かい物が沢山展示されてる~~~、ゆっくり観ていこうかな。

 


 

 

ああ、そうだった、この辺りは「後三年の役」の舞台だったんだ。

暗記が苦手で日本史は捨てちゃっていたので、説明を読んでも、ふ~~んてな感じ。

盛岡には「前九年〇丁目」があったし、「前九年・後三年の役」は必須科目だったんだね。

庄内藩がここでも暴れているねえ・・・そうかあ、秋田藩は東北唯一の官軍だったんだね。

 


 

一時間ほど観て回った後、資料館を出たところで館の裏手に何かありそうな雰囲気を察知。

「木戸五郎兵衛村」と刻まれた立派な石柱と名家の御屋敷風の建物があった。

近年急激に姿を消す「民家」をここに移築し往時の集落風景を再現した・・・とありました。

 


 

ここ一帯は、雄物川中央公園として整備されているんだね。

遊具広場や広い芝生の上で、たくさんの子供たちが若い親御さんと元気に駆け回っている。

この町の若いファミリーって、ものすごく元気で活き活きしている。

若いファミリーが暮らしやすい町なんだろなあ・・・ちょっとこの町が好きになりそう。

 


 

雄物川町での寄り道に一時間半、思いの外、時間を掛けてしまった。

でも、先を急ぐでもなし、何をやるでもないから・・・嗚呼、和賀山塊が見える~!

真昼岳、和賀岳、その左の白い山は、待てよ、あれが和賀岳?えっ、まさか駒ケ岳かあ?

 


 

お久し振りの錦秋湖(湯田ダム)、春先にしては水位が低いように感じます。

この先の天ヶ瀬橋まで行くと、満々と雪解け水を湛える様子が実感できるんですけどね。

一番気持ちが安らぐ「穴ゆっこ」が閉業し、足を運ぶことがなくなりました・・・残念です。

 


 

今の時季は早朝と日中の寒暖差が大きく、早朝から走り続けたボクの身体は冷え切っています。

湯田温泉郷で熱い湯といえば、巣郷温泉「福寿荘」と川尻温泉「ほっとゆだ」

福寿荘は何年か前に閉業したので、もう迷うこともなく「ほっとゆだ」でまったりした。

 


 

入浴後なかなか汗の引かない体質なので、ギリギリの格好で施設の外で涼むのが常です。

ゆだ駅前にはとても静かな時間が流れている・・・と言って、賑わいがないわけじゃない。

賑わいを避けてきた人たちが集まって生まれる、静かな賑わいみたい感じです。

湯田のそういうところが好きで、何度足を運んでもまた訪れてしまうんだと思います。

 


 

さあ、あとは帰りに秋田県旧山内村の道の駅で立ち食い蕎麦を食べるだけ。

好天に恵まれた土曜日ですが、昼食時を過ぎているので、すぐにあの味を堪能できました。

ただ、天かすの量はオバちゃんに委ねざるを得ず、帰宅後いの一番に胃薬を飲むはめに。

 


 

最上川峡の山々が萌黄色というより、紅葉を思わせる色合いだったのには驚いた。

おそらく撮るのは初めてだと思うけど、ここの目玉の一つ「白糸の滝」をパチリ。

いつもは名前通り細い糸のような水量ですが、この時季はそれなりの量で落ちています。

滝の真正面に陣取る廃業した喫茶店の敷地が立入禁止で、真正面から撮れないのが残念。

 


 

今回のお土産は、湯田温泉の12個入り「およね饅頭」と山内村の「いぶりがっこ」

およね饅頭は、奥サンが3個だけ残して、あとは職場のオバちゃん仲間に持って行った。

晩酌のあてのいぶりがっこは、薄く切った4分の1サイズの断面が一番おいしく頂ける。

あとは、「前九年・後三年の役」のことを再履修しておこうかな。(再履修は慣れてます)

秋田岩手をぶらついていると、それにかかわる場所に遭遇することが多いんだよね。

まあ、出来たらの話ですが。


地元の海へ

2023-10-03 | ちょこっと旅・温泉

 

先月、一関を往復した際に雨に濡れたバイクを今日までそのまま放置していました。

汚れたバイクのままじゃあ、次回のツーリンも始まらない。

 


 

泥が落とそうとまずは雑巾で水拭きするすもりでしたが、まあまあ、きれいじゃん。

スチール・ウールとネバダルで両輪のスポークとリムだけでも、せっせと磨きました。

 


 

今週は、週末から週明けの憂鬱な稼業が待っている・・・現実逃避でちょっと走ろうかあ。

長い距離を走る気力なし、久しぶりに地元の海で息抜きをしよう。

 


 

市街地から10キロほどの湯野浜海岸。

ここは、総延長35キロに及ぶ庄内砂丘の南端に位置します。

 


 

庄内に大型バスで訪れる観光客は、「まずは湯野浜温泉で一泊」が多いと思うよ。

大きな観光ホテル群を横目に見ながら走ったけど、景気悪そうには見えないね、知らんけど。

 


 

海岸道路を南へ3キロ行けば、加茂地区。

左の大きな建物は県立加茂水産高校、中央右の奥の白い建物がクラゲで有名な加茂水族館。

加茂港は地方港湾に指定されているらしいけど、実質、漁港だよね。

 


 

おやおや、でも遠足じゃあないねえ、釣りの授業っていう感じだね。

漁協らしき大人の人に竿の使い方や注意事項を静かに聴いている子供たちが、超!可愛いよ。

総合学習っていうやつかな、救命胴衣もしっかり身に着けてる。

ここで見ているのも楽しい・・・でも、不審者と思われてもいけないので、先へ行こう。

 


 

 

港湾内の一画にある、目の当たりにするのは今日が初めての「渚の交番カモンマーレ

渚の交番って良く知らんけど、日本財団がどうのこうの・・・よくわからん。

公益の役割を担う拠点施設みたいですが、ここからは喫茶とかレストランがあるのは分かる。

隣の水産高校の生徒には楽しそうな施設だと思ったら、彼らにこの営業時間は悲劇的だよね。

 


 

クラゲで有名な加茂水族館、たった今もナント沖縄ナンバーの車が入っていったよ。

今度は、宇都宮ナンバー、山口も・・・平日でも凄いね(ボクはまだ見たことないけど)

入館しないボクが駐車場係の小父さんに迷惑かけちゃいけないので、素通りした。

 


 

夏は海水浴客で賑わう由良海岸、♪ 今はもう秋 誰もいない海~~に、サーファーがひとり。

地元の海でもこんな風景が日常の風景になったんだねえ・・・、歳喰ったかなあ。

 


 

久しぶり来た地元の海は、思いの外、ボクの目に新鮮に映ったよ。

なんとなく世の中が重苦しく沈滞しているように感じていたけどね、少し気分が晴れたよ。

♪ 人はどうして 哀しくなると 海をみつめに来るのでしょうか・・・

渡辺真知子さんがそう唄っていたけど、さっき見かけた女の子も元気になったかなあ。


鄙に稀なる美女 岩倉温泉

2023-06-19 | ちょこっと旅・温泉

 

仙岩峠は越えようと来てはみたけど、先の遠さにくじけ始めたのは秋田県旧南外村あたり。

国道105号の交差点に立つ案内板を見やり、一度は通り過ぎたものの心変わりの急旋回。

岩倉温泉かあ・・・、ここは意を決して久しぶりに行ってみるかあ。

 


 

 

意を決する訳はこの佇まいにある・・・鄙に稀な美女とでもいうのかなあ。

ボクごとき貧相な男が5百円でお湯だけ利用するなんて、とても恐れ多くてさあ。

これまで二回ほど訪れていますが、その後15年以上も経つのはそういう訳なんだよ。

 


 

格式の高さ漂う玄関、いきなりの「日本秘湯を守る会」の提灯にビビる。

承知の上で、立ち寄り湯でもいいですかあ?と、小声で伺った。

上品な奥様は玄関に停められたバイクの方が気になったのか、すぐに駐車場を教えてくれた。

 


 

華美な装飾は一切ないとてもシックな館内に凛とした空気が漂います。

一朝一夕では醸し出せない雰囲気・・・三代目よ、お前も少しは見習えよ!

 


 

小さな中庭があり、奥の大きな岩のその岩肌を洗うように沢水が注がれています。

ボクの記憶は薄れていますが、館内がこんなに明るかった記憶はないなあ。

改装されましたかと旦那さんらしき人に尋ねたら、「いや、改装はしていませんよ」

 


 

これこれ、浴室の雰囲気はボクの記憶と完全に一致。

無色無臭でボクの分類では温めかな。鶯宿かどやの湯を人肌にした感じだよ、ヤス君。

 


 

石灯籠の笠石を削って建てたかのような、男湯女湯を仕切る壁の柱。

ボクの推測ですが、かつてはここは混浴だったんじゃないでしょうか。

脱衣所は別々でもその先の浴室は一緒という山間の温泉を数回経験しています。

 


 

竜神様ですかね・・・お顔に温泉の成分が白く結晶化してます。

飲泉用のコップが以前は置いてあったと記憶していますが・・・お上がうるさいんですかね。

味を確かめようと直接素手で受けようとしましたが、とても熱くて無理でした。

 


 

浴槽のお湯は温いので30分ほど入っていられましたが、上がった後の汗が引かない。

同じ時間、レトロな扇風機が送るレトロな風にあたり、汗が引くまで涼んでいました。

 


 

山間の鄙びた温泉宿が買い取られ、お金持ち御用達の高級宿になる実例を知っています。

岩倉温泉には、そういったことへのボクの心配は無用でしょう、そうあってほしい。

 

 


 

もう仙岩峠を越えることは諦めました。クマが出そうな峠道を南下します。

この先、国道105号か107号に繋がるはずですから、あとは西へ南へ帰ります。

 


 

ツーリング中よく経験することですが、後方の景色に思いがけない感動を覚える時があります。

ずーーっと眺めながら走ってきた景色は、ただ後方に流れるだけじゃないんですよ。

前方の景色に感動して走っている時、その後方にもっと素敵な景色が広がっていますから。

 


 

峠のてっぺん辺りでバイクを停めて、爽やかな初夏の風を感じながら小休止。

先日も、停車中のバイクの列にさらにバイクが突っ込むという事故があったなあ。

ちょこちょこ休んでこそ維持できる心の余裕と緊張感。この頃、特にそう思います。

 


 

ふと、縁にあふれた山村の長閑な景色の中に存在する違和感に気づきました。

今の時季だったら、水を張った田んぼがキラキラ輝いているはずなのにね。

とても深刻な問題だと思います。

 


 

峠道から国道105号、国道7号と継いで日本海へ、山形県遊佐町の海岸です。

里山の緑が大好きと自認していますが、大海原の青にも心惹かれますね。

意外に風が強くて、沖の方にも小さな白波がたっています。

 


 

ほとんど通ることがなくなった旧道からの遊佐町吹浦漁港と鳥海山の眺め、いいですね。

午後一時半を過ぎていますが、途中ちどり食堂の中華そばで遅い昼食をとって帰ります。

走行距離270キロかあ・・・、仙岩峠その先の盛岡が年々遠くなるのを感じます。

体力なのか、気力なのか、両方なのか、減退しているとは思いたくないけどね。


早乙女が裳裾ぬらして・・・

2023-05-20 | ちょこっと旅・温泉

 

雲の上からちょっとだけ顔を出す鳥海山。

日常ボクが眺める南側からとは反対の、秋田県由利本荘市(国道107号)からの姿。

仕事が休みの奥サンにチビを任せて、遅ればせながら今シーズン初めてのツーリングです。

 


 

♪さ~みだれの そそぐ山田に 早~乙女が裳裾ぬらして・・・ですね。

男性である田の神様の機嫌が良くなるよう、若い娘さんが田植えをした・・・、知らんけど。

とれた米は「雪若丸」だったり「あきたこまち」だったり、その性別はどっちでもいいんだね。

 


 

横手市街に入る手前、平鹿町あたりの見覚えのある風景に、思わずバイクを停めた。

ちょうど一年前ですね、工事中のお兄さんに、圃場整備ですか?と声をかけたのは。

今年の作付には間に合わなかったようですが、工事はほぼほぼ出来上がっていますね。

 


 

長くても二時間ほどで引き返すつもりでしたが、思い切って岩手県湯田まで来ました。

次回はいつになるかわかんないし、冷えた身体がここまでボクを引っ張ってきた。

静かな「穴ゆっこ」の湯でのんびりしたいと思っていましたが、一抹の不安が脳裏をかすめた。

 


 

湯夢プラザで観光協会の方に、「穴ゆっこ」は営業していますか?と尋ねた。

「閉業しました」の答えを二度聞き直して・・・、そうなんですかあ。

最後に行った時から四年経つけど、その時、そんな心配がよぎっていたんだよね。

だって、とっても静かなんだもの・・・、だから、好きだったんですよ。

 


 

じゃあ、湯本温泉の「丑の湯」は? 「午後二時からです(今、十二時)」

だったら、もっと手前の巣郷温泉福寿荘だったなと後悔しつつ、「ほっとゆだ」に体を沈めた。

でも待てよ、来るとき「福寿荘」の看板に気が付かなかったなあ。そこも閉業かな?

 


 

なくなって15年以上経つけど、薬師温泉中山荘の露天風呂もすごく気に入っていたんだよ。

「ほっとゆだ」の浴室は綺麗にリニューアルされていたけど、風情がなくなった気がする。

なんか寂しいね・・・、ボクの好きな湯田が少しずつ消えていくような気がしてさ。

 


 

湯上り後、いいお山の風景だねえ・・って眺めていたら、ふっと違和感を覚えた。

バスがない・・・、ヤスと一緒に訪れた鶯宿かどや旅館の女将さんの話しを思い出す。

「湯本温泉も昔は賑やかだったんだよ。今は盛岡行きのバスも無くなったし・・・」

 


 

帰路、去年の秋、あまりの混雑に大好きな立食いそばを諦めた「道の駅さんない」に寄った。

店の前で注文した蕎麦を待つお客さんが数人しかいないのを見て、バイクを停めた。

「冷かけ大盛り」を注文・・・! ケチ臭いことは言いたくないけど、また値上げしてるよ。

 


 

コロナ前は大盛りでも500円を切っていたのが、去年が550円、そして今は620円。

いろいろ大変だよね・・・でも、値上げの事なんか忘れてしまうほど、美味い!!

細くてもコシがあってさ、蕎麦の甘さも味わえてこの値段は、とってもリーズナブル。

でも、ここでもちょっとした違和感・・・、お椀が発泡スチロール製に変わっている。

これはコロナの影響かな。食器は使いっきりにしたんだね。味気ないけど。

 


 

久しぶりのツーリングだったのに、いまひとついい気持ちになれなかったね。

その原因は、「穴ゆっこ」の閉業に象徴されることなんでしょうね。

時の流れは受け入れざるを得ないけど、時の流れたあとには寂しさが残るよ。

今回一番寂しかったことは、西和賀町の町長さんの名前が変わっていたことかもね。


耐寒テスト走行

2022-10-14 | ちょこっと旅・温泉

 

最上川に立谷沢川(画像右手)が合流する庄内町清川地区。

最上川峡の紅葉は、まだ始まってもいないと言ってもいいぐらいかな。

 


 

今月末の盛岡行きは、今シーズン最後のバイク・ツーリングになりそうです。

その頃の寒さに耐えられるかどうか、今日はその耐寒テストのつもりで走ってみます。

 


 

国道47号から県道を繋ぎ国道13号で湯沢方面にでもと思いつつ、やめた。

戸沢村にある温泉施設ぽんぽ館の湯が懐かしくなって来てはみたが、ここも考え直した。

この先に、もっとご無沙汰にしているお湯っこがある。

 


 

九年ぶりとなる羽根沢温泉は、この県道平田鮭川線沿いにある。

地元が望むこの路線の整備は、国が今事業中の新庄酒田道路の煽りを食うだろうな。

一体いつになるんでしょうね。

 


 

とてもこの先に温泉があるとは思えないような、寂れた感というか廃れた感が漂う。

だからと言って、下手に見栄えだけに投資しても、とても回収が難しいもんね。

身の丈というか足るを知るというか・・・、毎日ボクも実感しています。

 


 

羽根沢温泉には三軒の温泉旅館が営業しています。

鮭川村は何といってもキノコの名産地。お膳にはキノコ料理が沢山並ぶんでしょうね。

 


 

ボクはいつもの通り共同浴場を利用させてもらいます。

この小路の先、地区の集会場の一階にあります。

 


 

料金100円時代を知っています。現行200円かなと思ったら・・・300円。

無人ゆえマナー厳守は必須なのに、不届き者が横行し、監視カメラ施錠等が強化されました。

 


 

懐かしいなあ・・・熱っ! いやいや、このぐらいの熱さが丁度いいよ。

泉質は程よいアブラ臭と異次元のヌルヌル感。美人の湯美肌の湯っていうやつ。

かけ流しの源泉が注がれる音だけが静かに流れる・・・あの吉幾三の歌が聞こえてくるよ。

 


 

帰路、温泉にほど近い杉林に立つ赤い鳥居に寄り道。

今まで横目で見ながら素通りでしたが、今日逃すともうその機会がないような気がしてさ。

 


 

三宝荒神・・・仏教用語らしいです。

みちのくには所縁のある阿部貞任とTV鎌倉殿で話題の頼朝の先祖源義家の名が・・・

スズメバチ?があちこち飛び回っていて、読んでも内容が頭に入ってこない。

 


 

スズメバチが怖くて引き返そうとも思いましたが、それでは余りに中途半端。

思い切って、苔むす石段を昇ることにした。ハチを刺激しないよう、そーーーとね。

 


 

青銅造りの四面六臂のご尊像はこの中に祭られているんでしょうか。

ここじゃあ余りにも不用心だしねえ、もっと安全なところに納められいるんでしょうね。

 


 

盛岡までは最短でも230キロほど、今日の二倍以上走らなければなりません。

今日の気温は16~19度ほどでしたが、体の芯まで冷え込むことはありませんでした。

行き帰り両日の天候が今日のようであれば、晩秋のツーリングを楽しむことができそう。

でも、ヤスに拾ってもらおうかなとも考えていたので、ソロ・ツーとなると寂しいやね。


にかほ市金浦町にて

2022-10-03 | ちょこっと旅・温泉

 

早朝、チビと見上げたうろこ雲に秋の風情を感じるなあ。

遠く立谷沢の山々に霧雲が垂れ込めている・・・、国道47号はダメだね。

 


 

なので霧の東は諦め、国道七号を北上、県境を越え秋田県金浦町の役場前。

町内に観光案内板が見つからず、頼みの役場に来てはみたけれど中に入る勇気はない。

勢至公園、白瀬南極探検記念館、白瀬矗の生家等は、以前訪ねたことがあるしねえ。

 


 

ボクの住む町にも同程度の港のある集落はあるけれど、金浦町の印象は全く異質。

人の姿は見えないけれど、町が妙に明るくて歴史の深さも感じて、ここが好きなんです。

18切符で降り立ち、勢至公園でカップ酒片手に一人花見に興じたことも何度かあります。

 


 

時間をつぶす適当な場所が見つからず、早々に予定通りの温泉施設「はまなす」へ。

にかほ市内にはたくさんの日帰り温泉があり、どこのお湯っ子も満足できます。

どこにしようかなと迷うような時は、ここに来ればまず間違いありません。

 


 

新型コロナの流行で、どこの温泉への訪問も控えていましたが、ここも四年ぶりです。

濃厚な温泉の香りと感触が懐かしいですねえ・・・、少し湯の温度が下がったかなあ。

 


 

かけ流しの温泉なので、床にはその成分が以前にも増して結晶化しています。

昔訪れた青森との県境近くにある大館市の矢立温泉赤湯を思い出しました。

赤湯の床は強烈!です。ほぼほぼ月面クレーターのジオラマのようでしたよ。

 


 

今日のタイムスケジュールは、昼時の混雑を避けた「ちどりの中華そば」に合わせたもの。

ここも二年ぶりです。なにせ、外食そのものも久し振りですから。

 


 

地元(といっても40キロ先ですが)にいて、ここ以外の中華そばは自ら食べません。

細目の縮れ麺の歯ごたえある食感と旨味・・・・、嗚呼、相変わらずウマい!!

スープの濃さは控えめでほんのり甘い。初めての人はきっと薄いなあと言うだろうな。

原材料の値上がりの影響でしょうね。二年前より50円高い一杯700円也。

 


 

鳥海山麓の田んぼの半分ほどは稲刈りを終えていました。

秋の深まりはここから急速に進み、一ヶ月もすれば冬の前触れが訪れることになります。

今年もバイクに乗れなかったなあという印象は、ここ何年も続いています。

やっと日常が戻りつつあるのに、ボクが年々出不精になっていちゃあ仕様がないな。


国道107号 春ツーリング

2022-05-10 | ちょこっと旅・温泉

 

秋田県旧東由利町(由利本荘市)を走る国道107号を東進し、秋田県内陸部へ。

国道107号を走るのは、新型コロナ流行前の2019年以来のこと。

沿線に広がる春の景色を楽しみながら、ぶらぶら行きましょう。

 


 

由利本荘と横手のほぼ中間に位置する道の駅「東由利」で小休止。

出発した時の気温が16度、二時間ほど経過しても20度を下回り、正直、寒い。

ここに併設している温泉に入りたい気持ちをグッと抑え、もうちょっと走ろう。

 


 

横手市街を目前にした、おそらく平鹿町あたりでしょうか。

広大なエリアに何台もの掘削機械が入る工事現場に遭遇し、ついついバイクを停めた。

重機から降りてきたお兄さんに、これは圃場整備ですかあ!?と訊いたら、「んだすな」

 


 

現場のお兄さんに大声で話しかけてみたら、何故か気持ちが前向きになった。

一瞬の一期一会の妙に感心しながら、ふと来た道を振り返れば鳥海山が浮かんでいた。

ボクが赤川堤から遠望している時、反対側の秋田の人もこうやって眺めているんだすな。

 


 

横手市内を過ぎ旧山内村に入ると、萌黄色に染まる里山の緑が美しく目に映る。

柔らかな緑のグラデーションがとても優しいなあ。

 


 

横手と北上を結ぶJR北上線が黒沢川を渡る。

黒沢川は相野々集落で横手川に落ち、横手川はずーーと下って大曲で雄物川に落ちる。

 


 

激しく蛇行を繰り返しながら流れ落ちる黒沢川の風景。

この辺りに何基設けられているのかはわからないけど、砂防堰堤が作り出した景観ですね。

 


 

国道46号仙岩峠のような山岳越えの趣は薄いけど、春の里山の美しさに大いに満足。

岩手県との県境はもう間近。

 


 

バイクで訪れる湯田温泉郷は、三年ぶりになる。

その間、湯田温泉に限らずどこの温泉にも入っていない。

感染状況に光明が見えてきたわけでもないけど、何故か、もういいだろう的な雰囲気・・・

 


 

家を出る時、ここまで行けたら・・・と思っていた西和賀町川尻地区まで来た。

錦秋湖の対岸がブルーシートで覆われている。自然災害の多い地域なんですね。

 


 

湖面が静寂に包まれています。

灌漑期に入ったからか、ボクが想像していたより水位が低いように見えますね。

 


 

県境を越えた時から、川尻温泉ほっとゆだの熱いお湯が恋しくてしようがなかった。

連休中は大勢の人が訪れていたと思いますが、今日はのんびりできそう。

 


 

ゆっくりゆっくり湯船に身体を沈めて・・・嗚呼、超!気持ちいいよーーー

顔を拭おうとして腕を動かすと、熱いお湯も動いて身体を刺す。う~ん、たまらんなあ。

この熱さ、この心地よさも、三年ぶり。

 


 

少しでも長く入っていたいと思いつつ、三十分ほどで上がった。

その後の汗の引くまでの時間が長いんです。駅舎向かいの湯夢プラザで一服。

キクちゃん、ここの100円コーヒーは、マシバ珈琲に劣らず美味しいんだぜ。

 


 

お土産に名物「およね饅頭」を買って、あとは家路につくだけ。

午後一時を過ぎ、気温も二十度を超え、蓄熱十分の身体は軽く汗ばむほど。

この先の「道の駅さんない」までなら、上着を脱いでもいけますね。

 


 

「道の駅さんない」での目的は、立ち食いそばといぶりガッコ。

もう、何もかもが、三年ぶり。

コロナ対策のためか施設が増築され、そばの注文方法も多少かわりましたね。

 


 

大盛の冷かけ蕎麦、大盛分90円増しでも550円。

コシがあるというよりとても弾力のある細麺で、麺・つゆともに美味しいんですよ。

三年ぶりのツーリングの締めには十分、もうお腹も大満足です。

さあ、あとは、ゆっくりゆっくり、安全運転で帰りましょう。

 


 

帰路は、横手から国道13号経由で帰ることにしました。

距離で20キロほど、到着時間も20分ぐらい短縮できると思います。

山形県に入り、鮭川の流れる向こうに月山が見えてきました。

 


 

五月雨を あつめて早し 最上川

国道47号に出て、ここから俳聖松尾芭蕉のように最上川とともに庄内に入ります。

 


 

代掻きの終えた庄内平野のむこうには月山。

どこへ旅をしようと、旅を終えて迎えてくれるのは月山。今まで考えもしなかったなあ。

今回ぶらついた距離は300キロちょっと。8時に出て夕方5時前には帰ってこれた。

久しぶりの湯田のお湯っこ、いがったねえーー。

あとは、みんなと早く会いたいねえ。泉ヶ岳でも栗駒でもいい、山にも登りたいしね。


芋川さくらづつみ

2022-04-20 | ちょこっと旅・温泉

 

国道七号を北上、秋田との県境に位置する三崎峠からの日本海はベタなぎです。

気温14度は、寒がりライダーにとって日差しほどに暖かくはないですねえ。

 


 

由利本荘を過ぎ、国道105号沿いの道の駅「おおうち」で小休止。

この辺りに何かあって欲しいと探す案内図に、「大内町歴史民俗資料館」を見つけた。

 


 

平成17年に旧大内町は周辺の市町村と合併し、由利本荘市となりました。

資料館は、分庁舎となった旧大内町庁舎のそばに建つ大内公民館の中にありました。

 


 

予想通り、受付で待つボクは、ボクに気づいた職員の怪訝そうな顔を見ることになる。

無理もないよなあ、そりゃそうだよと思いながら、鍵を手にする女性の後についていく。

えーー? いつも施錠しているのかあ・・・申し訳ないなあ。

 


 

「どちらからお出でですかあ 良かったらお帰りの時、記帳をお願いします。」

展示品は、地元所縁の画家の作となる絵画、縄文弥生の石器、大正昭和の民具日用品等々。

 


 

絵の作家は、地元出身の心眼の画家・菊地良爾。

TVお宝鑑定団でお馴染みのあの川合玉堂氏の優秀な内弟子であったお人らしい。

心眼の画家と称される所以は、重い眼病を患いながらも画家として再起したことだとある。

 


 

ボク的には、中世近代のこの地域の歴史やそのエピソードなんかを知りたかったなあ。

いや、それだったら、本丸・本荘市に赴くべきなんだよなあ。

記帳してきましたが、今月の記帳簿には県内在住のお二人の名前がありました。

 


 

若い頃は、盛岡へは向かう時にはいつも国道105号を走りました。

当時は集落内を抜ける狭隘な道路でしたが、それ故の風景にはいつも癒されていました。

もう何十年ぶりになるのだろう、帰りは旧道沿いに本荘市街に入って7号に出よう。

 


 

芋川氾濫のニュースは、隣県に住むボクでも何度か聞いたことがあります。

今はとても長閑な春の風景ですけどね。相当の暴れ川のようです。

 


 

♪ こぶし咲くあの丘 北国の~ あゝ北国の~春~~ ってかぁ!

正直、若い頃はダサいと思った歌でしたが、いつからか、心にしみる歌になりました。

 


 

沿道に「芋川さくらづつみ臨時駐車場」と書かれた手作り看板を見つけました。

つかさず寄り道。四五台置かれた車の中には庄内ナンバーの車もあります。

 


 

場所柄をわきまえて、静かな春を楽しむみなさんの姿が優しくていいなあ。

 


 

このあたりから見える鳥海山は、出羽富士の異名通りきれいな三角錐の姿ですね。

 


 

せっかくだから、もう少しぶらぶらしながら帰ろう。

芋川の右岸側を走る国道105号を左折し、左岸側の道を探りながら本荘へ。

 


 

芋川に架かる中深橋。

失礼ながら、場所柄に似合わぬシックでお洒落な親柱じゃないですか。

思わず渡りたくなるよねえ。

 


 

JR羽越本線の踏切、この先の丁字路は右ですね。

 


 

とりあえず、鳥海山の西側を目指していけば国道7号に抜けるはず。

遠望した先に見覚えのある建物が・・・、あれは秋田県立大ですねえ。

そのそばを通る日本海東北道を走ってきたので、今いる場所が大体わかりました。

 


 

久しぶりに本荘市街に入ってきて、その変貌ぶりにビックリ。

旧国道105号時代には、この橋だって重苦しいほどに古くて幅員の狭いトラス橋でした。

 


 

無電柱化により電柱や架線が無くなり、すっきり道幅も広くなりましたねえ。

ボクんところもそうですが、何故か無電柱化にした道からは人影も消えちゃうんですよね。

 


 

西目の道の駅に立ち寄りました。

無料区間の高速道が通るようになって、立ち寄る機会が無くなっていました。

軽くかけ蕎麦でもと注文したら売り切れと言われ、そのまま立ち去りましたけど。

 


 

家を出てから帰るまでの走行距離が200キロ、ぶらぶらしていた時間は6時間。

地味~~な発見や出会いもあったし、ほどほどに楽しめました。

なかなか終息しないコロナ禍の状況ですが、少しずつ距離を伸ばして楽しむべ。

 


 

「おかえり。意外と早かったねえ・・・」

何言ってんだい。オメェの散歩の時間に間に合うよう、帰って来たんじゃねーかあ。


最上川さみだれ大堰

2021-09-20 | ちょこっと旅・温泉

 

国道47号を東進、最上川峡に入ってすぐに見えてくる「さみだれ大堰」

農業用水や河床の維持保全のための施設で、詳細はこちら→→国土交通省HP

 


 

対岸の管理事務所には、最上川を泳ぐ魚の様子が観察できる「窓」があるらしいです。

寄ってみようと向かいましたが、待てよ・・・・

今日は祝日で、お役所はお休みですね。

 


 

キック一発!バイクに跨った瞬間、気持ちが前向きになる。

道路上の電光表示板には「不要不急の県を跨ぐ移動はお控えください」の文字。

なんとなくなんとなく、宮城の県境付近まで行ってみようか。

 


 

さみだれ大堰から5キロほど行くと、大きく蛇行する山峡に低く立ち込める雲。

嫌な予感・・・、でも、雲の層は薄そうだし、カーブを過ぎればきっと晴れているよ。

 


 

更に3キロほど先、前方に広がる墨絵のような景色・・・、ダメだな。

ここで遭遇した濃霧が、秋田県境超え、雄勝方面まで広がっていることは、よくあること。

気温が低下するだけじゃない。しっかり濡れ鼠になる。

 


 

雨具はあるけど・・・、どうせ、昼までは戻ろうと思っていたんだし。

単気筒の鼓動を感じながら、十分秋の日を楽しめたよ。

 


 

庄内平野へ戻れば、お空はこんな感じ。

朝の冷え込みが強くなるこの時季の最上川峡は難儀だなあ。