わが身をかえりみると、アラブ人をだまして戦いに勝たせた男が見えた。
世間をみまわすと、もはや訪ねたい土地もなかった。
彼はすでに道の果てにたどりついていた。
世界ノンフィクションの第四巻に収録された「アラビアのロレンス」の結びの文章です。
シリア、エルサレム、ヨルダン、サウジ、イスラエル・・・
彼が躍動した舞台は、現代においても解決困難な問題を抱えた地域。
その原因を生んだ正にその時代とその舞台に、当事者の一人として彼もいたんですね。
彼の研究者でさえ、未だにその人物像はなかなか解明できないのだとか。
この本、半世紀近く本棚の肥やしだった世界ノンフィクション全24巻のうちの一冊です。
たぶん一冊も読むことなく終わるだろうと思っていましたが、これで4/24読了しました。
ノンフィクションものに興味は薄いけど、肥やしの原因はただ小説を優先しただけ。
紙上とはいえ、様々な国や地域にボクを導き、様々なことをボクに教えてくれる。
知的好奇心などという高尚なものは持ち合わせていないけど、いい経験させてもらってます。
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