シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0210■誰も飼ってない猫

2006-12-04 | 近所の猫
連れ合いが帰って来ない。どっか行ってるらしい。
アイツだけだとベッドが広くていいんだけど、2人いた方があったかいから、連れ合いが帰ってくるのもいいかな、と思ってる。
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前の家の近所に住んでた四つ足の話だって終わってないってのに、こっちの家でも訳のわかんない連中がうろうろしてるぜ~。

例えばこんなヤツ
開いてるフレンチドアから入ってきて、ハフハフ喰ってるヤツ。

おいらんちでやるなよな!自分ちでやれよ。
それはおいらとアニキのご飯。しかも、出したばっかりで、いいにおいだったのに。

「公園から帰ってくるとき、このネコが着いてきちゃったの。“おうちに帰りな”って言ったら、うちに入ってきちゃったんだけど、おうちないのなか?」
小さい子どもがアイツに聞いてる。
「どうかしらね~。人間が怖くないみたいだから、誰かに飼われてるんじゃない? まだ子ネコでお腹すいちゃったのかもね。」
とアイツ。おいおい、どうして誰もそいつを追い出さないでハフハフ喰わせてるんだ?

「このネコさ、ニュージーランドによくいる誰も飼ってないネコなんじゃない?」
大きい子も話に入ってきた。
「誰も飼ってないネコ?野良猫?」
アイツが聞いてる。
「ううん、野良猫じゃないよ。そのへんのネコドア付けてる家だったらどこに行ってもいいの。ちゃんとエサがあって、どこの家で寝てもいいんだよ。みんなで飼ってる感じ。でも、誰のネコでもないんだ。」

「へえ~。ますますネコドアなんか付けられないわね。夜中に知らないネコが入ってきて、ピッピとチャッチャとケンカなんかしたら大変だわぁ。2匹がケンカしたって大変なのに。」
とアイツ。
「そうだよね。おじいさんだから絶対負けちゃうし。自分の家なのに。」
と小さい子がクスクス笑ってる。
フン

「さっ、食べ終わったらお外行きなさい。ピッピとチャッチャが気がつく前に。」
アイツが言うと、そいつはさっさと出て行った。腹がいっぱいになったらもう用はないんだろう。
アニキは奥の部屋でグーグー寝てたけど、おいらは廊下から見てたんだ。でも、相手にしなかった。
きょうのところは、まぁ、いっか、って感じだった。

そいつは庭に出ると今度は昼寝だ。木の下に隠れてるつもりみたいだったけど、シッポが出放し。子ネコだからか、スキだらけなのか、呑気なヤツだ。やっぱりおいらは相手にしなかった。まぁ、いっか。

初めて見る顔だったけど、飯なんか喰ってって、これからちょくちょく来そうだな。そのときは相手するぜ。(つづく)