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母の愛vs.伊達の薄着

2013-05-24 08:33:00 | 世間話
私には82歳の母がいます。
一緒に暮らしていませんが、毎朝、顔を合わせ、淹れてもらったお茶を飲みます。

「そんなに腕を出して、寒くないんかね?」

ここのところ、最高気温が30℃を超えることが多く、私はもう、朝から半袖です。

それにしても、82歳の母親が、56歳の息子のことを心配します。
それも、寒くないかどうかを一番気にするようです。

「そんなに着て、暑くないかね?」

なんて、言われることはありません。
私は、けっこう寒がりだと、自分では思っているのですが。


兼好法師は、「徒然草(つれづれぐさ)」で、「家の作りやうは、夏をむねとすべし」と述べました。
「家を作るときには、夏の住みやすさを優先するのがよい」という意味です。
日本の住まいは、元来、夏の住みやすさを主眼に建てられてきました。
日本の夏は高温多湿です。
エアコンのない時代に、暑さと湿気をどう防ぐかが、ポイントでした。

一方、「冬は、いかなる所にも住まる」、つまり寒さ対策はなんとでもなると考えられていたようです。
といっても、暖房器具は、火鉢や囲炉裏(いろり)、のちに炬燵(こたつ)くらいしかなかったわけです。
衣類で寒さをしのがないといけません。
十二単(じゅうにひとえ)に代表される重ね着ファッション。
何枚も着込むのが、上流社会の決まりだったようです。

「伊達(だて)の薄着(うすぎ)」ということわざがあります。
お洒落(しゃれ)な人は薄着をする、オシャレのためには寒くてもがまんするという意味でしょう。
女子高校生が雪が降りしきる中、フトモモ露(あら)わなミニスカート姿で自転車をこいで通学する姿を見ると、痛々しく感じます。
(最近は、スカートの下にジャージを履く勇敢な女子も増えてきたようですが、なんでズボンを制服にしないんでしょう?)

私は、若いころから、「伊達の薄着」とは無縁でした。
いや、母の愛情に包まれて育ち、母の言いつけを守ってきたから、「伊達」にも、オシャレにもなれなかったのかな?