オーソレ、何それ?

私、o_sole_mioが好きな歴史、旬の話題、
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適当に書きつづります。

グローバリゼーションとヤンエグの逆襲

2005-01-27 22:34:38 | Weblog
私が学生時代を過ごしたのが70年代末から80年代半ば、社会人になったのが80年代後半である。

そろそろ世に言う「バブル経済」が始まり、雇用情勢もよかった。それから2~3年後バブル経済が過熱し、雇用は完全に売り手市場となった。大手企業の人事担当者はいかにして学生を確保するかに四苦八苦していた。何故この頃採用が多かったかだが、バブル経済の恩恵で資金が有り余っていた日本企業はこぞって「多角化」、「国際化」に乗り出していた。銀行もどんどん融資をしてくれる。そして企業の多角化につられるようにして金融会社もまた、規模を拡大していった。このため日本の雇用情勢は空前の売り手市場となっていた。そして入社そこそこの若手社員が、海外進出や新業種参入などの実働部隊に投入され、右肩上がりの景気にも助けられ業績を伸ばしていった。このような若手社員の多くが独身貴族の身軽さとバブリーな昇給によってブランドで身を固め優雅な生活ぶりから「ヤングエグゼクティブ(略してヤンエグ)」ともてはやされた。それが必ずしも彼らの実力ではないにも関わらず。(ちなみに当時私はそんなに羽振りがよくなかったし、ブランドものを買う余裕も興味もなかったことを付け加えておこう)

ところが90年に入るや過熱していたバブルが崩壊、日本が突然の不景気に見舞われる。そしてグローバル化の波が押し寄せ、日本の企業は苛烈な競争に晒されることになる。バブル景気で肥大した組織になっていた日本企業の多くは、グローバルスケールでの競争に打ち勝つため、グローバルな競争に適応した組織を目指すべく体質改善に乗り出した。まず、不採算事業の切り捨て、アウトソーシング、年功序列式人事評価から成果主義的人事評価への以降により、効率的な投資や人件費の抑制を図った。その結果90年代を過ぎると雇用情勢は急激に悪化し買い手市場となった。そしてかつて「ヤングエグゼクティブ」ともてはやされた80年代後半に採用された世代は一転して「バブル社員」と呼ばれ中高年世代に続くリストラのターゲットとなった。

私もこうした流れにのってしまった「バブル社員」の端くれだが、入社した頃の「国際化」と「グローバリゼーション」とは内容が異なっていると思う。「国際化」と呼んでいた時代は、国内市場という「金城湯池」を抱えてそこで生み出した利益を海外で活用していこうと考えた企業が多いような気がする。当時のいろいろな企業のお偉いさんの抱負を聞いて「それじゃ単なる海外進出じゃないか、都合がよすぎるのではないか。」と思ったことがある。つまり当時の国際化は「まず市場の国際化、上手くいけば生産の国際化や海外支社を持つこと」が目標だったと思う。一方「グローバリゼーション」こちらが海外に出て行くだけでなく、あちらも日本にやってくる。海外も競争、国内も競争。従って国内だけ、海外だけを特別扱いする余裕がなくなってくる。そこでグローバルスタンダードを採用しなければならない。ところがグローバルスタンダードは”Made in Japan”ではなくよく見ると”Made in USA”と書いてある。その結果日本式経営は駆逐されていくのである。

これからも企業における競争は厳しくなり、バブル社員にとっても厳しい状況が続くであろう。しかしどこかで風向きがきっと変わる。そのときに実力を発揮できるよう今はそれぞれの持ち場で地道に研鑽を積む時期だと思う。そしていつか「かつてのヤンエグの逆襲」が始まることを信じている。

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2 コメント

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Unknown (まさくに)
2005-01-29 00:30:06
こんばんは。私は社会人となったのは、90年代になってからなんです。丁度バブル崩壊直前くらいでした。ですから、特別いい思いもすることがなく(仕事はすぐに見つかりましたが)過ぎてしまいました。



崩壊後も特別な影響を受けることなく(社会全体や会社は勿論影響を受けましたが)、個人的にはバブルとは何だったのかよく分かりません。実生活で特に恩恵を受けなかったからかもしれません。そう言えばカタカナ職業があふれるようになり、ブランド品が横行していましたね。ハウスマヌカンを知るのに一年はかかった(笑)。



既にヤングではなくなりましたし、エグゼクティブでもありませんから!残念!でも、今後は人の役に立てるような「何か」を考えてみたいと思っています。
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ブランド崇拝は政府の陰謀? (o_sole_mio)
2005-01-29 00:58:30
まさくにさん、コメントありがとうございます。



私も「バブル社員」世代ですが、特にバブルの恩恵も被害も被っておりません。「ヤンエグ」の暮らしぶりについてもバブル崩壊後泉麻人のコラムで知ったぐらいです。



ブランド品がどんどん買われるようになったのは、プラザ合意の後円高が叫ばれるようになってからだと記憶していますが、日本人のブランド崇拝は、円高を庶民の懐で緩和させようとする政府の陰謀だったのでしょうか(笑)。



>今後は人の役に立てるような「何か」を考えてみたいと思っています。



バブルの教訓でもありますがやはり、周囲に流されずに考えるということが大切だと思います。その点まさくにさんのブログを拝見して、地に足がついた物事の捉え方とされていると拝察致します。
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