タイトルを書いて、こんな歌があったなぁと懐かしく思った。
「長い冬が終わるまでに何かを見つけて生きていこう」
そんな歌詞だったよね。
サボテンの花は実家から持ってきたものだ。
大きな花が咲くと、父からよくメールがきた。
「見に来い」という内容だった。
それほど興味はなかったけど、両親の顔を見がてら実家に帰ったことがある。
ゆっくりと開いていく花を観て母はいつもよりはしゃいでいたのを懐かしく思う。
母の具合が悪くなり、1年半くらい、多分あまり世話もしてなかったと思う。
父は楽しむだけで世話をするタイプではなかった。
私や妹が行ったときに水を適当にやっていたくらい。
このサボテンものすごい棘がある。
ベランダに出た時に不用意に触ってしまうとしばらくズキズキと痛い。
世話をしてなかったために、上に伸びたサボテンにはサイズが小さすぎる鉢。。。
サボテンを移動しようとするとグラグラと揺れて不安定な状態。
迷惑な代物でしかなかった。
両親がいなくなった暑い夏に残されたサボテンが妙に気になって、水をあげに行ったりした。
気になって仕方がないので、持って帰って世話をしようと決心した。
数日前にはなかった花芽が伸びていた。
二日後、花が開いた。
ほったらかしにされ、誰にも見つめられなくても、健気に生き延びたサボテン。
「この長い冬が終わるまでに
何かを見つけて生きていこう、
何かを信じて生きていこう」
美しい白い花がとても愛おしく思えたのでした。