りらっくごブログ

上方落語に遠距離片想い
        by ことり@愛知

「志ん朝と上方」

2010-05-27 09:19:50 | 
ふらっと寄った古本屋で、ふと手にした本…「志ん朝と上方」。
帯には「上方をこよなく愛した名人を名人が語る」とあり、
桂春團治、笑福亭仁鶴、露の五郎兵衛、内海英華の各師匠が、
インタビュー形式で志ん朝師匠について語っている。

値段は1050円(定価は¥1800)。
1050円で買って、読んだ後は寄席文字教室のオークションにだして500円くらいで売れればいいかと思って購入。
(寄席文字教室では毎年2月に色んなものを持ち寄ってオークションをして売上を運営資金の一部としている。)

一気に読んでしまった。
志ん朝師匠、
こんなことを言うのはありきたりすぎて恥ずかしいが、
生の高座を体験したかった噺家の一人。


ところで、本書の中で、一番、心を惹いたのは、志ん朝師匠には関係ない部分。
春團治師匠の章で、
・・枝雀君(桂)に、
「あんた惜しいなあ。力があるんやから、こんなことせんと、まともにやりや」
 と言うたことがある。
という部分。
枝雀師匠は今も私の一番好きな噺家ですが、
私は(あくまでも私の個人的な考えだけど)、枝雀師匠の本質は研究者だと思っているので、
一般に枝雀師匠のイメージとして浸透している奇抜な演出は、
研究の成果の一部であって、枝雀師匠の本質とは離れているように感じている。
あのイメージで多くの人を惹きつけたことも事実だが、
あのイメージで横を向いた落語ファンも少なくはなかっただろう。
春團治師匠の言葉をどんな気持ちで受け止めたのだろう。
自分の思いと違う方にどんどん膨らんでいくファンの期待を枝雀師匠は見過ごせなかったのかもしれない。
そういえば、昨夏の中日劇場の会で、談志師匠も、枝雀師匠について、
「本格派になれる力を持っていたのに…」
という意味のことを言われていたなぁ。そんなことを思い出した。
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