環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

産業廃棄物法改革の到達点を読む

2007-04-21 07:00:40 | 廃棄物適正処理
2007年4月21日
 グリニッシュ・ビレッジから発行された『産業廃棄物法改革の到達点』(著者:北村喜宣・上智大学法学部教授)に関する書評を頂戴したので、掲載いたします。

1.著者の紹介
 本書の著者・北村喜宣上智大学法学部・法科大学院教授は、行政法・環境法を中心に研究活動をされ、なかでも廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃棄物処理法)に関しては、第一人者であると言っても過言ではない。北村教授の研究活動は、机上にととどまることなく、全国の産業廃棄物処理業者や排出事業者、自治体、警察などを対象としたフィールドワークによって支えられているため、現場感覚の議論が展開されていることが大きな特徴であると言える。
 そうした実績から、北村教授は、環境省をはじめとする中央省庁や自治体における各種審議会の委員長、委員等を数多く経験されている。最近では、本書でも触れられている優良性基準適合認定制度や欠格要件に関する審議会にもその名を連ねている。また、新司法試験においても環境法の試験委員として問題の作成にもあたられている。
 研究者の論文は、学術的見地から論を展開するのが通常であり、一般の読者にはなかなか手が出しづらいのが実状である。しかし、北村教授の場合は、具体的なフィールドワークの積み重ねを主体とした社会学的アプローチによる論文構成が特徴であるため、本格的論文でありながらとても読みやすいことに特徴がある。

2.本書の特色と読み方
(1)第一部 廃棄物処理法の法政策
 第一部は、①廃棄物処理法の性格、②産業廃棄物処理業者と自治体との関係、について述べられている。このなかで、排出企業の廃棄物管理担当者にとって、特に重要なのは、産業廃棄物処理業者と自治体との関係について知ることである。
産業廃棄物処理業者への規制や基準は、一見、排出企業の廃棄物管理担当者には無関係のように思えるかも知れない。しかし、自治体と産業廃棄物処理業者との間にどのような約束事があり、その履行のためにどのような指導がなされているかを理解することは、業者選定や現地確認の際の見極めて大きな武器となる。排出企業の廃棄物管理担当者には、コンプライアンスのスキルが不可欠であるが、そのなかで条例をはじめとした自治体政策のあり方をマスターすることは必須であると言えよう。

(2)第二部 改正ラッシュの廃棄物処理法
 第二部は、2003年、2004年、2005年とたて続けに改正された廃棄物処理法の改正内容について、立法段階にまで遡って解説したものである。
改正の内容を正確に把握するのは、なかなか困難である。しかしながら、なぜ、改正が必要になったのか、という社会的要請に立ち返り、その解決策は何かと筋道をたてて考えていくことにより、その整理・把握は非常に容易となる。本書の中心部分を構成する第二部は、まさしくそうした視点から3年間の法政策の動きが解説されている。なお、3年間の改正動向を概観すると、以下のようなキーワードが見えてくる。
①2003年改正
疑い物への対応、不法投棄未遂罪の創設、悪質許可業者への許可取消義務化、広域処理認定特例制度の創設。
②2004年改正
 国の役割強化、廃棄物処理施設の諸問題対応、不法投棄対策の強化、硫酸ピッチ問題。
③2005年改正
 大規模不法投棄事件への対応、無許可輸出の取締強化、罰則強化

(3)第三部 適正処理実現のための優良化戦略
 第三部は、産業廃棄物処理業者優良化基準適合認定制度について詳細に解説がなされている。優良化基準適合認定制度は、産業廃棄物処理業者を対象とした制度であるが、審議会の委員を務められた北村教授は、本書において、『制度趣旨は排出事業者の優良化にある』とされている。廃棄物処理法における排出事業者責任に関する規定は強化されていく傾向にあるが、それを全うするためには、まず排出事業者自身が優良化されることが必要であることは間違いない。
 また、排出事業者にとって、その責任を果たすためには、グッドパートナーとしての産業廃棄物処理業者をどのようにして選定するかが重要なポイントとなる。産業廃棄物処理業者における情報公開は、年々進展をみせてはいるが、そでもまだ十分なものとは言えない。限られた情報をどう読むか、あるいはどのような情報公開を求めるか、そして、両者間におけるビジネス・コミュニケーションはいかにあるべきか、についても第三部において展開されている。

(4)第四部 循環型社会と産業廃棄物処理
 2000年の循環基本法の制定を機に、廃棄物・リサイクルをめぐる法政策は大きく転換された。個別リサイクル法が次々と制定され、廃棄物処理法も毎年のように改正がなされている。第四部では、廃棄物・リサイクルの法体系についてわかりやすく解説されている。
 第四部でも触れられているようにリサイクル偽装の不法投棄に関する点は、排出事業者にとってもたいへん重要なポイントであるといえる。廃棄物とは何か、その定義は実務上も問題となりやすく、誤った対応をすればコンプライアンスの視点からも弊害が生じる可能性が大きい。この点は、排出事業者側に十分なスキルがないと、知らず知らずのうちに法令違反に加担してしまう場合もあることから、注意が必要な項目でもある。

(5)第五部 産業廃棄物処理法の実施
 第五部は、主に自治体において廃棄物処理法をどのように運用・執行していくかについて触れられている。自治体とのコミュニケーションは、産業廃棄物処理業者だけではなく、排出事業者にとっても重要な課題である。とくに、廃棄物適正管理において、管轄の自治体がどのような見解をもって法の運用を実施しているかは、実務と直結する問題であるといえる。
通常の業務も当然のことながら、不法投棄や不適正処理に巻き込まれた場合、どのような管理体制を敷き、そのような対応をするか、という緊急事態への準備は万全になされていなければならない。その過程において最もポイントとなるのが、行政とのコミュニケーションである。本書では、そこまで踏み込んだ解説はなされていないが、前提となる行政の思考方法について分析されており、廃棄物適正管理体制を構築する際には、大いに参考となるであろう。

講演録
 最後に、北村教授が行った『循環型社会の方向性と各主体の役割』と題する講演が収録されている。このなかで、排出意業者はマーケットにおいて廃棄物適正処理をする大切な主体として位置づけられている。
排出意業者には、廃棄物処理法上、適正価格での発注が義務付けられている。この適正価格には確固とした定義があるわけではないが(『行政処分の指針について(通知)』では、都道府県が把握した一般的な処理料金の半値以下、とされている)。本書では、この価格は最終処分までに要する費用までを含めて構成されていることに注意すべきである、と指摘されていることに注目すべきであろう。

※本書のお申込は、こちらへ

【官報ウオッチング】
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【行政報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会野生生物部会の開催について
吉野熊野国立公園西大台利用調整地区における利用調整の期間及び利用者の人数の範囲等を定める告示についての意見の募集について
「第1回かおり環境部会」の開催について

経済産業省
全産業活動指数、全産業供給指数(平成19年2月分)

国土交通省
日本風景街道戦略会議の提言について「日本風景街道の実現に向けて 提言」~美しい国土景観の形成を目指した国民的な運動を~

厚生労働省
ダイオキシン類による健康影響等の調査結果について(平成18年度)

資源資源エネルギー庁
電力調査統計を更新

東京都
東京都環境審議会を開催

【判例情報ウオッチング】
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ISO14001
◆「産業廃棄物処理委託契約」に関するコンテンツを追加しました/2007.4.15
◆「環境法令管理室」に「4月6日から4月15日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.4.15
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行政処分と商業登記 産業廃棄物処理業許可取消処分取消裁決

2007-04-20 07:01:12 | 廃棄物適正処理
2007年4月20日 
 廃棄物処理法では、業の許可の取消し要件の1つとして『この法律、浄化槽法その他生活環境の保全を目的とする法令で政令で定めるもの若しくはこれらの法令に基づく処分若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 (第31条第7項を除く。)の規定に違反し、又は刑法 第204条 、第206条、第208条、第208条の3、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰ニ関スル法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者』を掲げ、さらに、法人に対しては、その役員又は政令で定める使用人のうちに上記規定に該当する者のある場合を適用対象としています。また、現行法の運用に際しては、上記の欠格要件によって許可を取消された場合、他の自治体において有する許可も同様に取消されることになります。
 2006年1月に、那須町の産業廃棄物収集運搬会社の社長が、福島県内において許可を取消されたほかの業者の役員兼任を兼任していた、として上記規定を適用し、社長を務める産業廃棄物収集運搬会社の許可を取消されるという事件がありました。同社は、群馬県、栃木県においても許可を有していましたが、福島県の取消しにより、これらの許可も取消処分となっておりました。これに対し、同社は、環境省に対し行政不服申立てを行っていましたが、同『社の不服申し立てを受けた環境省は12日付で、3県すべての処分を取り消す異例の裁決を出した。』(4月19日毎日新聞/沢田石洋史)とのニュースがありました。
 報道によると、『環境省の裁決などによると、同社の社長は2004年1月、役員の退任届を内容証明郵便で送っており、連座制は適用されないという。福島県は「登記簿で確認すれば足りると考えていた。役員欄を信じていたのだが……」と釈明している。』としています。
つまり、福島県は、商業登記をもとに許可の取消処分をしたのですが、先に許可を取消された業者が商業登記の変更を怠ったために、誤った処分を下してしまう結果となってしまったことになります。商業登記には公示力がありますので、取引上であれば登記を信じた側が救済されることになりますが、行政処分の根拠としては当然ながら適用されないということでしょう。
今回の場合、同社社長が退任届を内容証明郵便で送っておいたことが取消処分取消裁決の決め手になっています。仮にこうした証拠や取締役会議事録などが残されていなかったなら、今回の裁決結果となったかどうかは、微妙であるかも知れません。商業登記の変更がされてなく、なおかつ、退任を証する証拠がなければ、許可は取消されたままであった可能性もあります。
小規模な企業になればなるほど、取締役会議事録や商業登記の変更、定款の変更などはおろそかにされがちです。こうした法的事務を適正に実施することは、企業のリスク管理の視点からも重要であることを、今回の事件は端的にあらわしていると思います。
 
【官報ウオッチング】
号外第83号
〔省令〕
遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律施行規則の一部を改正する省令(財務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・環境省令第1号/平成15年財務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・環境省令第1号の一部改正)
 登録検査機関への報告徴収・立入検査に関する身分証明書の様式変更。
遺伝子組換え生物等の使用等をしている者、又はした者、遺伝子組換え生物等を譲渡し、又は提供した者、国内管理人、遺伝子組換え生物等を輸出した者その他の関係者がその行為を行う場所その他の場所への立入検査に関する身分証明書の様式変更。
施行日:平成19年4月20日

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行規則の一部を改正する省令(農林水産・環境省令第2号/平成17年農林水産・環境省令第2号の一部改正)
 特定飼養等施設への立入検査に関する身分証明書の様式変更。
 主務大臣等は、第十一条第一項の規定による防除に必要な限度において、その職員に、他人の土地若しくは水面に立ち入り、特定外来生物の捕獲等をさせ、又は当該特定外来生物の捕獲等の支障となる立木竹を伐採させることができることとされる職員の身分証明書の様式変更。
 取締りに従事する職員の身分証明書の様式変更。
施行日:平成19年4月20日

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第五十二条の規定による負担金の徴収方法等に関する省令の一部を改正する省令(経済産業・環境省令第7号/平成5年総理府・通商産業省令第1号の一部改正) 
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第19条第2項の規定による身分証明書の様式変更。
施行日:平成19年4月20日

温泉法施行規則等の一部を改正する省令(環境省令第11号)
1.温泉法施行規則の一部を改正する省令(環境省令第11号/昭和23年厚生省令第35号の一部改正)
温泉法第24条の規定による身分証明書、温泉法第31条の規定による身分証明書の様式変更。

2.自然公園法施行規則(環境省令第11号/昭和32年厚生省令第41号の一部改正)
 自然公園法第22条第1項、第28条、第30条、第50条、自然公園法施行令第12条(第16条において準用する場合を含む。)17条、附則第3項に規定する指示をすることができる職員の身分証明書の様式変更。

3.水質汚濁防止法施行規則(環境省令第11号/昭和46年総理府・通商産業省令第2号の一部改正)
 水質汚濁防止法第22条第4項の規定による身分証明書の様式変更。

4.大気汚染防止法施行規則(環境省令第11号/昭和46年厚生省・通商産業省令第1号の一部改正)
 大気汚染防止法第26条第3項の規定による身分証明書の様式変更。

5.騒音規制法施行規則(環境省令第11号/昭和四十六年厚生省、農林省、通商産業省、運輸省、建設省令第1号の一部改正)
騒音規制法第20条第2項の規定による身分証明書の様式変更。

6.悪臭防止法施行規則(環境省令第11号/昭和47年総理府令第39号の一部改正)
悪臭防止法第20条第3項の規定による身分証明書の様式変更。

7.自然環境保全法施行規則(環境省令第11号/昭和48年総理府令第62号の一部改正)
 自然環境保全法第十八条(第三十条において準用する場合を含む。)に規定する中止命令等を行う自然保護取締官の身分証明書の様式変更。自然環境保全法第二十九条に規定する検査等を行う職員の身分証明書の様式変更。自然環境保全法第三十一条に規定する実地調査のための立入り、標識の設置等を行う職員の身分証明書の様式変更。

8.公害健康被害の補償等に関する法律施行規則(環境省令第11号/昭和49年総理府令第60号の一部改正)
 公害健康被害の補償等に関する法律第139条第1項の規定による立入検査に従事する職員の身分証明書の様式変更。

9.公害健康被害の補償等に関する法律施行規程(環境省令第11号/昭和49年総理府・通商産業省令第4号の一部改正)
 公害健康被害の補償等に関する法律第141条第1項の規定による立入検査に従事する職員の身分証明書の様式変更。

10.振動規制法施行規則(環境省令第11号/昭和51年総理府令第58号の一部改正)
 振動規制法第17条第2項の規定による身分証明書の様式変更。

11.環境省関係浄化槽法施行規則(環境省令第11号/昭和59年厚生省令第17号の一部改正)
 浄化槽法第53条第3項の立入検査員証の様式変更。

12.湖沼水質保全特別措置法施行規則(環境省令第11号/昭和60年総理府令第7号の一部改正)
 湖沼水質保全特別措置法第21条第2項(第22条において準用する場合を含む。)の規定による身分証明書の様式変更

13.絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行規則(環境省令第11号/平成5年総理府令第9号の一部改正)
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律第19条第2項、第27条第2項、第41条第3項の規定による身分証明書等の様式変更。

14.特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法施行規則(環境省令第11号/平成6年総理府令第25号の一部改正)
 特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法第18条第3項の規定による身分証明書の様式変更。

15.南極地域の環境の保護に関する法律施行規則(環境省令第11号/平成9年総理府令第53号の一部改正)
 南極地域の環境の保護に関する法律第22条第3項の規定による身分証明書等の様式変更。

16.ダイオキシン類対策特別措置法施行規則(環境省令第11号/平成11年総理府令第67号の一部改正)
 ダイオキシン類対策特別措置法第27条第5項及び第34条第3項の規定による身分証明書の様式変更。

17.土壌汚染対策法に基づく指定調査機関及び指定支援法人に関する省令(環境省令第11号/平成14年環境省令第23号の一部改正)
 土壌汚染対策法第29条第4項の規定による身分証明書の様式変更。

18.土壌汚染対策法施行規則(環境省令第11号/平成14年環境省令第29号の一部改正)
 土壌汚染対策法第29条第4項の規定による身分証明書の様式変更。

19.環境省関係石綿による健康被害の救済に関する法律施行規則(環境省令第11号/平成18環境省令第3号の一部改正)
 石綿による健康被害の救済に関する法律第45条第2項の規定による身分証明書等の様式変更。
 など。
施行日:平成19年4月20日


【行政情報ウオッチング】
環境省
第8回超長期ビジョン検討会 議事次第・配付資料
黄砂実態解明調査中間報告書について
官民連携既存化学物質安全性情報収集・発信プログラム第4回プログラム推進委員会の開催について
環境省黄砂飛来情報ページの試験運用について
「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づく学識経験者の選定及び公表について
排水基準を定める省令の一部を改正する省令の一部を改正する省令案に対する意見の募集(パブリックコメント)について
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案に関する意見の募集について
自主参加型国内排出量取引制度(第3期)の目標保有参加者タイプCの公募について
「土壌汚染をめぐるブラウンフィールド対策手法検討調査」中間とりまとめの公表について
豊川水系設楽(したら)ダム建設事業環境影響評価書に対する環境大臣意見の提出について
「排出量及び取組の状況等に関する論点整理(案)」に対する意見の募集について

経済産業省
日本の紙・パルプ産業の持続可能な成長に向けて
クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ 発電及び送電タスクフォース 経年石炭火力発電の熱効率維持・向上に向けたピアレビューについて
「排出量及び取組の状況等に関する論点整理(案)」に対する意見募集の実施について
第3次産業活動指数(平成19年2月分)
石油等消費動態統計(平成19年2月分)

国土交通省
社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会都市計画部会第6回公園緑地小委員会の開催について
社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会第9回都市計画部会

【判例情報ウオッチング】
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ISO14001
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国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律

2007-04-19 08:24:54 | 地球温暖化
2007年4月19日 
 4月12日、参議院環境委員会において、議員立法である『国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律』が審議され、可決いたしました。同法案は、現在、衆議院環境委員会に付託されています。

1.提案理由
 京都議定書が発効したことを受けて、政府は、地球温暖化防止のための政府実行計画において、平成22年度から24年度までの平均で自らの温室効果ガスの排出量を平成13年度比で8%削減することを目標に掲げている。しかし、直近となる平成17年度の温室効果ガスの排出量は1.2%の削減にとどまっている。国全体の温室効果ガスの排出量の削減に向けて、政府は、自らが率先して目標を達成する必要がある。そこで、庁舎で使用する電気の購入や庁舎の改修事業等については、価格のみで判断するのではなく、温室効果ガス等による環境への負荷についても適切に評価した上で契約の相手方を決定することにより、環境に配慮した契約を推進していくことが必要であると考え、本法律案を提出した。

2.法案の概要
(1)国等の責務
 国等の責務として、その温室効果ガス等の排出の削減を図るため、エネルギーの合理的かつ適切な使用等に努めるとともに、経済性に留意しつつ価格以外の多様な要素をも考慮して、温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に努めること。

(2)基本方針
 国は、国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針を定めなければならない。この基本方針には、電気の供給を受ける契約及び使用に伴い温室効果ガス等を排出する物品の購入に係る契約における温室効果ガス等の排出の削減に関する基本的事項、省エネルギー改修事業に係る契約に関する基本的事項などを定めるものとた。各省各庁の長及び独立行政法人等の長は、基本方針に定めるところに従い、温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進を図るために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(3)国が省エネルギー改修事業についてする債務負担
 国が省エネルギー改修事業について債務を負担する場合には、当該債務を負担する行為により支出すべき年限は、当該会計年度以降10か年度以内とすることと。

(4)地方公共団体等の役割
 地方公共団体等は、地域の自然的、社会的条件に応じて、温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する方針を作成し、これに基づき必要な措置を講ずるよう努めること。

(5)国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する施策の策定及び実施
 国等は、国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する施策の策定及び実施に当たっては、公正な競争の確保に留意するとともに、国等の温室効果ガス等の排出の削減等に関係のある施策等との調和を確保すること。

(6)国及び独立行政法人等が締結する電気の供給を受ける契約
 国及び独立行政法人等が締結する電気の供給を受ける契約について、総合評価落札方式等に関する検討等を行うものとするとともに、当分の間、入札に必要な資格として温室効果ガス等の排出の程度を示す係数等を定めた上で、価格に基づき落札者を決定する方式によるものとすること。

3.審議内容(反対討論)
 本法案に対しては、市田忠義議員(日本共産党)から反対討論が出されました。
(1)原子力発電、核燃料サイクルの推進への危惧
 エネルギー基本計画は、原子力発電を将来にわたる基幹電源として位置付け、核燃料サイクルを含め着実に推進するとしている。原子力発電はその安全性に重大な懸念がある上に、事故隠しやデータ改ざんなど深刻な問題が明らかになっている。このことから、エネルギー基本計画に基づく施策との調和を図るとの規定は、このような原子力発電の推進を事実上認めることになり、到底受け入れることはできない。また、エネルギーの安定的な供給は、この間、石炭火力発電を増加させる免罪符、自然エネルギーの導入への牽制として使われてきた。この規定は、二酸化炭素排出量の最も多い石炭火力発電を増加させてきた方向を今後も認めることにつながるものである。

(2)原子力発電依存を転換し、自然エネルギーの開発利用へ
 エネルギー基本計画に基づく施策との調和、エネルギーの安定的な供給などの規定が、電力業界などの要望を受け入れて盛り込まれている。電力業界は、エネルギーの安定的な供給を理由に石炭火力発電量を増やし続け、2005年度には基準年の3.3倍にまで達している。そして、このような規定を、京都議定書の削減目標達成に最も責任を負っている環境省の関連法案の条文に明記したことは、国の政策の各分野にわたって原子力発電推進を柱としたエネルギー政策をより徹底させることにつながるものであり、容認できるものではない。行き詰まった原子力発電依存を転換し、自然エネルギーの開発利用を本格的に促進することを求めたい。

【官報ウオッチング】
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【行政情報ウオッチング】
環境省
関東カワウ広域協議会によるカワウ一斉追い払いについて
水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準値の設定について
環境技術実証モデル事業 閉鎖性海域における水環境改善技術分野における実証機関の実証対象技術の募集について

経済産業省
CDMプロジェクト政府承認審査結果について(申請者:日本カーボンファイナンス株式会社、丸紅株式会社、三菱UFJ証券株式会社)

国土交通省
「第4回日本風景街道戦略会議」の開催について「日本風景街道の実現に向けて 提言」を審議~美しい国土景観の形成を目指した国民的な運動を~

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◆「産業廃棄物処理委託契約」に関するコンテンツを追加しました/2007.4.15
◆「環境法令管理室」に「4月6日から4月15日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.4.15
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号外 第166回通常国会環境関連法案の審議状況⑩

2007-04-18 06:47:28 | 業務日誌
2007年4月18日号外
【衆議院本会議】
17日、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)は、環境委員長の報告の後、全会一致で委員長報告のとおり可決しました。
※同法案の審議の詳細については、第166回国会の議論からでお伝えする予定です。

環境野郎Dチーム ハリセンボンと地球温暖化の関係

2007-04-18 06:04:00 | 地球温暖化
2007年4月18日 
 16日の深夜からフジテレビで『環境野郎Dチーム』という番組が始まりました。DチームのDは団塊の世代のDで、出演者は、伊吹吾郎(司会)、大和田信也、浅丘めぐみ、小野寺昭、小倉一郎の各氏です。番組の内容は、環境問題に対し団塊の世代が何かできないか、を若い世代のゲストとともに毎回テーマごとに考察していくというもの。このように書くと、生真面目な番組のようですが、その生真面目さと世代ギャップがかえって失笑を誘うことを狙った構成となっています。
 第1回目のテーマは、小野寺昭氏の発案による地球温暖化で、ゲストは16歳の福田沙紀さんでした。最初に『不都合な真実』でも有名となったキリマンジャロの雪の、現在と30年前のフリップが出され、地球温暖化の深刻さをクローズアップ。続いて、2050年には日本の気温が6℃上がる可能性があることを指摘したうえで、現在生じている温暖化の影響として、松江市沖の日本海沿岸で、ハリセンボンが定置網に大量にかかり、漁師たちを悩ませている事例が紹介されました。
 この現象は、『同市美保関町の笠浦大敷組合では今年1月下旬から大量に取れ始め、連日水揚げされたばかりのハリセンボンを取り除く作業に追追われている。体表に多数のトゲがあるハリセンボンは、捕獲時などに旬のスルメイカやブリなどの魚体を傷つけ、商品価値を下げてしまい、食用にもあまり適さないという。同組合の船越佐一組合長(60)は「ここで漁に支障が出るほどの大発生は4年ぶり。昨年10月に起きたエチゼンクラゲのような漁業被害になりかねない」と話す。』として2月27日の朝日新聞でも取り上げられています。
 南方にすむハリセンボンは夏ごろから、一部が対馬暖流に乗って日本海を北上。通常では水温が低下する冬は生きられず、水温が下がる12月には、死滅してしまうのがほとんどです。しかし、今年は、海水温がやや高めで推移しているため、北上したハリセンボンが生き延び、上記のような問題が生じています。
 番組では、小野寺昭氏が実際に島根県に出向き、烏賊漁に動向。夥しい数のハリセンボンが捕獲される様が映し出されていました。こうしたハリセンボンは基本的に廃棄されるのですが、番組の趣旨からか廃棄されるハリセンボンをもらい受け、地元の民宿で料理してもらっていました。しかし、調理に手間がかかることなどから、食用としての活用は困難なようです。
 さて、こうして描き出された深刻な地球温暖化に対して何かできることはないのか、というテーマに対する回答は、①テレビを見ないときは主電源を切る、②シャワーを使用するときは、必要なときにだけ流すようにする、というものでした。
 次回が楽しみ? です。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
日本と中国が相互に輸出するトキの検疫及び衛生条件について
トキの繁殖協力及び研究について
平成19年度第1回「国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会」の開催について
中央環境審議会「21世紀環境立国戦略特別部会」第6回及び第7回会合の開催について
平成18年度アスベスト大気濃度調査結果について
「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰受賞者について
平成18年度(第38回)ガンカモ科鳥類の生息調査暫定値について
国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)総会の開催について

経済産業省
企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律案第10条第2項に基づく「告示案(緑地面積率等に関する同意企業立地重点促進区域についての区域の区分ごとの基準)」及び「告示案(工場立地に関する準則(平成10年大蔵省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省告示第2号)を一部改正する件)」に対する意見の募集について
特定サービス産業動態統計確報(平成19年2月分)

資源エネルギー庁
「電力系統の構成及び運用に関する研究会」報告書の公表について
電気事業分科会第24回

東京都
環境に関する世論調査の結果

【判例情報ウオッチング】
京都地裁は、17日、京田辺市の農地に汚泥などを投棄したとして、廃棄物処理法違反(不法投棄)の罪に問われた大阪府枚方市の産業廃棄物処理会社の社長ら幹部3人と、法人としての同社に対し、同社社長である被告に懲役2年(求刑懲役3年)の実刑、他の幹部2人に懲役2年、執行猶予5年(同2年6月)、同社に求刑通りの罰金3,000万円の判決を言い渡しました。弁護側は「汚泥ではなく、十分に固化処理した『再生土』だった」と無罪を主張していましたが、判決は、①固化材の添加率が不十分だった、②歩くことが不可能な汚泥状だった、③市場価値がなく、有償で引き取ってもらった、ことなどから「少なくとも一定部分は汚泥にあたる」と認定しました。また、量刑理由では、「京都府職員の立ち入り後も搬入を継続し、原状回復へ向けた努力もない」としています。判決によると、3人は共謀して2004年3月から6月の間、10トンダンプカーで約1,280台分の汚泥などを京田辺市の農地に投棄した、とされています。

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◆「産業廃棄物処理委託契約」に関するコンテンツを追加しました/2007.4.15
◆「環境法令管理室」に「4月6日から4月15日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.4.15
◆「環境法令管理室」に「4月6日から4月15日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.4.15

選挙カーからの演説?は、公害か?

2007-04-17 06:07:50 | 騒音・振動・悪臭
2007年4月17日  
 統一地方選挙も後半戦に入り、駅前や街頭では朝早くから夕暮れまで、必死の運動が繰り広げられています。受験勉強をしていた頃は、選挙カーがやってくるたびに便乗して休憩をしていたことを思い出します。小さい子や病人のいる家庭では、真剣に苦労していることでしょうが、法律で認められている行為だけに、誰に文句を言うわけにはいきません。
 ところが、16日、『首都圏の新人候補10人らによって「NO!選挙カー推進ネットワーク」(代表・伊藤悠都議)が設立された。また、茨城県日立市議選では現職10人が選挙カーを自粛した。』とのニュースがありました(16日毎日新聞/川俣享子、弘田恭子、臼井真)。報道によると、この推進ネットでは、①車にスピーカーを設置しない、②車中から音声を発しない、③選挙カーに支払われる公費負担を請求しない、の3項目に賛同する候補者らで発足したとのことです。比較的知名度が高い現職候補ではなく、新人候補がこのような対応をとることは、かなり勇気のいることではないでしょうか? 
そもそも選挙カーから聞こえてくるのは、候補者の名前と所属の連呼がほとんどで、政策らしきものはあまり聞いたためしがありません。とくに1日の終わり(20:00)頃は、選挙カーのテンションもよほど盛り上がっているのか、自己陶酔的な絶叫が多く、他の候補とすれ違うたびに『○○候補のご検討をお祈りいたします』などと社交辞令まで飛び出すのには、正直辟易する思いです。先ほどの報道のなかでも、『「大音量での連呼は迷惑で効果も疑問。公費なら節約すべきだ」。推進ネットに賛同した埼玉県熊谷市議選の無所属新人候補(28)は自転車で移動し声をからす。』との取材がされています。
 ところで、公職選挙法では、市区議選の選挙カーについては、市区条例を定めれば公費負担が認められる、としており、負担額は国政選挙に準じ、車レンタル代、燃料代、運転手代を含め7日間で最高計24万6,050円。ハイヤーなど貸し切りにすれば45万1,500円までの支給が認められています。こうした公費が有効なものとなるよう、当選者にはがんばっていただきたいと思います。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
イオン株式会社と環境省との「循環型社会の構築に向けた取組に関する協定」の締結について
第1回日中廃棄物・リサイクル政策対話について(結果概要)
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会容器包装の3R推進に関する小委員会(第6回)、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルWG(第43回)合同会合(第3回)の開催について
中環審廃部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会、産構環境部会廃リ小委員会容器包装リサイクルWGプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会合同会合(第5回)の開催について
平成19年度動物愛護週間ポスターのデザイン絵画コンクールの実施について
風力発電施設と自然環境保全に関する研究会(第2回)の開催について
一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成17年度実績)について
第5回特定外来生物等分類群専門家グループ会合(爬虫類・両生類)の開催について

経済産業省
産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキング・グループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会合同会合(第4回)
日シンガポール相互承認協定 シンガポール適合性評価機関の事業区分拡大
鉱工業生産・出荷・在庫指数確報(平成19年2月分)
資源・エネルギー統計確報(平成19年2月分)
機械統計確報(平成19年2月分)
化学工業統計確報(平成19年2月分)
窯業・建材統計確報(平成19年2月分)
繊維・生活用品統計確報(平成19年2月分)
紙・パルプ・プラスチック製品・ゴム製品統計確報(平成19年2月分)
鉄鋼・非鉄金属製品・金属製品統計確報(平成19年2月分)
需給統計確報(平成19年2月分)

国土交通省
航空輸送統計速報(平成19年1月分)
トラック輸送情報(平成19年1月分)

資源エネルギー庁
石炭・鉱物資源関連
石油・LPガス関連
省エネルギー対策

【判例情報ウオッチング】
名古屋高裁金沢支部は、16日、石川県小松市の航空自衛隊小松基地をめぐり、周辺の住民が国に対し、自衛隊機・米軍機の飛行差止めと騒音に対する損害賠償を求めた小松基地爆音訴訟(第3、4次訴訟)において、損害賠償額を8億1,384万円とした1審判決を変更し、11億8,806万円とするとともに、1審が認めた自衛隊機の民事上の飛行差止め請求権ほか、将来の賠償請求を却下する判決を言い渡しました。

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地球温暖化問題を平和・安全面から議論へ

2007-04-16 06:06:16 | 地球温暖化
2007年4月16日 
 4月の国連安保理事会において、『地球温暖化などの気候変動問題を「国際の平和と安全」に関連する問題と位置づけ、紛争予防の観点から検討する初めての公開討論』を行う、とのニュースがありました(14日読売新聞)。
4月の議長国は英国が務めますが、注目度の高い安保理で議論を深めることで、国際社会の問題意識を高めたい、との狙いから、ベケット英外相が議長を務める公開討論には、日本など安保理の非メンバー国も加わり、各国の立場を表明することとされており、温暖化による海水面上昇で国土の浸食が進む太平洋の島しょ国も危機的状況を訴える予定です。
 報道によると、英国が配布した事前説明資料は、気候変動がもたらしうる紛争の要因について、①地形の変化に伴う国境、領海線の見直し、②人口の大量移動、③エネルギーや水、耕作地の争奪、などの項目が挙げられており、国家や民族、宗教間の対立を激化させる恐れがあると警告している、とされています。気候変動についてはこれまで、環境問題としてのみ扱われておりましたが、国益や民族間の利害関係など、安全面にまで言及することにより、京都議定書から離脱中のアメリカなどを議論の場に引き戻す効果があるものと思われます。
 そのアメリカでも、地球温暖化を安全面で捉えた報告書が公表されました。15日の時事通信によると、米政府系のシンクタンク、海軍分析センターが地球の温暖化がアジアやアフリカの国家を不安定にし、「米国にとって重大な国家安全保障上の課題となる」との報告書をまとめ、対処しなければ深刻な結果を招くと警告した、との報道が15日付の米紙ワシントン・ポストに掲載されたとのことです。
 同報告書では、地球温暖化が水不足を招いたり、食糧生産に打撃を与えたりして、アジアやアフリカの脆弱(ぜいじゃく)な国家の不安定化要因になる可能性があると指摘。「多くの開発途上国は温暖化による圧迫に対処する行政組織やインフラを備えていない」ことから、「政府が国民にサービスを提供できず、国内秩序を保てなければ、混乱や過激主義、テロリズムが拡大する条件がそろう」とされています。 
 
【官報ウオッチング】
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【行政情報ウオッチング】
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環境省、レジ袋削減でイオンと「循環型社会の構築に向けた取組に関する協定」締結へ

2007-04-15 07:04:52 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年4月15日 
 環境省は、13日、イオン株式会社と循環型社会の構築に向けた取組を推進するため、「循環型社会の構築に向けた取組に関する協定」を締結する、と発表しました。同協定の調印式を4月16日(月)10:30から環境大臣室で行われる予定です。
 イオンは、2010年までにレジ袋50%以上の削減にむけ、その有効な手段のひとつとして、レジ袋の有料化を含むレジ袋提供方法の見直し(レジ袋の素材変更あるいはマイバッグのレンタル制度等)の実証実験を、1月11日から京都市内のジャスコ東山二条店で開始しています。今後も、6月から仙台市内のジャスコ仙台幸町店、京都市内のジャスコ京都西店、ジャスコ洛南店、ジャスコ京都五条店の以上4店舗での実証実験を予定しており、その結果を踏まえ、エリアを拡大すべく全社的に検討する、としています。
 環境省との「循環型社会の構築に向けた取組に関する協定」においても、上記の内容が盛り込まれる模様で、流通業界大手との環境協定締結は、改正容器リサイクル法の推進に向けて大きな影響を与えるものと思われます。
 こうした企業と環境省の環境協定は、これまでにローソン、モスフードサービスとも締結されており、今回が3例目の締結となります。有害廃棄物の再生利用認定適用をめぐる中央環境審議会の場面でも、自主協定が取り上げられるなど、今後の環境政策において自主協定方式が注目を浴びることは間違いないでしょう。

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号外 第166回通常国会環境関連法案の審議状況⑨

2007-04-14 08:23:17 | 大気汚染
2007年4月14日号外
【衆議院環境委員会】
 13日、衆議院環境委員会(第6回)は、『自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域におけ  る総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第74号)』を、附帯決議を付して、原案のとおり可決しました。附帯決議及び議論の詳細につきましては、『第166回通常国会の議論から』
でお伝えする予定です。

※本号では、第166回通常国会の議論から ⑭築地市場移転と土壌汚染対策法、を掲載しております。

第166回通常国会の議論から ⑭築地市場移転と土壌汚染対策法

2007-04-14 08:18:12 | 土壌汚染
2007年4月14日 
 4月3日の衆議院環境委員会では、築地市場の豊洲移転問題に関し、土壌汚染対策法に関する質疑がなされています。

1.法の不遡及と豊洲問題
 法の不遡及(ほうのふそきゅう)とは、実行時に適法であった行為を事後に定めた罰則により遡って処罰すること、ないし、実行時よりも後に定められたより厳しい罰に処すことを禁止した、近代刑法における原則です。
土壌汚染対策法では、附則第3条において、『法律の施行前に使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場または事業場の敷地であった土地については、この法律を適用しない』としていますが、築地市場の豊洲移転に関し、この解釈をめぐる議論が展開されました。

 『一般的な行政指導とか指導助言をする権限は持っているが、法的に、豊洲に東京の築地卸売市場が移転することに関する規制する法律を環境省は持っていないということについて、私は甚だ不思議だなというふうに思いまして、いろいろ調べてみましたらば、土壌汚染対策法が平成14年に成立をしておりますね。その平成14年に成立した土壌汚染対策法附則3条にわざわざ、法律の施行前に使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場または事業場の敷地であった土地については、この法律を適用しない、土壌汚染対策法を適用しないと書いてある。だから、豊洲のこの対象地が土壌汚染対策法の対象にならないことになってしまったわけでございます。しかし、この土壌汚染対策法の法律のたたき台になった中央環境審議会の「今後の土壌環境保全対策の在り方について」という平成14年1月に取りまとめられた文書の3ページを見ると、「調査の契機」というところに、調査をするのは「工場・事業場の廃止時や用途の変更時に調査を行うこと。」というふうに出ております。工場、事業場の廃止時やまたは用途の変更時に調査を行うこととなっています。 私は、この答申に沿って法律を起案するのであれば、この土壌汚染対策法附則3条というのは必要なかったのではないか。この附則3条がなければ、この豊洲の土地は土壌汚染対策法の対象になるわけです。わざわざ附則3条を入れているというのは、これは答申には書いていないことですよ。なぜこんなことをされたのか、わざわざ附則3条を入れられているということについての御説明をまずいただきたいと思います。』(川内博史代議士/民主党)
  
 『国家あるいは公共団体が公的権力関係によって一般の私的な権利関係にかかわっていくという場合には規制裁量であるべきだ、さかのぼってこれを適用するというのは、よほどの事情がなければさかのぼって適用することはしない、そういう法の原則に基づいてこういう附則が設けられているものと私は理解をしているんですけれども、おかしいんでしょうか。』(若林環境大臣)

2.土壌汚染対策法立法時点での豊洲問題の認識
 『それでは、平成14年の3月の時点で、環境省はこの豊洲の土地について問題があるということを既に知っていたということも確認させてください。』(川内博史代議士/民主党)

 『14年3月時点で、豊洲の土地、これがガスを製造する事業の土地であり、それが既に事業の廃止をされているということは承知いたしておりました。』(若林環境大臣)

 『ちょうど法律が議論をされているときに、環境省も知っているにもかかわらず、わざわざ附則三条を設けた、適用対象外にするということを設けた。しかも、それは答申には全く書かれていない。だれが、いつ、どこで、この附則3条を入れるということをお決めになられたんですか。』(川内博史代議士/民主党)

 『繰り返しになりますけれども、法施行前の有害物質使用施設が廃止された工場、事業場について、これを調査義務を発生させるということになりますと、それは、施行前に廃止というのはいつまで、ずっと昔の場合もあり得るわけで、これを過去にさかのぼって一律に調査を義務づけるということになりますと、廃止の施設の把握が困難で、公平な対応が法的には実施、確保しにくい、円滑な法施行が確保できなくなるおそれがあるというようなことから、これはもうこの新法、この法律をつくったわけで、その法律をつくった以降の廃止に限定してしっかり適用する、こういうふうに定めたものと理解をいたしております。』(若林環境大臣)

 『それでは、土壌汚染対策法の適用を豊洲のこの土地がもし受けるとすれば、附則3条がないとすれば、この土壌汚染対策法は豊洲を対象とするわけです。とすれば、豊洲を対象とすれば、この豊洲の土地は、今、東京ガスあるいは東京都が行っているような対策をとったとしても、土壌汚染対策法上の指定区域、いわゆる土壌汚染が残っている、土壌汚染が続いている、土壌が汚染されている土地として、指定区域としてずっと残るということを大臣から御答弁をいただきたいと思います。』(川内博史代議士/民主党)

 『仮に、豊洲市場の予定地、ここが市場として利用されるような事態になったということを前提といたしまして、そういう意味で、その土地に不特定多数の人が出入りをするというような状況になった場合には、これは土壌汚染対策法の対象ということになりますので、指定区域がその限りにおいて解除はされていないというふうに理解しています。』(若林環境大臣)

3.遡及の是非
 『今からでも遅くない。この土壌汚染対策法が対象とする土地、土壌というものの対象範囲を広げて、環境省としてもしっかりそれにコミットしていくということをしていかなければならないのではないかというふうに思いますが、大臣の御所見をいただきたいと思います。』(川内博史代議士/民主党)

 『今の時点で法律改正をしまして、過去にさかのぼって、そういう法規制下になかったものについてこのような法を適用するかどうかということについては、私は、非常に困難ではないか、困難である、こう思っております。』(若林環境大臣)

 『特別な事情がある場合には、あるいは、特にその汚染の状況がひどいというか、相当程度汚染されていると想定されるような土壌については、その特別な事情があるのではないかという趣旨の御発言をされた。私は、そういうものについては、そういう一団の土壌については、本法の対象となるような改正に向けて環境省としても検討を始めるべきであるというふうに思います。』(川内博史代議士/民主党)

 『いや、立法時点で、この法律をどう適用するかというような場合に、どこまでさかのぼって適用するのか、その当否の判断のことを申し上げたわけでありますが、法制としてもうスタートを切っておりますし、それを前提に世の中が動いているわけですから、そういう状況になったときに、過去のその部分を規制することをねらいとしてそういう不利益立法を講ずることができるか、その場合の特別の事情というのは、今委員がおっしゃられたようなことが特別な事情に当たるかどうかということについて私はコミットしたわけではございません。』(若林環境大臣)

4.豊洲移転問題への現実対応と土壌汚染対策法の射程
 『この地を、もし生鮮食料品の卸売市場として利活用するということで、そのことによって危険があるというようなものであるとすれば、これは、御承知のように、卸売市場の開設者は東京都知事でございます。と同時に、この卸売市場の開設の認可は、農林水産大臣が認可権者でございます。その認可に当たっては、食料品としての特殊性、それを取り扱う特殊性というようなことから、安全の上にも安全を期して判断をするというような仕組みになっているわけでございますので、土壌がそういう状態に、汚染された状態がある、これについて今、東京都及びそれを卸売市場として認可をする場合の農林水産省が安全な土壌改良を行おうとしているわけでございますので、それが行われればそういう心配はないわけでございます。その意味で、生鮮食料品を取り扱う卸売市場としてこれを利用するという前提で、どこまで土壌の対策が行われるか。これは、土壌対策を行うということを、東京都知事もそのことをアセスで言っているわけですから、それが十分であるかどうかというのは、農林水産大臣が第一義的にそこで判断される。もちろん、農林水産大臣の方から、土壌の立場でどうだ、こういう意見を求められれば、当然我々も農林水産省と一緒に、この土壌の安全性について調査、検討、結論を出すということになると思います。』(若林環境大臣)
 
 『最後に、大臣に確認しておきたいのは、安全、安心を確保するというふうに大臣はおっしゃられたが、土壌汚染対策法は、食料品の安心、安全までをも、要するに、中央卸売市場に集積する食料品の安心、安全を担保する法律ではない、現在の土壌汚染対策法では、中央卸売市場に集積する生鮮食料品の安全、安心までをも担保するものではないということを、明確に環境大臣として答弁をしていただきたいと存じます。』(川内博史代議士/民主党)

 『委員のおっしゃるとおりでございます』(若林環境大臣)

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【行政情報ウオッチング】
環境省
アジアの市長による環境的に持続可能な交通に関する国際会議の開催について
神栖市A・Bトラック地区外縁部モニタリング孔の調査結果等について
イオン株式会社と環境省との「循環型社会の構築に向けた取組に関する協定」の調印式について
平成19年版環境統計集の発行について
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会家電リサイクル制度評価検討小委員会、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルWG合同会合(第8回)の開催について
「平成18年度京都メカニズムクレジット取得事業」の結果について
平成19年度エコ燃料実用化地域システム実証事業の採択案件について

経済産業省
世界の石油化学製品の今後の需給動向(平成18年度版)
「平成18年度京都メカニズムクレジット取得事業」の結果について
商業販売統計確報(平成19年2月分)

国土交通省
「底質のダイオキシン類対策技術資料集」のとりまとめについて
自動車アセスメントの結果発表会を開催~自動車アセスメント結果の優良車両を一般公開するとともにNASVAが自動車アセスメントグランプリの受賞車を発表~
第4回 中長期的な展望に立った海岸保全検討会の開催について
石綿(アスベスト)含有建材データベース(平成19年3月版)の公表について

資源エネルギー庁
電力調査統計を更新

東京都
アスベストを含有した車両部品の使用について

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