環境法令ウオッチング

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第166回国会の議論から⑯ 築地市場移転と豊洲土壌汚染問題その3

2007-04-24 06:57:38 | 土壌汚染
2007年4月24日
 昨日に引き続き、4月10日の衆議院環境委員会における築地市場の豊洲への移転問題に関する議論を拾ってみます。

4.卸売市場法における築地市場移転計画の内容
 中央卸売市場の開設及び開設地域の変更等については、卸売市場法に基づき農林水産大臣が認可し、卸売市場整備計画によって位置づけられます。開設等の認可の基準は、①当該申請に係る中央卸売市場の開設が中央卸売市場整備計画に適合するものであること、②  当該申請に係る中央卸売市場がその開設区域における生鮮食料品等の卸売の中核的拠点として適切な場所に開設され、かつ、相当の規模の施設を有するものであること、③業務規程の内容が法令に違反せず、かつ、業務規程に規定する前条第二項第三号から第八号までに掲げる事項が中央卸売市場における業務の適正かつ健全な運営を確保する見地からみて適切に定められていること、④事業計画が適切で、かつ、その遂行が確実と認められること、とされています。
 なお、築地市場の豊洲への移転は、平成17年3月の第8次中央卸売市場整備計画において位置づけられました。

『卸売市場法には、第5条に、中央卸売市場整備計画は整備基本方針にのっとって作成をされるというふうに書いてありますね。確認してください。』(川内博史代議士/民主党)
 
『ただいま御指摘の卸売市場法第5条でございますが、該当部分だけ読み上げた方がよろしいかと思います。第5条第2項で、中央卸売市場整備計画の内容は「卸売市場整備基本方針に即するものでなければならない。」という規定がございます。』(農林水産省総合食料局次長)

『「卸売市場整備基本方針に即するものでなければならない。」と。そうすると、整備基本方針の中には食の安心、安全という観点が入っていますね。』(川内博史代議士/民主党)

『文言としての安全、安心といいますか、具体的には、卸売市場整備基本方針において、物品の品質管理の高度化に関する基本的な事項を定めるということで、当然にその扱われるものは安全でなくてはならず、それについてやはり国民、要するに住民の安心感というのは当然の前提としての定めであると思っております。』(農林水産省総合食料局次長)

『確かにこの平成17年3月17日の食料・農業・農村政策審議会総合食料分科会議事録には、農水省の方の御説明として、「卸売市場を通ったものは非常に安全だというようなことが胸を張って言えるような、そういうものにそれぞれの市場で考えていただきたい。」というようなことが、もう威張って言っているわけですね。・・・・・・では、この総合食料分科会で築地の豊洲移転について1回だけ議論をした、議論した内容はどういうことを議論されましたか。』(川内博史代議士/民主党)

『この17年3月の総合食料分科会の中での議論の中で築地市場の移転に関することにつきましては、立地として、その移転先が生鮮食料品等の卸売の中核的拠点としてふさわしいか、そういう議論がございました。』(農林水産省総合食料局次長)

『結局、立地としてどうかという議論であって、汚染土壌と食の安心、安全ということに関する議論はなされていないということでよろしいですね。』(川内博史代議士/民主党)

『17年3月の総合食料分科会におきましては、汚染土壌との関係というのは、議論はなされておりません。』(農林水産省総合食料局次長)

『総合食料分科会の委員の中に、汚染土壌と生鮮食料品の安心、安全というものに関して科学的知見を有する委員が、そもそもメンバーとして入っていないということも確認してください。』(川内博史代議士/民主党)

『この総合食料分科会の委員でございます。これは、この審議会の分科会に課された課題を審議するという観点から委員が任命されておりまして、ただいま委員御指摘の、土壌汚染の関係の専門家というのは入っておりません。』(農林水産省総合食料局次長)

『私は今までずっと確認してきましたけれども、卸売市場法では、卸売市場整備基本方針を定める、基本方針にのっとって整備計画を定める、基本方針には食の安心、安全という観点が入っている、あると。整備計画を議論する総合食料分科会で、食の安心、安全と土壌汚染との関係について議論がされていないし、そもそもそういうことに関して科学的知見を有する委員がメンバーの中にいないということに関して、農水省として、そもそも平成17年の3月17日の審議会の議論というものは私は不十分であるというふうに思いますが、農水省としては不十分であるというふうにお認めになられますか。』(川内博史代議士/民主党)

『17年3月に議題になりました、第八次中央卸売市場整備計画の中の、築地を豊洲に移転するという部分でございますけれども、これは、東京都からは、移転したいということとともに、都の条例によります環境規制を十分にクリアした対策を実施するのだという説明を聞いておりまして、したがって、それを前提にして、この第八次の整備計画に盛り込み、議論をいただくということでございました。基本的な考え方でございますけれども、移転先の市場の安全、安心ということでございますけれども、これは、まずは開設者でもございますし、地方公共団体でもある東京都が、まず第一義的に責任を持ってしっかり処理をするということが、まず第一ではないかというふうに認識しているところでございます。』(農林水産省総合食料局次長)

『農水省さん、きょうの議論の中で私が明らかにしましたでしょう。今、都の条例できちんと処理しているからという説明を聞いて審議会を開いたという御答弁でしたけれども、都の条例にしても、この土壌汚染対策法にしても、汚染土壌と食の安心、安全というもののつながりに関して言えば、食の安心、安全を担保するものではないということなんですね。だから、都の条例に則して処理しているから大丈夫ですという説明は、実は間違いなんです。東京都も多分そのことはわかってないと思うんですよ。だから、農水大臣が決定をする卸売市場整備計画について、今まで議論をしてきたことから、議論が不十分ということが明らかですね、それはお認めになられないと。では、しっかりと申し上げておきたいと思います。これも環境省が審議会に提出した資料ですよ。この中に、チャート図で、食の安心、水産物とか農畜産物、食品に対しては環境基準の設定は関係していない、食の安心、安全を担保するものではないということをきちっと書いてあるんです、この説明の中に。だから、東京都の条例に則していても、汚染土壌との関係でいえば、それは食の安心、安全を担保していないんですよ。したがって、審議会をもう一度開くべきなんです。どうですか。』(川内博史代議士/民主党)

『先ほど、東京都からは、環境規制を十分にクリアした対策を実施するという説明を受けて、対策が終わったという意味ではなくて、対策を実施するという説明を聞いて、手続を17年3月に進めたという意味でございまして、現在、東京都が、土壌汚染対策を進めるとともに、いわゆる環境アセスメントによって、その土壌汚染の問題も含めた都民の意見を聞く、そういう手続を踏んでいるという段階でございます。さらに、これは事務的にですけれども、東京都からはこういうことも聞いております。予定している土壌汚染対策は環境規制を十分にクリアするものであるけれども、念には念を入れて、豊洲の新しい市場で取り扱われる生鮮食料品の安全、安心の観点からこの土壌汚染対策について専門家の意見を聞くこととしているというふうな説明も最近聞いているところでございます。こういった、開設者であり自治体でもある東京都が今いろいろと動いている、そういったこともございます。それから、もちろん築地なり卸売市場、その上で扱われる食料品の安全というのもそうですし、また、そこで働く人々、それからそこに出入りする人々の健康被害ということも含めまして、仮に土壌汚染による、そういった人の健康被害、これは大変でございますので、そのあたりを、担当はもちろんこれは環境省でございますので、農水省といたしましては、そういった今やられている東京都の動きを踏まえ、また環境省とも連携して取り組んでまいる所存でございます。』(農林水産省総合食料局次長) 

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第3回エコイスト大賞の受賞提案について
石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく指定疾病の認定に係る医学的判定の結果について
低公害車普及のための各種支援措置(税制・融資)について
「廃棄物処理施設における温暖化対策事業」の公募について
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経済産業省
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道路運送車両法施行規則等の一部を改正する省令案に関するパブリックコメントの募集について
平成19年度(第1回)新世代下水道支援事業の採択について
エリアマネジメント・シンポジウムの開催について

厚生労働省
厚生労働省が今国会に提出した法律案について

資源エネルギー庁
ESCOの推進
エネルギー技術戦略について
第1回日印エネルギー対話について

【判例情報ウオッチング】
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ISO14001
◆「環境法令管理室」に「4月16日から4月22日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.4.21
◆「環境法令管理室」に「4月16日から4月22日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.4.21