環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

廃棄物処理法にみる行政処分と刑事処分 ③行政処分から刑事処分へ 欠格要件該当への道

2007-10-31 06:01:55 | 廃棄物適正処理
2007年10月31日
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)における行政処分は、報告徴収(法第18条)、立入検査(法第19条)による事実認定に基づいて、発出されます。この際、『行政処分の指針について(環廃産発第050812003号)』では、『行政処分を行うためには、違反行為の事実を行政庁として客観的に認定すれば足りるものであって、違反行為の認定に直接必要とされない行為者の主観的意思などの詳細な事実関係が不明であることを理由に行政処分を留保すべきでないこと。なお、事実認定を行う上では、法に基づく立入検査や報告徴収や関係機関との連携を積極的に活用し、事実関係を把握すること。』とし、客観的事実のみに従い行政処分を発出することを求めています。
 許可の取消及び一部の措置命令を除く行政処分は、原則として再び適正に廃棄物処理を行うことを期待して出されるものと考えられます。許可取消という被処分者にとってこれ以上ない最悪の措置が規定されている以上、そこに該当しない行政処分が出されるということは、取消の手前で留めておこうとする意思が存在すると考えることが自然だからです。
 ここで、一つ疑問になるのが廃棄物処理法の罰則規定との関係です。たとえば、マニフェストの虚偽記載違反は、廃棄物処理法第29条によれば『6月以下の懲役又は50万円以下の罰金』と規定されています。一方、行政処分の基準を記した『廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について(環廃産発第050812002号)』では、30日の事業停止、とされています。もし、廃棄物処理法に違反して罰金以上の刑を受けることとなれば、法第14条第5項第2号イの欠格要件に該当し、許可は『取消さねばならない(法第15条の3)』ことになります。では、取消すことを前提として、わざわざ事業停止の行政処分を発出するのでしょうか? これでは取消に至らない行政処分の基準を規定した意味がまったくないとことなってしまいます。
 ここで行政処分と刑事処分の関係を整理してみましょう。刑事処分は、告発というインプットを経て、公訴の提起、公訴せず、というアウトプットがだされるものです。その判断材料として、事業停止の行政処分を発出した行政庁が、行政処分に至る行為に不法投棄やその他の事件性との関連がある、という客観的事実を把握している場合は、その旨を捜査機関に対し告発することになります。
 検察官は、この告発内容を調査し、公訴するかしないかを判断することになります。この際、第1回でも書いた通り、刑事訴訟法第248条によって、検察官は、『犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる』とされており、違反事実があったとしても、酌量される余地があるため、ここで公訴せず、と判断されれば行政処分による事業停止のみとなり、欠格要件該当による許可取消には至りません。一方、公訴を提起する、という刑事処分が発出されれば、舞台は裁判所へと移され司法へと判断が委ねられます。そして、罰金刑以上が確定すれば、許可取消しという行政処分が出されるということになります。
 告発は、行政庁以外でも可能なため、刑事処分が先になされる場合もありえますが、ほとんどの場合は上記の『行政処分 ⇒ 刑事処分 ⇒ 行政処分』という流れで整理ができると思います。

※明日は、防御機会のための手続きについて整理します。

【官報ウオッチング】
号外第250号
〔政令〕
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令(政令第322号/昭和49年政令第202号の一部改正)
1.第一種特定化学物質として、二-(二H-一・二・三-ベンゾトリアゾール-二-イル)-四・六-ジ-ターシャリ-ブチルフェノールを追加指定することとした。(第一条関係)
2.第一種特定化学物質が使用されている場合に輸入することができない製品として、二-(二H-一・二・三-ベンゾトリアゾール-二-イル)-四・六-ジ-ターシャリ-ブチルフェノールについて、化粧板等を追加指定することとした。(第三条関係)
施行日:1.につき平成19年11月10日、2.につき平成20年5月1日

【行政情報ウオッチング】
環境省
「気候変動に関する非公式閣僚会合」の結果について
公害健康被害補償不服審査会裁決について(1)
公害健康被害補償不服審査会裁決について(2)
「平成19年度クールシティ中枢街区パイロット事業」における対象事業者の採択結果(2次交付分)について
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会建設リサイクル専門委員会 社会資本整備審議会環境部会建設リサイクル推進施策検討小委員会 第1回合同会合の開催について
神栖市ABトラック南西地域における飲用井戸の調査結果等について

経済産業省
「1人1日1㎏のCO2削減」応援キャンペーンの協賛企業について

国土交通省
社会資本整備審議会環境部会 建設リサイクル推進施策検討小委員会交通政策審議会交通体系分科会環境部会建設リサイクル推進施策検討小委員会第6回合同会議の開催及び社会資本整備審議会環境部会建設リサイクル推進施策検討小委員会中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会建設リサイクル専門委員会第1回合同会合の開催について(お知らせ)

東京都
新長期規制適合車購入の金利負担を軽減

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月22日から10月28日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.28
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月22日から10月28日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.28

廃棄物処理法にみる行政処分と刑事処分 ②自治体による行政処分の温度差

2007-10-30 06:27:29 | 廃棄物適正処理
2007年10月30日
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)上、自治体が実施する行政処分の基準については、平成17年8月12日に発出された『廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について(環廃産発第050812002号)』に示されています。これを加味して各自治体では、条例や要綱等により自ら適用する基準を定めています。たとえば、豊田市では『豊田市産業廃棄物処理に係る行政処分の基準等に関する条例(平成17年10月1日)』を策定し、『行政処分の指針について(環廃産発第050812003号)』の内容までも包含した規定を置いています。また、岩手県では『循環型地域社会形成に関する条例』及びその施行規則のなかで、累積点数制による基準が規定されています。
 行政処分の基準自体は、どの自治体でも『廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について』に準拠しており、ほとんど同一の規定を置いています。しかし、その運用については、自治体によって温度差があると言えます。
 たとえば、産業廃棄物収集運搬業者の許可の変更違反について、次のような事例があります。
①廃棄物処理法第14条の3の2第1項第2号に該当するとして許可を取消した事例
 産業廃棄物収集運搬業の許可を受けた者が、その範囲に「燃え殻」がないにも関わらず、産業廃棄物である燃え殻入りの土砂の運搬を受託し、運搬したため、法第14条の2第1項(許可の変更)に違反し、法第14条の3の2第1項第2号に該当するに至ったため、許可を取消す。
②廃棄物処理法第14条の2第1項違反に該当するため事業停止とされた事例
 取得している産業廃棄物収集運搬業の許可には、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(廃石膏ボード)の積替保管が含まれていないにもかかわらず、排出事業者の廃石膏ボードを収集運搬し、同社事業場資材倉庫において、31日間にわたり積替保管を行った。また、同社が取得している岩手県知事の産業廃棄物処分業の許可はガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(廃石膏ボード)の処分が含まれていないにもかかわらず、積替保管を行った廃石膏ボードのうち2.47tを、事前協議を経ずに設置した石膏ボード剥離施設により処理を行った。これらの行為は法第14条の2第1項違反(事業範囲の無許可変更)に該当する。として、産業廃棄物収集運搬業及び特別管理産業廃棄物収集運搬業は、90日間の事業の全部停止。産業廃棄物処分業は、27日間の事業の全部停止とする。
 上記の二つの事例は異なる自治体においてなされた行政処分です。ほぼ同じ(発表内容だけで判断すると、どちらかというと②のほうが重い気がしますが)内容の許可変更違反に対して、①は許可取消、②は事業停止、という行政処分がなされています。特に、①の場合、事業停止措置に該当し、情状が特に重いとき(廃棄物処理法第14条の3の2第1項第2号)に該当するとして、一発で許可取消の処分が出されている点に注目できます。発表された内容を読む限り、繰り返し処分を受けていたような経緯もなく、許可変更違反のみを対象としておりますので、かなり厳しい処分であると言えるのではないでしょうか。
 この点、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について』では、『なお、貴職において、事案に応じ、本基準以上に厳格な処分を行うことは、本基準の趣旨に反するものではない旨申し添える』としています。

※明日は、刑事処分との関係 欠格要件該当への道、をお届けします。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
クマ類の捕獲数及びクマ類による人身被害について(平成19年9月末現在)
石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく指定疾病の認定に係る医学的判定の結果について
フロン回収・破壊法の改正内容等について
平成19年度 第1回 ExTEND2005作用・影響評価検討部会の開催について
平成19年度環境技術実証モデル事業検討会 有機性排水処理技術 拡大ワーキンググループ会合の開催及び意見の募集について
産業構造審議会・総合資源エネルギー調査会自主行動計画フォローアップ合同小委員会、中央環境審議会 地球環境部会自主行動計画フォローアップ専門委員会合同会議の開催について
第43回国際熱帯木材理事会の開催について
環境技術実証モデル事業 小規模事業場向け有機性排水処理技術分野における実証対象技術の選定について(社団法人埼玉県環境検査研究協会)

経済産業省
廃棄物埋設施設及び特定廃棄物管理施設並びに原子炉施設(廃止措置及び運転終了)に係る平成19年度第2四半期の認可
商業販売統計速報(平成19年9月分)

厚生労働省
労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案に関する意見募集について

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月22日から10月28日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.28
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月22日から10月28日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.28


廃棄物処理法にみる行政処分と刑事処分 ①行政処分には情状酌量の余地はない?

2007-10-29 05:43:03 | 廃棄物適正処理
2007年10月29日
 行政処分とは、行政庁が行う処分及び裁決のことで、許認可等の申請に対する処分や不利益処分などのことを言います。相手方の任意の協力を前提とする行政指導とは異なり、①法律や条令の規定に違反した処分であっても、権限ある機関(上級庁や裁判所等)が正式に取り消さない限り有効(公定力)、②命ぜられた義務を相手方が履行しない場合に、行政庁が、裁判所の判決を受けることなく強制執行を行える(自力執行力)、というとても強い力を有しています。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)では、①許可取消、②事業停止、③措置命令、④改善命令、の4つの行政処分が規定されています。廃棄物処理業は、許可制による規制産業ですので、許可に値する各種基準に適合しなくなった場合には、許可取消・事業停止の重い行政処分が下されることになります。措置命令は、基準に適合しない廃棄物処理が行われたために、生活環境の保全に支障をきたす場合及びその恐れがある場合に、不適正処理をした者(廃棄物処理業者、排出事業者)に対して、その支障の除去、是正処置などが命ぜられるものです。改善命令は、基準に適合しない廃棄物処理が行われた場合に、そのやり直し等を、期間を定めて命ぜられるものです。
 一方、刑事処分は、違反行為があった場合に告発等を受けて検察官が、公訴を提起するか、しないかを決定する処分をいいます。廃棄物処理法との関係でいえば、行政処分を課した行政庁が、その重大性によって告発する場合、公益通報者保護法などによって内部告発がおこなわれる場合、住民等からの告発などの場面が考えられます。
 平成17年8月に発出された『行政処分の指針について(環廃産発第050812003号)』では、両者の目的を次のように整理しています。
行政処分:将来にわたる行政目的の確保
刑事処分:過去の行為の評価
 刑事処分については、刑事訴訟法第248条によって、検察官は、『犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる』とされており、違反事実があったとしても、酌量される余地があり得ますが、行政処分については『行政処分の指針について』のなかで『過去の行為を評価する刑事処分とはその目的が異なるものであるから、それを理由に行政処分を留保することは不適当であること。むしろ、違反行為に対して公訴が提起されているにもかかわらず、廃棄物の適正処理について指導、監督を行うべき行政が何ら処分を行わないとすることは、法の趣旨に反し、廃棄物行政に対する国民の不信を招きかねないものであることから、行政庁として違反行為の事実を把握することに最大限努め、それを把握した場合には、いたずらに刑事処分を待つことなく、速やかに行政処分を行うこと』として、情状による酌量を否定しています。
 
※明日は、自治体による行政処分の温度差について考察します。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月22日から10月28日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.28
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月22日から10月28日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.28


国内排出権取引を考える

2007-10-28 08:09:08 | 地球温暖化
2007年10月27日 
 京都議定書削減目標計画達成に向けた対策が、環境省・経済産業省から公表されました。それによると、従来の対策を続けた場合、1990年比-6%を達成するためには、さらに2.1%の積み上げが必要とされ、産業界は自主行動計画をさらに1.6%追加削減することが決定されています。しかし、それでもまだ1.1%の不足が残るため、家庭を含めこの穴をどのようにして埋めていくか、さらなる議論と行動が必要となります。
 最新の対策では、①森林吸収3.8%、②産業界の追加削減1.6%、③排出権購入1.6%、④不足1.1%、とされており、『削減』以外の対策に頼らざるを得ない状況が浮き彫りとなっています。
これらの対策のなかでも、排出権購入については、国内では自主型参加排出量取引制度が3期間試みられ、それなりの成果を上げています。しかし、追加削減をした上に、排出枠を設定されることに対しては、産業界からも反対の声が上げっており、すんなりとはいきそうにありません。
 産業界の自主行動計画は、ほとんどが原単位(一定量を生産することに要するエネルギー)による目標設定となっているため、生産量が増えると排出量も比例して増える計算になります。つまり、業績好調な企業ほど負荷が重く、低調な企業にはある意味有利な設定であるといえます。しかし、自主行動計画である以上、法的な拘束力はなく、達成できなかった場合の責任の所在は明確ではありません。
排出権取引制度導入への産業界の反対には、『大規模な設備投資をして削減するよりも排出権を買うほうが安くなると、実質的な削減になりにくい』との主張があります。もっともな意見ではありますが、では、自主行動計画が未達成の場合はどうするのかといえば、結局は『買ってでも達成する』ということになり、両者に本質的な差異があるとは思えません。
 排出権取引は、世界的に広がっていく傾向にあります。市場のなかでCO2排出量の削減がなされることは、環境と経済の両立という視点からは歓迎すべきものかも知れません。しかし、市場であるがゆえ、流通すべき排出量が消化されてしまった場合(誰かが売ってくれるだろうと多くの企業が考え、需要過多となった場合)のことも考えておかなければなりません。金額だけのことであるならばプレミア枠をめぐり争奪戦が起こるだけのことです。しかし、結果として排出量が増えてしまった、ではすまされない問題であることも忘れてはならないと思います。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.21
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.21

3R推進月間特集 27 最終回 未完の循環政策 循環型社会形成への政策展望

2007-10-27 08:10:05 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月27日
 3R推進月間特集最終回は、循環型社会形成への政策展望です。
 循環型社会を形成していくうえでの基本政策順位は、循環型社会形成推進基本法(循環基本法)に示されている通り、①発生抑制、②再使用、③再生利用、④熱回収、⑤適正処理、です。このうち、①及び⑤を廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)が担当し、②から④を個別リサイクル法がカバーしています。また、循環基本法により制定された循環型社会形成推進基本計画(循環基本計画)では、それぞれの個別法の見直しスケジュールが明確にされています。容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)は、昨年法改正がなされ、今年の4月に一部が施行、来年4月から全面施行となります。食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)は、今年改正されました。また、特定家庭容器再商品化法(家電リサイクル法)及び建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)は、現在、中央環境審議会での検討作業がなされており、来年以降、法改正がなされる予定です。このように、循環型社会を形成するための法政策は、まだまだ完成の域には達していないというのが現状であるといえるでしょう。

1.発生抑制のための政策 ― 入口強化が循環型社会形成の鍵
 循環型社会形成に向けての第一順位である発生抑制については、前述の通り廃棄物処理法において、僅かに触れられているに過ぎません。再使用以降の法政策がかなり詳細に規定されているのと比べると、かなり見劣りがします。出口がいくらしっかりしていても、入口が無尽蔵では、効果は現状維持がよいところでしょう。
 発生抑制を実現するためには、商品の設計、流通などの過程における何らかの規制が不可欠です。現状のかけ声だけの発生抑制策では、現実の効果は望めません。商品の設計、流通過程での規制には、環境省単独では無理があり、経済産業省等との調整が必要となります。まさしく、経済と環境の共存、折り合いをどこでつけるのか、という議論なくしては前に進まない課題であると言えます。この点についての政策検討はまだ着手されておらず、今後のスケジュールのなかで是非検討していただきたい項目である思います。

2.廃棄物処理法の問題 ― マーケットの視点を含めた改革の必要性
 循環型社会形成のための法体系のなかでは廃棄物処理法の制定が最も古く(1970年)、そのため個別法を制定・改正する際には必ず廃棄物処理法との整合性が問題となります。廃棄物であるかどうか、廃棄物であるとしたら保管・輸送・処分は廃棄物処理法の許可はどうするのか、などです。
 端的な例でいうと、建前上、リサイクルショップなどが各家庭から不要物を無償もしくは廉価で譲り受け、それを運送費をとって運搬する場合、輸送費-購入代金がプラスとなれば、それは廃棄物であり、運搬には一般廃棄物収集運搬業の許可が必要となります。そうすると、許可なしに輸送するにはかなり低い料金で輸送をするか、購入代金を高く設定するかしかありません。結局、リサイクル商品としての価格も上がり、思ったような循環が生じなくなる可能性があります。
 廃棄物処理法が厳格なのは、不法投棄を抑止するためであり、これはこれで意義のある政策であると思いますが、マーケットの世界で循環型社会を実現するためには、大きな足枷となっていることも事実です。それゆえ、広域認定制度や個別リサイクル法における廃棄物処理法の許可の適用除外などの措置がとられているのが現状です。
 廃棄物処理法は循環基本計画において、2008年以降に見直しがなされる予定となっています。その際には、廃棄物処理法の権益を守ることに終始するのではなく、マーケットにおける矛盾点などをつぶさに点検し、実りのある改革議論がなされることを期待したいと思います。

3.パラダイムの変換 ― 一人ひとりの意識変化が重要
 『大量生産、大量消費の時代は終焉させなければならない。なぜなら、資源は有限であり、人類の創生した技術は、環境を破壊する諸刃の刃であるからだ』という意見がある一方、『新たな技術開発こそが現代及び将来の課題を解決する。だからこそ、軽微な環境負荷には目をつぶるべきだ』という意見があります。どちらの意見にも説得力がありますが、後者の意見にはリスクが残ります。
 循環型社会を形成していくには、個人一人ひとりの意識によるところが大きいと言わざるをえません。自分だけはよいだろう、これだけなら問題ない、設けたぶんで何かを還元すればよいだろう・・・。結局のところ、循環型社会の成熟度は、その国家の成熟度と合致するものであると言えるのではないでしょうか。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」の制定及び意見募集(パブリックコメント)の実施結果について
平成18年度第2回自然再生専門家会議 議事概要及び会議録
公害防止ガイドラインフォローアップ会合(第1回)の開催について
「平成19年度 容器包装3R推進環境大臣賞」及び「平成19年度わたしがつくったマイバッグ環境大臣賞」の受賞者による発表会の開催について
水質汚濁に係る農薬登録保留基準の改正案に対する意見の募集について

経済産業省
「公害防止ガイドラインフォローアップ会合(仮称)」第1回の開催について
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令について
鉱工業生産・出荷・在庫指数速報(平成19年9月分)
資源・エネルギー統計速報(平成19年9月分)
機械統計速報(平成19年9月分)
化学工業統計速報(平成19年9月分)
窯業・建材統計速報(平成19年9月分)
繊維・生活用品統計速報(平成19年9月分)
紙・パルプ・プラスチック製品・ゴム製品統計速報(平成19年9月分)
鉄鋼・非鉄金属製品・金属製品統計速報(平成19年9月分)

国土交通省
社会資本整備審議会環境部会・交通政策審議会環境部会第6回合同会議の開催について
地域が有する歴史的、文化的、人的つながりを含む“ゆかり”事例集について
平成18年度住宅着工統計による再建築状況の概要

資源エネルギー庁
省エネ設備投資補助事業の助成対象決定について-エネルギー使用合理化事業者支援事業二次募集分助成決定

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.21
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.21

3R推進月間特集 26 省エネ・リサイクル支援法 公的助成策

2007-10-26 07:37:41 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月26日 
 3R推進月間特集第26回は、エネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法(省エネ・リサイクル支援法)です。省エネ・リサイクル支援法は、1993年、『資源の大半を輸入に頼る我が国の状況及び環境問題の国際的な高まりに鑑み、地球温暖化問題、廃棄物問題、オゾン層破壊問題に対応した事業者等の自主的な取り組みを支援すること』を目的として制定されました。
 2003年、エネルギー政策全般の見直しに際し、①政策支援の対象事業の追加(エネルギー起源の二酸化炭素の排出を抑制する事業であって海外で行うもの、使用済物品等及び副産物の発生の抑制(リデュース、再生部品の利用(リユース)の実施)、②支援機関の変更(政策支援のための業務(債務保証及び利子補給等)を行う機関を、産業基盤整備基金から独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構に変更)、③法律期限の延長(平成25年3月31日まで延長)、の改正がなされています。

【省エネ・リサイクル支援法の概要】
1.支援対象事業(第2条)
(1)省エネルギーの推進、海外での二酸化炭素排出抑制として、以下の5事業が支援対象とされています。
①工場・事業場における省エネ設備等の導入
②建築物における省エネ設備、建築材料の導入
③海外の工場又は事業場における二酸化炭素排出抑制
④省エネ技術の開発
 □分離膜精製技術、溶融還元炉銑鉄製鉄技術、連続鋳造による鋳片製造技術、二酸化炭素を原材料とするアルコール製造技術等
⑤省エネ廃熱有効利用設備の導入
 □大規模コージェネレーション地域熱供給施設、カスケード利用型工業団地熱供給施設、高効率廃棄物発電等施設(廃棄物エネルギー利用施設)、工場等余熱エネルギー周辺供給施設

(2)3R(リデュース・リユース・リサイクル)の促進として、4項目が支援対象とされています。
①3R設備の導入
 □紙製造業(脱墨装置等)、非鉄金属第二次製錬・精製業(選別機等)、プラスチック製品製造業(減容器、粉砕機等)、化学繊維製造業(解重合装置等)、複写機の製造業(分解装置等)等
②再生資源又は再生部品の分別回収
 □古紙、カレット、鉄くず、アルミニウムくず、廃プラスチック類等の分別回収、再生製品の市場拡大
③3R技術の開発
 □鉄くず再生資源化技術、石炭灰再生資源化技術、廃プラスチック類油化技術、スラッジ発生抑制技術等
④再生資源としての利用が容易な原材料(パルプモウルド)の製造設備の導入

(3)特定フロンの使用の合理化の推進として、以下の2項目が支援対象とされています。
①特定フロンの使用の合理化に資する技術の開発
 □代替フロン利用冷凍空調機製造技術、脱フロン等精密洗浄装置製造技術等
②特定フロンの使用の合理化に資する設備(代替品使用型洗浄装置等)の導入

(4)包装材料、容器の使用の合理化に資する技術の開発に関する支援対象
 □生分解性プラスチック製造技術

(5)リサイクルの推進、包装材料の簡素化等の共同事業活動

2.事業者による計画の策定(第4条、第6条、第20条)
 特定事業活動を行おうとする事業者等は、当該特定事業活動に関する計画(以下「事業計画」という。)を作成し、これを主務大臣に提出して、その事業計画が適当である旨の承認を受けることができます。
また、2以上の事業者であって、再生資源若しくは再生部品の分別回収その他再生資源若しくは再生部品の利用のために必要な措置又は特定物質の使用の合理化のために必要な措置を実施しようとするものは、共同して、実施しようとする当該措置に関する計画を作成し、これを事業所管大臣に提出して、その共同事業計画が適当である旨の承認を受けることができます。
 中小企業者はその事業計画を作成し、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に提出して、その事業計画が適当である旨の承認を受けることができます。

3.支援措置
(1)金融上の助成措置の対象事業
①産業部門省エネルギー対策推進事業
 年間原油換算100kl以上に相当するエネルギーの削減が可能となる事業で以下の要件を満たすもの
 □廃熱等の未利用エネルギーを改修するための付加設備又はエネルギーの使用効率を改善するための設備の接地を行う事業(ESCO事業を含む)で、エネルギー使用効率が20%以上向上するもの
 □省エネ・リサイクル支援法の承認を受けた事業で、工場において承認設備の設置を行うもの
②建築物省エネルギー推進事業
 □省エネ性能の向上に資する改修事業(ESCO事業に限る)
 □省エネ・リサイクル支援法の承認を受けた事業で、建築物の建築(増改築を含む)を行う際に承認設備等の設置を行うもの 
③民生部門省エネルギー推進事業
 □省エネ法の判断基準を満たす機械器具等の製造設備の設置又は改善を行う事業、及び□判断基準を早期に満たすための取り組みとして相当と認められる事業
④コ・ジェネレーションシステム整備
一次エネルギー利用効率が60%以上で、出力50kW以上のコ・ジェネレーションシステムを導入する事業
⑤風力発電施設(出力800kW以上)整備事業
⑥太陽光発電施設(出力150kW以上)整備事業
⑦燃料電池整備事業(出力100k以上で、廃熱を利用し、一次エネルギー利用効率が60%以上のもの)
⑧バイオマスエネルギー施設整備事業
⑨雪氷熱利用施設整備事業

(2)中小企業等を対象とした制度
①エネルギー有効利用促進
 省エネルギーに資する設備の取得(改造、更新を含む。)を行う事業(ESCO事業又は特定の設備についてはリース・レンタル事業による取得を含む。)
②特定高性能エネルギー消費設備導入等促進
 高性能な工業炉、ボイラー等を、導入する事業
③石油代替エネルギー
 石油代替エネルギーを使用するために必要な設備を設置する事業

 長く続いた3R推進月間特集は、次回で最終回となります。明日は、『未完の循環政策』として、今後の循環型社会形成のための法政策を展望してみたいと思います。

【官報ウオッチング】
〔省令〕
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(環境省令第30号/昭和46年厚生省令第35号の一部改正)
1.再生利用認定制度の対象について【規則第6条の2、第12 条の12 の2、告示】
① 規則第6条の2第1号及び規則第12 条の12 の2第1号に規定している「ばいじん又は焼却灰であつて、一般廃棄物の焼却に伴つて生じたものその他の生活環境の保全上支障が生ずるおそれがあるもの」及び規則第6条の2第2号及び規則第12条の12 の2第2号に規定している「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(平成4年法律第108 号)第2条第1項第1号イに掲げるもの」から資源として利用することが可能な金属を原材料として使用することができる程度に十分に含む廃棄物を除く旨の改正。
② 具体的な廃棄物としては、金属を含む廃棄物(当該金属を原材料として使用することができる程度に十分に含むものが廃棄物になったものに限る。)とする。

2.再生利用認定制度の内容ついて
再生利用認定制度の内容に係る事項について、現在の規定に加えて以下の①~③の内容を新たに規定する。
① 処理残さの発生について【規則第6条の4第8項、第12 条の12 の4第8項】
内容の基準において、資源として利用することが可能な金属を原材料として使用することができる程度に十分に含む廃棄物を再生利用する場合は、廃棄物(処理残さ)の発生を認めることとする。
② マニフェストについて【規則第8条の19】
①にあるとおり、処理残さとしての廃棄物が発生することが考えられるため、再生利用に供される廃棄物の処理が最後まで確実に行われたことを把握する必要があることから、規則第8条の19 に規定されているマニフェストの交付を不要とする者から資源として利用することが可能な金属を原材料として使用することができる程度に十分に含む廃棄物について再生利用認定を受ける者を除く旨の改正を行う。
施行日:平成19年10月26日


環境大臣が定める一般廃棄物及び再生利用に係る特例の対象となる産業廃棄物の一部を改正する告示(環境省告示第八十八号)
1.環境大臣が定める一般廃棄物の一部改正(平成九年厚生省告示第二百五十八号の一部改正)
本則に次の一号を加える。
四 金属を含む廃棄物(当該金属を原材料として使用することができる程度に含むものが廃棄物になったものに限る。)
2.再生利用に係る特例の対象となる産業廃棄物の一部改正(平成9年厚生省告示第259号の一部改正)
本則に次の一号を加える。
五 金属を含む廃棄物(当該金属を原材料として使用することができる程度に含むものが廃棄物になったものに限る。)
施行日:平成19年10月26日

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第六条の四第十号、第六条の五第十一号、第十二条の十二の四第十号及び第十二条の十二の五第十一号の規定に基づき、金属を含む廃棄物に係る再生利用の内容等の基準を定める件(環境省告示第89号)
1.再生利用の内容の基準
①鉱物、鉱物の製錬又は精錬を行う工程で生ずる副生成物等を原材料として使用する非鉄金属の製錬若しくは精錬又は製鉄の用に供する施設において、金属を含む廃棄物から金属として用いるための再生品を得るためのものであること。
②廃棄物を原材料として使用するにあたり、前処理が必要な場合においては、当該前処理に伴い生じる廃棄物の適正な処理が行われるものであること。
2.再生利用を行い、又は行おうとする者の基準
① 金属として用いるための再生品とその他の処理物を区分して保管及び搬出することができる者であること。
② 金属の製造及び販売を主たる事業として行う者であって、再生品である金属の販売を円滑に行うことができることが事業の実績等に照らして明らかである者であること。
③ 再生利用の用に供する施設が溶融炉である場合には、次の基準に従い維持管理をすることができる者であること。
ア)溶融炉内への金属を含む廃棄物又は金属を含む廃棄物を焼結若しくはばい焼したもの(以下「金属を含む廃棄物等」という。)の投入は、定量ずつ行うこと。
イ)溶融炉内に投入された金属を含む廃棄物等の温度を金属を得るために必要な温度以上とし、これを保つこと。
ウ)溶融炉内に投入された金属を含む廃棄物等の数量及び性状に応じ、金属を得るために必要な滞留時間を調節すること。
エ)溶融炉内の温度を間接的に把握することができる位置の温度を連続的に測定し、かつ、当該温度及び当該温度から推定される溶融炉内の温度を記録すること。ただし、溶融炉内の温度を直接的、かつ、連続的に測定し、記録する場合はこの限りでない。
オ)溶融炉が適正に稼働していることを確認するため、溶融処理に伴い生ずる物(ばいじんを除く。)の流動状態が適正であることを定期的に確認すること。
カ)集じん器に流入する燃焼ガスの温度をおおむね摂氏二百度以下に冷却すること。ただし、集じん器内で燃焼ガスの温度を速やかにおおむね摂氏二百度以下に冷却することができる場合にあっては、この限りでない。
キ)集じん器に流入する燃焼ガスの温度(前号ただし書の場合にあっては、集じん器内で冷却された燃焼ガスの温度)を連続的に測定し、かつ、記録すること。
ク)冷却設備及び排ガス処理設備にたい積したばいじんを除去すること。
ケ)排ガスによる生活環境の保全上の支障を生じないようにすること。
コ)火災の発生を防止するために必要な措置を講ずるとともに、消火器その他の消火設備を備えること。
サ)溶融炉内に金属を含む廃棄物を投入するために必要な焼結又はばい焼を行う場合にあっては、次によること。
□ 金属を含む廃棄物の焼結又はばい焼を行う場合にあっては、焼結炉又はばい焼炉内のガスの温度を焼結又はばい焼を行うために必要な温度に保つとともに、焼結炉又はばい焼炉内の出口のガスの温度を連続的に測定し、かつ、記録すること。
□ 排ガスによる生活環境保全上の支障が生じないようにすること。
□ 火災の発生を防止するために必要な措置を講ずるとともに、消火器その他の消火設備を備えること。
④ 再生利用の用に供する施設が浸出槽である場合には、次の基準に従い維持管理をすることができる者であること。
ア)浸出液が地下に浸透しないように必要な措置を講ずること。
イ)浸出槽内の水素イオン濃度指数を測定し、金属を含む廃棄物等及び浸出液の供給量を適度に調整すること。
ウ)金属を含む廃棄物等と浸出液との混合を十分に行うこと。
エ)電解槽から生じる排水による生活環境の保全上の支障を生じないようにすること。
オ)浸出槽内に金属を含む廃棄物を投入するために必要な焼結又はばい焼を行う場合にあっては、③のサ)の例によること。
⑤ 再生利用の用に供する施設が回転炉床型の還元炉である場合には、次の基準に従い維持管理をすることができる者であること。
ア)還元炉内への金属を含む廃棄物の投入は、定量ずつ連続的に行うこと。
イ)還元炉内の温度を金属を得るために必要な温度以上に保つこと。
ウ)還元炉内の温度を連続的に測定し、かつ、記録すること。
エ)還元炉の回転速度に伴い、還元炉内に投入された金属を含む廃棄物等の数量及び性状に応じ、金属を得るために必要な滞留時間を調節すること。
オ)還元炉床にたい積した物を定期的に除去すること。
カ)金属として用いるための再生品の回収の用に供する集じん器に流入する金属を含有した燃焼ガスの温度をおおむね摂氏二百度度以下に冷却すること。
キ)金属として用いるための再生品の回収の用に供する集じん器に流入する金属を含有した燃焼ガスの温度を連続的に測定し、かつ、記録すること。
ク)冷却設備及び排ガス処理設備にたい積したばいじんを除去すること。
ケ)排ガスによる生活環境の保全上の支障が生じないようにすること。
コ)火災の発生を防止するために必要な措置を講ずるとともに、消火器その他の消火設備を備えること。
サ)還元炉内に金属を含む廃棄物を投入するために必要な造粒(金属を含む廃棄物を破砕し、水を均一に混合して混練し、押し出しにより成形し、かつ乾燥することをいう。)を行う場合にあっては、次によること。
□ 定期的に保管設備を点検し、金属を含む廃棄物が流出し、又は地下に浸透するおそれがあると認められる場合には、速やかにこれを防止するために必要な措置を講ずることとする。
□ 破砕設備にあっては次によること。
(1) 破砕設備に投入する金属を含む廃棄物に破砕に適さないものが含まれていないことを連続的に監視すること。
(2) 破砕によって生ずる粉じんの周囲への飛散を防止するために必要な措置を講ずること。
□ 乾燥設備にあっては次によること。
(1) 乾燥室の出口におけるガスの温度を連続的に測定し、かつ、記録すること。
(2) 排ガスに係る管路を定期的に清掃すること
施行日:平成19年10月26日

【行政情報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会(第45回)の開催について
「国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針(案)」に対する意見の募集について
平成19年度第3回「国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会」の開催について
大気汚染防止法に係る担当者会議の開催について
平成20年度京都議定書目標達成計画関係予算概算要求について

国土交通省
「オフィスビルの地球温暖化防止対策検討会」について~オフィスビルのCO2排出量削減について業界横断的な検討を開始~

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.21
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.21


3R推進月間特集 25 環境教育推進法 人材育成こそ経営の礎

2007-10-25 07:06:55 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月25日 
3R推進月間特集第25回は、環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律(環境教育推進法)です。
 環境教育推進法は、2003年7月『持続可能な社会を構築するため、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な事項を定め、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的』に議員立法として制定・公布されました(2003年10月一部施行)。その後、2004年9月に『環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的な方針』が制定され、2004年10月から完全施行されています。
 基本方針では、産業革命以降の化石燃料等エネルギーの利用、交通手段の発達による世界中の至る所のものや資源の利用が可能となったこと、を掲げつつ、ものや資源の賢明な利用がなければ環境に影響を及ぼす、ことへの危惧が綴られています。また、現在の人類を「地球市民」として位置づけ、将来世代のためにも環境問題に取り組み、持続可能社会を構築することが重要としています。そのための手段として、問題の本質や取組の方法を自ら考え、解決する能力を身につけ、自ら進んで環境問題に取り組む人材を育てていく環境教育の必要性が説かれています。環境教育推進法は、まさしくその具現化のための法律と言えるでしょう。

【環境教育推進法の概要】
1.基本理念(第3条)
 環境保全の意欲の増進・環境教育等について、自発的意思の尊重、多様な主体の参加と協力、透明性及び継続性の確保、森林・田園・公園・河川・湖沼・海岸・海洋等における自然環境、を育成すること等の重要性の理解の深化、国土保全等の公益との調整、地域の農林水産業等との調和、地域住民の福祉の維持向上、地域における環境保全に関する文化及び歴史の継承への配慮等の理念を定める、と規定されています。

2.各主体の役割(第4条~第6条、第10条)
 努力義務規定として、各主体の環境教育の実践を下記の通り促しています。
①事業者、国民及び民間団体は、環境保全活動及び環境教育を自ら進んで行うよう努めるとともに、他の者の行う環境保全活動及び環境教育に協力するよう努めるものとする。
②国及び地方公共団体は、事業者、国民及び民間団体との連携に留意し、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に関する基本的、総合的な施策を策定、実施するよう努めるものとする。
③民間団体、事業者、国及び地方公共団体は、その雇用する者の環境保全に関する知識及び技能を向上させるよう努めるものとする。

3.学校教育等における環境教育に係る支援等(第9条)
 国、都道府県及び市町村は、学校教育及び社会教育における環境教育の推進に必要な施策を講じるものとし、学校教育における体験学習等の充実、教員の資質向上の措置等を講ずるよう努めるものとする、とし、学校教育レベルでの人材育成策が規定されています。

4.人材認定等事業の登録等(第11条~第18条)
(1)事業登録制度の概要
 環境保全活動や環境教育の現場における指導者の不足、教育現場と環境教育の指導者のマッチングの欠如等の課題を解決するために、人材認定等事業を行っている事業者の申請により、一定の基準を満たした事業について主務大臣が登録する制度が設けられました。登録された事業については、国が、国民に対して積極的に情報提供することとしています。主務大臣は、環境大臣、文部科学大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣の5大臣です。

(2)間違いやすい点、留意点
 登録制度の対象となる人材認定等事業とは、「環境の保全に関する知識及び環境の保全に関する指導を行う能力を有する者を育成し、又は認定する事業」と定義されています。したがって、各指導者個人を登録するものではなく、事業を登録するものです。環境の保全に関する講習会などを行っている事業でも、指導者の育成をしていない事業は対象となりません。また、登録を受けることができる者は、「人材認定等事業であって主務省令で定めるものを行う国民、民間団体等」とされており、国や地方公共団体が行う事業は対象となりません。すでに、人材認定等事業に該当する事業については様々な主体により実施されていますが、当制度による登録を受けなければ事業が実施できないというものではありません。本制度による登録を受けなくても、今までどおり事業を実施することができます。

5.環境保全の意欲の増進の拠点としての機能を担う体制の整備(第19条)
 国、都道府県及び市町村は、国民、民間団体等が行う環境保全の意欲の増進と相まって、環境保全に関する情報の提供、助言及び相談並びに便宜の供与等の拠点としての機能を担う体制を整備するよう努めるものとする、と規定されています。

6.その他
 上記の他に、下記の規定が設けられています。
①国民、民間団体等による土地等の提供に関する措置(第20条)
 国は、国民、民間団体等がその有する土地又は建物を自然体験活動その他の多数の者を対象とするのにふさわしい環境保全の意欲の増進に係る体験の機会の場として自発的に提供することを促進するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
②協働取組の在り方等の周知(第21条)
 国は、協働取組(二以上の国民、民間団体等がそれぞれ適切に役割を分担しつつ対等の立場において相互に協力して行う環境保全の意欲の増進その他の環境の保全に関する取組をいう。)の有効かつ適切な実施の方法等の周知のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
③財政上の措置等(第22条)
 国及び地方公共団体は、環境保全の意欲の増進及び環境教育の推進に必要な財政上又は
税制上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
④情報の積極的公表等(第23条)
 国、地方公共団体、民間団体及び事業者は、環境保全の意欲の増進の内容に関する情報
その他の環境の保全に関する情報を積極的に公表するよう努めるものとする。
⑤配慮等(第24条)
 国及び地方公共団体は、環境保全の意欲の増進又は環境教育を行う国民、民間団体等の
自立性を阻害することがないよう配慮するとともに、当該措置の公正性及び透明性を確保
するために必要な措置を講ずるものとする。

 環境教育というとかなり間口が広くなりますが、企業においてはISO14001の教育訓練の場面や、リスク管理に関する社員研修などもその一つであるといえます。環境教育推進法とは直接関連するものではないかも知れませんが、人材の育成は企業にとってももっとも重要な課題であるといえるでしょう。マネジメントの発明者と呼ばれるドラッカーは、その著書『現代の経営』のなかで、人材は、①最も生産性の高い、②最も変化しやすい、③潜在的な能力を持つ、資源である、と位置づけています。人を育て・大切にすることは、環境教育推進法を待つまでもなく経営の定石であるといえるでしょう。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。
【行政情報ウオッチング】
環境省
「温泉施設において発生する可燃性ガスに関する当面の暫定対策について」における対策の実施状況の報告結果について
鴨下環境大臣の「気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)及び京都議定書第3回締約国会合(COP/MOP3)閣僚準備会合」への出席について

資源エネルギー庁
ガス事業生産動態統計を更新

東京都
豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に関する専門家会議
第113回「東京都自然環境保全審議会」を開催

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.21
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.21

3R推進月間特集 24 環境配慮事業活動促進法 環境経営の視点 環境報告書の意義

2007-10-24 07:15:56 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月24日 
 3R推進月間特集第24回目となりました。昨日に引き続き、環境経営促進と環境保全支援に関する法律を扱っていきます。
 環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(環境配慮事業活動促進法)は、2004年6月、『環境を保全しつつ健全な経済の発展を図る上で事業活動に係る環境の保全に関する活動とその評価が適切に行われることが重要であることにかんがみ、事業活動に係る環境配慮等の状況に関する情報の提供及び利用等に関し、国等の責務を明らかにするとともに、特定事業者による環境報告書の作成及び公表に関する措置等を講ずることにより、事業活動に係る環境の保全についての配慮が適切になされることを確保し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与すること』を目的として制定されました(2005年4月1日施行)。
 環境配慮事業活動促進法の制定に際しては、中央環境審議会での検討が重ねられ、2004年2月に『環境に配慮した事業活動の促進方策の在り方について』が意見具申されています。そのなかで環境報告書とは、『いわば事業者が社会や市場に対して開いた窓であり、事業者と様々な利害関係者との間の重要なコミュニケーション手段。各主体のパートナーシップによってこそ、環境に配慮した事業活動がいっそう報われるものとなるものと期待される。そのためには、環境報告書の取組の裾野を拡大するための制度的枠組みが必要』と整理されました。
 そして、制度的枠組みの構築に当たっては、①民間の事業者については、環境報告書の作成等を義務付けるのではなく、むしろ事業者の任意に委ね、国の関与は最小限とすることにより事業者の自主性が最大限活かされるようにすること、②特に公的性格を有し、環境への配慮に不足があってはならない独立行政法人等については、環境報告書の作成等を義務化すること、とされ、環境配慮事業活動促進法の骨格へと繋がっています。
 なお、同答申ではさらに、事業者の環境配慮の取組の裾野を広げていくためには、社会や市場の側においても、環境配慮への積極的な取組への高い評価を具体的な行動へと反映させていくことが重要とし、金融・資本市場、消費者市場及びサプライチェーン市場のグリーン化を推進することが必要であると提言されています。こうした仕組みが社会インフラとして整備されるためには、環境省だけでなく経済産業省等も取り込んだ総合的な政策形成が不可欠であると言えます。環境省の管轄では、製品の設計・製作、流通、販売、資金調達などの経済活動にまで踏み込んでいくには無理があるからです。
 また、環境配慮事業活動促進法制定以前より、大企業においては既に環境報告書への取組は進んでおり、その有効性あるいは独自性による営業ツールとしての可能性の検証及びその結果として中小企業への広がりが今後の課題であるといえるでしょう。

【環境配慮事業活動促進法の概要】
1.国等による環境配慮等の状況の公表(第6条、第7条)
 国は、その環境配慮等の状況を毎年度公表すること、地方公共団体においては、その環境配慮等の状況を毎年度公表するように努めることとされています。

2.事業活動に係る環境配慮等の状況の公表(第8条~第11条)
(1)環境報告書の記載事項等
 主務大臣は、事業者、学識経験者等による協議会等の意見を聴いて、環境報告書の記載事項等を定めることとされており、以下の7項目が定められました。
①事業活動に係る環境配慮の方針等
 環境報告書には、事業者(法人であるときは、その代表者)の緒言及び事業活動に係る環境配慮についての方針又は基本理念を記載し、又は記録するものとする。
②主要な事業内容、対象とする事業年度等
 環境報告書には、主要な事業内容及び事業所並びにその記載又は記録の対象とする事業年度又は営業年度及び組織の範囲を記載し、又は記録するものとする。
③事業活動に係る環境配慮の計画
 環境報告書には、事業活動に係る環境配慮についての目標及び当該目標を達成するために行う取組を定めた計画を記載し、又は記録するものとする。当該計画の記載又は記録に当たっては、数値を用いることが望ましい。
④事業活動に係る環境配慮の取組の体制等
 環境報告書には、事業活動に係る環境配慮についての目標を達成するために行った取組に係る体制及びその運営方法を記載し、又は記録するものとする。
⑤事業活動に係る環境配慮の取組の状況等
 環境報告書には、事業活動に係る環境配慮についての目標を達成するために行った取組の状況及び事業活動に伴う環境への負荷のうち一以上の重要なものの程度を示す数値を記載し、又は記録するものとする。事業活動に伴う環境への負荷のうち一以上の重要なものの決定は、事業者が当該環境への負荷の程度及び環境報告書の利用者にとっての有用性の程度を考慮して行うものとする。
⑥製品等に係る環境配慮の情報
 環境報告書には、事業者が環境への負荷の低減に資する製品その他の物の製造等又は役務の提供を行ったときは、当該製品その他の物又は役務に係る環境への負荷の低減に関する情報を記載し、又は記録することが望ましい。
⑦その他
 環境報告書には、環境関係法令に基づく規制について行った対応、その利用者等との間において行った意見交換等の概要を記載し、又は記録することが望ましい。

(2)環境報告書が最低限満たすべき基本的枠組み
特定事業者は環境報告書を作成し、毎年度公表すること、特定事業者は記載事項等に従って環境報告書を作成するように努めるほか、自己評価を行うこと又は第三者審査を受けること等によりその信頼性を高めるように努めることが規定されています。なお、自己評価については『環境報告書の信頼性を高めるための自己評価の手引き【試行版】 』が作成されています。

(3)環境報告書の審査における遵守事項
 環境報告書の審査を行う者は、独立した立場において審査を行うよう努めるとともに、審査の公正かつ的確な実施を確保するために必要な体制整備等を図るように努めることと規定されています。

(4)環境報告書の公表等(民間の事業者)
 大企業者に対して努力義務規定として、①環境配慮等の状況の公表を行うように努めること、②記載事項等に留意して環境報告書を作成すること等により、作成した環境報告書等の信頼性を高めるように努めること、が求められています。また、国は、中小企業者に対して環境配慮の状況の公表の方法に関する情報を提供することが規定されています。

 環境報告書は義務として作成しても、そこに何らかのメッセージがない限りは、無味乾燥で味気ない報告書となってしまいます。自分たちが何を伝えたいのか、そのためにはどうような取組をしていくのか、といった熱い思いがあってこそ、読者をひきつける、ひいては営業的要請にも応えることのできる環境報告書ができるのだと思います。最低限の記載事項を守ることは重要かも知れませんが、それ以上に大切な思いを大胆に描いてみてはいかがでしょうか。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会総合政策部会第2回環境情報専門委員会の開催について
「1人1日1kgのCO2削減」応援キャンペーンの協賛企業について
G8環境大臣会合について

経済産業省
「1人1日1㎏のCO2削減」応援キャンペーンの協賛企業について

国土交通省
『ひろげよう 育てよう みどりの都市』全国大会で行われる表彰式及び表彰者について

資源エネルギー庁
わかりやすい「エネルギー白書」の解説のページを更新

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.21
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.21

3R推進月間特集 23 グリーン購入法 環境経営の視点 プラスの環境側面

2007-10-23 05:37:33 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月23日 
 3R推進月間特集も第23回目となりました。個別リサイクル法を終え、今日からは3R政策を側面から支える環境経営促進と環境保全支援に関する法律を扱っていきます。
 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)は、循環国会といわれた第147回通常国会において議員立法として提案・制定されました。グリーン購入法は『国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人による環境物品等の調達の推進、環境物品等に関する情報の提供その他の環境物品等への需要の転換を促進するために必要な事項を定めることにより、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を図り、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与すること』を目的としています。
 目的から読み取れる通り、グリーン購入法は基本的には公的機関の義務についての法律です。しかし、公的機関の物品調達義務ということは、裏を返せば製品を製造する事業者にとっても規制がかかるのと同様の役割を果たしていると言えます。

【グリーン購入法の概要】
1.環境物品の定義(第2条)
 グリーン購入法においては、以下の3つの物品又は役務が環境物品等として位置づけられ、公的機関は物品及び役務の調達の際に、環境物品等への需要の転換を促進するため、予算の適正な使用に留意しつつ、環境物品等を選択するよう努めなければならない、とされています。つまり事業者側から見れば、環境物品等であることが、公的機関に購入される大きなアドバンテージとなると言えます。
①再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料又は部品
②環境への負荷の低減に資する原材料又は部品を利用していること、使用に伴い排出される温室効果ガス等による環境への負荷が少ないこと、使用後にその全部又は一部の再使用又は再生利用がしやすいことにより廃棄物の発生を抑制することができることその他の事由により、環境への負荷の低減に資する製品
③環境への負荷の低減に資する製品を用いて提供される等環境への負荷の低減に資する役務

2.事業者及び国民の責務(第4条)
 努力義務規定ではありますが、事業者及び国民についても、物品の購入・借り受け・役務の提供を受ける場合には、できる限り環境物品等を選択することが求められています。ISO14001の環境側面において、組織が影響を及ぼすことができるもの、として原材料や備品のグリーン購入を掲げることも有効な手段と言えるでしょう。

3.国等における調達の推進 (第6条~第9条)
(1)基本方針の策定
 国は、国及び独立行政法人等における環境物品等の調達を推進するための『環境物品等の調達の推進に関する基本方針』を定めます。この基本方針は、2001年2月2日に環境大臣が各省各庁の長等の協力を得て案を作成し、閣議決定されてから、毎年の変更を経て、2006年2月28日閣議決定されたものが、最新のものとなっています。

(2)調達方針の作成等
 各省各庁の長(衆・参議長、最高裁長官、各省大臣等)及び独立行政法人等の長は、毎年度、基本方針に即して、環境物品等の調達方針を作成・公表し、当該方針に基づき物品等の調達を行います。また、年度の終了後、調達の実績概要を取りまとめ、公表するとともに、環境大臣に報告することとされています。

4.地方公共団体等による調達の推進(第10条)
 都道府県、市町村及び地方独立行政法人は、毎年度、環境物品等の調達方針を作成し、当該方針に基づき物品等の調達を行うよう努めることとされています。

5.環境物品等に関する情報の提供(第12~14 条、附則第2項)
(1)事業者による情報提供
 事業者は、その製造等する物品等に係る環境負荷の把握に必要な情報を提供するよう努めることとされています。

(2)環境ラベル等による情報提供
 他の事業者が製造等する物品等について環境負荷の低減に関する情報の提供を行う者は、科学的知見及び国際的整合性を踏まえ、有効かつ適切な情報の提供に努めることとされています。なお、エコマークはいわゆるトップランナー制度により基準の作成を行っていますが、グリーン購入法は全国での調達可能なことが前提であることから、エコマークの基準よりやや緩やかな基準となっています。

(3)国による情報提供及び検討
 国は、環境物品等に関する情報提供の状況を整理、分析して提供するとともに、適切な情報提供体制の在り方について検討を行うこととされています。

 グリーン購入法は総じて努力義務規定により構成されており、法的強制力を伴うものではありません。しかしながらこのような法律がどれほど有効に作用するかが、循環型社会構築に向けての鍵となるといえるでしょう。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会地球環境部会・産業構造審議会環境部会地球環境小委員会 合同会合(第25回)の開催について
中央環境審議会第43回総合政策部会の開催について
中央環境審議会第44回総合政策部会の開催について
「環境技術実証モデル事業」に関するシンポジウムの開催について
平成19年度「コミュニティ・ファンドを活用した環境保全活動促進事業」の対象事業決定について
「カーボン・オフセットのあり方に関する検討会(第3回)」の開催について
平成19年度中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会(第2回)の開催について
「省エネ家電普及促進フォーラム」の設立について

国土交通省
航空輸送統計速報(平成19年6月分)

資源エネルギー庁
簡易ガス事業生産動態統計の概況

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.21
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.21

3R推進月間特集 22 建設リサイクル法 その3 改正の方向性

2007-10-22 05:45:29 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年10月22日 
 建設リサイクル法は、その附則第4条において、『政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする』と規定されています。
 国土交通省は、平成18年12月、社会資本整備審議会環境部会に建設リサイクル推進施策検討小委員会を設置。一方、環境省も平成19年10月15日に中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会建設リサイクル専門委員会において、改正に向けての議論をスタートさせました。平成19年11月6日からは、両委員会合同の審議に検討の場が移され、本格的な議論が開始されることになります。
 一部報道によると、対象品目や対象工事の規模などについて検討される、とされています。また、解体木くずに関する「CCA問題」なども議論される見込みです。CCAとは木材の防腐、防虫処理剤として使用された薬剤であり、主成分は、クロム(Cr)、 銅(Cu)及び砒素(As)化合物です。現在では、これらの薬剤を塗布した木材の国内生産は中止されているが、現に家屋等に使用されているものについては、これから解体期を迎えるものが多く、新たな注意が必要である、とされています。
 建設リサイクル法をめぐる改正議論はまだ緒についたばかりで、論点など明確に見えてきませんが、今後の改正議論については、環境法令ウオッチングでもフォローしていく予定です。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.10.21
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「10月15日から10月21日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.10.21