環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

第166回通常国会の議論から21 自動車NOx・PM法改正案 その5 局地汚染対策

2007-04-30 08:36:53 | 大気汚染
2007年4月30日 
 自動車NOx・PM法改正案その5は、局地汚染対策に関する議論にふれて行きます。
 平成17年度の全国の二酸化窒素、NO2及び浮遊粒子状物質、SPMの観測データは、一般環境大気測定局、自動車排出ガス測定局ともに、90%以上が環境基準を達成しました。一方、自動車NOx・PM法の適用を受ける対策地域(大阪府、兵庫県の関西圏、首都圏、中京圏の8都府県を地域指定)内の自動車排出ガス測定局について、二酸化窒素の値を見ると、85.1%の測定局で環境基準を達成していますが、個別に見ますと、東京都の自排局の達成率は57.9%というように、非常に地域的なばらつきがあるということがわかります。
 そのような背景から、自動車NOx・PM法改正案では、局地汚染対策が盛り込まれています。

1.局地汚染対策の概要
 『今回の法改正の第一のポイントは、NOx、SPMの局地対策として、重点対策地区を設け、計画を立案し、この地区で重点的な対策を行うことにあると思います。重点対策地区の指定については、都府県知事が行うことになっています。それぞれの地域で指定の仕方について大きなばらつきがありますと、現地での混乱も予想されます。環境省としては、知事が、大気環境がどのような地域を重点対策地区に指定することを期待しておられるのか、また、指定についてのガイドラインなどをどのように都府県などに示されようとしているのか、お伺いいたします。』(近藤三津枝代議士/自由民主党)

 『ただいま御質問いただきました重点対策地域につきましてでございますが、この法律の対策地域内で、長期にわたりまして二酸化窒素など大気環境基準が達成されていない地区でありますとか、またこれに準ずる地区でありまして、大気の汚染の防止を図るということが特に必要であるという地区につきまして、都道府県知事が指定をするということを私どもとして期待しておるところでございます。また、この重点対策地区の指定に当たりまして、先生御指摘のとおり、地域によって大きなばらつきが生じることがないように、国の方で閣議決定で定めることとしております基本方針というものにおきまして、重点対策地区の指定に関する基本的な考え方を示してまいりたいと考えているところでございます。』(環境省水・大気環境局長)

2.重点対策地区における特定建物の事前届出制度
 『改正法案で、重点対策地区に建設される、新たな交通の集中、発生の可能性のある、一定規模以上の劇場、ホテル、事務所などの特定建物を新築する際に、NOxなどの排出抑制に配慮するよう、事前届け出制度が用意されております。この特定建物の届け出制度を生かすためにも、重点対策地区は、幹線道路沿いやふくそうする交差点などの発生源だけではなく、対象となる幹線道路、交差点を利用して流入する周辺の建築物も視野に入れる必要があると考えております。このため、ポイント的なエリアではなく、一定の広がりを持ったエリアを重点対策地区に指定するべきではないかと考えております。環境省としては、幹線道路などからどの程度の広がりを持ったエリアを知事が重点対策地区として指定することが望ましいと考えておられるのか、また、この点について、都府県とどのように連携を図ろうとされておられるのか、お考えをお示しいただけますでしょうか。』(近藤三津枝代議士/自由民主党)

 『今お尋ねの重点対策地区の具体的な範囲ということでございますが、局地汚染のあります交差点等の周辺を想定しておるところでございます。具体的には、地区によりまして状況が異なることでもございますので、当該地区の汚染の状況でありますとか、また土地の利用の状況、交通の状況等を勘案いたしまして、都道府県知事が定めることとなるところでございます。いずれにしましても、重点対策地区の指定に関する基本的な考え方、先ほど申し上げましたとおり、総量規制の基本方針に盛り込みまして、都道府県知事による指定が円滑になされるよう努めてまいりますし、都道府県とも密接に連携を深めてまいりたいと考えております。』(環境省水・大気環境局長)

 『今回の法改正におきまして、事前の届け出の必要な特定建物は、一定規模以上の劇場、ホテル、事務所、オフィスビルに限定されていますが、一方、不特定多数の人々が集まります大規模小売店舗は、今回の特定建物の届け出対象外になっているのではないかと思います。今回の法律改正で、大規模小売店舗を届け出対象外とされた理由をお伺いします。』(近藤三津枝代議士/自由民主党)

 『今回の改正法案及び大規模小売店舗立地法は、両方とも自動車の交通需要の増加に着目をしまして、交通渋滞の解消など、交通流の問題に対処しようとするものでございまして、対策は共通するものでございます。そこで、大規模小売店舗の新設につきまして、届け出義務の重複を避けるために、大規模小売店舗を特定建物の定義から除外するということにしたものでございます。』(環境省水・大気環境局長)

3.具体的施策
 『重点対策地区における対策としまして、オープンスペースの確保、また右折レーンの整備、信号機制御の高度化等を具体化していくことが考えられますが、現に東京都板橋区大和町交差点におけるオープンスペースとしての整備、それから愛知県安城市の国道一号線における右折レーン整備による走行速度向上などの先行事例におきまして、窒素酸化物の排出抑制や濃度減少に一定の効果が出ていると聞いております。環境省としましては、この重点対策地区に係る制度の実効性を期すために、こうした事業の実施について国や地方の関係行政機関にきちんとした働きかけを行っていくべきではないかと考えますが、環境副大臣のお考えをお伺いいたします。』(江田康幸代議士/公明党)

 『江田委員が今おっしゃったとおり、この対策というのは今回の法律の柱でありまして、大変重要であると思っております。そういう意味で、連携をしっかりとりまして、地方に対して、また関係機関に対しましても、密接な情報交換をしながら、しっかりと進むように頑張っていきたいと思っております。』(土屋副大臣)

 『国土交通省に関連して御質問をさせていただきますが、重点対策地区における具体的な事業推進には、道路管理者としての役割が大変重要でございます。大都市圏の環境基準を長年達成できていないような地域に対して、環境改善に向けた今後の国土交通省の取り組みについて伺いたいわけでございます。やはり長年達成していないところをどう、ハード的にもソフト的にも、環境基準を達成するために持っていくか、ここが大変重要でございまして、今回の法改正を踏まえてどのような対策を、取り組みを講じていこうとされているかをお伺いさせていただきます』(江田康幸代議士/公明党)
 
 『道路管理者といたしまして、やはり地区の交通がまずもってスムーズに流れることというのが重要なのではないかなと思っております。例えば、NOxについて見ますと、走行速度が20キロ、それに対しまして走行速度が40キロに上がりますと、NOxの排出量が35%低減をいたします。そういう観点から、例えば大都市の環状道路でありますとか、あるいは交差点の立体化でありますとか、あかずの踏切対策、そういうものでやはり走行速度を上げる対策というのが全般的には必要かなと考えておりますし、これは首都高、阪高の方でやってございますが、住宅地を通る路線と湾岸部を通る路線、料金を変えまして湾岸部の方に誘導するようなロードプライシング、有料のロードプライシングもやってございます。今委員お尋ねの局地対策でございますが、先ほどお触れになりました交差点の対策、それが有効かなと思っております。例えば右折レーンを設置しますとか、あるいは全体的な車線数の増減を考えていくとかというのがございますし、あるいは緑地帯、環境施設帯というのも、スペースがどういうふうになっているか、いろいろ場所によってあると思いますが、そういう即地的な配慮もしながら、道路管理者としてできる限りの対策をしてまいりたいと考えております。』(国土交通省道路局長)

【官報ウオッチング】
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【行政情報ウオッチング】
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【判例情報ウオッチング】
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第166回通常国会の議論から⑳ 自動車NOx・PM法改正案 その4 流入車対策② 排出抑制計画など

2007-04-29 07:28:59 | 大気汚染
2007年4月29日 
 昨日に引き続き、流入車対策に関する議論にふれていきます。

3.排出抑制計画を策定しない事業者への対応策
 2.でみた周辺地域の範囲、事業者の所有台数、指定地区への流入回数が政令などで決まりますと、この基準に基づいて、流入車対策の対象となる周辺地域内事業者は、みずからの事業活動に照らして、排出抑制計画などを作成し、知事に計画を提出することになります。

 『さて、一方で、法の適用を受ける以上の台数、流入回数の実績がある事業者であるにもかかわらず、排出抑制計画を策定しない事業者があるかもしれません。法律の適用の公平性を確保する観点からも、このような事業者をどのように把握し、適正な対応を求めていこうとお考えなのか、その具体的な対応策についてお伺いします。』(近藤三津枝代議士/自由民主党)

 『改正案におきましては、指定地区に係る実態調査などを踏まえまして、都道府県知事が周辺地域内事業者に対しまして、使用する自動車の台数でありますとか、また指定地区における運行の状況等の報告を求め、また立入検査を行うことができるということになっているところでございます。これによりまして、該当する事業者を把握し、必要な対応を求めていくことと考えております。また、こうした対象者に対しましては、都道府県知事による指導や勧告などの措置を厳正に実施することによりまして、義務の履行を確実に確保してまいりたいと考えております。』(環境省水・大気環境局長)

 『実際のところ、貨物自動車運送事業者の提出状況、平成15年度でも70.4%と、約3割がこれを提出していない。実態をやはりきちっと把握していかないと、私たちが今回法改正をしても実効性というのはなかなか上がらないと思うんですね。行政として、指導それから勧告などを厳正にやはり実施していかないと流入車対策が進まないんじゃないか、私はその点を非常に心配いたしますし、対象となる事業者をまず的確に把握すること、それから、義務を確実に履行させることが何よりも重要だというふうに考えますが、その点についてどう手を打っていかれるつもりか。環境省、お答えいただけますか。』(田島一成代議士/民主党)

 『事業者の方からの、現行法の取り組みでございますが、特に貨物の運送事業者について7割ということで、我々、この課題について、中央環境審議会の方からも、しっかりと厳正にこの法律を運用するようにという御指摘もいただいております。私たち直接でないところが残念でございますが、所管でございます国土交通省とも緊密に連絡をとりまして、実効が上がるように努力していきたいと思っております。』(環境省水・大気環境局長)

4.改正法の適用を受けない運送事業者や一般車両の指定地区への流入対策
 中央環境審議会の答申において、「容易に車両が自動車NOx・PM法上の車種規制に適合した車か否かが識別可能なステッカー制度等を構築する必要がある。」との提言がなされているように、制度全体の公平性を確保していくためにも、改正法の適用を受けない規模の運送事業者や一般車両の指定地区への流入対策が問題となります。

 『・・・・・・一目でわかる適合車ステッカー制度は、わかりやすい、非常に有効な施策だと考えております。そして、一般への適合車の使用の促進につながるとも考えております。ステッカー制度について、今後、環境省としては、関係省庁などと連携し、どのような制度の実現を図っていこうと考えておられるのか、環境大臣のお考えをお聞かせください。』(近藤三津枝代議士/自由民主党)

 『ステッカー制度は、車両が自動車NOx・PM法上の車種規制に適合しているか否かということとを容易に識別可能とするという意味では大変効果があるものと考えておりまして、中央環境審議会での意見具申を踏まえまして、この提言をどのように実行していくか、検討したところでございます。このステッカー制度は、流入車対策の実効性を担保するとともに、自動車輸送業者による適合車の使用を促していくという効果も期待できるわけでございますので、環境省としては、具体的な枠組みづくりにつきまして、今後、国土交通省や関係事業者等と連携、相談をして、効果的にこのステッカー制度を実現させていきたいと考えております。』(若林環境大臣)

 『ステッカー制度ということに対して、政府はどのようにお考えなのか。何か難しいところがあるとか、必ずしもがっと行っている感じではないんですが、ステッカー制度というのは非常にわかりやすいし、それぞれのトラックの主要業者あるいは委託をしている業者、特に主要業者さんのいろいろな使用計画の提出等々も必ずしも十分に守られていないところもあるようです。そういうことを考えると、ステッカーによって、ステッカーもうそをつけばつけるのかもしれませんが、やはりそのステッカーによってわかりやすいという、みんなで監視するというかチェックする、こういうのは非常にいいと思うんですが、いかがでありましょうか。』(近藤昭一代議士/民主党)

 『中央環境審議会でも、意見具申の中で具体的な提言がされておりますので、この点については、流入車対策の実効性を担保する意味でも非常に大きいですし、自動車輸送業者による適合車の使用を促すものになると思いますし、そういう意味で、ぜひ具体的な方向を探っていきたいと思っております。環境省と国土交通省としっかりと連携していくことが大事だと思いますし、今後、また事業者がやりやすい、実行しやすい方法を連携して相談していこうと考えております。また、一般の人も本当に目で見てわかる、これは非常に制度としてはいいと思いますので、しっかりと進めてまいりたいと思います。』(土屋副大臣)

 『特に委員会というようなモダリティーについてまで詰めておりません。しかし、これは実態的に、先生御指摘のとおり、ステッカー制度というのは非常に有効なものであるということで、実質的に私ども行政の範囲で実施が可能というように考えておりまして、国土交通省、もう既に担当者レベルではいろいろな意味でコミュニケーション、連絡をとったりしてきておりますので、これからまた引き続き国交省など関係する方面とも連絡調整をしっかりとやっていきたいと思っております。』(環境省水・大気環境局長)

5.ロードプライシングとの関係
 ロードプライシングは、大都市の交通量を抑制し渋滞や自動車公害を緩和する経済的手法のひとつで、道路の使用に対して直接的に料金を課す制度です。①特定の道路や車線を対象に料金を徴収する線的ロードプライシング、②一定の区域に入ってくる自動車から料金を徴収する面的ロードプライシングなどがあり、シンガポールやノルウェーでは②の例が取り入れられています。

 『流入車の対策、その流入車を含めてすべての車が出す、そういう排ガスを実質的に抑制していかなくてはいけないというふうに思うんですが、その点についてはどうでしょうか。ロンドンとかシンガポールなど、ロードプライシング等々が導入されて排出ガスを減らしていく、そういうような措置も各国でさまざま試みがあるようでありますが、いかがでありましょうか。』(近藤昭一代議士/民主党)

 『中央環境審議会の意見具申の中でも、先生御指摘のございましたロンドン、シンガポール等で導入がなされているロードプライシングについては、大変流入抑制対策としても有効である。一方で、いろいろなその導入に当たっての有効性であるとか社会的受容性、技術的な問題とか等々、こういったものの検討をする必要がある、こういう御指摘でございまして、私どもも、経済面への影響であるとか公平性の確保、合意形成の進め方など、いろいろな知見をそれこそ集約していきたいと思っておりまして、さらに検討を進めていく必要があると私ども思っております。同時に、いろいろな形での、ロードプライシングに加えて、効率的な物流システムの構築とかモーダルシフト、基本的に交通量を抑制するようなそういう対策もあわせて講じていきたいと考えているところでございます。』(環境省水・大気環境局長)

【官報ウオッチング】
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【行政情報ウオッチング】
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【判例情報ウオッチング】
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第166回通常国会環境関連法案の審議状況⑪ 海洋汚染防止法改正案、衆議院環境委員会で可決

2007-04-28 09:29:33 | 水質汚濁
2007年4月28日号外 
27日の衆議院環境委員会において、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第73号)は、附帯決議を付して、原案のとおり可決されました。詳しい審議の模様は、第166回通常国会の議論から、で掲載する予定です。

※本号では、自動車NOx・PM法の審議のうち、流入車対策に関する議論を取り上げておりますので、そちらもご覧ください。


第166回通常国会の議論から⑲ 自動車NOx・PM法改正案 その3 流入車対策① 基本的な考え方

2007-04-28 09:20:17 | 業務日誌
2007年4月28日 
 4月13日の衆議院環境員会では、参考人への質疑ののち、本格的な法案審議となりました。本日から、重要な改正点ごとの審議内容を拾っていきます。

【流入車対策】
1.流入車対策の基本的な考え方
 本改正法案の根拠となる2月23日の中央環境審議会答申『今後の自動車排出ガス総合対策のあり方について』では、①流入車対策については、対策地域外からの車両が無規制であるということは制度全体の公平性の面から問題である、②対策地域全体において排出量抑制を図ることが必要である、と指摘されています。この意見具申を踏まえると、流入車対策はNOx・PM対策地域全域について実施されてもよいとの考えが成り立ちます。しかし、本改正案では、NOx・PM対策地域の中に設定される重点対策地区の箇所から環境大臣が指定した箇所を指定地区に定め、流入車対策を適用することとされています。

(1)基本的考え方
 『対策地域内に使用の本拠を有する自動車につきましては法規制により代替が進められるのに対して、対策地域外の事業者に関しては、自動車の平均使用年数が延びていることもあって、代替が進んでおりません。一方で、対策地域内における流入車の交通量割合を見ますと、例えば平成17年度の貨物車で18%を占めているわけでございます。この流入車対策の実施に当たりましては、対策地域内と対策地域外の自動車について、それぞれへの影響なり双方のバランスをきめ細かく考慮して、大気環境の改善を進めていくことが重要でございます。今回の改正案で講じようとしている流入車対策の内容、それから対象者がどのような対象者なのか、さらにコスト負担などによって事業者の対応が困難とならないのか、環境省のお考えをお伺いしておきます。』(江田康幸代議士/公明党)
 
 『今回導入いたします流入車対策でございますが、まず、対策地域に隣接いたしました周辺地域において自動車を一定台数以上保有している、またその自動車を指定地区において反復継続して走行させる事業者を対象といたしまして、窒素酸化物などの排出抑制に関する計画を作成していただき、提出していただく、また定期的に報告をすることなどを義務づけるものでございます。この計画の具体的内容でございますが、例えば、貨物自動車の積載率の向上などを通じました車両使用量を削減するとか、またエコドライブの実施に当たりまして具体的に職員の研修を進める、そしてまた低公害車など計画的な導入を図る、こういったものを、事業者の可能な範囲での取り組みを促すものでございます。そういう意味では、過大な負担を伴うことなく実効性を上げることができるものというように考えているところでございます。』(環境省水・大気環境局長)

(2)車庫飛ばしへの対応
 『規制がかかっているところに本拠があるというか主体がある、そうでないところに車が置いてあるところが規制の区域に入っていくことには規制がない。いわゆる不公平、またそういう中で車庫飛ばしというような問題も起こってきている。これについて、今回の法案の中でも少し触れられているわけでありますが、どのように対応されていかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。』(近藤昭一代議士/民主党)

 『対策地域外から規制がかからない車の流入、そして対策地域内の事業者との競争の不公平感等も含め、いわゆる車庫飛ばし等への対応と思うのでありますけれども、現行の自動車NOx・PM法におきましては、対策地域内に使用の本拠の位置を有する自動車は、対策地域内を走行する蓋然性が高いため、汚染物質の排出抑制を図る必要性がより高いと認められることから、車種規制は対策地域内に限定して実施してきたものであります。そこで、今回の改正案では、対策地域の外の事業者であっても、対策地域内の局地において流入車を走行させる一定の事業者は計画策定等の義務を課し、これに基づき排出抑制の取り組みを促すこととしたものであります。こうした取り組みの実効性を上げるべく、今後とも努力をしていきたいと考えております。また、今委員御指摘のいわゆる車庫飛ばしについてでありますが、これは自動車の保管場所の確保等に関する法律等で禁じられております。これにより、このような行為が起きないように、警察庁や国土交通省などの関係省庁との連携を今後とも密にとりながら、引き続き対応していきたいと考えております。』(北川大臣政務官)

(3)指定地区の考え方
 『なぜ、このままでは環境基準の達成が難しいと考えられます重点対策地区全域を指定地区とし、流入車対策を実施されないのか、その理由をお聞かせください。』(近藤三津枝代議士/自由民主党)

 『ただいま御指摘いただきました指定地区の考え方でございますが、この指定地区というのは、流入車対策を講ずる上での一つの要件として構成をしておるところでございます。したがいまして、交通量全体に占める流入車の割合が通常よりも相当程度高い地区を指定地区として対象とするということとしております。したがいまして、こうした考えのもと、環境省におきまして、重点対策地区のうちから流入車の割合等を勘案しまして指定地区を決定することとしております。したがいまして、必ずしもすべての重点対策地区が自動的に指定地区として指定されることとは限らないわけでございますが、いずれにしても、局地汚染対策また流入車対策、あわせて実効のあるものとするように私どもも努めてまいりたいと考えております。』(環境省水・大気環境局長)

(4)荷主への対策
 『自動車を運行する事業者そして荷主に対して、今回、努力義務を課すことになりました。この努力義務の規定に基づく取り組みの内容について、私自身、見ておりますと、もう少し荷主に対しても強力な措置というものを講じていくべきではないかなというふうに思うわけですけれども、その点について、環境省、いかがか、お答えください。』(田島一成代議士/民主党)
 
 『荷主に対する努力義務を今回新たに導入したところでございます。努力義務の規定に基づく取り組みに関しまして、自動車を運行する事業者については、対策地域内を走行する際には、自動車NOx法に基づく排出適合車を使用するよう努めていただく。また、今委員御指摘のありました、荷主につきましては、運送事業者に対する貨物運送の計画的な発注によりまして、まとまった貨物を少ない頻度で運送させる、そういうことを内容としてございまして、詳細につきまして、今後関係者と調整をしていきたいと思っております。また、流入車対策として、この努力義務に加えまして、もう既に御案内のとおりでございますけれども、事業者の排出抑制計画の提出義務を課しまして、新たな対策をさらに講じて、総合的な対策の一助として、また、主要な柱として、今後、地域の環境基準早期達成に向けて努力をしてまいりたいと思っております。』(環境省水・大気環境局長)

2.NOx等の排出抑制計画書提出義務が課される周辺地域事業者の要件
 今回の法改正による流入車対策では、NOx・PM対策地域の外側の周辺地域に本拠地がある運送事業者などで、一定以上の台数を使用し、かつ指定地区内を一定回数以上運行する事業者が流入車対策の対象となっており、そのような周辺地域の事業者は、NOx等の排出抑制計画を作成し、計画書を知事に提出する必要がある、とされています。

 『法の適用の対象となる事業者の所有する車両の台数や指定地区内への流入回数は、それぞれ政令、省令で定めることになっておりますが、さて、環境省としては、この台数、回数について、具体的にどのような数値を定めようとしておられるのか、お伺いします。また、それぞれの指定地区ごとに周辺地域の範囲は省令で定めることになっていますが、指定地区の隣接地域からどの程度の範囲を周辺地域に指定しようとお考えなのか、この点についてもお聞かせください。』(近藤三津枝代議士/自由民主党)
 
 『まず最初に、所有する自動車の台数の要件についてでございますが、政令で定めることとしておりますが、周辺地域内の一つの都道府県内に所有している自動車の台数が30台以上とすることを現時点で想定しておるところでございます。また、指定地区におきます自動車の運行回数の要件につきましてですが、継続的かつ頻繁に指定地区を運行するような事業者を義務づけの対象とするということを想定しておりまして、具体的な水準については今後検討をさせていただきたいと思っておるところでございます。 また、周辺地域の具体的な範囲につきましては、今後、指定地区が定まり次第、当該指定地区において運行されている流入車の登録地につきまして調査を行った上で定めていくこととしているところでございます。』(環境省水・大気環境局長)

【官報ウオッチング】
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【行政情報ウオッチング】
環境省
第1回「みどりの式典」について
自然公園法50周年記念事業について(みどりフェスタ&国立公園フェア及び国立公園巡回写真展の開催)
「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づく学識経験者の選定及び公表について
廃棄物処理法に基づく廃棄物の輸出確認及び輸入許可(平成18年)について
特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の施行状況(平成18年)について
「平成19年度低コスト・低負荷型土壌汚染調査・対策技術検討調査及びダイオキシン類汚染土壌浄化技術等確立調査」対象技術の募集について
国際生物多様性の日に係る記念行事の実施について
中央環境審議会「21世紀環境立国戦略特別部会」第8回会合の開催について

経済産業省
産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキング・グループプラスチック製容器包装に係る再商品化手法検討会、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会プラスチック製容器包装に係る再商品化手法専門委員会合同会合(第5回)
平成18年の特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の施行状況について(お知らせ)
平成19年度「原子力エネルギー安全月間」について
鉱工業生産・出荷・在庫指数速報(平成19年3月分)
資源・エネルギー統計速報(平成19年3月分)
機械統計速報(平成19年3月分)
化学工業統計速報(平成19年3月分)
窯業・建材統計速報(平成19年3月分)
繊維・生活用品統計速報(平成19年3月分)
紙・パルプ・プラスチック製品・ゴム製品統計速報(平成19年3月分)
鉄鋼・非鉄金属製品・金属製品統計速報(平成19年3月分)
石油統計速報(平成19年3月分)

国土交通省
土砂災害警戒避難ガイドラインについて
第1回「みどりの式典」について
建設工事受注動態統計調査(大手50社)(平成19年3月分)
建築着工統計調査報告(平成19年3月分)
建設労働需給調査結果(平成19年3月調査)
平成18年度国土交通白書について

【判例情報ウオッチング】
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第166回通常国会の議論から⑱ 自動車NOx・PM法改正案 その2 大気汚染と科学的知見の関係

2007-04-27 06:00:17 | 大気汚染
2007年4月27日 
 昨日に引き続き、4月10日衆議院環境委員会における自動車NOx・PM法改正案審議のなかから主だった議論を拾っていきます。

【大気汚染と科学的知見の関係】
 東京大気汚染訴訟は、東京高裁から和解勧告が出され、現在、その協議が続いています。平成14年10月29日の東京地裁判決では、道路端から約50mまでに居住するなどにより気管支ぜんそくを発症、悪化した公害病未認定患者1人を含む計7人について排ガスと被害の因果関係を認め、「国などは住民の健康被害を防止する有効な策をとらなかった」と判断。国、都、首都高速道路公団に総額7,920万円の賠償を命じる判決を言い渡しましたが、国は、大気汚染とぜんそくの因果関係が証明されていない、との姿勢を一貫して保っています。
 自動車NOx・PM法改正案審議において、民主党の末松義規代議士は、大気汚染に関する科学的知見について、各参考人の意見を求めました。

 『原先生の方にお聞きしたいのは、今まで、では科学的知見のもとで、この大気汚染等、特に自動車公害と言われているものと、それから被害者の方々、今東京大気汚染訴訟等ありますけれども、科学的知見がないからなかなかそれは認められないんだということで裁判でも非常に厳しい状況に置かれている方々も多いんですが、先生は弁護団をお務めになっておられるということですので、その辺についてちょっと参考になるお話を賜れればと思っております。』(末松義規代議士/民主党)

 『・・・・・・ところが、裁判所としては、先ほども言いましたけれども、5回続けて因果関係はあるんだという判断をしているんですね。私どもの東京大気裁判でも、今控訴審が結審しましたけれども、その中でも国は同じことを言っています、因果関係は明確でないと。では、控訴審で何かその新しい証拠を出すのか、何か証人が出てくるのかと思いましたらば、何も出てこない、証人も立たない。ただ、はっきりしない、はっきりしないと言うだけという形で控訴審を争っている。はっきり言いまして、控訴審で国の主張が認められる可能性は全くない。国もそれはわかっていると思います。わかっていてそういうふうに言って因果関係を争うという、これは裁判の対応としては私は大変問題がある。つまり、引き延ばし以外の何物でもないのです。相手は、患者さん、高齢者の方も多い。その中で、大勢の方が決着つかないまま亡くなっているという現実があります。やはりこういう事態は即刻改めるといいますか、国としては、今までのそういう因果関係を認めた判決が5回も出ているということを前提に早期解決をきちんとしていくということが求められているのだろう、ちょっとお答えになったかどうかわかりませんけれども、そういうふうに考えております。』(原希世巳弁護士)
 
 『そういった、科学的知見で争うのであれば、やはり科学的知見のお互いの主張の中で、説得性ということで争わざるを得ないと思うんですね。そこで、ちょっと私の方は、前々から疑問に思っておりましたのは、実はその因果関係を争う中で、調査をするというようなことが、1987年の法の改正のときに附帯決議で、早急に調査をしろと。そのかわり政令で地域の指定をリフトアップというか外したというのが公健法でございましたね。調査をしろということで、その調査が、やるべきだという話で附帯決議があったにもかかわらず、どうもそれからの結果が余りよく見えないんですね。今環境省の方でやっているのが、「そらプロジェクト」というんですか、大々的に調査をしましょうということでやり始めて、結果が、私の質問に対しては平成22年に終わるということでございました。ちょっと私はお三方にお聞きしたいんですけれども、その調査というのは、何万人とか結構、拠点を決めていろいろと全国でやる話なんでしょうけれども、1987年から20年たって、そんなに調査というのは難しいものなのか。いろいろと健康被害者が出ているのであれば、それは随時やられていいはずだと思うんですけれども、どうも今行政の答弁を聞いていると、「そらプロジェクト」をやっているところだからと。これは平成17年から22年ですか、そういう形でやっているというふうにおっしゃっているんですけれども、その前にどうしてそういった調査が徹底してきちんと行われなかったのかなというのが、私は常々思っていた疑問なんです。 そこに対して、専門家のお立場からどういうふうな御所見がございますか。可能な範囲でお答えを賜れればと思います。』(末松義規代議士/民主党)

 『調査は、公健法の改正のとき以来サーベイランスなどの調査が行われているということは、私、存じております。私も折に触れて中間のデータの公表をちゃんとする方がいいのではないかということを申し上げておりますけれども、なかなか医学の専門の先生方というのは慎重な方が多くて、中間で余り中途半端な結論を出したくないというような方が多いようでございます。ですからなかなか出てまいりません。健康被害の問題に関しては、結局のところ、一つの疾病が一つの原因でストレートに判断できるような場合はいいんですけれども、呼吸器疾患というのは多様な原因がございますし、例えば住宅環境がどうであるかというようなことがございまして、そういう交絡因子をしっかり見ていかないと、なかなかはっきりしたことが言えないということがございます。自動車の排ガスの問題に関して、私も素人でございますから、余り責任を持った発言ができないということを前提に申し上げますけれども、どうも我が国の研究というのは、原因物質が何であるかという特定の物質とのつながりということにこだわった研究が多過ぎますので、複合影響的なものについてはなかなかデータが出てこない。しかも、そういう複合影響的なものというのは、データをとったからといって、おいそれとその程度のものでドクターが取れないなんという話を聞きまして、どうも原因がはっきりしないようなことをもやもややっていてもだめだというような傾向が強いように思います。ですから、単一物質を追っかけて研究していく限りなかなか答えが出てこないということがあるわけですが、ただ、複合影響のようなものも現実に調査はあるようでございますけれども、影響がないという答えを出すためにはかなりの金と時間がかかるということを聞いております。といいますのは、時間を短縮するために、実際よりもかなり高濃度の暴露をさせて時間を短縮して実験の成果を上げて、それをあとは時間を延ばして外挿するというような研究方法が多いんですけれども、それをやりますと、どうしても急性毒性に近い研究になってしまったりするので、そういう形で、影響ありという答えは出しやすいんですが、影響なしの方は、今度は通常の濃度でやっていきますからうまく答えが出てこないんだそうです。というわけで、なかなか答えが出にくいということは聞いたことがございます。しかし、確かに先生おっしゃるように、これだけ長期間、金をかけて調査をしているわけでありますから、そういうものについては、環境省は、中途半端なものを出したくないというのはよくわかるんですけれども、積極的に努力をして中間報告を出して、どういう結論であろうと、国民の不安を解消するとか必要な対策があるならば、はっきり答えが出ない段階でも速やかに対策を講じるということが必要だろうと思います。ですから、今後とも、私ども、審議会ではその発言を続けますので、どうぞ先生も国会の方でもそのような御発言をいただければと思います。』(浅野直人福岡大学法学部教授)

 『「そらプロジェクト」の問題については、一番問題なのは、確かに立派な研究なり調査が試みられているんだと思いますけれども、その結論が出るまで何もやらないというのが今の環境省の対応なんですね。そこが一番最大の問題だと思います。こういう疫学調査等は、精密にやろうと思えば、それは時間と金があれば幾らでも精密なやり方というのはできるんだろうと思います。その方が確かに学者的にはすっきりとした確信の持てる結論が出るのかもしれません。それはわかりません。ですから、そういうようなものを試みられるのは私は結構だとは思いますけれども、しかし、「そらプロジェクト」以前に、それはいろいろな調査を環境省もやっている、いろいろなところでやっているわけですね。さらに諸外国の調査研究もたくさんある。そういったようなものから、当然因果関係が疑われる事態があるわけですから、それに対応したような政策というものをきちんと、今現に苦しんでいる被害者がいっぱいいるわけですから、そういうものを早目早目に打っていくというような姿勢が一番大切なんじゃないかなと私は思います。』(原希世巳弁護士)

 『私は、地元兵庫で、現実にサーベイランス調査等、環境省の委託を受けて実施したわけでございますが、大変面倒でございます。予算の割に、人海戦術で物すごい人がかかります、かかった上に、なかなかデータが集まらないという状況にございます。このデータが、実際には個人情報に相当かかわってまいります。その人の生活履歴がきちっと押さえられないとなかなかデータ解析ができない、学者の先生方はそういう御発言をされます。それについていろいろなデータを整理していく上で、その生データを全部各先生方に公開して、各先生方から意見をいただくというのが重要だと思うんですが、ただ、先ほど申し上げましたように、相当の個人情報が入ってしまいますので、その辺の個人情報をどう確保していくかという問題をやっていくという意味で、大変苦労したという経験を持っております。この辺につきましては、ぜひ早く答えを出していただきたいというのも本音でございますが、それには相当の費用と相当の対応、また人がかかわらなければできないというふうにも考えてございます。そういう意味から、ぜひ、その辺について十分なる対応をしていただいて、早く答えを出していただきたいということを要望したいと思っています。』(小林悦夫・財団法人ひょうご環境創造協会顧問)

【官報ウオッチング】
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【行政情報ウオッチング】
環境省
クマ類の捕獲数及びクマ類による人身被害について(平成19年3月末現在)
国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)総会の結果について
平成18年度環境技術実証モデル事業VOC処理技術分野(中小事業所向けVOC処理技術)実証試験結果報告書について
平成18年度環境技術実証モデル事業小規模事業場向け有機性排水処理技術分野実証試験結果報告書について
コベネフィッツ型温暖化対策・CDMの実現に向けたテレビ会議の開催結果について
今春(平成19年春)のスギ・ヒノキ科花粉飛散終息予測
住生活の充実と省エネルギー・環境対策の両立に向けて~「ロ・ハウス」構想推進検討会報告書のポイント~
アジアの市長による環境的に持続可能な交通に関する国際会議の結果について

経済産業省
日米原子力エネルギー共同行動計画について
高知県東洋町での文献調査の取止めに係る原子力発電環境整備機構の事業計画の変更認可について
住生活の充実と省エネルギー・環境対策の両立に向けて ~「ロ・ハウス」構想推進検討会報告書のポイント~
実用発電用原子炉に係る平成18年度第4四半期の工事計画及び燃料体設計の認可実績の原子力安全委員会への報告について
総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会DVDレコーダー判断基準小委員会中間取りまとめに対する意見募集について

国土交通省
海岸漂着ゴミ(人工系)実態把握調査結果(速報)について
住生活の充実と省エネルギー・環境対策の両立に向けて~「ロ・ハウス」構想推進検討会報告書のポイント~

【判例情報ウオッチング】
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ISO14001
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第166回国会の議論から⑰ 自動車NOx・PM法改正案その1 法案への評価

2007-04-26 08:56:24 | 大気汚染
2007年4月26日  
 4月13日、第6回衆議院環境委員会において、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)の一部を改正する法律案について、審議が行われ、附帯決議を付して可決されました。本日から数回にわたり、その議論の内容についてふれていきます。

1.中央環境審議会答申と法案の整合性への評価
 自動車NOx・PM法改正案は、中央環境審議会の意見具申を踏まえて提出されました。大気部会自動車排出ガス総合対策小委員会の報告に基づき、同審議会では、①低公害車普及が現状のままに推移する場合、②交通量が増大し、低公害車普及が伸び悩む場合、のいずれの仮定のもとで推計をしても、自動車NOx・PM法の対策地域全体では、平成22年におおむね環境基準を達成するものと予測をしています。しかし、交通量が極めて多い道路が交差したり重層構造になっていたり、あるいは大型車の通行割合が多い沿道など、11から15の地点においては、環境基準が非達成という予測もされています。
 こうした点を踏まえ、浅野直人福岡大学法学部教授は、本法案に対して、以下の4点を評価できる点として指摘しました。
①局地対策に自治体を中心とした取り組みを進めるために、知事が窒素酸化物等の重点対策地区を定めることができるようになること、その地区内での計画を策定し、重点的に対策を講じることができるようになるということ
②交通需要を増大させる特定建物を新設する際の届け出義務及び届け出をした者に対する知事からの意見提出、勧告、公表及び特定建物の維持管理を義務づける制度は、早期段階での環境配慮を可能にする仕組みであること
③これまで野放であった対策地域の周辺地域内自動車に関しても、自動車排出窒素酸化物等の排出抑制の措置についての報告義務等を課すことは、現行法制定当初からの課題の解決の第一歩になること
④荷主の役割に関しては、積載効率の向上等、窒素酸化物等の排出抑制について幅広く努力義務を課し、貨物運送事業者と協力するなどによってこれを促すこととしており、これによって運送事業者の努力を促進させる、また、荷主の努力を促進させる、こういうことを認識させることができ、行政が適切な啓発をするということも相まって、従来よりも取り組みの進展が期待できること
 
 一方、課題としては、以下の点を指摘されました。
 『局地の重点対策計画が、審議会が指摘しております総合的な都市構造や道路構造の見直しを含む長期的対策につながるものとして機能し得るかどうかは、改正法十六条二項四号とか、あるいは十八条二項四号の運用の問題ということになるわけでございますが、余り手法が限定された計画になってしまいますと機能が限られてしまいますので、こういう計画の策定に際しても、必要な関係行政主体、その他多くのものが参画できることを十分に確保するということによって、この点を補うことができることを期待したいと考えております。また、改正法二十条の特定建物新設届け出制度でございますが、知事意見が形式的なものになることがないように、適正に環境配慮が行われるように運用されることを特に期待いたしたいと存じます。また、運用に当たっての透明性確保というのは大事なことでございますので、制度運用上の自治体での工夫がさらに必要ではないかと考えているわけでございます。最後に、周辺地域内自動車使用事業者の計画策定義務制度でございますが、これは対象事業者を的確に把握できるような、その点の担保の仕組みが整備されるということが必要だろうと思いまして、特に、自動車登録所管官庁からの情報入手等の運用上の支援体制の充実は、ぜひとも必要であろうかと存じております。』

2.大気汚染公害訴訟等からの観点
 東京大気汚染訴訟は、東京高裁の和解勧告を受け、東京都が独自案を提示し、自動車メーカー側は、この案をもとに和解交渉に応じることを表明しましたが、国は当初、和解交渉自体を否定していました。現在は、可能な限りの公害対策を推進していくということで、原告側と協議が進められております。
 この和解協議においては、環境省関連の対策として、①自動車NOx・PM法の規制強化、②PM2.5の環境基準の策定及び常時測定体制の拡充、という問題が、解決のための大きなかぎになっているとされています。東京大気汚染訴訟の原告側代理人である原希世巳弁護士は、こうした状況から、本法案を次のように評価しています。
 
 『今回の改正案につきましては、私ども、率直に申し上げまして、大変期待をしておりました。対策地域外からの非適合車、流入車の規制をいよいよ本格的に国としては初めて検討するということでありました。対策メニューを見てもさまざまなことがございます。今回法案化された地域外の事業者に対する一定の義務づけなどを初め、さらには対策地域内の非適合車の走行を禁止する、あるいは車種規制を全国に適用するなどの直接的な規制も検討されて、メニューに挙げられているというような点も私どもは大変注目いたしました。これは、いよいよ国も流入車対策の検討に本格的に着手するということを期待いたしました。しかし、その後の経過、でき上がった法案を拝見しますと、はっきり言いまして、残念ながら、期待を裏切るものというふうに言わざるを得ません。
 まず第一、平成19年2月の中環審の意見具申では、対策地域外の自動車所有者に車種規制のような重い負担を強いる手法は適切ではないとして、流入車を直接規制するような対策は否定された。その理由とするところは、環境基準未達成の地点が特定の局地に限定されつつあることを考慮したんだとされております。しかし、これは同じ意見具申の中で、対策地域全体において排出量抑制を図ることが必要であるということから流入車への対策が必要であると述べていることと整合しないように思われます。現在の大都市における、さきに申し上げたような汚染実態を考えれば、やはり、地域外からの未対策車は大都市部への乗り入れを基本的に禁止するというような対策が欲しかったというふうに思います。
 第二に、荷主や自動車集中施設、これは特定建物という表現で法案になっていますが、の設置管理者についての義務づけも、今回の法案では完全に抜け落ち、わずかに荷主の努力義務と特定建物の新設者に対する届け出義務が規定されるだけとなった点であります。荷主は確かに間接排出者ということになりますが、荷主がいなければ交通需要はそもそも発生しない。しかも、特定地域内の事業者に比較して、買いかえコストなど、地域外の事業者はコストが少ないということが考えられます。したがって、荷主の負担する運送コストを節減できる可能性がある。負担の公平を維持して規制の実効性を高める上でも、荷主に対する規制は重要であったというふうに思います。特定建物の新設者に届け出義務を課す今回の法案、これは大変結構だと思いますけれども、これも重点対策地区内のものに限っているという点は、まだ不十分ではないかと思います。大都市圏において新たな交通負荷を発生させるような施設をつくる場合は常に環境への負荷を最低限に抑えるための努力を求める、対策地域全体の新設者に届け出義務を課すということも検討されてしかるべきだったと思います。・・・・・・国は、西淀川公害裁判から始まって、5回、公害発生原因者として責任を認められております。今こそ公害発生の責任者として、公害根絶のための徹底的、抜本的な対策を講じてほしいというふうに思います。PM2.5の問題については、せめて欧米並みに環境基準を設定して、系統的な環境対策を行っていくということが必要だと思います。また、本法に関連しても、荷主、集中施設設置管理者に対する規制強化のみならず、未対策の車は大都市地域には乗り入れさせないというようなことなどを早急に具体化して、排ガス公害をなくしていくという確固たる姿勢を国民に示していただければというふうに思います。』

3.自治体からの評価
 兵庫県では、平成五年に兵庫県自動車排出窒素酸化物総量削減計画を策定しました。本計画のもと、兵庫県では、車種規制の徹底指導、低公害車、低NOx車のテスト導入、民間事業者へのモデル貸与等の普及啓発、また系統管制等によります交通規制の高度化、公共交通機関によりますノーマイカー通勤の実践、日本初の条例によりますアイドリングの禁止、またそのアイドリングをした場合の違反時の罰金、といった新たな施策が展開されています。
 またさらに、兵庫県は、阪神地域における自動車公害は地域内に車庫を有する自動車以外の他の地域からの流入による自動車に起因していることが多いという考えから、現在の自動車排ガス規制及び自動車NOx・PM法による規制のみでは対策が不十分である、として自動車NOx・PM法の排出基準を満たさない車両重量8トン以上の自動車が阪神東南部地域の一般道に流入することを禁止するという措置を盛り込んだ条例を策定。これにより他地域からの流入車両の規制を実施しています。
 自治体関係の参考人としては、小林悦夫・財団法人ひょうご環境創造協会顧問が、兵庫県職員という立場で上記実務を行ってきた経験を踏まえ、次のように意見を述べました。

 『今回の法改正によりまして、このような大気汚染が著しい地域を重点対策地域として指定し、都道府県がその対策計画を定めるとともに、地域内の建物を新設する際の措置、また、流入車対策といたしまして周辺地域の事業者に対策計画を策定させることは、これまで進めてきた自動車公害対策の中で、今後課題の残る局地汚染地域の対策としては重要な施策でございまして、これらの施策が、従前から行われてきた車種規制等、また兵庫県等が行っております独自の対策と相まって相乗効果が発揮されるということを期待するものでございます。
 ただ、これらの施策、対策につきましても、例えば都道府県が対策計画を策定したとしましても、その事業の実施に当たっての事業費が確保できなければ、この計画は絵にかいたもちになるわけでございます。また、周辺事業者におきましても、この状況は同様でございます。
 そのようなことから、政府におかれましては、この対策の遂行に必要な財源の確保、また対策に係る直営事業の実施、府県等に対する交付金の確保、事業者に対する税制上の優遇措置等について要望する次第でございます。』 

【官報ウオッチング】
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【行政情報ウオッチング】
環境省
「平成19年度 地球温暖化防止に係る国民運動におけるNPO・NGO等の 民間団体とメディアとの連携支援事業」の事業案件の募集について
若林環境大臣の水俣病犠牲者慰霊式への出席について

経済産業省
産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキング・グループ(第43回)、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会容器包装の3R推進に関する小委員会(第6回)合同会合(第3回)
総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会電力安全小委員会に新たに設置したワーキンググループについて

国土交通省
6月1日は「景観の日」~美しく風格のある国づくり~「日本の景観を良くする国民運動推進会議」全国大会の開催について

資源エネルギー庁
ガス事業制度改革について
省エネルギー政策について

【判例情報ウオッチング】
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IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第3次作業部会報告書の方向性

2007-04-25 06:46:06 | 地球温暖化
2007年4月25日  
 IPCCには3つの作業部会があり、第1次作業部会(Working Group I、又はWG I)は気候システム及び気候変動の関する科学的知見を、第2次作業部会(Working Group II、又はWG II)は気候変動に対する社会経済システムや生態系の脆弱性と気候変動の影響及び適応策を、そして、第3次作業部会(Working Group III、又はWG III)は温室効果ガスの排出抑制及び気候変動の緩和策をそれぞれ評価しています。
 現在、第4次評価報告書の作成が進められており、第1作業部会報告書は、第10回会合(平成19年1月29日~2月1日:パリ)において、政策決定者向け要約(SPM)が承認されるとともに、第1作業部会報告書本体が受諾され、2月2日、IPCCより公表されました。
 第2作業部会報告書は、第8回会合(平成19年4月2日~4月6日:ブリュッセル)において、政策決定者向け要約(SPM)が承認されるとともに、第2作業部会報告書本体が受諾され、4月6日、IPCCより公表されました。その検討の様子について、地球環境局長は、10日の衆議院環境委員会において、次のように発言しています。
 『具体的な数字や事例よりも定性的で抽象的な表現を求める国、影響回避のための削減対策を示唆する表現を拒む国、そういった国もございまして、大変議論が紛糾したというふうに聞いております。例えば、温室効果ガスの急増しております中国、ブラジル、あるいは化石燃料の大生産国でございますサウジアラビア、ロシア、そういった国とヨーロッパ諸国あるいは日本などのグループが対立をする場面があったというふうに聞いております。また、アメリカにつきましては、客観的で手がたい内容とすべく強力に議論が展開されまして、結果的には中国、サウジなどと同じ主張を行う場合も多かったというふうに聞いておるところでございます。 そういった中におきまして、議長団は、ある意味で妥協せず、科学者が納得しない修正は行わないということでさまざまな議論と説得を行いまして、結果的に全会一致で承諾がされたというふうに承知しております。』

 第1作業部会報告書は、科学的知見をもとに、温暖化は加速的に進行しており、このままではさらに進行するとの警鐘を鳴らし、第2作業部会報告書は、温暖化の影響が自然環境と人間環境にとって重大なものになる可能性が非常に高いことをデータに基づいた科学的な結論としています。そして、温室効果ガスの排出抑制及び気候変動の緩和策をまとめる第3次作業部会報告書は、30日からバンコクで開かれる会合において、政策決定者向け要約(SPM)の承認を経て、受諾・公表がなされる予定となっています。
 その案の概要について、25日の読売新聞は次のように報道しています。
□各国が平均で二酸化炭素(CO2)を1トン削減する費用に100ドルかければ、2030年には最大で、現在の世界の年間総排出量を上回る300億トンを削減できる
□1970~2004年に世界の温室効果ガスの排出量は70%増加。追加的な緩和策を講じなければ、排出量は2030年までに2000年比で25~90%増える。
□CO2 1トンを削減するための費用が、20ドル以下なら2030年には90億~180億トン、100ドルまでなら160億~300億トンを削減できると予測

【官報ウオッチング】
〔法律〕
温泉法の一部を改正する法律(法律第31号/の一部改正)
1 温泉の掘削等の許可への条件の付与等
 都道府県知事は、温泉の掘削等の許可に条件を付すことができることとし、当該条件に違反した者に対し、許可の取消し又は措置命令を行うことができることとした。
2 承継規定の新設
 温泉の掘削等の許可を受けた者である法人又は個人について、合併、相続等の場合における地位の承継ができることとした。
3 掲示項目の追加
 温泉施設内に掲示する事項として、入浴又は飲用上必要な情報として環境省令で定めるものを追加することとした。
4 定期的な温泉成分分析の義務付け
 温泉を公共の浴用又は飲用に供する者に対し、定期的な温泉成分分析及びその結果に基づく掲示内容の変更を義務付けることとした。
5 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとした。

【行政情報ウオッチング】
環境省
改正フロン回収・破壊法「事業者説明会」の開催について
自主参加型国内排出量取引制度(第3期)の目標保有参加者タイプAの公募について(「平成19年度温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業」の対象事業者の公募)
未承認の遺伝子組換えゼブラダニオ(熱帯魚)の販売等に対する指導について

厚生労働省
第5回 ボイラー等の自主検査制度の導入の可否に関する検討会議事録

【判例情報ウオッチング】
長野地裁は24日、本格操業前に産業廃棄物焼却炉の設置許可を取り消した県の処分を不服とし、伊那市の建設業者が長野県に対し、処分の取り消しを求めていた訴訟で、「県の処分に裁量権を逸脱した違法性はない」として業者側の請求を棄却しました。判決は、「基準を満たさない産廃処理施設にはダイオキシンなどの有毒物質発生による健康被害の恐れがあり、県には被害を未然に防ぐ責務がある」と指摘、さらに、「焼却炉は構造基準を満たしておらず改善は困難」としています。また、最高裁で確定した2003年3月の地裁飯田支部判決を踏まえ、「県が将来の操業を意図した軽微変更の届け出などを受理しなかったのも当然の措置」としました。

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第166回国会の議論から⑯ 築地市場移転と豊洲土壌汚染問題その3

2007-04-24 06:57:38 | 土壌汚染
2007年4月24日
 昨日に引き続き、4月10日の衆議院環境委員会における築地市場の豊洲への移転問題に関する議論を拾ってみます。

4.卸売市場法における築地市場移転計画の内容
 中央卸売市場の開設及び開設地域の変更等については、卸売市場法に基づき農林水産大臣が認可し、卸売市場整備計画によって位置づけられます。開設等の認可の基準は、①当該申請に係る中央卸売市場の開設が中央卸売市場整備計画に適合するものであること、②  当該申請に係る中央卸売市場がその開設区域における生鮮食料品等の卸売の中核的拠点として適切な場所に開設され、かつ、相当の規模の施設を有するものであること、③業務規程の内容が法令に違反せず、かつ、業務規程に規定する前条第二項第三号から第八号までに掲げる事項が中央卸売市場における業務の適正かつ健全な運営を確保する見地からみて適切に定められていること、④事業計画が適切で、かつ、その遂行が確実と認められること、とされています。
 なお、築地市場の豊洲への移転は、平成17年3月の第8次中央卸売市場整備計画において位置づけられました。

『卸売市場法には、第5条に、中央卸売市場整備計画は整備基本方針にのっとって作成をされるというふうに書いてありますね。確認してください。』(川内博史代議士/民主党)
 
『ただいま御指摘の卸売市場法第5条でございますが、該当部分だけ読み上げた方がよろしいかと思います。第5条第2項で、中央卸売市場整備計画の内容は「卸売市場整備基本方針に即するものでなければならない。」という規定がございます。』(農林水産省総合食料局次長)

『「卸売市場整備基本方針に即するものでなければならない。」と。そうすると、整備基本方針の中には食の安心、安全という観点が入っていますね。』(川内博史代議士/民主党)

『文言としての安全、安心といいますか、具体的には、卸売市場整備基本方針において、物品の品質管理の高度化に関する基本的な事項を定めるということで、当然にその扱われるものは安全でなくてはならず、それについてやはり国民、要するに住民の安心感というのは当然の前提としての定めであると思っております。』(農林水産省総合食料局次長)

『確かにこの平成17年3月17日の食料・農業・農村政策審議会総合食料分科会議事録には、農水省の方の御説明として、「卸売市場を通ったものは非常に安全だというようなことが胸を張って言えるような、そういうものにそれぞれの市場で考えていただきたい。」というようなことが、もう威張って言っているわけですね。・・・・・・では、この総合食料分科会で築地の豊洲移転について1回だけ議論をした、議論した内容はどういうことを議論されましたか。』(川内博史代議士/民主党)

『この17年3月の総合食料分科会の中での議論の中で築地市場の移転に関することにつきましては、立地として、その移転先が生鮮食料品等の卸売の中核的拠点としてふさわしいか、そういう議論がございました。』(農林水産省総合食料局次長)

『結局、立地としてどうかという議論であって、汚染土壌と食の安心、安全ということに関する議論はなされていないということでよろしいですね。』(川内博史代議士/民主党)

『17年3月の総合食料分科会におきましては、汚染土壌との関係というのは、議論はなされておりません。』(農林水産省総合食料局次長)

『総合食料分科会の委員の中に、汚染土壌と生鮮食料品の安心、安全というものに関して科学的知見を有する委員が、そもそもメンバーとして入っていないということも確認してください。』(川内博史代議士/民主党)

『この総合食料分科会の委員でございます。これは、この審議会の分科会に課された課題を審議するという観点から委員が任命されておりまして、ただいま委員御指摘の、土壌汚染の関係の専門家というのは入っておりません。』(農林水産省総合食料局次長)

『私は今までずっと確認してきましたけれども、卸売市場法では、卸売市場整備基本方針を定める、基本方針にのっとって整備計画を定める、基本方針には食の安心、安全という観点が入っている、あると。整備計画を議論する総合食料分科会で、食の安心、安全と土壌汚染との関係について議論がされていないし、そもそもそういうことに関して科学的知見を有する委員がメンバーの中にいないということに関して、農水省として、そもそも平成17年の3月17日の審議会の議論というものは私は不十分であるというふうに思いますが、農水省としては不十分であるというふうにお認めになられますか。』(川内博史代議士/民主党)

『17年3月に議題になりました、第八次中央卸売市場整備計画の中の、築地を豊洲に移転するという部分でございますけれども、これは、東京都からは、移転したいということとともに、都の条例によります環境規制を十分にクリアした対策を実施するのだという説明を聞いておりまして、したがって、それを前提にして、この第八次の整備計画に盛り込み、議論をいただくということでございました。基本的な考え方でございますけれども、移転先の市場の安全、安心ということでございますけれども、これは、まずは開設者でもございますし、地方公共団体でもある東京都が、まず第一義的に責任を持ってしっかり処理をするということが、まず第一ではないかというふうに認識しているところでございます。』(農林水産省総合食料局次長)

『農水省さん、きょうの議論の中で私が明らかにしましたでしょう。今、都の条例できちんと処理しているからという説明を聞いて審議会を開いたという御答弁でしたけれども、都の条例にしても、この土壌汚染対策法にしても、汚染土壌と食の安心、安全というもののつながりに関して言えば、食の安心、安全を担保するものではないということなんですね。だから、都の条例に則して処理しているから大丈夫ですという説明は、実は間違いなんです。東京都も多分そのことはわかってないと思うんですよ。だから、農水大臣が決定をする卸売市場整備計画について、今まで議論をしてきたことから、議論が不十分ということが明らかですね、それはお認めになられないと。では、しっかりと申し上げておきたいと思います。これも環境省が審議会に提出した資料ですよ。この中に、チャート図で、食の安心、水産物とか農畜産物、食品に対しては環境基準の設定は関係していない、食の安心、安全を担保するものではないということをきちっと書いてあるんです、この説明の中に。だから、東京都の条例に則していても、汚染土壌との関係でいえば、それは食の安心、安全を担保していないんですよ。したがって、審議会をもう一度開くべきなんです。どうですか。』(川内博史代議士/民主党)

『先ほど、東京都からは、環境規制を十分にクリアした対策を実施するという説明を受けて、対策が終わったという意味ではなくて、対策を実施するという説明を聞いて、手続を17年3月に進めたという意味でございまして、現在、東京都が、土壌汚染対策を進めるとともに、いわゆる環境アセスメントによって、その土壌汚染の問題も含めた都民の意見を聞く、そういう手続を踏んでいるという段階でございます。さらに、これは事務的にですけれども、東京都からはこういうことも聞いております。予定している土壌汚染対策は環境規制を十分にクリアするものであるけれども、念には念を入れて、豊洲の新しい市場で取り扱われる生鮮食料品の安全、安心の観点からこの土壌汚染対策について専門家の意見を聞くこととしているというふうな説明も最近聞いているところでございます。こういった、開設者であり自治体でもある東京都が今いろいろと動いている、そういったこともございます。それから、もちろん築地なり卸売市場、その上で扱われる食料品の安全というのもそうですし、また、そこで働く人々、それからそこに出入りする人々の健康被害ということも含めまして、仮に土壌汚染による、そういった人の健康被害、これは大変でございますので、そのあたりを、担当はもちろんこれは環境省でございますので、農水省といたしましては、そういった今やられている東京都の動きを踏まえ、また環境省とも連携して取り組んでまいる所存でございます。』(農林水産省総合食料局次長) 

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環境省
第3回エコイスト大賞の受賞提案について
石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく指定疾病の認定に係る医学的判定の結果について
低公害車普及のための各種支援措置(税制・融資)について
「廃棄物処理施設における温暖化対策事業」の公募について
実行計画策定マニュアル及び温室効果ガス総排出量算定方法ガイドライン
温室効果ガス総排出量の算定支援システムについて
中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会(第5回)、産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質政策基本問題小委員会化学物質管理制度検討ワーキンググループ(第4回)合同会合(第4回)の開催について
漂流・漂着ゴミ国内削減方策モデル調査:モデル地域の選定について(第一次選定)
平成18年度環境技術実証モデル事業ヒートアイランド対策技術分野実証試験結果報告書について

経済産業省
特定フロン・代替フロンに関する認知度調査(アンケート調査)の結果について
改正フロン回収・破壊法「事業者説明会」の開催について
特定標準器等の指定及び特定標準器による校正等の実施に係る告示改正に対する意見公募について

国土交通省
道路運送車両法施行規則等の一部を改正する省令案に関するパブリックコメントの募集について
平成19年度(第1回)新世代下水道支援事業の採択について
エリアマネジメント・シンポジウムの開催について

厚生労働省
厚生労働省が今国会に提出した法律案について

資源エネルギー庁
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エネルギー技術戦略について
第1回日印エネルギー対話について

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ISO14001
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第166回国会の議論から⑮ 築地市場移転と豊洲土壌汚染問題その2

2007-04-23 06:52:29 | 土壌汚染
2007年4月23日
 4月10日の衆議院環境委員会において、民主党の川内博史代議士が、築地市場の豊洲への移転問題について、再度、質問を行いました。  

1.豊洲の土壌の現状と法的規制
 民主党の川内博史代議士は、週刊誌に掲載された記事から、現在の豊洲の土壌の状況について確認しました。

 『本年、平成19年4月2日に、サンデー毎日でこのような記事が出ております。現地を、日本環境学会の会長さんを初めとする方々が豊洲の土地をごらんになられた、そして、土壌からしみ出す水を海に流す排水管を発見した、排水を測定したところ、pH値が11.35という強アルカリ性を示した、pH値は七が中性で、強アルカリ性である、水道水はpH六から八に保たれているということでございます。導電率も異常に高い。CODなども異常な数値を示したということでございます。』(川内博史代議士/民主党)

 上記記事に書かれているpH値とは、水素イオン濃度の値であり、導電率とは、一般的な水の性状を示す指標として使われており、土壌汚染対策法上の特定有害物質にも水質汚濁防止法上の健康項目のも該当しません。そうした認識のもと、環境省大臣官房審議官は、次のように答弁しています。

 『まずpHの方で申し上げますと、近傍において東京都が水質の測定を行っております。近傍の水質の測定結果によれば、東京湾全体のpH値とほとんど変わらない数値というものが検出されておりますので、周辺海域において何かpHで異常が起こっているというようなことはないというふうに認識をしております。また、導電率につきましては、ただいま御指摘の記事においては、おおむね、約の数字でございますけれども、2,000マイクロジーメンスという程度の数字かと存じ上げておりますけれども、海域においては一般的な海水の導電度は4万マイクロジーメンスという程度でございまして、これについても特段異常を生じるようなものではないというふうに考えているところでございます。』(環境省大臣官房審議官)

 この回答に対し、川内代議士は、海流の問題ではなく、『問題の土地からこういう排水が、もし出ているとすれば、しみ出しているとすれば、問題はないのか』と再度、質問。環境省大臣官房審議官は、数値根拠と法令上の取扱について説明し、特段法令上の措置はないと回答しています。

 『法令上の取り扱いにつきましては、先ほど申し上げましたように、水素イオン濃度にいたしましても、導電率につきましても、特定有害物質あるいは健康項目という取り扱いではございません。唯一、pHにつきましては、水質汚濁防止法上のいわゆる生活環境項目として排水基準が設けられております。ただし、これは水質汚濁防止法上は特定施設からの排水について適用される基準でございまして、先ほど先生御指摘ございましたように、一般的な土からしみ出している水についての法令上の適用はございませんし、また、私どもも、現在豊洲予定市場には何ら水質汚濁防止法上の特定施設がないというふうに承知しておりますので、特段法令上の措置ということはないと思っております。』(環境省大臣官房審議官)

2.豊洲問題と土壌汚染対策法立法過程
(1)環境省が豊洲問題を把握したのはいつか?
 次に、川内代議士は、土壌汚染対策法の立法過程において、環境省が豊洲問題を認識した時期、東京都とのやりとりの内容などについて質問しました。土壌汚染対策法附則3条では、『この法律の施行前に使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地については、適用しない。』と規定されています。この規定が加えられたことに、豊洲問題が関係あるのかどうか、ということが質問の意図であると思います。
 本規定は、法不遡及の原則との兼ね合いもあり、前回の委員会においても議論となっています。

 『この前も御指摘を申し上げましたが、そもそも、この豊洲の土地が土壌汚染対策法の適用があるとすれば、土壌汚染対策法上は豊洲の土地は指定区域になる、そして覆土するだけではその指定区域の解除にはならない、汚染土壌をすべて取り除かない限り指定解除にはならないわけでありまして、指定区域、要するに汚染された土壌の上に、今やっている対策では汚染された土壌の上に築地の市場が移ってくるということになるわけでございます。しかも、この指定区域を逃れたというのは、土壌汚染対策法附則の三条にある、「第三条の規定は、この法律の施行前に使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地については、適用しない。」という、この附則の三条があるために、この適用を逃れることができているわけであります。・・・・・・私は、この附則三条を入れたことに関して甚だ疑問を持っているわけでございますが、まず、この豊洲の土壌汚染について環境省が知ったのはいつかということに関して、事実関係を確認させていただきたいと思います。』(川内博史代議士/民主党)

 『私どもが確実に確認できるのは、実は平成14年に入りましてから、国会審議におきまして豊洲問題についての御質疑が行われ、その時点では、当然のことながら、確実に豊洲問題を認識したということは私ども確認できますけれども、それ以前のこととなりますと、担当者のファイル等々から考えまして、そういった新聞報道があったので、当然にその時点では認識はあったものだというふうに考えているということでございます。』(環境省大臣官房審議官)
 
 この答弁に対し、川内代議士は、平成8年5月24日の衆議院環境委員会において、水質汚濁防止法の一部を改正する法律案を審議した際の『六 土壌汚染は蓄積性の汚染であり、ひいては地下水汚染等を通じて人への健康影響が懸念されることにかんがみ、その実態把握に努めるとともに、浄化対策の制度の確立に向けて検討を推進すること。』とする附帯決議を引き合いに出し、『土壌汚染の実態把握に努めなさいということを国会は行政に要請をしているわけでありまして、当然に、それ以降、土壌汚染の具体の事例について、行政として、環境省として、その実態把握に努めていらっしゃったものというふうに思います。』とし、環境省が平成13年1月時点で豊洲の土壌汚染問題を把握していたことを確認しました。

(2)豊洲問題をめぐる環境省と東京都のやりとり
 『・・・・・・別に附則三条がなくたって、土壌汚染対策法は成立するわけですよ。なければならないというものではない。政策的に設けられているものである。それは内閣法制局に私は確認していますからね、大臣。私は、うそを言いませんから。政策的に設けられているんです。それを、附則三条を設けるというようなことをきちんと審議会に説明しているのか、説明していないと。さらには、この審議会の答申に対するパブリックコメントでも、大臣、いいですか、経過措置を設けてくださいという意見に対して、「経過措置は必要ないと考えます。」と政府は言っているんですよ、コメントに対する回答で。それにもかかわらず附則三条が入った。これはなぜか。法案を作成する段階で、環境省と東京都の間で何らかのやりとりがありましたか。』(川内博史代議士/民主党)

 これに対し、環境省大臣官房審議官は、『土壌汚染対策法の立法に当たりましては、土壌汚染対策に取り組んでいらっしゃるさまざまな地方公共団体とさまざまな意見交換をしたということは事実でございますし、東京都とも綿密な連絡をとっていたものと考えております。』と答弁。川内代議士は、環境省・環境大臣に対して、平成13年の1月から平成14年2月15日まで(土壌汚染対策法案が閣議決定をされて国会に提出されるまでの間)の間に、東京都と環境省がやりとりをした文書を衆議院環境委員会への提出を求めました。若林環境大臣は、調査のうえ提出することを約しました。

3.土壌汚染対策法改正への動き
 『大臣、今からでも遅くないですから、この土壌汚染対策法の対象範囲については、速やかに対象範囲の見直しの検討に着手をして、こういう大変に国民的に関心の高い問題について環境省としてきちっと対処できるような、本来環境省設置法に書いてある任務をしっかり遂行できるように、法改正に向けて踏み出された方がいいのではないかというふうに思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。』(川内博史代議士/民主党)

 『当該豊洲の土地への法適用の問題と切り離しまして、さかのぼって適用することを立法的にどうするかという検討とは別に、私は、委員が御指摘の土壌汚染対策法の対象範囲を含めまして、土壌汚染対策法を見直すべきではないかということに関しては、我が国で初めてこのような市街地土壌汚染の立法として土壌汚染対策法を制定し、施行して、委員御承知のように、ようやく4年が経過したところでございます。これは非常に難しい法律でございましたので、いろいろな立法上の検討事項というのはなお残っていることが想定をされるわけであります。この4年間の間にいろいろな対策事例も各地で出てまいりました。さまざまなデータも蓄積されてきております。そして、国民の間からも、土壌汚染という問題の存在が浸透し、それに伴って種々御意見も出ていることでございますので、土壌汚染対策の技術レベルも向上してきたことも念頭に置きながら、土壌汚染対策法制定時に議論されたさまざまな問題が当初の設定どおりになっているのか、あるいは新しい問題が生じているのか、いないのかといったようなことについて、ある程度検証できるだけの蓄積が出てきたのじゃないか、そういう時期に来ているのではないかという認識を持っております。委員の御指摘も踏まえまして、まずは問題意識を持って、土壌汚染対策法の施行の状況や土壌汚染一般についての現状をさらに把握した上で、同法の課題について委員がおっしゃられましたような視点で、土壌汚染対策法の課題を検討してまいりたい、こう思います。』(若林環境大臣)

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自動車NOx・PM法の一部改正案の提案理由及び概要

2007-04-22 07:24:24 | 大気汚染
2007年4月22日
 自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案は、4月3日衆議院環境委員会に付託、4月13日に同委員会で可決、4月17日に衆議院本会議において可決し、現在、参議院で審議中です。

1.提案理由
 大都市地域を中心とする二酸化窒素及び浮遊粒子状物質による大気汚染については、自動車排出ガスに対する累次の規制に加え、本法に基づいた特別の排出基準の設定等、各般の対策を実施してきており、その結果、大気環境基準の達成状況については、改善傾向が見られる。
 しかしながら一方で、大都市地域において自動車交通量が多い道路が交差している一部の地区等においては、大気環境基準の非達成の状況が長期間にわたり継続している。このような地区においては、大型車両の混入率が高いことや道路の構造上の問題等により、大気環境の改善が妨げられている状況にある。また、窒素酸化物対策地域等の外から流入する排出基準を満たしていない自動車が大気環境に悪影響を与えており、このような地区における大気環境の改善が十分に進展しないおそれがある。
 このため、新たに、このような地区の大気環境の改善を図るための重点的な対策を講ずることとし、大気環境基準が達成されていない地域について、できる限り早期の達成を図るとともに、既に達成されている地域については、その状況を維持するため、本法律案を提出する。

2.概要
(1)大気汚染が特に著しい特定の地区に関する計画策定等
 都道府県知事は、窒素酸化物対策地域内において大気汚染が特に著しい地区を、窒素酸化物重点対策地区として指定することができることとし、指定された地区について、窒素酸化物重点対策計画を定めなければならないこととする。また、窒素酸化物重点対策地区内において特定の用途に供される建物を新設する者に対して、事業活動に伴い自動車から排出される窒素酸化物の排出の抑制のための配慮事項等に関する届け出を義務づけ、当該届け出に係る勧告等の制度を設けることとする。なお、粒子状物質についても同様の制度を設けることとする。

(2)事業活動に伴い自動車から排出される窒素酸化物等の排出の抑制のための措置の拡充
 窒素酸化物重点対策地区等のうち指定された地区において、窒素酸化物対策地域等の周辺の地域内に使用の本拠の位置を有する自動車を運行する一定の事業者に対して、自動車から排出される窒素酸化物等の排出の抑制に関する計画の作成等を義務づけることとする。また、窒素酸化物対策地域等において、窒素酸化物対策地域等の周辺の地域内に使用の本拠の位置を有する自動車を運行する事業者等について、自動車から排出される窒素酸化物等の排出の抑制等に努めることとする。

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