環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

リサイクルの進展と労働形態の関係

2007-05-31 06:48:55 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年5月31日  
 5月30日、環境省は、レジ袋の排出抑制に向けた消費者・事業者に対するアンケート調査等の結果を公表しました。本調査は、①消費者のレジ袋利用実態等の把握を目的として、平成19 年3月に、無作為抽出した消費者3,000 人(回答率33.7%)を対象に実施した『レジ袋の利用実態及び容器包装リサイクル制度に関するアンケート調査』結果、②小売店のレジ袋の排出抑制に関する実態等の把握を目的として、平成19 年3月12 日~平成19 年3月23 日に、無作為抽出した小売店3,000 店舗(回答率33.6%)を対象に実施した『小売店におけるレジ袋の排出抑制に関するアンケート調査』、によって構成されています。

1.消費者のレジ袋利用実態
(1)レジ袋の利用状況について
 調査直前の1週間に買い物の際に毎回レジ袋をもらったと回答した人は85.0%になる一方で、レジ袋をもらわないとの回答した人は11.9%に留まる結果となりました。また、直近1 週間にレジ袋をもらった枚数を見ると、7枚以上もらったと回答した人が3割以上を占めています。なお、レジ袋をもらわない理由(複数回答)としては、マイバッグを持参しているからが最多でした。

(2)マイバッグの所有状況について
 マイバッグを持っているとする人は約6割であり、消費者への普及がある程度進んでいることが伺い知れます。しかし、1.の結果と整合がとれていません。持っているだけで活用しない、ということでしょうか?

(3)レジ袋の有料化について
 46.4%が賛成と回答し、反対の28.9%を上回っています。賛成の理由で最も多かったのは資源消費の抑制。一方、反対の理由で最も多かったのは、再使用するから必要とする、というものでした。なお、レジ袋を購入しても良いと思う価格は、5円が最も多く、金額に関わらず購入しないと回答した人は約2割にのぼっています。

(4)容器包装リサイクル制度について
 家庭から排出される廃棄物のうち、容器包装が約6割を占めることを知っていると回答した人は約4割、容器包装リサイクル法を知っている人は約6割でした。また、家庭から排出された容器包装廃棄物がどんな製品に再生されているかを知っている人は約6割で、消費者のレジ袋利用実態さらに、消費者が望むリサイクルの方法としては、プラスチック製品の61.7%が最多となりました。

2.小売店のレジ袋の排出抑制に関する実態
(1)レジ袋の利用実態について
 レジ袋を使用していると回答した事業所は95 %を超え、ほとんどの小売店においてレジ袋が用いられていることが分かりました。また、消費者によるレジ袋の辞退率を見ると、5%以下が約半数を占めています。1.(1)の結果と少しギャップがあります。

(2)レジ袋の排出抑制に向けた取組状況について
 レジ袋の削減目標を定めていると回答した事業者は約4割程度。また、レジ袋の排出抑制の具体的な取組としては、スタンプ等のサービスが最も多く、次いでマイバッグの提供、意思確認と続き、レジ袋の有料化を実施している事業者は全体の9.4%となっています。私の近所では、意思確認以外の方法はされたことがありません。
 また、レジ袋代金の支払い方法は、レジ支払いと代金箱がほぼ同じ割合。レジ袋の有料化を実施している事業者の1枚当たりの販売価格は、5円以下が76.9%を占めています。 
 レジ袋有料化によって得られた資金の取扱いは、売上げに計上している事業者が最も多く、次いで環境活動支援となっています。
 レジ袋の有料化の売上げに対する影響について、影響なしと回答した事業者は約65%。また、レジ袋の有料化に対して事業者が感じる客の反応は、好意的と好意的でない、がほぼ同じ割合となっています。
レジ袋有料化の今後の予定に関しては、約7%の事業者が新たに有料化を検討していることが分かりました。また、有料化をしていない理由(複数回答)については、客のニーズとするものが最も多く、次いで客へのサービス、同業者が取り組んでいない、売上げに影響あり、となっています。1.(3)の消費者側の意識とは、少しギャップのある結果となっています。
 レジ袋有料化する場合の課題は、客の理解が最も多く、ついで周辺小売店の取組、行政の協力、地域の協力が必要と指摘されています。事業者のレジ袋の排出抑制についての考えは、環境改善が87.2%で最も多く、以下コスト削減70.8%、イメージアップ31.4%と続き肯定的な意見が多い結果となりました。

3.小売業界や外食産業でリサイクルが進まない理由
 現在、国会では、食品リサイクル法の改正法案の審議がなされていますが、改正の背景には、外食産業など川下の産業においてリサイクルが進まない現状があります。以前、食品リサイクル機器の使用状況調査をしたときに、その理由として出てきたのが、外食産業の雇用形態でした。アルバイトやパートが多く、人の出入りが激しいため、食品残渣の分別等に関する教育や研修が追いつかないのが実態、ということです。
 これは、小売業にも当てはまることだと思います。私がよくいくコンビニエンスストアでも、毎週のように新しい店員さんが配属となっています。いろいろと指導は受けるのでしょうが、意思確認などの行為が業務として定着した頃には、アルバイト終了となってしまうようです。また、24時間営業の店舗などでは、マネージャーが始終張り付くわけにもいかず、適正な指導がなされないのかも知れません。
 こうした実態にも目を向けた施策を講じなければ、なかなかリサイクルは進まないと思うのですが、いかがでしょうか。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
「容器包装廃棄物排出抑制推進員」(3R推進マイスター)の委嘱について
第16回地球温暖化対策推進本部の開催結果について
「21世紀環境立国戦略の策定に向けた提言」(中央環境審議会意見具申)について
レジ袋の排出抑制に向けた消費者・事業者に対するアンケート調査等の結果について
地球温暖化対策と開発促進のためのグッドガバナンス-コベネフィッツ・アプローチによるイノベーション-気候変動枠組条約第26回補助機関会合(SB26)サイドイベントの開催結果について
「開発途上国の開発ニーズ志向のコベネフィッツ型温暖化対策・CDMの実現に向けて」の公表について

経済産業省
夏季の省エネルギー対策について
鉱工業生産・出荷・在庫指数速報(平成19年4月分)
資源・エネルギー統計速報(平成19年4月分)
機械統計速報(平成19年4月分)
化学工業統計速報(平成19年4月分)
窯業・建材統計速報(平成19年4月分)
繊維・生活用品統計速報(平成19年4月分)
紙・パルプ・プラスチック製品・ゴム製品統計速報(平成19年4月分)
鉄鋼・非鉄金属製品・金属製品統計速報(平成19年4月分)

国土交通省
社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会都市計画部会第7回公園緑地小委員会議事要旨
リサイクルポート推進協議会総会の開催

資源エネルギー庁
ガス事業生産動態統計

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆「環境法令管理室」に「5月21日から5月27日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.5.27
◆「環境法令管理室」に「5月21日から5月27日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.5.27


号外 第166回通常国会環境関連法案の審議状況⑲ エコツーリズム推進法案、衆議院本会議を通過

2007-05-30 08:29:45 | 環境行政一般
2007年5月30日号外
【衆議院本会議】
エコツーリズム推進法案(環境委員長提出)は、議院に諮り委員会の審査を省略するに決し、これを議題とし、環境委員長の趣旨弁明の後、全会一致で可決しました。

※本号では、セルロース由来のバイオマスの重要性をめぐる議論を掲載しておりますので、そちらもご覧ください。

第166回通常国会の議論から37 セルロース由来のバイオマスの重要性をめぐる議論

2007-05-30 08:16:37 | 省エネルギー・資源枯渇
2007年5月30日
 東京大気汚染訴訟の控訴審では、東京高裁の和解勧告を受け、東京都が独自案を提案し、自動車メーカー側の足並みもそろい、後は国の対応次第という状況が続いておりましたが、報道によると、『環境省が、ぜんそく患者の予防事業費として年間14億円を充てるなどの和解案をまとめ、原告側に提案していたことが分かった。・・・・・・同省の和解案の柱は、大気汚染の調査研究など、現在はぜんそく対策に広く充てられている独立行政法人「環境再生保全機構」の基金運用益(今年度約14億円)を、ぜんそく患者に予防事業として振り向けるというもの。運用益による助成は東京23区や川崎、大阪市など法律で定められた指定地域の申請に基づき行われている。ぜんそく児の水泳教室などにも充てられているが、成人のぜんそく患者には使われてこなかった。(5月30日読売新聞)』との進展が見られた模様です。
 一方、経済産業省は、28日、『次世代自動車・燃料イニシアティブ」とりまとめ』を公表。2030年を目標に、①運輸部門石油依存度80%、エネルギー効率30%向上、②イノベーションを軸とした「世界一やさしいクルマ社会」の実現、を目指すとしています。このなかでも、①水以外は排出しない燃料電池自動車を2030年までに、ガソリン車並みの低価格を目指す、②食糧と競合しないセルロース系エタノールの技術革新の実現を目指す、という戦略など、地球温暖化及び大気汚染の防止に資するイノベーションは、大いに歓迎したいと思います。
 5月15日の衆議院環境委員会では、バイオ燃料に焦点をあてた議論が展開されました。特に、食品の値段高騰や食料危機への危惧から、セルロース(稲わらなど植物細胞の細胞壁および繊維の主成分で、天然の植物質の1/3を占め、地球上で最も多く存在する炭水化物)由来のバイオマスの重要性について言及されています。

1.新エネルギーの導入目標
 『・・・・・・新エネルギーの導入の目標でございますが、京都議定書目標達成計画におきまして、2010年度までに原油換算で1,910万キロリットル、マイナスCO2で4,690万トンと定めているところでございますが、まずはその達成に向けて全力で取り組む所存でございます。現実にはなかなかその導入に難儀をいたしておりますが、これはどうしても達成しなきゃならない、そういう目標を定めているところでございます。さらに、新エネルギーの導入の割合を中長期的には高めていくべく、新たな技術の開発も含めまして、その導入の促進に、引き続き積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。』(若林環境大臣)

 『原油換算で1,910万キロリットル、これは、水力を含まない、新エネルギーに限定しての目標でございますね。これを一次エネルギーで換算しますと一次エネルギーの3%にしかならない、極めて低い目標なんですよね。しかも、2010年というとあと3年しかないんです。この短期の目標しかない。先進国の中でも最も低い目標ではないかと思うんです。それで地球温暖化に対する十分な対策と言えるか、極めて不十分ではないかというふうに考えているんです。これをもっと大幅に環境省としては延ばすべきではないか、あるいは2010年を2030年にして、2030年に関する一定の意見も出ているようですが、もう少し長期にしてでももっと大きな目標を掲げなければ、京都議定書の達成さえ不可能ではないでしょうか。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『・・・・・・2008年から2012年という5年間での京都議定書の議論を考えますと、技術それから経済性、そういったものを考えても、多分今の数字がぎりぎりだと思います。そこにつきましては、それ以外の省エネ技術なり、あるいはふだんの皆さんの国民運動ということで御協力いただいて省エネするとか、さまざまな工夫で乗り切っていきたいというふうに思っております。なお、当然でございますけれども、早晩、世界全体での排出量と吸収量を一緒にしなければ温暖化はとまらないわけでございまして、それに向けては、省エネだけではなくて再生可能エネルギーの開発利用ということもぜひ推し進めていきたいと考えております。』(環境省地球環境局長)

2.バイオマスの可能性
(1)バイオマスの重要性
 『・・・・・・バイオマス、一言で言うと生物資源でございますが、植物は、エチレンというまさに石油と同じ成分を含んでいる。だから、バイオマスからエネルギーをつくることもできるし、あるいは、プラスチックを初めとした化学品をつくることもできる。このバイオマスを石油代替の原料として使えば、まさに地球温暖化ガスをふやすことがなくなる。これをもっとふやしていかなければいけないと思うわけでございますが、新エネルギーの中におけるバイオマスの比率とかバイオマスの重要性については、どう考えておられるでしょうか。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『バイオマスにつきましては、先ほどの1,910万キロリットルのうち308万キロリットルを想定しております。したがって、大体全体の6分の1程度ということになります。御指摘のとおり、私どもも、バイオマス利用は大変重要だと思っております。そういう意味では、ぜひこの分野にこれからは力を入れたいと考えております。』(環境省地球環境局長)

3.アルコール混合3%規制の理由
(1)揮発油等の品質の確保等に関する法律による規制
 『・・・・・・ブラジルの場合には、100%このバイオエタノールで走っている車が結構たくさんある。アメリカでは、ガソリンに20%ぐらいまぜて走らせている車がたくさんある。日本の場合にはE3、3%しかまぜることができない、こういう現状でありまして、極めておくれているとこの点でも言わざるを得ない。今、先進国で、3%しかバイオエネルギーをまぜることができない、そういう規定になっている国はほかにもありますか。』(筒井信隆代議士/民主党)
※注:E3 ⇒ アルコール3%混合ガソリン。数次がアルコールの混合割合を示す。

 『3%ということで法律上決められているという国は日本だけだと承知をしております。』(環境省地球環境局長)

 『日本だけしか先進国でそんな低いものはない、この現状は極めて不十分である。しかも、これをE10に今度変えるのが、あと20年後を目標にしているんですか。その目標について答えてください。』(筒井信隆代議士/民主党)
 
 『私どもの計画では、E10については、2020年を目途にその全面的な導入を図るということを計画しております。』(環境省地球環境局長)

 『今3%しかまぜちゃいかぬから、このバイオエタノールや何か、バイオエネルギーがなかなか進まない、こういう理由もあるんですよ。先進国では10%あるいは100%、20%、ここまでいっていれば大量生産も可能だし、需要も起こってくる。何でこんな、3%しかまぜちゃいかぬという義務づけをしているんですか。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『この3%ということが決められているのは、揮発油等の品質の確保等に関する法律ということで、その数字が上限として決められているところでございます。これにつきましては、2020年という大分先でございますけれども、経済成長戦略大綱の中でも、E10に対応していくんだ、それに向かっていくんだということを明記しております。私どもも、御承知のとおり、既に幾つかの国内メーカーは、すべての生産車両についてE10も大丈夫だということでの安全対策を講じております。その旨、発表しております。実際に世界各国で使われておりますし、日本のメーカーが輸出をしておるわけでございますから、それに対する技術は十分あるわけでございます。私ども、現状が3%もなかなか普及ままならないという状況でございますので、それを踏まえつつ、なおかつE10につきましては、それが可能となるような必要な調査をしたい。やはり、まだ、自動車排ガスの影響についても我が国としてきちんと調べておきたいということでございまして、国交省及び環境省で排ガスの影響についてきちんと点検をして、近い将来のE10の対応ということが可能になるような基礎づくりを急ぎたいと考えております。』(環境省地球環境局長)

(2)輸出車との矛盾
 『自動車メーカーは、ブラジルに輸出している車に関しては100%バイオエネルギーで走る車、既に日本の自動車メーカーもそれを製造して輸出しているでしょう。技術的には十分可能でしょう。それを日本の法律で、3%しかまぜちゃいかぬ、こういう義務づけして、枠づけしているんですよ。地球温暖化を防止する、防止すると言いながら、実際はそれを防止しないようにしているんですよ。だから、何で3%しかまぜちゃいかぬというふうに義務づけしているのかという実質的な理由を聞いているんです。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『これにつきましては、先ほど申しましたが、揮発油等の品質の確保等に関する法律で、安全の観点から、現在、今の日本を走っている車種どれでも絶対大丈夫だというのが3%だということだけだと承知をしております。ただ、御指摘のとおり、当然ながら、日本のメーカーは世界に輸出をしておりますので、私どもとしては、まずE10について、それが問題ないんだということを環境面から証明できるような作業を急ぎたい、環境省としてはできるだけ早くその上のステップに移れるような準備をしたいと考えております。』(環境省地球環境局長)

(3)ETBEとの関係
 ※注:ETBE ⇒ エタノールと石油系ガスであるイソブテンを合成して生成する物質。
 『石油連盟が主張しているETBEは、これは石油の精製施設が必要だから、大規模な工場が必要になってくるわけですね。だけれども、エタノールであれば、例えば、後でもお聞きしますが、間伐材だとか、減反田における多収穫米だとか、あるいは雑草だとか、各地域に分散した施設が可能になる。私は、その意味ではエタノールを進めるべきだと思いますが、環境省としては、そのどちらかに限定して導入を促進しようとしているのか、二本立てでやろうとしているのか、その点をお聞きしたいんです。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『まず、環境省としては、3%ということであれば、ETBEであってもエタノールであってもE3であっても、問題ないと思います。業界が主にETBEで今進めておりますのは、かつてMTBEを使った経緯がございます。これ自身は安全性の問題から今使えないことになっておりますけれども、その施設が使えるということで、当面ETBEを進めたいということで承知をしておりますが、ただ、これ自身が全部輸入をしております。そういう意味で、さらにこれからその規模を拡大するということが大変難しいと思います。そういう意味では、エタノールを使ったE3についても並行して導入をしてもらいたいということで考えております。 また、委員御指摘のとおり、将来的にそれがE10、20ということを考えた場合には、エタノールがはるかに大きな可能性を持っているというふうに考えております。』(環境省地球環境局長)
 ※注:MTBE ⇒ かつてハイオクタンガソリンの添加剤として使用されたエーテルの一種。

4.支援制度の必要性
 『ETBEはほとんどフランスから輸入して、日本のガソリンスタンドで売っている。これはやはり日本国内において、日本国内のバイオマスを活用したバイオエネルギーをつくることが本筋だと思うんです。そのためには、やはりコスト的にガソリンに対抗できるものにならなければいけない。それが今非常に難しいわけでございますが、だから、バイオエネルギーの建設、販売に関するいろいろな支援が必要になってくると思います。 実際、今支援があるわけですが、建設支援、今のところあるのは建設支援だけなんだよね。それは環境省はほとんどないかもしれないが、経済産業省やあるいは農林水産省において建設支援がある。しかし、それだけではなくて、流通に関する支援、販売に関する支援、それから税制上の支援、これらも必要である。これは地球温暖化対策の大きな手段になるわけでございますから、そういう支援制度全体を整備しなきゃいかぬと思いますが、その点についてはどうでしょうか。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『・・・・・・御指摘のとおり、やはりコストを考えたときには税制が大事でございます。昨年度でございますけれども、農水省と共同で、バイオ燃料に付随してのガソリン税等の非課税措置を要求いたしました。残念ながら、今、引き続き検討課題ということになっております。支援それから税制含めて、ぜひ、私ども全面的にこれから強化をしていきたいと考えております。』(環境省地球環境局長)

5.食料危機、食品値上げとバイオマス-セルロース由来の必要性
 『・・・・・・特に今、世界的に石油高騰の折、バイオエネルギーの方に、サトウキビとかトウモロコシとか、あるいは菜種、大豆関係がみんな回ってしまって、それらの食料に回す分の値上がりが世界市場で大幅に起こっている。砂糖も値上がりしているし、マーガリンも値上がりしているし、これらの問題点を日本においては解決しながらやっていかなきゃいけない。やはり解決する方法は、食料からバイオエネルギーをつくるのではなくて、セルロースを中心とした、間伐材とか稲わらとかあるいは雑草とか食料に回せないセルロースを原料としたバイオエネルギーをつくる、そういう方法しかないと思うんですが、そういう食料と競合するバイオエネルギーではない形をつくることについては、環境省はどういう方針でしょうか。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『私ども、御指摘のとおり食料と競合してはいけない、そういう観点で、このバイオマス燃料の拡大を広めていきたいと考えております。実際に、私も職務柄いろいろなNGOの方にお会いしますけれども、例えば、アメリカが大量にトウモロコシを買い集めたという結果、メキシコの主食であるトルティーヤですか、これが何倍にも値上がりして、低所得者層が食料不足に悩んだとかいうことも聞きました。また、ブラジルで砂糖の値段が一気に上がったということも聞いております。そういったことも踏まえまして、私どもとしては、ぜひ国産のバイオ燃料の大幅な拡大という、政府のまとめの中でも、食料用、飼料用との競合に留意しながらやるんだということで考えております。例えばサトウキビでございますけれども、砂糖を搾った後の糖みつを原料として使いたい。それから、廃棄物につきましては、それを原料としますけれども、木質のセルロース系原料を使うということで、できるだけセルロース系のもの、あるいは、廃棄物として出てきてほかに使いようのないものからバイオ燃料をつくっていくということが必要だと考えておるところでございますし、私どもの予算をつぎ込んでみずから行うあるいは支援する事業も、そういったものに重点を置いてやっていきたいと思います。』(環境省地球環境局長)

【官報ウオッチング】
号外第111号
〔法律〕
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(法律第62号/昭和45年法律第136号の一部改正)
1.油、有害液体物質等及び廃棄物の海底下廃棄の禁止
何人も、環境大臣の許可を受けてする特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄等の例外を除き、油、有害液体物質等又は廃棄物の海底下廃棄をしてはならないこととした。
2.特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄の許可
(1)特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄をしようとする者は、環境大臣の許可を得なければならないこととした。
(2)環境大臣は、海底下廃棄をする海域及び海底下廃棄の方法が、当該海底下廃棄をする海域の海洋環境の保全に障害を及ぼすおそれがないものであること、海底下廃棄以外に適切な処分の方法がないものであること等の条件に適合していると認めるときでなければ、当該特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄を許可してはならないこととした。
(3)特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄に係る許可を受けた者は、当該海底下廃棄をした海域の汚染状況の監視を行い、その結果を環境大臣に報告しなければならないこととした。
3.指定海域の指定
(1)環境大臣は、特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄がされた海域であって、海底及びその下の形質の変更が行われることにより当該特定二酸化炭素ガスに起因する海洋環境の保全上の障害が生ずるおそれがあるものとして政令で定めるものを指定海域として指定することとした。
(2)指定海域内において海底及びその下の形質の変更をしようとする者は、原則として環境大臣に届け出なければならないこととし、環境大臣は、その届出に係る海底及びその下の形質の変更の施行方法が基準に適合しないと認めるときは、当該施行方法に関する計画の変更を命ずることができることとした。
4.環境大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定二酸化炭素ガスの海底下廃棄に関し、報告を求め、立入検査を行うことができることとした。
5.罰則について所要の規定を設けることとした。
6.この法律は、一部の規定を除き、一九七二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の一九九六年の議定書が日本国について効力を生ずる日から施行することとした。

〔政令〕
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(政令第173号/昭和46年政令第201号の一部改正の一部改正)
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律により新たに規定される第9条の6第5項及び第6項において政令で定めることとされている要件等を以下の通り定めた。
1.第9条の6第5項及び第6項において政令で定めることとしている要件など
①未査定液体物質について海洋環境の保全の見地から有害である又は有害でないと合意をしたマルポール条約(第一議定書)締約国のいずれかの国籍を有する船舶により、当該合意をしたマルポール条約締約国間において輸送されるものであること。
②本邦の内水を除く海域において輸送されるものであること。
2.第9条の6第5項において有害液体物質とみなされる未査定液体物質について、法第9条の2から第9条の5までの規定を適用する場合においては、マルポール条約に規定するX類、Y類又はZ類に分類されている物質と同程度に有害であると合意されて輸送される物質を、それぞれ別表第一第一号に掲げるX類物質等、同表第二号に掲げるY類物質等又は同表第三号に掲げるZ類物質等とみなすこととする。
3.施行期日:平成19年5月30日

【行政情報ウオッチング】
環境省
公害健康被害補償不服審査会裁決について
環境技術実証モデル事業小規模事業場向け有機性排水処理技術分野における実証機関の応募の開始について
2005年度(平成17年度)の温室効果ガス排出量(確定値)について
自主参加型国内排出量取引制度(第3期)目標保有参加者の決定について(「平成19年度温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業」の対象事業者の採択結果)
平成19年度「国連持続可能な開発のための教育の10年促進事業」の公募について

経済産業省
総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会 電力安全小委員会報告書(案)に対する意見募集
商業販売統計速報(平成19年4月分)

国土交通省
社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会都市計画部会第7回下水道小委員会議事要旨
社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会 都市計画部会第5回下水道小委員会議事録
社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会 都市計画部会第6回下水道小委員会議事録

東京都
「省エネ東京仕様2007」を策定
「グリーンエネルギー購入フォーラム」発足式を開催

【判例情報ウオッチング】
最高裁第3小法廷は、29日、米軍横田基地周辺住民約6,000人が航空機騒音被害の賠償を求めていた新横田基地上告審において、2審東京高裁判決のうち、将来賠償の一部認定部分を破棄する判決を言い渡しました。これにより、国の賠償責任は確定しましたが、従来の判例通り、飛行場において離着陸する航空機の発する騒音等により周辺住民らが被害を被っていることを理由とする損害賠償請求権は、将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格を有しないこととされました。ただし、2裁判官は反対意見を述べており、引き続き議論の対象となっていくものと思われます。

ISO14001
◆「環境法令管理室」に「5月21日から5月27日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.5.27
◆「環境法令管理室」に「5月21日から5月27日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.5.27


第166回通常国会の議論から36 カーボンディスクロージャーをめぐる議論

2007-05-29 07:55:42 | 地球温暖化
2007年5月29日  
 ハイリゲンダム・サミットへ向けて、安倍首相が温暖化対策構想を発表するなど、各国の動きが活発になってきました。28日には、『欧州連合(EU)議長国のドイツが、地球温暖化対策でEU首脳会議が3月に合意した温室効果ガス排出の大幅削減など先進的な目標を実現するため、「第3の産業革命」と位置付ける技術革新政策の作成を加盟国に促している』とのニュースがありました。報道によると、技術革新は全産業を対象にすることが強調され、①エネルギー利用効率の劇的改善、②太陽光や風力など再生可能エネルギー利用の技術向上、③二酸化炭素を地下に貯蔵するカーボンキャプチャー技術の活用、などが盛り込まれ、技術革新を促す税制の策定、欧州内の製品に適用する環境基準の強化、欧州内排出権市場の早期確立も提案している、とのことです(5月28日毎日新聞/小谷守彦)。
 二酸化炭素の正確な排出量・削減量を把握するためにも、排出主体による情報公開は重要なポイントとなります。5月15日の衆議院環境委員会では、カーボンディスクロージャーに関する議論が展開されました。

1.二酸化炭素排出量の情報公開の現状-温対法報告と環境報告書
 『今回、民主党は、有価証券報告書などにおいて、それぞれの各企業の二酸化炭素排出量を算定し、公開することを政策の中に盛り込む内容で、本日、発表する予定となっています。そんな中で、環境省の中でも、このようにお金の流れの中に環境の視点を入れることを打ち出しています。特に、そういったこの資料をあえて入れたんですが、金融の果たすべき環境への役割の重要性が述べられています。環境省として、投資家向けの二酸化炭素情報が開示されるための具体的制度の検討の状況について、副大臣、お答えください。』
(村井宗明代議士/民主党)

 『温室効果ガス排出量については、地球温暖化対策推進法の算定・報告・公表制度により、今年度から国への報告がなされています。今、徐々に上がってきております。これは6月末までにという期限があります。これに基づき、国は、事業者別、業種別、都道府県別の国内における排出量を公表することにしております。今、年度内に公表できるかどうか、まとめられるかどうかというところでございます。それからまた、大企業を中心に環境報告書の作成、公表が広く行われるようになってきておりますが、環境省が作成した環境報告書ガイドラインにおいては、温室効果ガス排出量を主要記載項目の一つとしております。これは25項目ある中の一つでございます。その記載に当たっては、子会社も含め、企業グループ全体を把握することが望ましいとしております。』(土屋環境副大臣)

2.報告の義務付けは可能か? -有価証券報告書、環境報告書
 『今、その公開の方法は二つあります。環境報告書に入れるのか、有価証券報告書に入れるのかという方法です。残念ながら、環境報告書はすべての企業に義務づけられているわけではありません。一部の企業が出しているだけです。有価証券報告書だったら、上場企業すべてが出しています。そんな中で、この温室効果ガスの、特に二酸化炭素排出量については、二つの開示方法のうち、どちらかやらなければならないと思います。環境報告書をすべての上場企業に義務化するのか、もしくは、今、有価証券報告書の中にも二酸化炭素排出量を入れるのか。さて、環境省として、そういった二酸化炭素情報の開示媒体についてどのように考えておられますでしょうか。』(村井宗明代議士/民主党)

 『環境報告書は、基本のつくりが企業の自主的な環境配慮、取り組み手法ということで考えておりますし、環境配慮促進法もそう位置づけられておりますから、これは自主的な取り組みを促進していく制度的な枠組みということでございますので、義務づけということではなくて、自主的な取り組みを進めるように、こちらを進めていきたいと思っています。それから、有価証券報告書の中には、もちろんさまざまな財務情報、非財務情報が記載されるというわけでございますから、その中で環境情報をどう位置づけるかということは、これからますます大きな課題になっていくとは思っております。しかしながら、そこに位置づけるというのは、義務的にやっていく、こういうことでございます。温暖化ガスというのは非常に求められているのではないかという御指摘、ごもっともでございますけれども、しかし、それが投資家にとって見れば、どのような形で、どのような範囲のもの、どのような方法で出されればいいかというようなこと、あるいは、それが実際に過度の負担にならないか、どういう意味を持つのかにつきまして、私どもは、やはりもう少しよく考えて、情報をもっと取り込まなければいけないと思っております。そういうこともございまして、環境と金融を進めるということで、ことしの新規の予算で環境と金融の普及促進事業というような予算もいただいておりまして、その中で、そういう投資についての調査ということもやろうとしておりますので、本年度、そういうことをしっかり調査して、よく考えていきたいというふうに思っております。』(環境省総合環境政策局長)

3.地球温暖化に対する金融庁の考え方
(1)二酸化炭素排出量情報公開
 『・・・・・・金融庁として、カーボン情報の開示ニーズがあるかどうか、開示するのであれば、どのような情報を開示するかについて、検討は必要ではないでしょうか。』(村井宗明代議士/民主党)

 『事業に大きな影響を及ぼす事柄については企業は開示をすることになっております。これは企業の事業の状況、財務の状況によってまちまちであろうかと思いますが、仮に議員御指摘のような、EUでのそういった規制によって企業の事業の状況ないし財務の状況に大きな影響を及ぼすというような企業にあっては、当然、そうしたものが適切に開示されているものと思っております。ただ、それでは、我が国におきまして一律にこういった開示を義務づけるかというのは、また別の視点での議論が必要であろうと思っております。』(金融庁総務企画局審議官)

(2)地球温暖化対策での取り組み
 『地球温暖化対策について、当然、金融庁の果たすべき役割は大きいと私たちは考えています。そんな中で、環境省も先ほど、金融庁とも連携していくという話をいただきました。そういった環境に熱心なところに十分な資金が配分される必要があると思っています。地球温暖化対策についての金融庁の取り組み、今後の環境省との連携の取り組みについてお答えください。』(村井宗明代議士/民主党)

 『地球温暖化について金融が果たすべき役割の重要性については、御指摘の懇談会において、「投資や融資に際して財務上のリスクと収益のみならず環境などの社会的価値も考慮するようにしていくことによって、お金の流れを環境など社会に配慮されたものに変えていくことができ、このことが経済社会を大きく変えていく鍵になると考えることができる。」というふうに指摘されてございます。地球温暖化対策等を含みますCSRにつきましては、私企業である金融機関が自己責任原則にのっとった経営判断に基づき行うものではありますが、金融庁としても、環境と金融に関する懇談会にオブザーバーとして参加いたしましたほか、当庁にて策定、公表している各業態の監督指針がございます。これに、CSRについての情報開示を行う際の着眼点を明らかにし、最低限の枠組みを示すことで、利用者にとって有益かつ適切な情報開示を促す、あるいは、昨年3月末に金融機関のCSR事例集を取りまとめ、公表するといった取り組みを行ってございます。』(金融庁総務企画局参事官)
 
4.情報公開の法制化
 『きちんと義務的に、もしくは基準を明確にして、それぞれの企業、上場企業が二酸化炭素情報を公開していかなければならないと考えるんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。』(村井宗明代議士/民主党)

 『私は、今の時点でどうだと問われれば、そういう一般国民の、企業の社会的貢献としての環境配慮の姿勢というようなものを高めていくことにより、企業側が、いわば企業を売り込むという意味で、積極的な対応をしていく、そういう流れをつくっていくのがまず当面必要なんじゃないか。その意味で、当面のスタートというのは、自主的な形でこれをかなり広げていき、これをしなければ社会的に評価されないよ、金融機関からも投資家からもユーザーからも評価されないんだというような状況をつくり上げていくということが大事なんだというふうに考えております。』(若林環境大臣)

 『光熱水費の請求書に、電気料金、ガス料金、ガソリンスタンドでの給油の領収書に、それぞれCO2の量を記載するべきだと私たちは考えています。そうすることによって、では、自分はどこどこの電力会社で電気をこれだけ使ったから、自分の家は電気でCO2をどれだけ使った、ガスでどれだけ使ったというふうになっていくんですが、そういったふうに、二酸化炭素排出量を自分でわかるように、家庭でわかるように、そして公開できるようにしていくべきだと思うんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。』(村井宗明代議士/民主党)

 『それを直ちに実施するには、関係者間の理解と協力が得られなければなりません。その意味で、私どもとしては、国民がみずからの生活から排出するCO2量を知るということが、地球温暖化問題を身近に感じて、みずからの問題として考えていく第一歩として重要であるというようなことから、そういう国民運動を展開するための有力な手段だというふうに私は考えております。』(若林環境大臣)

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
平成19年度 中央環境審議会 自然環境・野生生物合同部会生物多様性国家戦略小委員会(第2回)の開催について
平成19年度飛散リスク評価手法等確立調査検討会(第1回)の開催について
中央環境審議会大気環境部会健康リスク総合専門委員会(第7回)の開催について
平成19年度 業務部門二酸化炭素削減モデル事業の採択案件について

経済産業省
「次世代自動車・燃料イニシアティブ」とりまとめ

国土交通省
「平成17年度貨物・旅客地域流動調査」の結果について

厚生労働省
第5回振動障害等の防止に係る作業管理のあり方検討会議事録
第5回振動障害等の防止に係る作業管理のあり方検討会資料
鉄道事業者のアスベスト含有製品の使用状況の調査結果について

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆「環境法令管理室」に「5月21日から5月27日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.5.27
◆「環境法令管理室」に「5月21日から5月27日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.5.27


第166回通常国会の議論から35 廃建築物内に飛散性石綿が残存している場合の法的関係

2007-05-28 06:23:10 | 健康被害
2007年5月28日 
 アスベスト(石綿)による健康被害については、平成18年2月10日に公布された石綿による健康被害の救済に関する法律(石綿健康被害救済法)によりなされることとなりました。加えて、建築基準法、大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律が改正され、建物の建築時や解体時、石綿含有廃棄物等の処理の方法について、新たな制度が設けられています。
 しかしながら、たとえば、所有関係が複雑な廃建築物内に飛散性石綿が残存しているような場合、直接的な規制制度は存在しないのが現状です。5月15日の衆議院環境委員会では、このような事例をめぐる法的視点の議論がなされました。

1.問題の所在
 『私の地元であります愛知県稲沢に、トーヨーボールというボウリング場がありますというか、ありました。かつて、ワンフロア80レーン、東洋最大のボウリング場として1971年に建てられたわけであります。もともとのオーナーといいましょうか、最初つくったのは、亡くなられたホテルニュージャパンの横井英樹さんだったということでありますが、営業不振になり、閉鎖をされた。しかしながら、その建物がそのまま放置されておる。そして、どうも廃墟というふうになっている、廃墟なんですけれども、そこに飛散性のアスベストの問題があるわけであります。その建物にアスベストが使われていた。今、その廃墟、近隣の住民の方も大変にアスベストが飛散をしていると心配をしておられる。・・・・・そういうことで、地元の近隣の人たちはこの問題に大変に注意を払い、先ほどからいろいろと自治体の問題、自治体のことが出ておりますが、地元稲沢あるいは愛西市そして愛知県にいろいろと要望を出しているわけであります。しかしながら、なかなかはっきり進んでいないところであります。どうでしょう、若林環境大臣、こういった非常に危険な、建物自体が古い、そしてそこにアスベストが使われている、周囲に飛散をするばかりではなくて、そこに若者が入っていって何も知らずにアスベストを吸い込んでいる。そういう危険な建物が、実はこの建物、競売に付されているわけでありますが、所有者がある意味で不明確、または競売の買い手がつかないということから、放置されている。しかし、大きな問題だ。どのように認識をされておられますでしょうか。』(近藤昭一代議士/民主党)

 『・・・・・・現在、愛知県もこの問題は非常に熱心に取り組んでいるというふうに私は承知いたしておりますが、愛知県が中心となりまして、周辺環境におきますアスベスト濃度の測定とか、立入禁止措置がきちっと講じられるかどうかというようなことについても、愛知県が積極的な取り組みをしているというふうに承知いたしております。環境省としては、愛知県など、それらに協力をしながら、アスベストによる周辺環境の汚染が発生することがないように努力をしてまいりたいと考えております。』(若林環境大臣)

2.所有関係が複雑な廃建築物内に飛散性石綿が残存しているような場合の責任の所在
 『こういったトーヨーボールの事案は、私も全部の事案をいろいろと精査したわけではないんですが、所有権が、所有の権利関係が大変に複雑だ、そしてそういう中でひどい状態で放置されている。かなり特異なケースなのかもしれませんが、決して全くゼロではない、幾つかあるのではないかと思うんですよ。それで、今大臣、愛知県積極的だとおっしゃいましたが、これはだれが最終的に責任を持って解決をするのでありましょうか。愛知県積極的だと言っても、どうも愛知県も、では、これはすぐ何かを、例えば調査をするだけで積極的だと言われると、いや、違うのではないかと思うわけですし、これは最終的に、こういう案件、トーヨーボールでなくてもいいんです、一般論としてこういうものがどこに責任があるのか、教えていただきたいと思います。』(近藤昭一代議士/民主党)

(1)大気汚染防止法からの観点
 『大気の環境の保全の観点からお答えを申し上げたいと思いますが、地方公共団体、地域の環境保全に責任を有しているという観点で、建物の周辺地域について環境調査をもう既に実施しております。愛知県は、地元の市と協力をいたしまして環境調査をしております。環境濃度の観点から申し上げますれば、先ほど来委員も御指摘のとおり、特に大きな問題になっていないということでございまして、我々も、アスベストの全国調査を緊急に17年度、18年度やってきておりまして、そういった調査結果と照らし合わせても特段大きな問題になっていない。あとは、建物の中ということになりますれば、実は、解体をするという意思決定がなされた後は、このような大きな建物については、大気汚染防止法に基づきまして一定の届け出が自治体に出てくる、そういう段階で実際の解体作業、適切な作業をしていかなければいけないという規制がかかります。それまでの間は、環境の観点から申し上げると、環境濃度の測定ということに限られてくるということでございます。』(環境省水・大気環境局長)

 『・・・・・・そういう大気中の調査の仕方、これに対して、例えば環境省の方から、こういうふうに住民の方にも納得できる方法でやるべきではないか、こういう助言をするとか、あるいは、根本的には内部の濃度が大変に問題だ。それは環境省からすると、いや、自分たちのかかわりは大気中なのでということかもしれませんが、もとがあるわけですから、もとが一番心配だ。関連して、そこから出てきて大気中に出てくるわけですが、ここに対してきちっとやるべきだとか、そういうような御助言をされるつもりはないでしょうか。』(近藤昭一代議士/民主党)

 『・・・・・・大気の濃度で申し上げますと、現在のところ特段大きな問題がないということにかんがみますれば、地方公共団体が判断をして、現状の環境濃度調査、また繰り返しといいましょうか、今後も実施されることになろうと思いますが、私ども、そういった結果も徴して、もし大きな問題があるようであれば、これは適切に対処しなければいけないということで次なる対策もまた考えないといけないと思っておりますが、現在のところは、そういうこれまで実施されております環境濃度調査を適切に実施をしていただく。環境調査をやる上においての心得といいましょうかマニュアルといったものは、もう既に私ども、昨年来具体的に指示をしておるところでございます。具体的な課題について、都道府県、県の方からまた御相談があれば、私どもとしても御相談に乗ってまいりたいと考えております。』(環境省水・大気環境局長)

(2)建築基準法からの観点
 『私の方からは建築基準法の観点からの御説明をさせてもらいたいと思いますが、建築基準法第8条におきまして、建物の所有者、管理者または占有者は、建築物を常時適法な状態に維持するよう努めることとされております。建築物の安全管理は基本的にはこれら所有者等が責任を持って行うものと考えております。アスベストにつきましては、飛散による健康被害を防止する観点から、新築時の吹きつけアスベストの使用を規制し、増改築時にはその除去等を義務づけるよう建築基準法が改正されまして、昨年10月から施行されております。これにより、改正法の施行以前に建築されたいわゆる既存不適格建築物につきましても、特定行政庁から、今回事案の場合には愛知県でございますが、所有者に対しまして、法第12条の規定に基づきまして、吹きつけアスベストの使用状況等の報告聴取及び立入検査を行うこと、あるいはアスベストの飛散により著しく衛生上有害となるおそれがある場合には、法第10条の規定に基づきまして、相当の期限をつけて、当該建築物の除却、修繕、使用禁止、使用制限等の措置をとるよう勧告、命令を行うこと、所有者等が命じられた措置を履行しない場合、あるいは命ずるべき所有者等を確知することができず、かつ、放置することが著しく公益に反すると認められる場合等には、行政代執行を行うことも可能になったわけでございます。』(国土交通省大臣官房審議官)

 『・・・・・・それでは、もしその場合、でも、これも一般論で申し上げますと、どうも非常に、競売にも付されているわけですよ。そうすると、所有者から今RCCに移っている、差し押さえがされている。だから、所有者がいても、とても何かをやれるような状況ではない、それは想像にかたくないわけであります。そして、RCCが押さえている。しかしながら、競売が何回も失敗している。そうすると、どんどんと、実質的には責任を持って対応するところがないのではないかと思うんです。そういった場合、先ほどもちょっと御説明もありました、代執行もできるということでありますが、では、一般論として、代執行で処理、結局代執行だと、代執行するその費用がかかる、その費用は最終的に所有者のもとに行く、しかし、所有者は今のところはっきりしない、あるいはもしあっても払えない場合がある。そうすると税金で賄われていくわけで、なかなか大変だと思うんですが、一般論として、代執行で処理する場合、どのような条件を満たす必要があるのか、教えていただきたいと思います。』(近藤昭一代議士/民主党)

 『最終的には愛知県が判断する、ある意味では裁量のある話だと思いますが、冒頭御紹介しました、私どもが勧告、命令等を行う、あるいは代執行を行うケースとして留意してほしいといった技術的助言がございます。先ほど一例だけ御説明しましたが、一応、3点ございますので、御紹介させていただきますと、吹きつけアスベスト等について繊維の崩れなどの劣化が著しい、あるいは、劣化の著しい吹きつけ石綿が大量に認められる、吹きつけアスベストが露出している空間で恒常的に人が活動しているか、こういった技術的助言を並べておりまして、こういったものに立って、今回の事案、今先生一般論でいいとおっしゃいましたが、愛知県が最終的には判断する、こう考えております。』(国土交通省大臣官房審議官)

 『・・・・・・環境には出てきていない。でも、室内にはあるんではないか。あるんだと思うんです。これは、環境省は、とにかく出てきてからでないと自分たちはわからないので、先ほどの話じゃないですけれども、外から見てじゃないですが、外にはまだ出てきていない、でも、開けてみればといいましょうか、大気でつながっているわけですし、住民の人たちは愛知県にも言っているわけですけれども、なかなか愛知県も進まない。では、国土交通省さん、どういう対応がありますでしょうか。』(近藤昭一代議士/民主党)

 『近々3回目の入札と申しますか、その処分の動きがあると聞いております。そうしますると、仮にそれがうまくいけば所有者が確定する。そういう中で、建築基準法の立場でやれることは、冒頭御説明しましたような手続がございますので、そういったことを愛知県として、今までの調査も踏まえて的確に執行していただくということに尽きるのかな。その際、愛知県から相談があれば、私どもとしてふさわしい助言、指導等はしてまいりたい、こう考えております。』(国土交通省大臣官房審議官)

3.国の関与
 『そうすると、では、国土交通省さんも、環境省も、今住民の皆さんが不安を感じておられる、このことについてのまず第一義的な責任は、愛知県がまず調査をして、愛知県が決定をして対応する、例えば代執行もあるでしょう、という御認識でしょうか。』(近藤昭一代議士/民主党)

 『御指摘のとおり、地元の環境の保全に責任を有する立場として判断される、そういう自治体の御判断というのがまず第一義的にあるんだろうと考えております。』(環境省水・大気環境局長)

 『基本的には全く同様でございますが、決して特定行政庁任せにするという意味じゃなくて、私どもも、そういった制度改正をしながらいろいろな技術的助言等を発出してきたわけでございますので、愛知県から相談があれば積極的に、真摯に相談に乗ってまいりたいと考えております。』(国土交通省大臣官房審議官)

4.石綿健康被害救済法見直しの方向性
 『・・・・・・救済法ができました、施行されました。しかしながら、あれだけ報道され、いろいろと問題になっている、実質的に被害があるということですから、こういうことは余り起こりにくいのかなと思うんですが、でも、実際問題、幾つか、救済法の趣旨でいうと死亡されてからは申請ができないけれども、いろいろな状況で、亡くなってから申請をされている、そんなケースもある。 私どもの認識としても、当時から、その施行法にいろいろな課題がまだあるだろう、こういうことだったわけでありますが、これはどうですか。早急に見直すべきところが大分出てきているんじゃないかと思うんですが、どういう御認識でいらっしゃるか、お話をいただきたいと思います。』(近藤昭一代議士/民主党)

 『石綿健康被害救済法について見直しのお尋ねでございますが、本制度については、法におきまして、施行後5年以内に見直しを行うこととされているほか、国会における御審議の中でも、必要があれば5年を待たずとも適宜適切に必要な見直しを行うべきであるとの御指摘を受けているところでございます。現在、必要な知見やデータの集積を進めているところでございまして、必要に応じて見直しを行いたい、このように考えているところでございます。』(環境省総合環境政策局環境保健部長)

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第166回通常国会の議論から34 不法投棄をめぐる議論 国と都道府県等の役割

2007-05-27 07:19:20 | 廃棄物適正処理
2007年5月27日 
 環境省は、平成16年6月15日、①不法投棄がもたらす様々な影響を考えれば、その未然防止を図ることが不可欠、②このため、従来より講じてきた罰則の強化等の措置に加え、廃棄物の処理の流れに即した各段階での総合的な対策(アクションプラン)が必要、③これにより、不法投棄対策の当面の目標である「5年以内に早期対応により大規模事案(5000トンを超えるもの)をゼロとする。」の実現を目指す、との不法投棄撲滅アクションプランを公表しました。
 不法投棄撲滅アクションプランは、①地域における意識の向上:身近な散乱ごみ対策の強化(破れ窓理論の応用)、②廃棄物処理体制の強化:受け皿の確保と廃棄物処理システムの透明性の向上、③制度を支える人材の育成:優良処理業者の育成や行政における体制整備、から構成されています。
 そして、不法投棄を発生させない環境づくりをさらに強化するため、5月30日から6月5日を「全国ごみ不法投棄監視ウィーク」として設定し、国、自治体、市民等が連携して監視活動や啓発活動が全国一斉に実施されます。
 5月15日の衆議院環境委員会では、産業廃棄物の不法投棄をめぐり、国・都道府県等との権限、関係に関する議論が展開されました。

1.不法投棄の現状
 『不法投棄撲滅アクションプランというのもございます。環境省のそれらの報告を見ますと、近年、不法投棄は、40万トン、1,000件前後で推移している。平成15年当初、全国不法投棄の残存総量は1,096万トン、2,500件という報告がなされておりますが、15年当初というのはちょっと古いものですから、まず確認したいんですが、現在の全国の不法投棄残存総量は、この1,096万トンからどの程度ふえているんでしょうか、あるいはそんなにふえていないんでしょうか。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『最新のデータによりますと、平成17年度に新たに発覚いたしました産業廃棄物の不法投棄の件数は558件、投棄量は17万2,000トンとなっておりまして、平成11年ごろと比べて、件数、投棄量ともおおむね2分の1程度に減少いたしているところであります。また、不法投棄等の残存量につきましては、平成17年度末におきまして、1,570万トンとなっております。』(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)

2.不法投棄撲滅アクションプランの目標を達成するための具体的手法
(1)具体的施策
 『その現状の中で、平成21年までに大規模事案、つまり5,000トン超の不法投棄をゼロにするという目標を環境省は掲げておりますね。この大規模な不法投棄をゼロにするという目標、これは、具体的にはどういう手段、どういう方法で実現されようとしているんでしょうか。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『不法投棄撲滅アクションプランに基づきまして、平成21年度までに、おっしゃるように、5,000トンを超える大規模不法投棄事案はゼロにする、そのために、罰則の強化とか排出業者の責任強化などの規制強化や行政の対応体制整備等を進めてきておりますが、今後は、電子マニフェストの普及や優良処理事業者の育成に努めていくことに重点を置いてやっていきたいと思っております。さらに、安倍総理の指示を受けまして、関係省庁連絡のもとに、不法投棄対策を強化するために、去る2月5日に関係省庁連絡会議を設置いたしました。まず、5月30日から6月5日を全国ごみ不法投棄監視ウイークというふうに設定をいたしまして、国、自治体などの連携のもとに監視活動、啓発活動を一斉に実施するというような活動によりまして、取り組みの強化を図っているところでございます。』(若林環境大臣)

(2)現状把握の手法
 『産業廃棄物の不法投棄の現状把握につきましては、廃棄物処理法に基づきます産業廃棄物の適正処理の確保に関する事務の一環といたしまして、都道府県及び政令で指定する市におきまして、所管する地域の不法投棄の現状を把握しておるところであります。国としましては、各自治体の調査結果を取りまとめ、国全体の不法投棄実態を把握しているところであります。加えまして、国におきましては、不法投棄をより早い段階で把握し、適切な対策につなげるために、平成16年度から、先ほどお話の出ました不法投棄撲滅プランに基づきまして、不法投棄防止ホットラインを設置いたしまして、ファクスやメールによりまして国民から広く情報を収集しているところであります。また、大規模な事案などにつきましては、自治体からの報告も踏まえまして、必要に応じまして、地方環境事務所による現地調査等によりまして状況把握を行っているところであります。』(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)

3.不法投棄処理の権限
 『・・・・・・環境省としても、現地調査をして、不法投棄の当事者を本人を特定して、指導したり、あるいは不法投棄物を回収したり、それを県と共同しながら、県がやることだと言って任せておくんじゃなくて、県と連携しながら環境省もそのことをやる、そのことはできるんでしょう。今言った、現地調査をして、不法投棄者を特定して、不法投棄廃棄物を回収する。これはもちろん県や何かと連携しながらやることになると思うけれども、しかし、そのことは連携しながらでも環境省はできるんでしょう。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『廃棄物処理法による権限としましては、これらの現場の生活環境保全上の措置につきましては、都道府県の権限であります。環境省の権限としましては、都道府県が2つ以上にまたがった広域的な事案、例えば、かつての事案でありますと、青森県それから岩手県にまたがりました事案のような場合には環境省の方が直接指示をしていくということがございます。今回の御指摘のようなケースにおきましては、県の方がしっかりとやっていただくということに関して、必要に応じ、環境省の方で助言をしていくということにとどまるというふうに考えております。』(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)

 『・・・・・・自治体が初めから全然やる気がない場合、この栃木県足利市松田町の件はまさにそうです。しかし、ただ本人が、何の証拠もなくて、明確なものは何もなくて、ただ廃棄物が入っているという主張だけだったら別ですよ。しかし、具体的な入っているという証拠がある場合に、本件でいえば民間の調査機関の詳細な報告書、それから掘り起こした人の硫化水素ガス中毒の症状発症、これらの具体的な証拠がある場合に、環境省としては独自の行動をやはりやるべきではないですか。あるいはもっと強く県に対する要請を行うべきではないですか。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『県の方にも事情は聞くことにしておりますが、さらに県の方からの権限として、環境省の方にその行使に関しまして御相談がありますればきちんとした助言をしていきたい、このように思っております。(筒井委員「前段で何て言ったの、今。県の方にも何」と呼ぶ)現場における判断の求めに応じまして、県の方からの要請がございますれば適切な助言をしていきたい。』(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)

 『だから、私が確認しているのは、県の求め、要請がなくても、環境省の方では当然、必要な助言、要請はするんでしょうという質問なんです。先ほどの答えですと、要請、求めがなければ何もしないという答えだったから。そうなのか、それとも環境省として独自に判断して、要請あるいは依頼、その行為をするのかという質問なんです。』(筒井信隆代議士/民主党)

 『先ほどからの御指摘の点も含めまして県の方には情報を提供いたしまして、さらに調査をするようなことも求めてみたいと思いますが、あくまで判断するのは県でございますので、その過程の中で県の方が助言を求めてくれば必要な助言をしていきたい、このように思っております。』(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)

【環境法令ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【ISO14001】
◆「環境法令管理室」に「5月14日から5月20日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.5.19
◆「環境法令管理室」に「5月14日から5月20日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.5.19


第166回通常国会環境関連法案の審議状況⑱ エコツーリズム推進法案、衆議院環境委員会で成案化

2007-05-26 07:53:47 | 環境行政一般
2007年5月26日号外
【衆議院環境委員会】
25日、衆議院環境委員会は、エコツーリズム推進法案の成案を決定し、これを委員会提出の法律案とするに決しました。

※本号では、環境配慮契約法をめぐる議論について掲載しておりますので、あわせてご覧ください。    

第166回通常国会の議論から33 環境配慮契約法をめぐる議論

2007-05-26 07:47:06 | 地球温暖化
2007年5月26日 
 京都議定書が発効したことを受けて、政府は、地球温暖化防止のための政府実行計画において、平成22年度から24年度までの平均でみずからの温室効果ガスの排出量を平成13年度比で8%削減することを目標として掲げました。しかし、確定している数値で直近となる平成17年度の温室効果ガスの排出量は、1.2%の削減にとどまっています。
 国全体の温室効果ガスの排出量の削減に向けて、政府は、みずからが率先して目標を達成する必要があります。そこで、庁舎で使用する電気の購入や庁舎の改修事業等については、価格のみで判断するのではなく、温室効果ガス等による環境への負荷についても適切に評価した上で契約の相手方を決定することにより、環境に配慮した契約を推進していくことが必要であるとの背景から、議員立法により、国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律案(環境配慮促進法)が提案されました。
 環境配慮促進法は、以下の6点の枠組みによって構成されています。
 第一に、国等の責務として、その温室効果ガス等の排出の削減を図るため、エネルギーの合理的かつ適切な使用等に努めるとともに、経済性に留意しつつ価格以外の多様な要素をも考慮して、温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に努める。
 第二に、国は、国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針を定める。この基本方針には、電気の供給を受ける契約及び使用に伴い温室効果ガス等を排出する物品の購入に係る契約における温室効果ガス等の排出の削減に関する基本的事項、省エネルギー改修事業に係る契約に関する基本的事項などを定めるものとしている。各省各庁の長及び独立行政法人等の長は、基本方針に定めるところに従い、温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進を図るために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
 第三に、国が省エネルギー改修事業について債務を負担する場合には、当該債務を負担する行為により支出すべき年限は、当該会計年度以降10か年度以内とすることとしている。
 第四に、地方公共団体等は、地域の自然的社会的条件に応じて、温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する方針を作成し、これに基づき、必要な措置を講ずるよう努める。
 第五に、国等は、国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する施策の策定及び実施に当たっては、公正な競争の確保に留意するものとするとともに、国等の温室効果ガス等の排出の削減等に関係のある施策等との調和を確保する。
 第六に、国及び独立行政法人等が締結する電気の供給を受ける契約について、総合評価落札方式等に関する検討等を行うものとするとともに、当分の間、入札に必要な資格として温室効果ガス等の排出の程度を示す係数等を定めた上で、価格に基づき落札者を決定する方式によるものとする。

1.議員立法の理由
 『契約についてということで、官庁の予算の支出に関するルールを定めるものでございます。それを役所だけで決めていくということになりますと、例えば後ろ向きになるというような心配もあるわけでございまして、したがいまして、この骨格は、内閣の提出法案ではなくて議員立法で定めるということが適当ではないかというふうに考えたわけでございます。ほかに例といたしましては、例えばグリーン購入法、それからPFI法がございます。』(川口順子参議院議員/自由民主党)

2.本法が機能することにより得られる効果
 『オフィスビル等の業務部門というのはなかなか削減が難しい、逆に大いにCO2の排出量が伸びている部分だ、こういうことでございまして、そこの部分の対策を目指したこの法律案というのは大変重要だと思っております。・・・・・・この法律がしっかりと施行されて機能するとするならば、大体どの程度のCO2の削減を見込んでいるのか。そしてまた、その規模、量をイメージでとらえたいので、それは、要は1990年の基準時、CO2を削減するという基準年の排出量の大体何%に当たるんだろうか。要は、6%削減しろとか、全部で14%削減しなきゃいけないという中で、大体何%ぐらいに当たる量を想定しているのかということを、これは環境省の方からお答えをいただきたいと思います。』(坂井学代議士/自由民主党)

 『政府全体が出しておりますCO2、これは17年度が最新の値でございます、これは197万トンということでございまして、日本じゅうが12億トンぐらい出ておりますから、わずかということになります。そのうち、この法律がカバーできるものということでございますけれども、すぐ効果がありそうなものとなりますと、電気の契約に伴いましてなるべく排出係数の低い電気を購入する、こういうことに相なろうかと思います。この排出係数の変化によりますところの排出量の増加というものを計算いたしますと、先ほどの197万トンに対しまして約1%分の2万トンということでございます。これは排出係数の悪化によりますものでございますから、この法案の効果として直ちに対処ができてくるのではないかと思います。そのほか、この法律自身は、庁舎の改良とか、いろいろ長期的に効果をあらわすものも含まれてございます。この部分は、長期的なことでございますから、計算はなかなか難しいわけでございますが、以上申し上げました直近の効果、2万トンということになりますと、日本の量が12億トンあるいは業務部門は1億トン強ということになりますから、それに比べますと0.001%程度といったオーダーに相なろうかというふうに思っております。』(環境省大臣官房長)

3.グリーン購入法との比較
 『グリーン購入法も、これも政府が率先垂範をするという意味で同じようなものでございますけれども、ほかに共通な点があると思います。まず、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築を目的としているということが共通な点でございます。それからもう一つ、それを行うに当たって、消費者側あるいは需要者側がイニシアチブを持って、そして環境対策に熱心な供給側に対して働きかける、供給者を選択していくということで環境保全を進めるという、この点においてもグリーン購入法と共通点だと思います。違う点は何かということですけれども、幾つかございまして、一つは、対象として何を扱っているか。グリーン購入法は、大量生産をされた製品を中心といたしまして、製品あるいはそのサービスそのものを対象にしているわけでございますけれども、この環境配慮契約法は契約の結び方ということを扱っているということでございます。次に、仕組みといたしまして、グリーン購入法は、一般の製品等が最低限満足しなければいけない基準といいますか、その環境性能を決めているということでございまして、その観点から劣等物品は購入をしないということでございます。他方で、この法案は、優等物品やサービスを積極的に選択する、そのために、物品等の価格だけではなくて温室効果ガス等の排出コストをもあわせて評価をする、そして契約の相手方を決定するという方式を導入する。この二点が相違点かと存じます。』(川口順子参議院議員/自由民主党)

4.グリーン購入法におけるCO2削減実績
 『調達による二酸化炭素の削減効果の試算ということも平成17年度の実績でやっておりますけれども、これにつきましては、12年度のころと、それから17年度の調達物品、こういうもので比較をいたしまして試算をいたしました。年間では20,500トン、これらが想定使用年数というようなことでこれから使われていくということを考えれば、合計61,500CO2トンの効果が上がっておるということで、それなりの効果が上がっておるというふうに思っております。地方自治体につきましては努力義務ということでございますが、現在すべての都道府県及び政令指定都市において、国に準じた調達方針を作成して、調達の推進が図られるということでございますし、その他の自治体での取り組み状況も毎年上がってきているところでございます。民間にもそういう取り組みは広がっておるわけでございます。』(環境省総合環境政策局長)

5.ESCO事業
 『今回の法律でESCO事業というものが入ってまいりました。これはもちろん大事な事業であろうか、こう思うわけでありますけれども、このESCO事業に関して、国の支払いの契約期間というものが10年以内ということで、今回、この法律で書かれているということでございます。 今まで、財政法のくくりということがありまして、国からの支出というのは5年以内ということでありましたけれども、それをわざわざこのESCO事業に関して10年ということで、ある種延ばしてきたというわけでありますけれども、その延ばしてきた理由と、延ばしたことによってどういうような効果が期待できるのかということをあわせてお伺いしたいと思います。』(坂井学代議士/自由民主党)

 『ESCO事業というのは、省エネ改修事業であるわけでございますけれども、期間を長く設定するということは、それだけ費用の回収期間が長くなるということでございまして、短いよりはより大きな事業ができる、したがって、より大きな省エネ効果を期待できるということであるというふうに思っております。おっしゃられたように、財政法上は今五年ということでございまして、それを十年に延ばしたということでございますけれども、民間で施行されている、実施をされているESCO事業につきまして、これを調べてみましたけれども、費用の回収期間というものの上限が十年であったとしても、相当効果が大きい事業が実施できているということでございます。したがいまして、回収期間を五年から十年に延長いたしまして、そして、一層大規模なESCO事業の実施が可能になるように、やりやすいようにしたわけでございます。』(川口順子参議院議員/自由民主党)

6.公共機関における契約事例
 『この法案のように、二酸化炭素の排出量を考慮して契約が既に行われている、そういった全国の事例というのはございますでしょうか。』(末松義規代議士/民主党)

 『現在、横浜市、東京都、愛知県などで二酸化炭素の排出量等を考慮した電力購入契約が実施または実施予定であると承知をしています。ちなみに、その具体的な内容は、入札参加資格として排出係数の数値の上限を定めるなどの、いわゆるすそ切り方式で導入しているものがありまして、特に、例えば例を挙げますと、横浜市などでは、二酸化炭素の排出係数や新エネの導入状況や、それから未利用エネルギーの活用状況や、その他の環境配慮事項の合計値が一定以上のものに対して、入札参加資格を与えるというような工夫を凝らしているというふうに承知をしています。』(福山哲郎参議院議員/民主党)

7.民間への波及効果
 『京都議定書の六%の削減約束を達成するということにおきましては、増加している民生部門等の、例えばオフィスビルとか家庭等、その排出削減が喫緊の課題であるわけでございます。そのような意味で、本法律が施行されることによりまして、私としましては、民間事業者への波及効果について大いに期待するところでございますけれども、この法案は民間に対してどのような影響を及ぼすことになるか、その点についてお答えをいただきたいと思います。提出者の加藤先生、お願いします。』(江田康幸代議士/公明党)

 『民間企業も環境に配慮した取り組みを進めることが望ましいことは言うまでもない話でありまして、本法律案の制定あるいは施行を通じまして、いわゆる環境に優しい製品やサービスを提供する民間企業への需要がふえる。国が率先してやっていくわけでありますから、民間から購入するということを含めて、そういったことを考えてまいりますと、需要がふえること等を通して、民間の取り組みに対してもよい影響を及ぼすことが期待できるというふうに考えております。そういった意味では、ある種の広がりが出てまいりますので、意識の向上とかあるいは啓発効果としても十分あるのではないかな、このように考えております。』(加藤修一参議院議員/公明党)

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会(第6回)、産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質政策基本問題小委員会化学物質管理制度検討ワーキンググループ(第5回)合同会合(第5回)の開催について
中央環境審議会石綿健康被害判定部会石綿健康被害判定小委員会及び同小委員会審査分科会の開催について
環境省広報誌「エコジン」が6月に創刊されます
排水基準を定める省令の一部を改正する省令の一部を改正する省令案に対する意見の募集(パブリックコメント)の結果について
漂流・漂着ゴミ国内削減方策モデル調査:モデル地域の選定について(第二次選定)
ワシントン条約第14回締約国会議等の開催について
「第2回トキ飼育繁殖専門家会合」及び「第3回トキ野生復帰専門家会合」の開催について
石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく指定疾病の認定に係る医学的判定の結果について
中央環境審議会地球環境部会第55回会合の開催について

国土交通省
平成19年度グリーン物流パートナーシップ推進事業(普及事業)の推進決定について
6月は「不正改造車を排除する運動」と「ディーゼルクリーン・キャンペーン」の強化月間です。ー 全国で街頭検査を170回実施予定 ー

厚生労働省
石綿に係る疾病の業務上外に関する検討会(第23回)議事概要
石綿に係る疾病の業務上外に関する検討会(第22回)議事概要
石綿に係る疾病の業務上外に関する検討会(第21回)議事概要
石綿に係る疾病の業務上外に関する検討会(第20回)議事概要
石綿による健康被害に係る給付の請求・決定状況について(平成18年度)

資源エネルギー庁
「平成18年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2007)
平成17年度(2005年度)エネルギー需給実績(確報)
第1種エネルギー管理指定工場の現地調査(平成19年度)の実施方針について
資源エネルギー外交について

東京都
東京都環境審議会を開催

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【ISO14001】
◆「環境法令管理室」に「5月14日から5月20日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.5.19
◆「環境法令管理室」に「5月14日から5月20日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.5.19


第166回通常国会環境関連法案の審議状況⑰ 食品リサイクル法改正案等、衆議院本会議で可決

2007-05-25 08:07:53 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年5月25日号外
【衆議院本会議】
 24日、衆議院本会議において、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)は、環境委員長の報告の後、全会一致で委員長報告のとおり可決しました。
 また、千九百七十二年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の千九百九十六年の議定書の締結について承認を求めるの件は、外務委員長の報告の後、全会一致で委員長報告のとおり承認するに決しました。

※本号では、「美しい星へのいざない」と地球温暖化の現実問題をめぐる議論について掲載しております。あわせてご覧ください。

第166回通常国会の議論から32 「美しい星へのいざない」と地球温暖化の現実問題をめぐる議論

2007-05-25 06:58:27 | 地球温暖化
2007年5月25日 
 24日、安倍晋三首相は、世界の温室効果ガスの排出量について「2050年までに現状比で半減」との数値目標を掲げる地球温暖化問題に関する政府方針と対策を発表しました。
 発表のなかでは、目標達成に向け、先進的な原子力発電技術などの「革新的技術の開発」と、森林との共生などによる「低炭素社会づくり」などが提案され、2013年以降の「ポスト京都議定書」の枠組み構築に向けては、①米国、中国、インドなどの主要排出国がすべて参加し、世界全体で排出削減につなげる、②途上国と先進国など各国の事情に配慮した柔軟で多様性のある枠組み、③省エネ技術を活用し、環境保全と経済発展を両立させる、の3原則が提示されています。
 この内容は、6月6~8日にドイツで開かれる主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)で各国に提案する方針とされています。
5月11日の衆議院環境委員会では、安倍首相の構想発表に至るまでの地球温暖化に関する課題等を整理する議論が展開されています。

1.京都議定書の枠組み評価-現実的な効果はあるのか?
 『御存じのように、第一約束期間が間もなく始まる。そうしますと、先進国で5%CO2を削減しよう、こういう約束を実行する時期が間もなく来るわけですけれども、カナダが脱退したということもありましたけれども、各国がこの第一約束期間の約束を果たした場合、一体どの程度温暖化を防止する効果があると考えていいんでしょうか。』(吉田泉代議士/民主党)

 『アメリカとオーストラリアが離脱し、今回は丸々離脱ではございませんけれども、カナダが、当面の目標はギブアップしてまた別の目標を立てたというようなことでございます。それで、アメリカと豪州が抜けたことによりまして、全体の3割程度の排出国がその5%を減らすということでございます。そういう意味では3割の5%ですから1.5%、そういう数字になりますけれども、なおかつその間、途上国を中心に排出がふえておりますので、そういう意味ではなかなか定量的に、効果という意味では出しづらいものがございます。したがって、正確なそういう効果についての計算はしておりません。ただ、算数上、3割についてその0.05が減ると言うことしかできないのが現状でございます。ただ、先ほど御指摘いただいていますとおり、IPCCの報告を見ましても、気温上昇を産業革命前から2度とか2.4度に抑えるためには、2050年までに2000年に比べて5割以上削減する必要があるんだということを言っておりますので、そういう意味で見れば、京都議定書の対応というのは、それによって対策が始まったという意味で、あくまで第一歩というふうに考えて対応していきたいと考えております。』(環境省地球環境局長)

2.ポスト京都議定書の枠組み-日本の基本戦略
 『この地球規模の温暖化対策、作戦を実行しようというときに、今、参加率が30%なわけですね。これはいかにも、どうしようもない参加率だと思います。第二約束期間の枠組みづくりに当たっては、やはり、アメリカ、中国、インド、少なくともこの三つはどうしても入れるんだという、それを最優先にしたらどうかな、最優先すべきだろうというふうに思うんですが、どうでしょうか。』(吉田泉代議士/民主党)

 『米国、中国そしてインド、このような排出量の多い主要な国はどうしても参加してもらわなければ、今後、地球規模で温暖化にストップをかけるということに効果が出ない。そういう考え方で、我が国は来年議長国になるわけでありまして、第一約束期間、2012年が終わった後、間を置かずに次の枠組みを決めなきゃいけないという考え方、つまり、2013年以降の次の枠組みについては、どうしてもこれら主要排出国のすべてが参加する形でなければ効果が出ない、こういう認識に立ちまして、今、各国との意見交換、調整をしておるところでございます。我が国が議長国をいたします来年、2008年というのは、そのような次の枠組みを決める重大な時期だというふうに考えております。今、EUは、2009年中に次期枠組みの条約案を決めなければ、2013年からそれぞれの国での条約の批准手続、それぞれの国のことを考えると2009年中に条約案ができないと間に合わないよというようなことを言っておりまして、先般のドイツにおきます環境大臣会合でも、その点を決めたいという事前の協議がございました。私は、2009年というしりを切ってしまって、そこに参加してきた、会議に参加してきたアメリカや中国、インドなどの国々の皆さんが、そこで賛成をしない、つまり、入るか入らないかも決めていないのに、しりだけ決めるというようなことは無理じゃないか。だから、我が国は、議長国になることを念頭に置いて、アメリカ、中国、インドなど主要排出国のすべてがこういう目標に従ってやろうじゃないかという合意ができることが先で、合意ができてから、では、それをいつまでに条約の形にするのかというのを決めるべきではないかということで、実はそこが議論が対立をしたまま、2009年中に合意、成約を得ることを目的とするという部分は送った経緯がございます。それほど私どもの方は、今、各国との間で、どうしてもアメリカ、中国を巻き込む形で次期枠組みづくりに協議を進めていきたい、このような考え方でおります。』(若林環境大臣)

3.CCSの位置づけ-CCSには、省エネ効果はない
 『炭酸ガスを地下に埋める、地下貯留、CCSと言われておりますが、こういうことに関する法律が通ったわけでございます。私は、このCCSという手法、確かにCO2を減らす効果はありますけれども、よく考えますと、省エネ効果は全くないわけですよね。100%ないと思います。こういう手法を、例えばIPCCの報告書では、世界の排出温暖化ガス削減の半分以上をこのCCSでやろうというような計画がIPCCサイドにもある。日本の国内でも、RITEでは、そういう計画といいますかアイデアがあるようですが、私はそれはどうかなというふうに思います。このCCSという手法は、あくまで二次的な手法にとどめるべきだというふうに思うところですが、いかがでしょうか。』(吉田泉代議士/民主党)

 『御指摘のとおり、やはり温室効果ガスを大量に減らす、それからもう一つは、最近世界で言われていますのは、ローカーボンソサエティー、低炭素社会をつくるということで化石燃料から出てくるCO2が少なくて済む社会をつくろうということでございます。そのためには、委員御指摘の省エネを徹底的に推進する、それからもう一つは、再生可能エネルギーを普及するということが重要でございまして、やはり、これに最大限取り組むことがまず対策としては必要だというふうに考えておるところでございます。 ただ、世界的に見ますと、吸収量と排出量を均衡にしなければいけない、なおかつ、吸収量自身は炭素にして約31億トン前後でふえないということを考えますと、現に70億トン程度の炭素が出ているわけでございまして、ますますふえる状況になっている。その中で、一つの方策としてCCSということで、石炭の火力発電所なんかから出てくるCO2を集めて吸着して、それを地下に埋め込むということも一つの選択肢としてはやはりあり得るというふうに思っておりますし、中長期的にはかなり重要な対策というふうに見ざるを得ないんじゃないかというふうに思っております。そういう意味で、私ども、当然、これによって環境に影響が出てはいけませんし、また、委員御指摘のとおり、省エネあるいは代エネについてのその努力に怠りがあってはいけないと思います。全体としてその均衡がとれた対策を進めていきたいと考えております。』(地球環境局長)
 

 安倍晋三首相の「美しい星へのいざない」では、長期戦略として「世界全体の排出量を現状に比して2050年までに半減するという長期目標を、全世界に共通する目標とすることを提案する」としています。地球温暖化問題を考えたとき、このこと自体に何ら異存はありません。しかし、①基準年に関して「現状比」とするだけで明確でない、②日本の現状として、第一約束期間の公約達成がかなり微妙な状況、ということを考えると、サミットまでの間に、できるだけ具体的な施策を盛り込めればと思います。

【官報ウオッチング】
〔省令〕
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令(環境省令第12号/平成14年環境省令第28号の一部改正)
1.狩猟鳥獣の見直し
 近年、著しくその数が増加したことにより、農林水産業や生態系等の被害の発生要因となっているカワウについて、鳥獣の保護を図るための事業を行うための基本的な指針(平成19年1月24日告示)で示している次の狩猟鳥獣の選定の考え方に合致していることから、狩猟鳥獣に追加する。
2.対象狩猟鳥獣の禁止・制限の見直し
(1)ウズラの捕獲等の禁止
 環境省が実施した自然環境保全基礎調査等により全国的に生息分布の減少が指摘されているウズラについて、生息分布の減少の主な要因と考えられる生息環境の悪化に加え、狩猟の継続がウズラの生息状況に与える影響も否定できないことから、全国の区域において、5年間の捕獲等の禁止とする。
(2)メスジカの捕獲等の禁止の解除
 全国的に捕獲等を禁止しているニホンジカの雌について、自然環境保全基礎調査等において生息分布の拡大が認められ、捕獲等の禁止措置を解除しても生息状況に与える影響は少ないと考えられ、さらに捕獲等の禁止措置の解除により個体数管理が効果的に行われると考えられるので、ニホンジカの雌の捕獲禁止を解除する。なお、現行のニホンジカの1日当たり1頭の捕獲制限は継続する。
3.その他
現 行において、捕獲等を禁止している狩猟鳥獣について、生息状況等の明らかな改善が認められないことから、捕獲等を禁止する期間を延長する。
施行日:平成19年6月1日

号外第107号
〔法律〕
家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(法律第58号/平成11年法律第112号の一部改正)
 株式会社日本政策金融公庫法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律による改正。本法規定中、「農林漁業金融公庫」を「株式会社日本政策金融公庫」に改めるなど。
施行日:平成20年10月1日

【行政情報ウオッチング】
環境省
土壌汚染対策基金による助成に係る相談窓口の開設について
化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量に係る総量削減計画の同意について
「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令」について
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案に関する意見の募集(パブリックコメント)の実施結果について

国土交通省
国土交通省河川局渇水対策本部設置について

資源エネルギー庁
電気事業分科会第25回

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【ISO14001】
◆「環境法令管理室」に「5月14日から5月20日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.5.19
◆「環境法令管理室」に「5月14日から5月20日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.5.19