2007年11月30日
廃プラスチックの委託処理違反に関するニュースがありました。容疑の概要は、『産業廃棄物処理業の許可を有しない業者に、許可を有していないことを知りながら、廃プラスチックの処理を委託した』とするものです。廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反の疑いで、委託をした社員及び受託者が逮捕され、法人自体も書類送検される見込みとのことです。
行政刑罰の場合、原則として刑事訴訟法の手続により裁判所が科刑します。そのため、不服を申し立てるには、行政訴訟のように取消訴訟ではなく、刑事手続により無罪を主張することになります。また、今回の事件のように、違反行為者のほか、事業主である法人または人を処罰する規定を両罰規定といいます。判例によれば、両罰規定は事業主の過失を推定したものと解されており、事業主には無過失の挙証責任が負わされています。
具体的に廃棄物処理法の規定を見てみると、排出事業者側は『産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第14条第12項に規定する産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない(法第12条第3項)』として、産業廃棄物処理業の許可を有しているものへ委託することを規定しています。そして、『法第12条第3項の規定に違反して、産業廃棄物の処理を他人に委託した者は、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(法第25条第1項第6号)』としたうえで、『法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、法第25条第1項の規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して1,000万円以下の罰金刑を、その人に対して1,000万円以下の罰金刑を科する(法第32条)』と両罰規定を置いています。
一方、処理業者側も『産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない(法第14条第1項)』として許可制であることを規定し、『法第14条第1項の規定に違反して、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を業として行つた者は、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(法第25条第1項第1号)』と罰則をもうけたうえで、『法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、法第25条第1項第1号の規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して1億円以下の罰金刑を、その人に対して1億円以下の罰金刑を科する』と両罰規定を置いています。
上記の通り、事業主の場合、故意でなくとも過失により両罰規定の適用を受けることに留意し、コンプライアンス体制の構築や適正な教育訓練などを実施し、未然防止に努めることが重要であると思います。
【官報ウオッチング】
号外にて掲載中。
【行政情報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会循環型社会計画部会(第40回)の開催について
ゴルフ場暫定指導指針対象農薬に係る平成18年度水質調査結果について
遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律に基づく第一種使用規程の承認申請案件に対する意見の募集(パブリックコメント)について
平成18年度地下水質測定結果について
平成18年度 全国の地盤沈下地域の概況について
国土交通省
水関連災害分野における地球温暖化に伴う気候変動への適応策のあり方について~中間とりまとめを公表します~
社会資本整備審議会環境部会・交通政策審議会交通体系分科会環境部会第6回合同会議議事録
【判例情報ウオッチング】
東京高裁は、29日、ごみ集積場から古新聞などを勝手に持ち去ったとして、東京都世田谷区の清掃・リサイクル条例違反を問うた事件で、罰金20万円の1審・東京簡裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却しました。東京簡裁では、同条例の、区の禁止命令に反して資源ごみを「所定の場所」から持ち去ると20万円以下の罰金、との規定に関し、その明確性について判断が分かれ、無罪7人、有罪5人となっていました。東京高裁においても、業者側は「場所を特定する記載がない」と条例などのあいまいさから無罪を主張しましたが、判決は「区は、地図や看板で持ち去り禁止場所が分かるようにしており、禁止命令前に業者に警告もした」と退けています。
【ISO14001】
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月19日から11月25日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.11.25
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月19日から11月25日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.11.25
廃プラスチックの委託処理違反に関するニュースがありました。容疑の概要は、『産業廃棄物処理業の許可を有しない業者に、許可を有していないことを知りながら、廃プラスチックの処理を委託した』とするものです。廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反の疑いで、委託をした社員及び受託者が逮捕され、法人自体も書類送検される見込みとのことです。
行政刑罰の場合、原則として刑事訴訟法の手続により裁判所が科刑します。そのため、不服を申し立てるには、行政訴訟のように取消訴訟ではなく、刑事手続により無罪を主張することになります。また、今回の事件のように、違反行為者のほか、事業主である法人または人を処罰する規定を両罰規定といいます。判例によれば、両罰規定は事業主の過失を推定したものと解されており、事業主には無過失の挙証責任が負わされています。
具体的に廃棄物処理法の規定を見てみると、排出事業者側は『産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第14条第12項に規定する産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない(法第12条第3項)』として、産業廃棄物処理業の許可を有しているものへ委託することを規定しています。そして、『法第12条第3項の規定に違反して、産業廃棄物の処理を他人に委託した者は、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(法第25条第1項第6号)』としたうえで、『法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、法第25条第1項の規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して1,000万円以下の罰金刑を、その人に対して1,000万円以下の罰金刑を科する(法第32条)』と両罰規定を置いています。
一方、処理業者側も『産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない(法第14条第1項)』として許可制であることを規定し、『法第14条第1項の規定に違反して、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を業として行つた者は、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(法第25条第1項第1号)』と罰則をもうけたうえで、『法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、法第25条第1項第1号の規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して1億円以下の罰金刑を、その人に対して1億円以下の罰金刑を科する』と両罰規定を置いています。
上記の通り、事業主の場合、故意でなくとも過失により両罰規定の適用を受けることに留意し、コンプライアンス体制の構築や適正な教育訓練などを実施し、未然防止に努めることが重要であると思います。
【官報ウオッチング】
号外にて掲載中。
【行政情報ウオッチング】
環境省
中央環境審議会循環型社会計画部会(第40回)の開催について
ゴルフ場暫定指導指針対象農薬に係る平成18年度水質調査結果について
遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律に基づく第一種使用規程の承認申請案件に対する意見の募集(パブリックコメント)について
平成18年度地下水質測定結果について
平成18年度 全国の地盤沈下地域の概況について
国土交通省
水関連災害分野における地球温暖化に伴う気候変動への適応策のあり方について~中間とりまとめを公表します~
社会資本整備審議会環境部会・交通政策審議会交通体系分科会環境部会第6回合同会議議事録
【判例情報ウオッチング】
東京高裁は、29日、ごみ集積場から古新聞などを勝手に持ち去ったとして、東京都世田谷区の清掃・リサイクル条例違反を問うた事件で、罰金20万円の1審・東京簡裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却しました。東京簡裁では、同条例の、区の禁止命令に反して資源ごみを「所定の場所」から持ち去ると20万円以下の罰金、との規定に関し、その明確性について判断が分かれ、無罪7人、有罪5人となっていました。東京高裁においても、業者側は「場所を特定する記載がない」と条例などのあいまいさから無罪を主張しましたが、判決は「区は、地図や看板で持ち去り禁止場所が分かるようにしており、禁止命令前に業者に警告もした」と退けています。
【ISO14001】
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月19日から11月25日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.11.25
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「11月19日から11月25日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.11.25