環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

号外 地球温暖化法、現行の国別登録簿システムの利用停止及び国別登録簿利用規程の廃止へ

2006-10-31 06:34:07 | 地球温暖化
2006年10月31日号外
 環境省及び経済産業省は、平成17年2月16日、京都議定書及びマラケシュ合意に基づくクレジットの保有、移転等を管理する国別登録簿の利用方法等を「国別登録簿利用規程」として定めるとともに、これに基づき国別登録簿の運用を行ってきました。しかし、「国別登録簿利用規程」は、気候変動に関する国際連合枠組条約事務局が開発中の国際取引ログ(ITL)との接続試験に対応するため、平成18年11月30日をもってシステムの利用を停止し、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成18年法律第57号)の成立に伴い、廃止されることとなりました。なお、国別登録簿は、改正法の施行(来年度までに施行することを予定)を受けて、割当量口座簿として運用が開始されます。これにより、国別登録簿利用規程に基づく新たな保有口座の開設の申請ができなくなります。
 また、国別登録簿は、改正法の施行(来年度までに施行することを予定)及び気候変動に関する国際連合枠組条約事務局の登録簿システムの運用開始を受け、割当量口座簿として運用を開始することとなります。このため、今般国別登録簿利用規程を廃止することとし、国別登録簿利用規程に基づき既に口座の開設を受けている口座開設者の保有口座は廃止するため、割当量口座簿の運用開始の際には、国別登録簿利用規程に基づく口座開設者も、改正法の定めに従い、改めて口座開設の申請を行うことが必要となります。なお、口座開設手続を始めとした割当量口座簿の運用の在り方については、年度内を目途に明らかにされる予定です。

【官報ウオッチング】
号外第249号
〔告示〕
動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針(環境省告示第140号)
 動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)第5条第1項の規定に基づき、動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針が次のように定められた。
第1 動物の愛護及び管理の基本的考え方
第2 今後の施策展開の方向
1 基本的視点
(1)国民的な動物の愛護及び管理に関する活動の盛り上げ
(2)長期的視点からの総合的・体系的アプローチ
(3)関係者間の協働関係の構築
(4)施策の実行を支える基盤の整備
2 施策別の取組
(1)普及啓発
(2)適正飼養の推進による動物の健康と安全の確保
(3)動物による危害や迷惑問題の防止
(4)所有明示(個体識別)措置の推進
(5)動物取扱業の適正化
(6)実験動物の適正な取扱いの推進
(7)産業動物の適正な取扱いの推進
(8)災害時対策
(9)人材育成
(10)調査研究の推進
第3 動物愛護管理推進計画の策定に関する事項
1 計画策定の目的
2 計画期間
3 対象地域
4 計画の記載項目
5 策定及び実行
(1)多様な意見の集約及び合意形成の確保
(2)関係地方公共団体との協議
(3)計画の公表等
(4) 実施計画の作成
(5)点検及び見直し
第4 動物愛護管理基本指針の点検及び見直し

【行政情報ウオッチング】
環境省
国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)総会の結果について
環境技術開発等推進費における平成19年度の新規課題募集について
中央環境審議会地球環境部会二酸化炭素海底下地層貯留に関する専門委員会第3回会合の開催について

経済産業省
新システムへの移行に向けた、現行の国別登録簿システムの利用停止及び国別登録簿利用規程の廃止について
第18回地域経済産業調査(拡大経済産業局長会議)
鉱工業生産・出荷・在庫指数速報(平成18年9月分)
資源・エネルギー統計速報(平成18年9月分)
機械統計速報(平成18年9月分)
化学工業統計速報(平成18年9月分)
窯業・建材統計速報(平成18年9月分)
繊維・生活用品統計速報(平成18年9月分)
紙・パルプ・プラスチック製品・ゴム製品統計速報(平成18年9月分)
鉄鋼・非鉄金属製品・金属製品統計速報(平成18年9月分)

国土交通省
エコドライブ推進月間について~地球と財布にやさしいエコドライブを始めよう~

厚生労働省
アスベスト(石綿)情報
石綿業務に従事した離職者に対する無料健康診断事業

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆「環境法令管理室」に「テーマ別環境法令主要改正解説」を追加しました/2006.10.28
◆「環境法令管理室」に「10月23日から10月29日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2006.10.28
◆「環境法令管理室」に「10月23日から10月29日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2006.10.28

※本号で、廃棄物処理法にみる行政処分と刑事処分の最終回 ⑤防御機会の手続 事後手続行政不服審査法、行政事件訴訟法 を掲載しておりますので、そちらもお読みください。

廃棄物処理法にみる行政処分と刑事処分 ⑤防御機会の手続 事後手続行政不服審査法、行政事件訴訟法

2006-10-31 06:33:19 | 業務日誌
2006年10月31日
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)にみる行政処分と刑事処分最終回は、防御機会の事後手続について整理をしていきます。事後手続とは、一度発出された行政処分を取消すための救済手続です。救済法としては、行政による行政不服審査法と、司法による行政事件訴訟法が用意されています。これらの手続は、どちらが先でも、また同時に提起することも可能です。

2.行政不服審査法
(1)異議申立てと審査請求
 具体的な行政処分が発出されると、不服申立て先及び期日が教示されます。処分内容に不服の場合は、この教示に基づき、行政不服審査法による救済を求めることになります。行政不服審査法による不服申立てには、①異議申立て(もう一度処分庁に求めるもの)、②審査請求(処分庁の上級庁に求めるもの)、があります。不服申立ては、書面審理方式で行われ、審理中は発出された行政処分の執行が停止されることは、原則としてありません。なお、行政手続法による聴聞手続を経ている場合は、①の異議申立てをすることはできません。

(2)審理方法等
 不服申立てをするには有効な期限が定められており、行政処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に不服申立てをしない場合は、原則として不服申立てをすることは不可能となります。また、処分があった翌日から起算して1年を経過したときも原則として、不服申立てをすることはできなくなります。
 不服申立ては、事前手続と同様に代理人によって行うことができ、利害関係人も審査庁の許可を得て、参加することが可能です。また、審理は書面によって行います。ただし、審査庁は、審査請求人等から申立てがあった場合には、口頭で意見を述べる機会を与えなければなりません。なお、申立人または参加人は、証拠書類等を提出でき、審査庁は申立てまたは職権により、参考人の陳述、鑑定、書類その他の物件の提出を求め、必要な場所の検証等をすることが可能です。

(3)裁決・決定
 なお、行政処分が違法または不当であったとしても、行政処分を取消すことが公益に著しい障害を生ずる場合は、審査庁は請求を棄却することができます(事情裁決)。
 審査庁によって出された裁決(審査請求の場合)・決定(異議申立ての場合)は、一般の行政行為と同様に公定力・自力執行力・不可争力が生じるほか、裁決庁が自ら取消すことができない不可変更力が生じます。そのため、『裁決はその形式方法において判決に類似しているけれども、一つの行政処分であるから、違法があれば裁決庁自らにおいて取消すことができると解すべきだと主張する。しかし、本件裁決は、○○農地委員会が立てた農地の買収計画に対し被上告人が申立てた異議の却下決定に対し、一旦なされた被上告人の主張を認める裁決を取消したものである。この裁決が行政処分であることは言うまでもないが、実質的に見ればその本質は法律上の争訟を裁判するものである。憲法76条2項後段によれば、「行政機関は、終審として裁判を行うことができない」のであつて、終審としては、裁判所が裁判を行うが、行政機関をして前審として裁判を行わしめることは、何等差支えないのである。本件裁決のごときは、行政機関である上告人が実質的には裁判を行つているのであるが、行政機関がするのであるから行政処分に属するわけである。かかる性質を有する裁決は、他の一般行政処分とは異り、特別の規定がない限り、原判決のいうように裁決庁自らにおいて取消すことはできないと解するを相当とする。(最高一小判・昭和29年1月29日・昭和25(オ)354)』とされています。

3.行政事件訴訟法
(1)行政事件訴訟法の訴訟類型
 行政処分の取消しを求める最終ラウンドは、裁判による決着となります。行政事件訴訟法行政不服審査法同様、提訴までの有効期間が規定されており、原則として、処分または裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは、もはや提起することはできません。また、原則として、処分または裁決があった日から起算して1年を経過したときも提起することはできなくなります。行政不服審査法と異なり、起算日に初日が含まれていることに注意する必要があります。
 また、行政事件訴訟法は、裁判所による法律判断を下すものですので、行政不服審査法による不服申立てと異なり、対審構造(原告・被告)による口頭弁論主義によって審理されることとなります。行政事件訴訟法では、訴訟の種類として、①抗告訴訟(行政処分の取消し等の訴訟)、②当事者訴訟(土地収用の際の当事者同士の訴訟等)、③民衆訴訟(一般選挙人による選挙無効の訴訟等)、④機関訴訟(国または地方公共団体間の訴訟)、の4つが定められています。廃棄物処理法における行政処分との関係では、①抗告訴訟が重要となります。

(2)抗告訴訟(行政事件訴訟法第3条)
 抗告訴訟とは、『行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう』とされ、以下の6つの種類により構成されています。
①処分の取消しの訴え(行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為の取消しを求める訴訟)
②裁決の取消しの訴え(行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しを求める訴訟)
③無効等確認の訴え(処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟)
④不作為の違法確認の訴え(許認可申請等に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟)
⑤義務付けの訴え(行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき、行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき、に行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟)
⑥差止めの訴え(行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟
 上記のうち、①処分の取消しの訴え、②裁決の取消しの訴え、を取消訴訟といいます(また、上記に属さない法定外の無名抗告訴訟もある)。

(3)取消訴訟の審理
 取消訴訟が提起された場合、裁判はその訴えの訴訟要件を審理します(要件審理)。訴えの利益(勝訴した場合に、①法律上の利益が属する者か、②現実に利益の回復が得られる状態か)が認められない場合や形式的不備(提起期限がきれているなど)がある場合、補正が可能であれば補正を命ぜられ、補正が不可能であれば、この段階で不適当な訴えとして却下されることになります。
 訴えが要件を具備していれば、内容の当否の審理(本案審理)に移行します。本案審理は、対審構造(原告・被告)による口頭弁論主義によって審理されることとなります。また、当事者の主張・立証に関わらず裁判所は必要があるときは職権で証拠を調査することが可能です(職権主義)。
 行政不服審査法同様、訴訟中は原則として行政処分の執行は停止されません。しかし、重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は申立てにより、決定をもって行政処分の全部または一部の執行を停止することができます(ただし、内閣総理大臣が異議を述べた場合は、停止不可。この場合、内閣総理大臣は、次の通常国会に報告義務あり)。

(4)判決
 行政事件訴訟法においても、行政処分が違法または不当であったとしても、行政処分を取消すことが公益に著しい障害を生ずる場合は、裁判所は請求を棄却することができます(事情判決)。
 取消訴訟の判決には、①判決内容に反する主張は不可とされる既判力、②処分・裁決が遡及的に執行する形成力、③判決の趣旨に従った行動が求められる拘束力、が備えられます。

 なお、最近の廃棄物処理法関連の裁判例では、元役員が道路交通法違反(飲酒運転)で懲役5月執行猶予3年の有罪判決を受けたことが、廃棄物処理法第14条の3の2第1条第1項に規定する欠格要件に該当するとして、2004年11月に埼玉県から業許可を取り消された茨城県の元産廃収運業者が、埼玉県知事を相手取り処分の取消を求めた訴訟の判決が3月22日、さいたま地裁でありましたが、廃棄物処理法の厳格な欠格要件の規定も法の範囲内とされ、行政処分が取消されることはありませんでした。

※官報ウオッチング以下は、号外で掲載します。

号外 二酸化炭素海底貯留の実施、法制化へ

2006-10-30 18:21:48 | 地球温暖化
2006年10月30日号外
 地球温暖化防止、京都議定書目標達成の切り札的存在として、9月15日の環境法令ウオッチングでも紹介した『二酸化炭素海底下地層貯留』が、その実現に向けて法制化される可能性が出てきました。28日の読売新聞の報道によると、政府は、『二酸化炭素海底下地層貯留』実施のため、来年1月からの通常国会に、海洋汚染防止法の改正を提出する見込みとのことです。
 このシステムは、①CO2を大量に排出するプラントにおいて特殊な装置を併設してCO2を分離、②それをパイプライン等によって海底の投棄地点まで輸送、③高圧力を付加して『不透水層(水分を通さない地層)』の下にある『帯水層(岩石と水分が混ざった地層)』に閉じ込める、というものです。海底には、約2兆トンのCO2を貯留できるスペースがあるとされており、計算上は全世界のおよそ80年分のCO2が削減されることになります。日本でも推定52億~1500億トンの貯留スペースがあるとされており、これは現在の日本の排出量約14億トンの約4年~100年超ぶんに相当します。しかし、地震時の安全性などCO2が地中から漏れ出す可能性も指摘され、海洋生態系への影響も懸念されます。
 今回の決定は、「廃棄物投棄による海洋汚染の防止に関する国際条約(ロンドン条約)」締約国会議で、CO2の海底貯留が認められるのを受けたもので、環境省では、国による審査・許可制度や環境への影響評価のほか、必要な監視項目などを盛り込んだ関係法令を整備する予定で、来月中に骨子案をまとめる、とされています。

※本号で、【行政情報ウオッチング】を夕刻更新してあります。

廃棄物処理法にみる行政処分と刑事処分 ④防御機会の手続 事前手続としての行政手続法

2006-10-30 06:25:23 | 行政法
2006年10月30日
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)にみる行政処分と刑事処分第4回以降は、防御機会の手続について整理をしていきます。原則として、行政処分はいきなり発出されるものではありません。発出の前には、処分の内容に応じた防御機会が、行政手続法によって規定されています。また、行政処分発出後については、行政不服審査法行政事件訴訟法による救済の機会が規定されています。

1.行政手続法による事前手続
(1)聴聞(行政手続法第15条~第28条
 聴聞は、①許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき、②名あて人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき、③名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる不利益処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる不利益処分又は名あて人の会員である者の除名を命ずる不利益処分をしようとするとき、④①から③以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき、に行政庁と当事者等との口頭でのやりとりによる審理方式によって、争点を明確にすることで処分の適正を確保するものです。廃棄物処理法における行政処分では、許可取消や一部の措置命令の場合に用いられます。なお、措置命令の場合、生活環境の保全上の支障の除去など、公益的に緊急を要する場合には、事前手続は不要とされています。
①聴聞の通知
 まず、行政庁は聴聞を行う期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人に対して、①予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項、②不利益処分の原因となる事実、③聴聞の期日及び場所、④聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地、を記した通知書を送付します。また、この通知には、①聴聞の期日に出頭して意見を述べ、及び証拠書類又は証拠物を提出し、又は聴聞の期日への出頭に代えて陳述書及び証拠書類等を提出することができること、②聴聞が終結する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができること、が教示されていなければなりません。

②代理人、当事者、参加人
 聴聞の通知を受けた当事者は、弁護士等の代理人を選任することができます。選任された代理人は、当事者に代わり聴聞に関する全ての行為をすることが可能です。また、聴聞には、当事者以外の者であっても、その不利益処分に対して利害関係を有する場合は、主宰者(行政庁が指名する職員その他政令で定める者)の職権または許可を得て、聴聞に参加することができます(以下、参加人)。
 当事者及び参加人は、聴聞の通知が到達したときから聴聞が終結するまでの期間、行政庁に対して、その事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができます。この場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができません。

③聴聞の審理方法
 聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰して、実施されます。主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、行政庁の職員に、予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項並びにその原因となる事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければなりません。また、当事者又は参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠書類等を提出し、並びに主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発することができます。この場合、当事者又は参加人は、主宰者の許可を得て、補佐人とともに出頭することが可能です。主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、当事者若しくは参加人に対し質問を発し、意見の陳述若しくは証拠書類等の提出を促し、又は行政庁の職員に対し説明を求めることができ、また、当事者又は参加人の一部が出頭しないときであっても、聴聞の期日における審理を行うことができます。聴聞の期日における審理は、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、非公開で行われるのが原則です。
 当事者又は参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することが可能です。この場合、主宰者は、聴聞の期日に出頭した者に対し、その求めに応じて、提出された陳述書及び証拠書類等を示すことができます。
 主宰者は、聴聞の期日における審理の結果、なお聴聞を続行する必要があると認めるときは、さらに新たな期日を定めることができます。この場合、当事者及び参加人に対し、あらかじめ、次回の聴聞の期日及び場所を書面により通知する必要があります(聴聞の期日に出頭した当事者及び参加人に対しては、当該聴聞の期日においてこれを告知すれば足りる)。
 主宰者は、当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ、陳述書若しくは証拠書類等を提出しない場合、又は参加人の全部若しくは一部が聴聞の期日に出頭しない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができます。また、主宰者は、当事者の全部又は一部が聴聞の期日に出頭せず、かつ、陳述書又は証拠書類等を提出しない場合において、これらの者の聴聞の期日への出頭が相当期間引き続き見込めないときは、これらの者に対し、期限を定めて陳述書及び証拠書類等の提出を求め、当該期限が到来したときに聴聞を終結することとすることができます。

④調書・報告書・行政処分
 主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければなりません。この調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごとに、当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成することとされています。そして、主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、前述の調書とともに行政庁に提出します。当事者又は参加人は、これらの調書及び前項の報告書の閲覧を求めることが可能です。
 行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、主宰者に対し、提出された報告書を返戻して聴聞の再開を命ずることができます。また、行政庁は、不利益処分の決定をするときは、これらの調書の内容及び報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない、とされています。
 行政庁又は主宰者が上記の手続に基づいてした処分については、行政不服審査法による不服申立てをすることができません。また、聴聞を経てされた不利益処分については、当事者及び参加人は、行政不服審査法による異議申立てをすることができません。

(2)弁明の機会の付与(行政手続法第29条から第31条
 弁明の機会の付与は、聴聞に該当する以外の場合に行政庁に対して弁明書を提出する方法により行われます(行政庁が認めた場合は、口頭も可)。弁明をするときは、証拠書類等を提出することができます。
 行政庁は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、①予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項、②不利益処分の原因となる事実、③弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その旨並びに出頭すべき日時及び場所)、の事項を書面により通知しなければなりません。なお、弁明の当事者は、聴聞同様に代理人を選任することができます。
 廃棄物処理法における行政処分では、改善命令・措置命令・事業停止が該当しますが、改善命令は『行政処分の指針について(環廃産発第050812003号)』によって、『改善命令を行う場合は、行政手続法第13条第2項第3号により同条による聴聞又は弁明の機会の付与の手続は不要であること』とされ、措置命令についても『公益上、緊急を要する場合は、行政手続法第13条第2項第1号により同条による聴聞又は弁明の機会の付与の手続を執らないことも可能である』とされています。

【官報ウオッチング】
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【行政情報ウオッチング】
環境省
「温泉行政の諸課題に関する懇談会」報告書について
新システムへの移行に向けた、現行の国別登録簿システムの利用停止及び国別登録簿利用規程の廃止について
全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)平成17年度冬期観察の結果について
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会 廃棄物の区分等に関する専門委員会の開催について
地球環境研究総合推進費一般公開シンポジウムの開催について『地球温暖化から未来をのぞく-生活と身近な環境への影響-』
「第2回環境の街作り検討会」の開催について
「第48回自然公園大会」について
第7回日中韓環境教育ワークショップ/シンポジウムの結果について

経済産業省
冬季の省エネルギー対策について
商業販売統計速報(平成18年9月分)

国土交通省
第10回海岸シンポジウムの開催について
国土交通月例経済(平成18年10月号)
都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案について
都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案について

厚生労働省
石綿に係る疾病の業務上外に関する検討会第12回開催について
石綿に係る疾病の業務上外に関する検討会第13回開催について

東京都
東京都エネルギー環境計画書等を公表

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廃棄物処理法にみる行政処分と刑事処分 ③行政処分から刑事処分へ 欠格要件該当への道

2006-10-29 09:24:02 | 行政法
2006年10月29日
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)における行政処分は、報告徴収(法第18条)、立入検査(法第19条)による事実認定に基づいて、発出されます。この際、『行政処分の指針について(環廃産発第050812003号)』では、『行政処分を行うためには、違反行為の事実を行政庁として客観的に認定すれば足りるものであって、違反行為の認定に直接必要とされない行為者の主観的意思などの詳細な事実関係が不明であることを理由に行政処分を留保すべきでないこと。なお、事実認定を行う上では、法に基づく立入検査や報告徴収や関係機関との連携を積極的に活用し、事実関係を把握すること。』とし、客観的事実のみに従い行政処分を発出することを求めています。
 許可の取消及び一部の措置命令を除く行政処分は、原則として再び適正に廃棄物処理を行うことを期待して出されるものと考えられます。許可取消という被処分者にとってこれ以上ない最悪の措置が規定されている以上、そこに該当しない行政処分が出されるということは、取消の手前で留めておこうとする意思が存在すると思料ことが自然だからです。
 ここで、一つ疑問になるのが廃棄物処理法の罰則規定との関係です。たとえば、マニフェストの虚偽記載違反は、廃棄物処理法第29条によれば『6月以下の懲役又は50万円以下の罰金』と規定されています。一方、行政処分の基準を記した『廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について(環廃産発第050812002号)』では、30日の事業停止、とされています。もし、廃棄物処理法に違反して罰金以上の刑を受けることとなれば、法第14条第5項第2号イの欠格要件に該当し、許可は『取消さねばならない(法第15条の3)』ことになります。では、取消すことを前提として、わざわざ事業停止の行政処分を発出するのでしょうか? これでは取消に至らない行政処分の基準を規定した意味がまったくないとことなってしまいます。
 ここで行政処分と刑事処分の関係を整理してみましょう。刑事処分は、告発というインプットを経て、公訴の提起、公訴せず、というアウトプットがだされるものです。その判断材料として、事業停止の行政処分を発出した行政庁が、行政処分に至る行為に不法投棄やその他の事件性との関連がある、という客観的事実を把握している場合は、その旨を捜査機関に対し告発することになります。
 検察官は、この告発内容を調査し、公訴するかしないかを判断することになります。この際、第1回でも書いた通り、刑事訴訟法第248条によって、検察官は、『犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる』とされており、違反事実があったとしても、酌量される余地があるため、ここで公訴せず、と判断されれば行政処分による事業停止のみとなり、欠格要件該当による許可取消には至りません。一方、公訴を提起する、という刑事処分が発出されれば、舞台は裁判所へと移され司法へと判断が委ねられます。そして、罰金刑以上が確定すれば、許可取消しという行政処分が出されるということになります。
 告発は、行政庁以外でも可能なため、刑事処分が先になされる場合もありえますが、ほとんどの場合は上記の『行政処分 ⇒ 刑事処分 ⇒ 行政処分』という流れで整理ができると思います。

※明日は、防御機会のための手続きについて整理します。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【判例情報ウオッチング】
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廃棄物処理法にみる行政処分と刑事処分 ②自治体による行政処分の温度差

2006-10-28 09:53:53 | 行政法
2006年10月28日
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)上、自治体が実施する行政処分の基準については、平成17年8月12日に発出された『廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について(環廃産発第050812002号)』に示されています。これを加味して各自治体では、条例や要綱等により自ら適用する基準を定めています。たとえば、豊田市では『豊田市産業廃棄物処理に係る行政処分の基準等に関する条例(平成17年10月1日)』を策定し、『行政処分の指針について(環廃産発第050812003号)』の内容までも包含した規定を置いています。また、岩手県では『循環型地域社会形成に関する条例』及びその施行規則のなかで、累積点数制による基準が規定されています。
 行政処分の基準自体は、どの自治体でも『廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について』に準拠しており、ほとんど同一の規定を置いています。しかし、その運用については、自治体によって温度差があると言えます。
 たとえば、産業廃棄物収集運搬業者の許可の変更違反について、次のような事例があります。
廃棄物処理法第14条の3の2第1項第2号に該当するとして許可を取消した事例
 産業廃棄物収集運搬業の許可を受けた者が、その範囲に「燃え殻」がないにも関わらず、産業廃棄物である燃え殻入りの土砂の運搬を受託し、運搬したため、法第14条の2第1項(許可の変更)に違反し、法第14条の3の2第1項第2号に該当するに至ったため、許可を取消す。
廃棄物処理法第14条の2第1項違反に該当するため事業停止とされた事例
 取得している産業廃棄物収集運搬業の許可には、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(廃石膏ボード)の積替保管が含まれていないにもかかわらず、排出事業者の廃石膏ボードを収集運搬し、同社事業場資材倉庫において、31日間にわたり積替保管を行った。また、同社が取得している岩手県知事の産業廃棄物処分業の許可はガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(廃石膏ボード)の処分が含まれていないにもかかわらず、積替保管を行った廃石膏ボードのうち2.47tを、事前協議を経ずに設置した石膏ボード剥離施設により処理を行った。これらの行為は法第14条の2第1項違反(事業範囲の無許可変更)に該当する。として、産業廃棄物収集運搬業及び特別管理産業廃棄物収集運搬業は、90日間の事業の全部停止。産業廃棄物処分業は、27日間の事業の全部停止とする。
 上記の二つの事例は異なる自治体においてなされた行政処分です。ほぼ同じ(発表内容だけで判断すると、どちらかというと②のほうが重い気がしますが)内容の許可変更違反に対して、①は許可取消、②は事業停止、という行政処分がなされています。特に、①の場合、事業停止措置に該当し、情状が特に重いとき(廃棄物処理法第14条の3の2第1項第2号)に該当するとして、一発で許可取消の処分が出されている点に注目できます。発表された内容を読む限り、繰り返し処分を受けていたような経緯もなく、許可変更違反のみを対象としておりますので、かなり厳しい処分であると言えるのではないでしょうか。
 この点、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について』では、『なお、貴職において、事案に応じ、本基準以上に厳格な処分を行うことは、本基準の趣旨に反するものではない旨申し添える』としています。

※明日は、刑事処分との関係 欠格要件該当への道、をお届けします。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
平成17年度の温室効果ガス排出量等について
化学物質審査規制法に基づく藻類生長阻害試験法の改正案に対する意見募集(パブリックコメント)の結果について
昨年度の「WARM BIZ」の成果について
「チーム・マイナス6%」における今年度の冬の取組キックオフ記者発表会について

国土交通省
「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案について(意見募集)」の結果について(募集期間 平成18年7月24日~平成18年8月24日)
「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案について(意見募集)」の結果について(募集期間 平成18年9月25日~平成18年10月24日)

東京都
(仮称)東京都景観計画(素案)の意見を募集

【判例情報】
京都地裁園部支部園部簡裁は、京都府の豆腐製造販売会社が産業廃棄物である大豆の皮を焼却していた問題で、産業廃棄物処理法違反の罪で、同社に罰金100万円、従業員に同50万円の略式命令を出しました。命令によると、従業員は3月31日、豆腐を製造する際に生じた大豆の皮など約125キロを同社敷地内で焼却した、とされています。

ISO14001
◆「環境法令管理室」に「10月16日から10月22日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2006.10.22
◆「環境法令管理室」に「10月16日から10月22日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2006.10.22




廃棄物処理法にみる行政処分と刑事処分 ①行政処分には情状酌量の余地はない?

2006-10-27 08:24:06 | 行政法
2006年10月27日
 行政処分とは、行政庁が行う処分及び裁決のことで、許認可等の申請に対する処分や不利益処分などのことを言います。相手方の任意の協力を前提とする行政指導とは異なり、①法律や条令の規定に違反した処分であっても、権限ある機関(上級庁や裁判所等)が正式に取り消さない限り有効(公定力)、②命ぜられた義務を相手方が履行しない場合に、行政庁が、裁判所の判決を受けることなく強制執行を行える(自力執行力)、というとても強い力を有しています。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)では、①許可取消、②事業停止、③措置命令、④改善命令、の4つの行政処分が規定されています。廃棄物処理業は、許可制による規制産業ですので、許可に値する各種基準に適合しなくなった場合には、許可取消・事業停止の重い行政処分が下されることになります。措置命令は、基準に適合しない廃棄物処理が行われたために、生活環境の保全に支障をきたす場合及びその恐れがある場合に、不適正処理をした者(廃棄物処理業者、排出事業者)に対して、その支障の除去、是正処置などが命ぜられるものです。改善命令は、基準に適合しない廃棄物処理が行われた場合に、そのやり直し等を、期間を定めて命ぜられるものです。
 一方、刑事処分は、違反行為があった場合に告発等を受けて検察官が、公訴を提起するか、しないかを決定する処分をいいます。廃棄物処理法との関係でいえば、行政処分を課した行政庁が、その重大性によって告発する場合、公益通報者保護法などによって内部告発がおこなわれる場合、住民等からの告発などの場面が考えられます。
 平成17年8月に発出された『行政処分の指針について(環廃産発第050812003号)』では、両者の目的を次のように整理しています。
行政処分:将来にわたる行政目的の確保
刑事処分:過去の行為の評価
 刑事処分については、刑事訴訟法第248条によって、検察官は、『犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる』とされており、違反事実があったとしても、酌量される余地があり得ますが、行政処分については『行政処分の指針について』のなかで『過去の行為を評価する刑事処分とはその目的が異なるものであるから、それを理由に行政処分を留保することは不適当であること。むしろ、違反行為に対して公訴が提起されているにもかかわらず、廃棄物の適正処理について指導、監督を行うべき行政が何ら処分を行わないとすることは、法の趣旨に反し、廃棄物行政に対する国民の不信を招きかねないものであることから、行政庁として違反行為の事実を把握することに最大限努め、それを把握した場合には、いたずらに刑事処分を待つことなく、速やかに行政処分を行うこと』として、情状による酌量を否定しています。
 
※明日は、自治体による行政処分の温度差について考察します。

【官報ウオッチング】
〔省令〕
電気事業法施行規則の一部改正(経済産業省令第94号/平成7年通商産業省令第77号の一部改正)
 小出力発電所の発電用の工作物のうち、燃料電池発電設備の基準が「最高使用圧力が0.1メガパスカル」から「燃料・改質系統設備の最高使用圧力が0.1メガパスカル(液体燃料を通ずる部分にあっては、1.0メガパスカル)」に改められた。
施行日:平成18年10月27日

発電用火力設備に関する技術基準を定める省令の一部改正(経済産業省令第94号/平成9年通商産業省令第51号の一部改正)
1 第32条(安全弁)に、次の第2項を新設。
「燃料電池設備が一般用電気工作物(気体燃料を使用する固体高分子型のものであって、燃料昇圧用ポンプの最大吐出圧力が燃料電池設備の最高使用圧力以下であるものに限る。)である場合であって、耐圧部分の過圧を防止するための適切な措置が講じられているものであるときは、前項の規定は適用しない。」
2 廃棄物固形化燃料の貯蔵設備(サイロその他非開放型の構造の貯蔵設備)の湿度測定装置の基準を、「燃料の水分を十質量パーセント以下」から「燃料に含まれる水分を適切」に改めた。ただし、発酵、化学反応その他の事象によって、廃棄物固形化燃料が異常に発熱し、又は可燃性のガスが発生するおそれがない場合は、適用除外とされた。
3 廃棄物固形化燃料の貯蔵設備(サイロその他非開放型の構造の貯蔵設備)の気体濃度測定装置の基準について、発酵、化学反応その他の事象によって、廃棄物固形化燃料が異常に発熱し、又は可燃性のガスが発生するおそれがない場合は、適用除外とされた。
4 廃棄物固形化燃料の貯蔵設備(サイロその他非開放型の構造の貯蔵設備)の燃焼防止装置の基準について、発酵、化学反応その他の事象によって、廃棄物固形化燃料が異常に発熱し、又は可燃性のガスが発生するおそれがない場合は、適用除外とされた。
施行日:平成18年10月27日

【行政情報ウオッチング】
環境省
医療系廃棄物の漂着について(第2報)
中央環境審議会大気環境部会(第21回)の開催について
環境技術実証モデル事業 VOC処理技術分野(中小事業所向けVOC処理技術)における実証機関の選定及び実証対象技術の募集について
気候変動枠組条約第12回締約国会議(COP12)及び京都議定書第2回締約国会合(COP/MOP2)におけるサイドイベント「持続可能な発展につながる低炭素社会に向けたグローバルチャレンジ」の開催について

経済産業省
「一日原子力安全・保安院(一日保安院)」の開催について

国土交通省
国土審議会計画部会第10回持続可能な国土管理専門委員会議事録

厚生労働省
労働安全衛生法の改正について

【判例情報】
 東京地裁で、25日、新石垣空港建設に向けた手続きに不備があるとして、予定地内の共有地主121人と周辺に生息する希少種のヤエヤマコキクガシラコウモリ、アオサンゴが原告となり、設置許可の取り消しを国に求めた訴訟の第1回口頭弁論がありました。原告代表が予定地周辺の環境保全の必要性と県の環境影響評価(アセスメント)の方法書作成の不備などを訴え、一方、国側は環境影響評価法には、自然環境に関する利益について個々人の個別の利益を保護するといった趣旨や目的は含まれていないとし、請求を退けるよう求める答弁書を提出しています。また、国側は、共有地主ではない13人の原告について法律上の利益を有する者に該当しないとして、訴えの却下を主張しています。

ISO14001
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京都議定書目標達成へ向けて クリーン開発メカニズムの進捗状況 

2006-10-26 10:28:49 | 地球温暖化
2006年10月26日  
 経済産業省は、クリーン開発メカニズム(CDM)に係る事業について、京都メカニズム推進・活用会議での審議の結果、新たに9件の日本政府承認の申請を承認したと発表しました。これで、日本政府承認CDM/JIプロジェクトは合計72件、削減排出量は合計4012.69万tCO2/年となりました(10月24日現在)。
 クリーン開発メカニズムは、先進国と途上国が共同で排出削減事業を実施し、その削減分を投資国(先進国)が自国の目標達成に利用できる制度ですが、国際的に正式に認められるためには、以下の手続きが必要となります。

①事業実施主体によるCDMプロジェクトの実施計画策定
②投資国による承認及びホスト国による承認
③運営組織(CDM理事会が指定する第三者機関)によるCDMプロジェクトの審査
④CDM理事会によるCDMプロジェクトの承認
⑤CDMプロジェクトの実施及びモニタリング
⑥運営組織(CDM理事会が指定する第三者機関)によるCER(認証排出削減量)の検証・認証
⑦CDM理事会がCERを発行し、プロジェクト実施者に分配
※②③の順序は問わない

 京都議定書において、わが国は1990年比-6%を義務付けられています。その具体的手法を定めた『京都議定書目標達成計画』では、2010年に京都メカニズムによる-1.6%削減(年間約2千万t-CO2×5年=約1億t-CO2)が計上されています。京都議定書の遵守は、2013年以降2015年夏頃までの調整期間終了時点で償却口座にあるクレジット量と約束期間中の実際の排出量を比較して行われますので、計画からクレジットの取得までに3~7年程度を要する(リードタイムが存在する)CDMは、早急に着手する必要がある項目であると言えます。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
陸上活動からの海洋環境の保護に関する世界行動計画(GPA)第2回政府間レビュー会合について

経済産業省
CDMプロジェクト政府承認審査結果について
産業構造審議会消費経済部会製品安全小委員会中間とりまとめ(案)に対する意見募集

【判例情報】
新しい情報はありません。

ISO14001
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廃棄物処理法にみる行政処分と行政指導

2006-10-25 07:47:54 | 廃棄物適正処理
2006年10月25日 
 産廃最終処分場に、大量の医療廃棄物が不法投棄された疑いがあるのに県は十分な調査をしていないとして、地元住民が処理場を掘削して不法投棄量や投棄物の調査をするよう求める要請書を県に提出した、というニュースがありました。
 同処分場は、安定型処分場であるため、廃棄物の性状が安定している産業廃棄物である廃プラスチック類・ゴムくず・金属くず・建設廃材・ガラスくず・陶磁器くず(いわゆる安定五品目)以外を埋め立てることはできません。
 県の対応は、①2004年12月の調査を受け、業者を指導し、医療廃棄物は既に撤去させている、②現在も業者に対し、掘削して不法投棄物があれば撤去するよう指導している、と回答しているとのことですが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)上、疑問の残る点があります。以下、あくまで報道の通りであると仮定して、検証してみたいと思います。

行政処分は適切か
 まず、廃棄物処理法の規定によれば、施設基準に適合しない処理が行われたことに対して、事業の停止命令、施設の使用の停止命令、改善命令、措置命令などの行政処分が発せられることになります。これらの行政処分による改善が不可能な場合、行政処分に従わなかった場合、対象となる行為の情状が特に重い場合は、許可を取り消さなければなりません(なお、これらの行政処分によらず、許可を取り消すこともできます)。
 これらの行政処分は事業の停止措置などの不利益処分(平成17年8月12日環境省通知環廃産発第050812002号)が伴いますので、発令前に行政手続法による弁明の機会の付与の通知がなされます。その後、弁明書の提出を経て、書類審理され、行政処分の発令となります(不服の場合は、行政不服審査法等による不服申立てによる救済へ)。
 上記の報道内容によれば、『調査を受け、業者を指導し、医療廃棄物は既に撤去させている』とされているため現状は改善されている、と考えることができます。しかしながら、『指導』の文字から推測するに、おそらく上記の手続を経ることなくいわゆる『行政指導』による指導がなされたのではないでしょうか。行政処分の場合は、『いつからいつまで(始期・終期)に、どのように改善せよ』というのが基本ですので、『現在も業者に対し、掘削して不法投棄物があれば撤去するよう指導している』という不完全な状態は事実上ありえないからです。一方、行政指導は行政処分ではなく、あくまで相手方の任意の協力を前提とするものですから、できるところから改善していく的な対応もありうることになります。
 廃棄物処理法をめぐる行政処分のあり方については、環境省から平成17年8月12日に『行政処分の指針について(通知)』(環廃産発第050812003号)がだされており、そのなかでは、法の趣旨にそった適正な行政処分を実施するよう明確に求められています。『豊田市産業廃棄物処理に係る行政処分の基準等に関する条例』のように、『行政処分の指針について(通知)』による運用を条例化している例もありますが、今回の事例のように実際の自治体現場においては、行政指導的な対応がまだまだ多い、というのが実状でしょうか(事例は、あくまで報道ベースの素材ですので、推測の域は出ませんが)。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
経済産業省
意匠法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案
意匠法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令案
商標法施行令の一部を改正する政令案
電気設備の技術基準の解釈の一部改正に関する意見募集について

国土交通省
建築物防災週間において行った各種調査結果の公表について
「国土交通省地域活性化戦略会議」の設置について

東京都
環境学習教室と花壇作りボランティアを募集

【判例情報ウオッチング】
 熊本地裁で、10月23日、「基準値を超えるダイオキシンが出ている」として産業廃棄物処理業者を相手取り、同産廃焼却施設の操業差し止めを住民が求めた訴訟の弁論があり、和解が成立しました。和解内容は、①定期検査で基準を超えるダイオキシンが検出された場合、業者は住民にデータを開示する、②業者は県・市の検査とは別に年1回ダイオキシン検査を実施し、住民に検査データの写しを交付する、③業者は住民の施設内立ち入りや写真撮影を認める、などとされています。同焼却施設については、1997年に許可が出された際にも、県知事に許可の取り消しを求める行政訴訟が提起され、「原告適格がない」と却下されていたものです。


ISO14001
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道路行政における地球温暖化防止策 エコロード・キャンペーン

2006-10-24 10:39:13 | 地球温暖化
2006年10月24日
 京都議定書の目標達成に向け、自動車交通からのCO2排出量の削減を主体とした道路行政を推進する「エコロード・キャンペーン」が本日から実施されます。エコロード・キャンペーンは、従来から実施している道路整備などのハード施策や路上工事の縮減等のソフト施策といった道路管理者としての取り組みだけでなく、エコドライブや高速道路の利用促進など国民と連携した取り組みによって、地球温暖化防止に寄与することを目的とした国土交通省の施策です。
 地球温暖化防止に向けた道路行政施策は、2005年12月に策定された「CO2削減アクションプログラム」にそって展開されてきています。「CO2削減アクションプログラム」では、2010年までに自動車交通需要の拡大とそれに伴う渋滞により、自動車交通全体の走行量(台・km)は全体で3%増加、その結果CO2排出量は約800万t-CO2/年増加すると予測しています。その解消に向けて、①主要渋滞ポイント対策、環状道路整備により約700万t-CO2/年、②ITSの活用促進、路上工事の縮減等により約100万t-CO2/年、の削減を図り、自動車交通からのCO2排出量の増加を防止することを当面の政策課題としています。
 今回のエコロード・キャンペーンでは、「CO2削減アクションプログラム」の周知活動を中心にプログラムが組まれています。先般、環境省から公表された2005年度の温室効果ガスの総排出量をみる限り、自家用車の使用を含めた家庭部門における排出量の増大が指摘されているところでもあり、①国民に分かりやすくキャンペーンの取り組みをPRするためのキャンペーン専用WEBサイト(eco-road.jp)の開設、②全国で共通のポスター・パンフレット・ステッカーを活用、③国民と一体となって重点的にCO2削減の取り組みを実施する「重点地区」(全国14地点:平成18年度)における公共交通機関の利用促進、というエコロード・キャンペーンの実施は、まさに時宜を得た施策であるといえるでしょう。
 エコロード・キャンペーン期間は、2008年3月(予定)までとされています。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
「環境報告書ガイドライン改訂検討会」第1回検討会の開催場所について
平成18年度「国連持続可能な開発のための教育の10年促進事業」の採択について
平成18年度生態影響評価検討会の開催について

経済産業省
第1回「二酸化炭素回収・貯留(CCS)研究会」の開催について

【判例ウオッチング】
普通地方公共団体の一部事務組合が発注したごみ焼却施設の建設工事について談合があったと推認された事例(平成18年10月19日東京高判・平成18(行コ)149

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