若生のり子=誰でもポエットでアーティスト

文字さえ書ければ、ポエット
感覚次第で、何でもアート
日日を豊かに遊び心

海兵隊(米軍)

2008-02-28 | 沖縄問題
16歳になると、私はこのような境遇から抜け出したいと考えるようになりました。何か、今までと違ったものを、自分のために欲しくなりました。テレビや映画で見るような素晴らしいところを見たくなりました。与えられていた唯一の選択肢は海兵隊に入ることでした。海兵隊はたいへん暴力的な軍隊だということを知っていましたが、私にとってそれは問題になりませんでした。私のそれまでの人生そのものが暴力的でしたから。家の中で暴力は十分に見てましたから…。だから海兵隊に入ったときに暴力的なことをすることは、私にとってきわめて自然なことでした。それどころか私が「ニガー(黒人の蔑称)」でなくなるチャンスを海兵隊は与えてくれたのです。アメリカ社会においては黒人は「ニガー」でしかありません。しかし海兵隊員になるということは素晴らしいことです。人々に尊敬され、職を得ることができ、みんなから「ありがとう」と言われます。また、「海兵隊になればそういうものが得られる」と言われました。

 こんな話をしたのは、私がベトナムに行ったときは、とても怒りに満ちた人間であったということをわかってもらうためです。その怒りを誰にぶつけようと気にしませんでした。アメリカ海兵隊は、その怒りをベトナムの人たちにぶつける機会を与えてくれたのです。


 ベトナムへ


 海兵隊が最初に新兵におしえること、それは「命令に従うこと」です。「疑問を持つことなく命令に従うこと」です。洗脳された兵士は、いったん戦場に行けば、与えられた命令はどんなことでも遂行するように仕込まれます。考えることなしに、質問することなしに、疑問を持つことなしに実行します。海兵隊にはこういう言葉があります。

「考えるのはおまえの仕事ではない。おまえの仕事は、実行し、死ぬことだ」。

 命令に従うことを教え込んだ後は、「殺し方」を教えます。多くの時間を「殺し方」を習うのに費やし、海兵隊に入って18歳になるまでに、25種類もの人の「殺し方」を覚えました。有益で、役に立つ技術です。それこそが兵士が持たねばならない技術だからです。兵士というのは、平和を維持する人(ピースキーパー)でもなければ、ソーシャルワーカーでもありません。兵士はピースキーパーとして訓練されていません。兵士は「殺す」ことを訓練しているのです。それが彼らの仕事です。「殺す」ことです。