場所は、どこかの港の防波堤。
十代後半の女の子と2人で
海に向かって足を投げ出して座ってた。
どういう経緯か、手を繋ぐことになった。
自分が手を差し出すと、いきなり“貝殻結び”なる手の繋ぎ方だった。
「本当は彼氏いるんじゃないの?」と気になって聞いてみたけど
「いないよ、だから平気だよ」と笑顔を見せた。
自分の目ん玉に映る女の子は華奢で、小さくて
ともすれば壊れちゃいそうなんだけど
実際は、強くて、芯があって、とても十代には見えなかった。
繋いだ彼女の小さな手から伝わる温もり、感触は
すごく単純な表現だけど、幸せな気分にしてもらえた。
その幸せの、ずっとずっと延長線上に “結婚” があるのかな?
そこを取りあえずの到達点、目標として、向かう道々に
ありとあらゆる困難が待ち受けていようとも平気だ!
彼女がいるから頑張れる!彼女のためならバカも演じる!
彼女に尽くして、笑わせて、彼女のためならがむしゃらになれる。
自分にとって彼女という存在は「生きるための活力だ!」とさえ
何疑うことなく思える。
これこそが自分の人生設計だ。
・・・なぁ~んつってな。
それはすべて幻想だ。誤りだ。
目ん玉ひん剥いて、しっかりと現実を見定めろ。
地にしっかりと足を付けて踏ん張ってないと
すぐに足元をすくわれる。
それが現実、世の常、理だ。
ダイアモンド✡ユカイ氏は言う。
「どんなに可憐な花でも・・・たとえたんぽぽやカスミソウであっても
やがて棘が生えてくる」と。
本当の話、春に咲く小さく白い可憐でいい香りのするあの花は
実は根っこに人間も殺せるほどの強力な毒をもっている。
その毒性は、青酸カリの約15倍とも。
お~、クワバラ、クワバラ。
顔の見えない彼女の尻を追っかけるよりも
自由を追いかけている方が楽しい。
これからも、ずっと。きっと。