陸奥のパワースポット

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㋩川のほとりが好きな樹木(奥入瀬渓谷3)

2017-03-23 12:45:31 | 旅行

『ブナ林が発達する山地の傾斜地には、流水のふちや扇状地に独特な湿性林が発達している。この林の高木はトチノキ、カツラ、イタヤカエデ、サワグルミなどであり、これらのうちの2種類ぐらいはかならず高木層を形成している。このような林は、ブナ林が広く分布する本県の山地の渓谷沿いのいたるところに発達しているが、奥入瀬流域のように大規模なものは他に無く、里近くにあるものでは炭焼きや製材などの作業場に使われてしまっている場合が多い。』ーー奥入瀬川流域の植物(葛谷孝)昭和45年 青森県地学教育研究会「地質ハイキング」よりーー


ここで言う「独特な湿性林」は、「渓畔林」「沢通し帯の樹林」とも言われるが、奥入瀬の三里半がこの樹林なのだ。





















































 

 

 

 































































どの樹も湿気が好きそうで、川の中まで根をのばしているのかもしれない・・・・・・・・


【参考】

十和田湖・八甲田山の植物(予報)青森営林局嘱託 村井三郎編 昭和10年


『 八甲田山および十和田湖付近、ことに国立公園候補地域内において最底部に発達する森林は湿潤地を好む樹種の群落である。これは特に各渓沢に沿い、かなりの高所までも分布しているゆえ、これらを総括的に一帯とみなし、沢通帯という名称を付する。つまり、垂直的分布から見た落葉広葉樹帯中にブナ帯の下部に現出する一帯である。

 主要な樹種としては、カツラ、サワグルミ、トチノキ及びケヤマハンノキを挙げ得るものであるから、トチ―カツラ―サワグルミ群落と称することもある。

 この帯の良く発達している場所は、荒川流域、蔦川、黄瀬川及び奥入瀬川の各流域と、さらに十和田湖の周囲とがある。ただし、いずれにおいても、この帯に属する部分は、沢に面した場所ばかりであり、かつ上流のものは下流のものに比して次第にその幅が狭くなるのを原則とする。

 一般的の植相は、高木にバッコヤナギ、サワグルミ、サワシバ、ケヤマハンノキ、ミズナラ、カツラ、ハウチワカエデ、ベニイタヤ、トチノキがあり、低木にはオノエヤナギ、シロヤナギ、タニウツギを見、さらに草本にはリョウメンシダ、オシダ、サカゲイノデ、ミゾシダ、ジュウモンジシダ、オオイタドリ、ヤグルマソウ、ヤマブキショウマ、オニシモツケ、ミヤマカタバミ、スミレサイシン、アマニュウ、ミヤマヤブニンジン、オオバノミゾホオズキ、アキタブキ、エンレイソウ、オオウバユリ

等が挙げられる。換言すれば、この帯の特徴は、林地には長大な落葉広葉樹が亭々とそびえ、中層林(従高木)は種類も量も少なく、林下にはシダ類や他の大型な草本(これを大形多巡草という人もある)が繁茂し、低木は渓畔もしくは路に面した部分にのみ限られて生ずるというような林況を呈するものである。

 十和田湖周囲のものは、湖水に面する輪状の平地を主とするもので、さらに外輪山から湖水に入る各小沢にもかなりの発達が見られる。ここの特徴はサワグルミが旺盛で最も繁茂著しく、カツラ、ケヤマハンノキがこれに次ぎ、イヌエンジュ、ケヤキの混入する場所も見られる。

 奥入瀬川のものは、川に沿って帯状に発達した部分であるが、カツラが最も優勢であり、下流にミズナラの多いことおよび林下は岩石が多くてシダ類が量においても種類においても豊富なことが特徴である。また、河床内の沖積地にケヤマハンノキが群生することは、蔦川、黄瀬川と共に著しい点の一つであろう。ただし、ここは本区域内での最下部を占めるところであるから、東北地方の平地要素の植物がかなり多数に混入・・・・・・・

 

 







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