起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

学生ビジネスコンテストの講師

2005-08-15 23:59:22 | 起業家支援
学生団体のビジネスコンテストの講師の依頼が来たので、引き受けることにしました。
簡単なレジュメを使って財務会計の解説を行うものです。

団体の方でレジュメを作ってくれて、送られてきたので、ちょっと目を通しました。

自分たちでレジュメを作るとは、なかなか意欲的な団体です。
がんばっているな。と思いましたが、問題は、ここ数年会計基準がどんどん変わっていることです。
タイムリーに会計関係の知識を仕入れておかないと、正確なレジュメを作るのは難しいなというのが、率直な感想です。

レジュメ自体は、B/S、P/L項目を簡単に解説しているものです。


たとえば、

<特許権>
「特許取得のための研究費・出願費用で費用処理されていないもの」という説明文。
しかし、現在は、研究費は発生時に費用処理することになっているので、資産計上される「特許権」は、有償取得した特許権に限られます。

<租税公課>
「印紙税・固定資産税等(法人税・住民税・事業税を除く)」という説明文。
販管費に計上される租税公課は、利益を基準に算定されていない税金です。
現在は、外形標準課税のうち、資本割・付加価値割分については、利益を基準に算定されないので販管費の租税公課に計上されることになります。
つまり、販管費の租税公課に計上されない税金は、法人税・住民税・事業税の一部ということになります。
ただし、外形標準課税は資本金1億円超の会社に限られますから、むしろ正しい場合も多いのですが・・・。

<支払利息割引料>
(手形の)割引料は、昔は日割り計上されていましたが、現在は「手形譲渡損」として全額費用計上されます。


このように、つい数年前までとは異なる会計処理を現在は行っていることがあるので難しいなと思います。
少し前のテキストやネットの情報では、現在の会計処理と異なることが多いので要注意です。

ただ、あんまり、細かい話を会計の入門として学ぼうとする方に話しても消化不良を起こしてしまうので、
大きな流れを覚えてもらうことの方が大事かなあと思います。

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