Noriko-McLane Movie Blog

自分の見た映画の感想を気ままに綴っています。
ネタバレの可能性もあるので、まだ見てない方はご注意下さい。

ONODA 一万夜を超えて

2021-11-04 | Weblog

『ONODA 一万夜を超えて』

原題: ONODA

                                                                                                                 2021.10.21 荒神口さんと

 

監督は、フランスのアルチュール・アラリ。フランスで出版された小野田少尉の自伝『ONODA 30ans seul en guerre』の映画化。戦争を美化するということは決してなく、また否定するでもなく、ただ、小野田寛郎さんのフィリピン・ルバング島での三十年の日々を語っている。

 

小野田少佐は、陸軍中野学校で秘密戦の訓練を受けて、ルバング島でゲリラ戦を指揮するためにやってくる。上官からは、「君に死ぬ権利は、ないんだ。何があっても生きろ!」と、言われ、父からは、「もし、捕虜になったらこれで自害するんだ!」と、小刀を渡される。

 

横井さん、小野田さんが、日本にもどってきたときは、注目の的となっていたが、小野田さんが、最後までこんなふうに戦い続けていたことを初めて知った。

小野田少佐の不屈の精神には頭が下がるし、三十年間、上官からの撤去命令のない限り戦い続けるという意思、根性は、凄い!

 

本筋とは離れるかもしれないが、小野田少佐の部下三人の中で一番若い一等兵の赤津勇一に着目した。小野田さんと部下たちで、アメリカの兵士を見つけて殺しまったとき、赤津は、

「人を打ったのは、初めてだった。・・・彼らは、"War’s over!"と、言ってた!!」

と、言う。 もし、ここのところで、小野田少佐が赤津の声に耳を傾けてたら・・・と考えてしまった。

 

日本政府から来た人たちが、呼びかけたにもかかわらず、小野田少佐、部下の小塚は、敵の罠だと思って出ていかなかった。後に置かれていた、ラジオや新聞から、当時の日本の様子を知るが、それも罠として偽情報が送られてきてるんだと考えた。小野田さんの兄が実際にルパンぐ島まで行って呼びかけたにもかかわらず、敵がそっくりさんを連れてきたんだと思い込んでいた。ここのところの飛躍した考えは、正直言ってちょっと笑ってしまった。

 

この映画は、小野田寛郎さんの忠誠心を讃えていると思う。それにも納得できるのだが、戦争が人生を狂わしたし、小野田さんが戦争が続いてると信じてことで、何人もの罪のない人を殺している。

小野田少佐から離れて、最終的に日本に早く帰れたであろう赤津の行動は、懸命であったと、私は考える。

 

小野田少佐の役は、遠藤雄弥(青年期)と津田寛治(青年期)が演じている。遠藤の精悍な顔、そして津田の頬のこけた顔は、当時の小野田さんをよく表している。

なかなか見ごたえのある作品であった。

 

点数をつけるとしたら…83点


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