Noriko-McLane Movie Blog

自分の見た映画の感想を気ままに綴っています。
ネタバレの可能性もあるので、まだ見てない方はご注意下さい。

007 / No Time to Die

2021-11-04 | Weblog

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

原題”No Time to Die”

                                                                                                                                                                悦と

最後の結末は、悲しく終わってしまうにもかかわらず、見ごたえがあって、スカッとする大満足の映画でした。

 

残念ながら、前回の007を見てないので、続きになっていることなどは、わからないのですが、充分楽しめました。

 

ジェームス・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、仕事を引退して、ジャマイカでのんびりと暮らしている。美しい彼女マドレーヌ(レア・セドゥ)が、もしかして、自分をはめたのか~と思い、彼女と別れてしまうところから、物語は、始まる。(マドレーヌの過去と、これから始まる事件が大きくかかわっていることは、この段階でわかります。)

 

最初のカー・アクションは、見どころ!

 

ボンドは、結局仕事を引き受けることになるけど、007はノミ(ラシャー・リンチ)が、名乗ってるのもびっくり。

 

一緒に見た悦も言ってたけど~ラミ・マレックス演じるサフィン、この嫌な奴は、最初の場面で能面をかぶっている。そして、マドレーヌと5歳のマチルダを捉え、連れてきた場所もなんだか、無理やり日本風にしたようなところ。雑な造り。サフィンが日本びいきというように描かれているところが気にいりません。

それに、ボンドに土下座させるというのも、ちょっとなぁ~

 

サフィンが、マチルダを自由にしたところ、ホッとしました。ママのマドレーヌとボンドとも会えてよかったです。

マチルダは、ボンドの子供を産んで、独りで五年間も育ててたのです。たいへん!!

せっかく、分かり合えたのに、この結末は悲し過ぎ。

 

今回が、ダニエル・クレイグのボンド・シリーズ、最後となってしまうみたいですね。

次は、どんなボンドが登場するのか、楽しみです。


ONODA 一万夜を超えて

2021-11-04 | Weblog

『ONODA 一万夜を超えて』

原題: ONODA

                                                                                                                 2021.10.21 荒神口さんと

 

監督は、フランスのアルチュール・アラリ。フランスで出版された小野田少尉の自伝『ONODA 30ans seul en guerre』の映画化。戦争を美化するということは決してなく、また否定するでもなく、ただ、小野田寛郎さんのフィリピン・ルバング島での三十年の日々を語っている。

 

小野田少佐は、陸軍中野学校で秘密戦の訓練を受けて、ルバング島でゲリラ戦を指揮するためにやってくる。上官からは、「君に死ぬ権利は、ないんだ。何があっても生きろ!」と、言われ、父からは、「もし、捕虜になったらこれで自害するんだ!」と、小刀を渡される。

 

横井さん、小野田さんが、日本にもどってきたときは、注目の的となっていたが、小野田さんが、最後までこんなふうに戦い続けていたことを初めて知った。

小野田少佐の不屈の精神には頭が下がるし、三十年間、上官からの撤去命令のない限り戦い続けるという意思、根性は、凄い!

 

本筋とは離れるかもしれないが、小野田少佐の部下三人の中で一番若い一等兵の赤津勇一に着目した。小野田さんと部下たちで、アメリカの兵士を見つけて殺しまったとき、赤津は、

「人を打ったのは、初めてだった。・・・彼らは、"War’s over!"と、言ってた!!」

と、言う。 もし、ここのところで、小野田少佐が赤津の声に耳を傾けてたら・・・と考えてしまった。

 

日本政府から来た人たちが、呼びかけたにもかかわらず、小野田少佐、部下の小塚は、敵の罠だと思って出ていかなかった。後に置かれていた、ラジオや新聞から、当時の日本の様子を知るが、それも罠として偽情報が送られてきてるんだと考えた。小野田さんの兄が実際にルパンぐ島まで行って呼びかけたにもかかわらず、敵がそっくりさんを連れてきたんだと思い込んでいた。ここのところの飛躍した考えは、正直言ってちょっと笑ってしまった。

 

この映画は、小野田寛郎さんの忠誠心を讃えていると思う。それにも納得できるのだが、戦争が人生を狂わしたし、小野田さんが戦争が続いてると信じてことで、何人もの罪のない人を殺している。

小野田少佐から離れて、最終的に日本に早く帰れたであろう赤津の行動は、懸命であったと、私は考える。

 

小野田少佐の役は、遠藤雄弥(青年期)と津田寛治(青年期)が演じている。遠藤の精悍な顔、そして津田の頬のこけた顔は、当時の小野田さんをよく表している。

なかなか見ごたえのある作品であった。

 

点数をつけるとしたら…83点


いのちの停車場

2021-08-31 | Weblog

いのちの停車場

2021.8.5 MOVIXにて、悦と~ その後、原作(南 杏子著、幻冬舎文庫)を読んだ。

映画を見た後、原作を読むと、どうしてもここが変えてある!とか、原作のほうがええやん!とか、色々と比べてしまう。

まず、主人公の咲和子の経歴、映画の方がかっこよく仕上げてる。映画では、どこか外国で事故に会って救急で運ばれたときの先生の処置のお蔭で自分が助かったという経験があり、そのことで医学部を受け直して医者になったということだった。原作は、金沢の医大は不合格となったが、東京の医大に合格したので、そちらに行ったということだった。

 

映画の最初の場面、救急病棟で、目を覆いたく様な感じ。大きな事故があり、次々に患者さんが運ばれてくる。なのに、吉永小百合の咲和子先生は、とっても優しい声で、みんなに指示を出してる。(ちょっと、あれでは実際やっていけないよぉ~)

 

咲和子が東京から金沢ににもどってきたとき、バス停まで、お父さん(田中泯)が迎えに来ている。杖をついてるお父さん。このバス停がいろんなシーンで出てくる。原作には、バス停はないし、お父さんも迎えに来てない。このバス停のシーンは、それぞれにすごくいいと思った。お父さんが、「昔、咲和子が小さかった頃におかあさんと一緒に、雨が降ったら傘を持って迎えに来てくれたのが、嬉しかった。だから、雨が降りそうでも、わざと傘を持って行かなかったんだ。」と、言った。実際にこのシーンの再現も。原作には全くないシーンで、咲和子と父の関係を盛り上げていて、とてもいい!

昔、咲和子の隣の家に住んでたというプロの将棋棋士の朋子(石田ゆり子)が、ガンの再発で、まほろば診療所にやってくる。この時に、懐かしい故郷の街を咲和子と朋子が巡るシーンでも、このバス停が登場する。朋子は、原作では出てこないキャラだった。

 

原作では、咲和子のお父さんは、元、金沢の医大の医師だった。(映画では、医者じゃなかったけど~)この映画、見る前に「最後が、ちょっとなぁ~」って、聞いてた。映画を見た後、そうやなぁ!と思った。安楽死ということについて、問いかけているようで、すごく中途半端で終わってること。

 

咲和子のお父さんは、椅子に乗って高いところのものを取ろうとして、滑って落ちてしまう。(咲和子の母が、昔していたスカーフの入った箱が高いところにあって、そのスカーフが、今の咲和子に似合うかもしれないと思って取ろうとしたのだ。映画では、ここのところ、細かく描写してるが、原作ではなし。)大腿骨の骨折。手術をして、入院中に、誤嚥、肺炎、脳梗塞。正に負のスパイラルだ。そして、一日中、痛みと咳に苦しむようになる。神経因性頭痛。実際の痛みではなくて、脳がそのように判断してしまっているから痛いと感じる。原作では、お父さんは、元は神経内科医。だから、この痛みから逃れられないことは、自分でよくわかっているのだ。それだけに、悲しい。

映画でも、安楽死させてほしいと望むが、原作では、お父さん自身が点滴にこれを混ぜてほしいと、薬を咲和子に渡す。まほろば診療所の仙川先生(西田敏行)も、映画では「日本では、それは罪。」のようなことを言うけど、原作では、「患者本人が死を希望しているのなら、その苦しみを減らすのを手伝う行為を僕は避難できない。」と、言う。映画では、お父さんが痛みのない時間に、咲和子と、美しい朝日を見てる場面で終わってしまう。原作では、点滴に薬を入れて、切り替えたらそれが流れ出す、その切り替えは、お父さんが自分でやることになってる・・・

そのとき、・・・お父さんは、もう亡くなっていた。

安楽死ができるという安心の中で、咲和子や仙川先生に見守られて、安心して死の世界へ旅立てたのかもしれないとも思う。

 

原作では、お父さんの死後、(結局、咲和子たちは、お父さんの死に直接関与したわけではないにもかかわらず、)咲和子は、警察へ行き、そして「皆の判断が下るのを待ち、許されるのであれば、また医者として働きたい。」と、いうようなことを言っている。

なんで? 仙川先生も「何を言ってるんだ。殺してもいないのに。」と、言っている。

それだけ、彼女にとって、痛がり苦しむ父を見ていることが辛かったのだろう。

自分の行為を世に問うことで、希望を見出す人々が必ずいるはずだという確信を彼女は持っていた~というようなことが、原文に書かれている。

 

さて、この映画のCMだったか、泉谷しげるが、ごみ屋敷のような家で、奥さん(松金よね子)を看病していて、吉永小百合の咲和子先生が、血圧を測ろうとすると、「締め付けることは嫌がるからやめてくれ!」と、いうシーン。原作では、ごみ屋敷は、別の人の話になっている。泉谷しげる扮する老老介護の夫は、妻のことをいつも考えているが、原作はそうではない。しかし、最後の段階では、妻の死を悲しみ、どうしていいかわからなくなる夫の姿も表現されている。ここは、原作のほうが、自然かもしれないが、映画って、フィクションだし、ある程度綺麗に作らないとやってられない面もあるしな。

 

まほろば診療所の訪問看護婦の広瀬すず演じる星野真世は、映画では、亡くなったお姉さんの子供を育てているが、原作では、子供の存在はなくて、卯辰山の旅館の娘。父母とは、もう何年も会ってない。

柳葉敏郎演じる宮嶋を看病する奥さん(森口瑤子)が、疲れ切ってしまったときに、原作ではこの旅館に療養に行って元気を取り戻す。

 

まほろば診療所に咲和子を追ってやってきた野呂(松坂桃李)、映画ではベンツでやって来て診療の送り迎えをするが、原作では、咲和子がまほろば診療所の車を運転している。

 

映画の中で、末期がんの芸者(小池栄子)は、原作には、全く出てこない。末期がんの患者さんが、モルヒネも使わずに、石段をさっさと登って、芸者としての仕事をこなせるかなぁ~と、映画を見てるとき疑問に思ってた。

 

ラグビーの事故で脊髄を損傷してしまったIT企業の社長役は、伊勢谷友介。結構好きな俳優さんで、大麻で捕まりどうなるのかと思っていたが、この映画ノーカットでよかった。

この社長は、咲和子に脊髄損傷で動かなくなった体の治療を頼み、再生医療にトライすることになる。

映画でも、原作でも、結果は語られていないが、成功していてほしい。

 

映画でも、原作でも、綺麗に描かれているのは、腎腫瘍で肝転移もあり、ステージ4の女の子萌ちゃん(佐々木みゆ)のことだ。母(南野陽子)は、もう見捨てられたのか~と、一時は泣き叫んでいるが、萌ちゃんの望み通りに海に行く場面は、みんながそしてオウディエンスも楽しく安堵した気分になる場面だ。野呂の背中に乗って海を泳いでいくシーンは、ちょっとやりすぎじゃないかな。(もちろん、原作にはない。)映画では、萌ちゃんが原作に書いてある鼻チューブもしてないし、萌ちゃん自身が、髪の毛は覆ってるけど、いつも可愛い顔で、やせ細ってるわけでもないし、だいぶ美しく描こうとしてるところが見え見えだけど、このシーンは、そうだからこそ救われてるのかも。

萌ちゃんが、父母に「萌、ガンでごめんね。」と、言うところ、もう何と言ったらいいのかわからないくらいかわいそうで、悲しい。

 

たくさん書きました。最後まで読んでくださって、ありがとうございました!!

 

 


La La Land

2020-04-22 | Weblog


LA LA LAND
ラ・ラ・ランド (2016年アメリカ)2017年アカデミー6部門受賞
ミュージカル仕立ての素敵な作品で、気軽に見ることができる。ストーリーを追うだけでなくて、音楽や唄、ダンスなど、のんびりと楽しめる映画。録画しておいたもらったもの見て、良い映画だったので、また、ネット配信で見ました。題名のLA・LA・LANDは、舞台であるロサンゼルスのことであり、夢追い人の意味も含んでいるということ。

冬: 最初の車でのダンスと歌のシーンから、何か古良き時代みたいなものを感じた。この後、ミア(エマ・ストーン)の車がなかなか発車しないから、怒ってた後ろの車の男がセブ(ライアン・ゴズリング)だったのですね。セブは、伝説のジャズ トランペット奏者、マイルス・デイヴィスを神のように尊敬し、昔ながらのジャズを心から愛している。彼の夢は、そのようなジャズを聴いてもらえる店を持つこと。しかし、現実は甘くなくて、彼はピアニストとして雇われた店で、勝手に自分好きな曲を弾いたことから首に!

ここで、セブが弾く曲が、この映画のテーマ曲であり、ミアとセブとの恋がこの曲を通して、盛り上がったり、また悩んだり・・・
このピアノ曲が、ずっと、私の頭の中で流れてるような感じがする。セブが弾いてるから、ジャズなのでしょうか。聞きやすくていい曲です。

ミアが、“I hate jazz!” 言ったとき、セブは、ジャズバーにミアを連れて行きます。そして、ジャズの発祥は、ニュオリンズの安宿で、誰かが音楽で語りかけると、それに答えて奏でたこと〜と、教えるところ、とても印象的で、いいなぁ!!と思った。

春: 二人で映画館で、映画「理由なき反抗」を見ていて、そのままグリフィス天文台でデートするシーンも楽しかった。

最後までみると、お互いに夢を叶えた!とも言えるお話し。
☆☆☆ここからは、そろそろネタバレですが、よかったら読んでくださいね!!

夏: セブは、昔の友達のキーンと出会う。ここのところ、何か悪いことに誘われるのでは〜と、ちょっとドキドキ!
結局キーンに誘われてバンドに入って、そのバンドが売れに売れ!
ネクタイをしたセブ、昔の草刈正雄に似てると思ったのは、私だけだろうか? (一回目一緒に見た体育系男子は、辛気臭い映画やな〜と思ったのか、もう他のことを始めてたし、、2回目一緒に見たMieは、草刈正雄の若かりし頃なんて知らないし、・・・)

秋: ミアの夢は、女優になること。何度もオーディションに失敗。
今回は、自分で脚本も考えて、一人芝居を!! セブは忙しくなり、すれ違いの生活になりながらも、脚本作りをがんばっているミア。その様子が、反故のばらまかれた部屋に、セブが夜遅く帰って来るシーンから読み取れる。

セブは、売れて忙しくなったが、それは、セブが求めているジャズでないことにセブ自身も気づいていた。でも、そのことをミアに言われると、ほんと!腹立つ。その気持ちは、よ〜くわかる気がする。また、ミアの言いたくなる気持ちもよくわかる。ここで、喧嘩になってしまうもの、またまた、よくわかる気がする。

ミアは一人芝居は失敗だったと思って、実家に帰ってしまったけど、実は、その一人芝居を気に入ってくれてた監督がいて、その報せがセブの電話に!ここで、全く自信を失ってるミアに勇気を与えたのは、セブ。彼の愛がミアを奮い立たせたことは言うまでもない。
その後の面接でのミアの独唱も、なかなか聞きごたえのあるもの。この面接の前から、もうパリでの撮影が決まっていたのだ。おめでとう、ミア!!!

冬 5年後〜: セブとミアは、お互いに夢を叶えた。けど、二人の恋は、ハピーエンドでは、なかった。それにもかかわらず、この映画を見た後、何か清々しい気持ちになれるのは、セブの回想シーンのすばらしさのお蔭だと思う。何も知らずにミアが訪れたのは、昔ながらのジャズの響くセブの店。このピアノを弾きながらの回想シーン、見応えあり! 別れてしまっても、お互いに愛し合い、高め合うことができて、別れた後も、自分にとってすばらしい人だったど思えるなら、その出会いは人生で最高のものだったと言えるだろう。

点数を付けるとしたら 89点


ハンターキラー 潜航せよ

2019-04-23 | Weblog
ハンターキラー潜抗せよ  
                 2019.04.18 Movixにて  
                       悦と



すばらしい映画です 見る前は、戦争映画だと思ってました。見てみると、戦争を止めるという内容!兵士たちのヒューマン・ドラマ
最近シアターで見た6本の映画の中で、特にすばらしい作品です。他の5本の映画とは比べ物にならない

何の予習もなしに見ました。アメリカロシア・・・しかし、ロシアのこともちゃんと持ち上げてるし〜と思いつつ見てました。実は、この映画、イギリス映画でした。
と言っても、男子が喜びそうな派手なアクションも充分にありました。深海での潜水艦攻防だけでなく、陸上での特殊部隊のミッションの遂行にも、ハラハラドキドキの連続でした。後で、イギリス映画だと知ると、なるほど!と思える場面も〜



ここから、ネタバレ!
私が、感動した場面が二つ。

ロシアの大統領が、ロシアの防衛大臣によって監禁される。ロシアの原子力潜水艦が沈んだもの、その後、アメリカの原子力潜水艦が沈んだもの、クーデターだった この大臣は、戦争したくてしょうがない。
(最悪です!)
大統領がいなくなれば、すべての指揮権が大臣の手に入ることを狙ってる。  
ペンタゴンの偉いさん役のゲイリー・オールドマンも、もう、戦争に突入!と言わんばかり。
(しかし、ここで、戦争を始めては、ロシアの糞大臣の思う壺です。)

このとき、ジェイン(リンダ・カーデリーニ)のお蔭で、このクーデターのこと、ロシアの大統領の監禁など、すべての映像をペンタゴンが入手する。 
アメリカの大統領も、戦争に進もうとする意見だけを聞かずに、ロシアの大統領を助けることに許可を!
(ここで、アメリカの大統領が女性というのも、ちょっとびっくり!でした。ジェインの活躍や女性の大統領、ジェンダーを平等に考えてるようで、ちょっと嬉しかったです この映画には、女性は3人しか出てきません。あと一人は、潜水艦の乗組員。)

ロシアの大統領を助けるべく、陸上特殊部隊が派遣される。パラシュートが、開く前から、彼らの動きは手に汗握るもの
ミッションは、大統領を助け出して、潜水艦に連れて行くこと
4人の隊員のうち、大統領を抱えて潜水艦に着いたのは、残念ながら、陸上特殊部隊の隊長たった一人だった
やっと、大統領を潜水艦に送り届けて、自分も中へ〜そして、その扉が閉まろうとしたときに、この隊長は、また、海にもどってしまうのです。まだ、生きてるはずの新入りの隊員を助けるために〜。ここ感動シーン①


さて、グラス艦長率いるキラーハンターと呼ばれる潜水艦、映画最初の場面で、沈んだ原子力潜水艦の調査に海底へ。そこで、ロシアの沈んでる潜水艦から、なんとキャプテンを助け出すのです。

この助けられたロシアのキャプテンが、ミカエル・ニクヴィスト。
彼は、スェーデンの俳優で、2017年6月に亡くなり、この作品が遺作となりました。この映画でも、いい味を出していました。
初めは、キラー・ハンターの中で、英語はしゃべれないと言って超不愛想。
(当たり前です、自分の潜水艦を爆破したのアメリカ〜って思ってますから〜警戒警戒!)
しかし、グラス艦長にロシアの潜水艦が沈んだのは、内部からの爆発だったことを知らされて、(クーデターです。ロシアの大臣が、ロシアの潜水艦を沈めったってことですね。)キャプテンは、ロシアの大統領を助けるためにと、ハンター・キラーの道案内を〜
(グラス艦長もこのロシアのキャプテンも、やるなぁ  グラス艦長は、わずか微笑むのにたいして、このロシアの艦長さんは、笑顔がないところが、又いいです)

後半場面で、ロシアの軍艦が、音声の通じるところまで上がって来たハンター・キラーに攻撃をしようとしたとき・・・(実は、ロシアのキャプテンは、この軍艦で以前指揮していて、乗組員一人一人のことをよく知っていたのですね)キャプテンが、マイクに向かって、軍艦の一人一人の名前をフル・ネームで呼びかけ、「私は、今、この潜水艦の中にいる。攻撃してはいけない。」と、それだけ、言うのです。すると、もう、実際の軍艦の指揮官の言うことを聞く乗組員は一人もいなくて、攻撃することは一切ありませんでした。ここ感動シーン②
キャプテンが、元の船(ロシアの軍艦)で、どんなに乗組員と心が通い合っていたのかということ、このキャプテンがどんなにすばらしい人であったかということを感じました()もとの船の乗組員の名前をフルネームで、全員覚えているをいうのも、また、すごい

ラストで、感動①の新入りの隊員を見事に助け出すところも、最高のシーン

点数をつけるとしたら 99点

空海-KU-KAI-美しき王妃の謎

2018-03-17 | Weblog
空海-KU-KAI-美しき王妃の謎

2018年2月24日公開 

 弘法大師のことを語ってる映画だと思い込んでたが、全然違っていた。未だ、青龍寺に登れず唐にいる空海と白楽天が、楊貴妃の死の謎を解き明かすという作品。空海=シャーロックホームズ、白楽天=ワトソン君かな〜

 それにしても、空海は、青龍寺に行く前にこのように長安でのんびりブラブラをしてたのか?空海と白楽天は、実際にこのようにつるんでたのか?など、映画の途中にも考えてしまった。実際には、白楽天は、800年に長安で科挙に合格していて、空海は、804年に長安に到着している。フィクションであっても、時代的には、正しい設定である。

 当時の皇帝の死、そして次期皇帝の死の予告が、一匹の黒猫に語られる。皇帝の死を目の前にした空海と白楽天。

 奇怪な事件とは裏腹に、空海と白楽天の調べあるく長安の町の様子は、見ていて楽しめる。エキストラも沢山使って、当時の長安を贅沢に表現している感じがした。ちなみに、この映画の長安の街は、映画撮影が終わった後、見学できるということ。(映画村?)

 楊貴妃が亡くなったのは、この頃から約50年も前。だから、空海、白楽天の時代と、楊貴妃の時代が交互にスクリーンに現れる。庶民も自由に参加してよいとされている玄宗皇帝の宮殿でのパーティーの画像は、がっかり。一昔前なら、CGを駆使して作ったんだと思うだろうが〜楊貴妃役のチャン・ロン・ロンは、西洋的な顔立ちでこの役に似合わないと思った。楊貴妃がブランコ(空中ブランコ)に乗ってるシーンもよくなかった。もうちょっと、当時の時代を再現をできるようなことをここでもできなかったのかと残念に思う。(チャン・ロン・ロン自身もこのブランコは、怖くて嫌だったそうです。)

 鍼で眠っている間に墓に入れられてしまうこと。そのことを玄宗皇帝に頼まれたとき、頷き、ちょっと微笑む楊貴妃。これは、本当に玄宗皇帝を愛していたからなのか。もう、逃げ場のない女の悲しさを感じる。(玄宗皇帝、チャン・ルーシーも声優イッセー尾形の声も、なんだか情けない人間性を表してる気がした。)

 もう見たくないような場面かと思いきや、空海と白楽天は、事件解決で晴々とした顏。見ている私達も、また空海の時代に帰り、なんだか安堵してしまう。そして、今度こそ空海は、青龍寺へと〜

この映画、点数をつけるとしたら70点




君の名は

2016-10-24 | Weblog

『君の名は』

 2016年8月26日に公開された新海誠監督の7作目になるアニメーション。ジブリに負けない人気。

 この映画、男女が入れ替わるということだけを予備知識に、「転校生」(懐かしい!)のような内容なのかなと思いつつ・・・見て行くと、ちょっと違ってました。最後までみると、全然違ってました。なかなかの感動作!! 今だから、受ける映画あのかもしれません。


 三葉(みつは)は、田舎町の糸守(いともり)で暮らす高校生。都会の生活に憧れていて、早く高校を卒業して東京に出たいと思っている。滝は、東京の高校生。この二人が、夢の中で入れ替わる。見て行くうちに、時間がずれてることがわかる。

 三葉と妹の四葉が巫女であるところが、この物語の鍵だ。母の二葉は亡くなり、祖母の一葉と暮らしている。巫女が、ご飯を口の中で噛んだものを密閉して醸してつくるのが、「口噛酒」。この「口噛酒」を山奥のご神体に一葉、三葉、四葉の三人で届けるとき、三葉と滝は入れ替わっている。このとき、ときの脳裏に糸守の美しい風景が焼き付けられたかもしれない。

 一葉は、実際は滝である三葉に「三葉、夢を見てるね?私も二葉も若い時は、夢を見た。それが、どんな夢だったか全部忘れてしまったけど・・・・」と、言っている。つまり、糸守の町に彗星が落下して、すべてが亡くなってしまわないように、何かの力が必死で働いていたということなのか。

 三葉が滝になると、なぜか、バイト先での奥寺先輩と仲良くなりデートをすることに〜
ここのところ、三葉も奥寺先輩もちょっとレズビアンの気があるんじゃないのって思ってしまいました。結局、元に戻るから、本物の滝と奥寺先輩がデート。三葉は、ちょっと残念がってたし・・・

 このことがあって以来、二人が入れ替わることはなくなってしまう。滝は、脳裏の糸守を絵にして、三葉に会いに行こうとする。
旅の末にやっと見つけた糸守は、彗星落下で町はあとかたもなく、町の人は全員死亡したという事実。滝が、ご神体の口噛み酒を口にすると、彗星落下まさにその日の三葉と、誰彼の中で、出会うことができる。時間がもどったのか。見えないけれど、声だけが、・・・・やがて、お互いに見えるようになって、忘れないように名前を書くときに、消えてしまう。
三葉の学校の古典の授業で「誰彼(たそがれ)」について詳しく教えてるのも、ここの伏線になってたわけだ。

それから、三葉と入れ替わった滝、しばらくして元にもどると、三葉自身が、友人と一緒になんとか糸守を救おうとがんばる。
糸守は、救われる。
確か、「Back to the Futere」でだったか、「ドラエモン」でだったか、いくらタイムマシンに乗って、よその時代に行っても歴史を変えてはいけない!というのありましたね。
ここのところ、それを思い出してました。
まぁ、みんな無事でよかったですが・・・

一葉と三葉、四葉は、組紐を編んでいる。一葉が、「組紐は、時間。紡いで、ねじれて、もどって、また進む・・・・・」というようなことを言ってる。この言葉、まさにこの物語の中での時間だ!

最後の場面で階段のところで、誰かのわからないけど、ずっと知っていた人のような、自分がずっと探していた人のような、そんな気がして、滝が三葉を呼び止めるシーン!なかなかの胸キュンシーンかもしれないけど、よく考えたら、三葉は、滝よりも3つ以上は、年上ってことになりますね。

糸守は、どうなったんだろう。口噛酒をお供えしたご神体に、滝と三葉でまた訪ねてほしい気がします。

この映画に点数を付けるとしたら75点









Irina Palm やさしい手

2016-05-30 | Weblog
Irina palm やさしい手 (2016.4.18 DVDで)

2007年イギリス、ドイツ、フランス、ルクセンブルグ、ベルギー制作の映画

孫の病気を治すために大金がかかる。それで、おばあちゃんが風俗の店で働くことに。手で、男をイカセル…という仕事。・・・・・・なんだか、暗い映画みたいと思ってました。でも、見終わったたら、反対に元気をもらうようないい映画!!

ただの中年のオバサンだったマギー(マリアンヌ・フェイスフル)が働くことを通して人間として本当に自立していくのがよくわかる。そのうちに彼女は、イリーナと言う名で売れっ子となる。(もちろん、客には手だけで顏は見えてないわけです。)

一方、マギーの息子は情けない。母が風俗の店で働いてることを知ると、取り乱してしまう。マギーが、店のオーナー(ミキ・マノイロヴィッチ)から借りた大金で、アメリカへ飛んで孫の手術を受けられることになったのに、マギーの息子は「そんな金で手術は受けさせない。」と〜この息子は、マザコンの塊!! 

結局、嫁の説得でアメリカに飛ぶことに。マギーもアメリカに一緒に行く予定だったが、ぎりぎりのところで、アメリカには行かず仕事場に復帰する。ここのところ、すごくよかった。マギーが、久しぶりにやって来たマギーをオーナーのミキが抱きしめる。ミキは、マギーのことを単なる駒とは考えないことが、はっきりわかる。

マギーの近隣の人達への態度もスカッとしたものを感じた。

マギーは自分の居場所を見つかり、これから堂々と自分の人生を歩んで行くと思う。

点数をつけるとしたら 92点

白雪ひめ殺人事件

2016-04-04 | Weblog
白雪ひめ殺人事件 
 
     2016.4.1. (TVで)

湊かなえの小説がオリジナル。『告白』や『夜行観覧車』は暗くて見終わった後に自分も落ち込んでしまうような作品。でも、「白雪ひめ殺人事件」は、最後の美姫の笑顔のお蔭で、これらの作品とは一線を引くものだ。

 美人OLの典子が殺された。SNSであたかも犯人のように書きたてられる美姫。マスコミでも、もう美姫が犯人かというように騒いでいる。もう、流れが止まらなくなってしまって、みんなで美姫を犯人に仕立て上げていく。怖いものを感じました。

 SNSに最初に投稿した赤星が取材していく中でいろんなことがわかってくる。さて、本当の犯人とは、誰なのだろうか。

 地味で目立たない美姫を井上真央が演じているのが、とてもいい。小学校の時の友達とローソクのサインで心通わせるところは、なかなか感動的。

点数を付けるとしたら84点

龍三と七人の子分たち

2015-06-07 | Weblog
龍三と七人の子分たち 2015.6.5.

北野武監督作品

決してヤクザ映画ではありません。笑いっぱなしの映画でした。

ずいぶん前に引退した(?)もとヤクザ龍三が、家族の留守中にオレオレ詐欺に引っかかってしまうところから映画は始まる。50万円と金品を持って公園で詐欺グループの子分と会う。その金品というのが、「昔、殺しをやった時に組からもらったバッジ」など、普通ではないもの。兄弟分のマサは、オレオレ詐欺であると気づくが、龍三は、「息子の不始末を指を詰めて謝る。」と言い出して、(ここのところ、龍三の真剣な表情がまた傑作!)とうとう詐欺グループの子分のほうが逃げ帰ってしまう。もう、笑の場面連続!!

龍三(藤 竜也)、マサ(近藤正臣)、モキチ(中尾彬)の3人で、昔のヤクザ仲間に手紙を出して久しぶりに集まる。病院から抜けだしてくる者、右翼団体の入ってる者・・・・・
とうとう、お年の引退ヤクザで「一龍会」結成!
今までに、殺した数、ムショに入った年数、指を詰めた数などの合計で親分を決めることになり、龍三が親分に。(さすが、龍三親分なかなかキマッテマス♡)

普通のおじいちゃんでは納まっていられないもとヤクザたち。ここから、景品連合というホンマはこっちがヤクザやん!というような詐欺グループと戦うことになる。

一番のお笑いシーンは、龍三親分の女装。バーのママにせがまれて背中の龍の刺青見せてあげるのはいいけど、どうしてトランクスかボクサーパンツと違うの??と素直に思った。その後女装しないといけないシーンが出てくるから、白ブリーフのほうが都合よかったのか(?)
藤達也さんがバスキャップ、キャミソール、ブリーフだけを付けて女装。お髭そのまま!(笑)

どこか抜けてるところもあるけど、人情味のある龍親分と子分たち。年をとり、お金もなくても、自分の思うように生きてる素敵なヤクザ。武監督は、刑事の役で、いつも龍三たちを暖かく見守ってる感じがした。

最後の刑事さんの「全員逮捕!」の声が印象的。龍三と七人の子分たちの刑はきっと軽いと思います。京浜連合をしょっぴく切っ掛け作ってくれたんだから警察からの表彰状ものかも。

最後に藤達也さんのように素敵な人にジジィと言うのはやめましょう。