十三人の刺客 (2010.10.23. 100条シネマにて 9・2さんと)
この映画は、1963年(昭和38年)の「十三人の刺客」(東映京都撮影所製作、工藤栄一監督、片岡千恵蔵主演)のレメイク版とも言える作品。
このオリジナルは見てないが、・・実録タッチの作風による集団抗争時代劇として有名で、約30分に及ぶクライマックスの13人対53騎の殺陣シーンは、時代劇映画史上最長とされる~と言われてる。しかし、今回の映画の戦闘シーンはそれ以上に見応えのあるものだったと思う
ちょっと、歴史のお話となってしまいますが・・・
十三人の刺客達が命を奪おうとしている最悪お殿様、稲垣吾郎演じる松平斉韶(なりつぐ)のモデルは、江戸末期、明石藩主の松平斉宣。
斉宣が参勤交代で尾張藩領を通過中に3歳の幼児が行列を横切ってしまった。村民たちが斉宣に助命を乞うたが、斉宣は許さず幼児を殺害。この処置に尾張藩は激怒し、御三家筆頭の面子にかけて今後は明石藩が尾張藩の領地を通行することを断ると斉宣らに伝えた。このため明石藩は行列を立てず、藩士たちは脇差し一本を帯び、農民や町人に変装して尾張領内を通行したという。
実際は、この時殺害された幼児の父親が、斉宣を殺したようです。
斉宣は将軍の弟ということで、まさにこの映画の斉韶のように民のとこなど一切考えずにやりたい放題だったのでしょう。
チャンバラ映画をシアターで見たのは初めてだった。
後半の50分以上という戦闘シーン!もう寝てしまうのではと思ってたけど、なかなかの迫力。この映画の見所です
それに比べて、前半が暗い。松平斉韶(稲垣吾郎)がどんなに非人間的であったかがこの前半で述べられてるわけですが・・・
まず、尾張の牧野采女(うねめ)の妻の千代。この人の形相。眉毛が無くて、歯がお歯黒だったか?武士と結婚したらこんな風にするらしいけど。ちょっとびっくり。この人が斉韶に引きずられて行って暴行され、助けに来た采女は殺され、千代自身は自害。
あ~暗い映画 当たり前だけど、映画自身のスクリーンも暗いし~(江戸時代に照明は暗かったんだろうけど・・・)もう、こ映画来なけりゃよかったかな?とか思いながら見てました。
この次が・・・・もう最悪
ここでは、采女の父、尾張家起訴上松陣屋詰、牧野ゆきえ(松本幸四郎)の訴えなどを聞いた江戸幕府の老中の土井大炊頭利位(おおいのかみとしつら)(平幹次郎)が、すでに島田新左衛門(役所広司)に松平斉韶の殺害を命じている。
と言うのは、松平斉韶が老中になることが決まっていたので、このようなひどいことを江戸幕府の重要人物である老中としてやられたのではますます大変なことになり、苦しむ人も増える・・・と土井大炊頭利位は考えたわけです。(老中になる前にお命い頂かねば~!)
ここに登場するのが、松平斉韶に手足を切り取られて舌を抜けれたという娘。
この辺のところ、正直言ってちょっと冷や汗が出て気分が悪くなりました
あと松平斉韶が何人もの子供達を縄でくくって弓で射るシーン・・・・
それから、斉韶が、お椀にはいってるものも、お皿にのってる物も・・・食器の中の食べ物をすべてお膳の上にまき散らして、それを手で混ぜて食べてるシーン。
この人、気が狂ってるのと思いました。ウツケ?
こんな人にこそ、ちょっと時代ちがってたらロボトミーやるべきでは!!!
島田新左衛門が刺客を集め始める頃から、スクリーンが急に明るく~
このへんからは、この映画を楽しんで見ることが出来ました
私が注目してた刺客は、島田新左衛門(役所)の他、彼の甥である島田新太郎(山田孝之)、弓の名手で御徒目付、日置八十吉、浪人の平山九十朗(伊原剛志)、そして山猿の小弥太(伊勢谷友介)。
島田は、松平斉韶の参勤交代の一行が中山道のを通る時に攻めることを決める。このをまず買い取って、各場所に火薬や装置、いろんなものを配備する よく見てると、同じような装置が戦闘シーンで何度か使われてたりで、もうちょっと考えてよ!というところもあります。でも、山猿が石を縄につけて振り回して何人もやっつけるし、屋根の上から土砂が落ちてきたり、松平斉韶が逃げようとすると急に柵に囲まれて逃げられなくなったり、ある意味マンガみたいなところもあるけど、面白いです。
私が注目した刺客達は死なない!と思ってたのに~
若い日置八十吉がやられたときは、この人死んでしまうのかぁ~くらいに思っただけだったけど・・・平山九十朗が刺されたときは、ちょっとどうしようと思ってあせってしまいました。
敵の松平斉韶の一行はなんと200人以上。これを13人でやっつけようと言うんだから、まぁ、大変なことです。
最後、島田新左衛門と鬼頭半兵衛(市村正規)の一騎打ちとなる。鬼頭半兵衛は、松平斉韶のめちゃくちゃぶりが間違ってると思いながらも、主従関係を保ち主君に忠誠を尽くすことこそが武士としての道だと考えバカ殿斉韶を最後まで守ろうとする。
島田新左衛門と半兵衛は、かつては同門で腕を競い合った仲。
半兵衛が新左衛門にやられた後、半兵衛の生首を斉韶が蹴るシーン。なんか、これだけ尽くしてきた半兵衛が惨め!
武士の道と言っても、上に立つ人が間違ってるのにそれに忠誠つくしてもあかんわなぁ
この後、島田新左衛門が松平斉韶に刺されてしまう。同時に新左衛門が松平斉韶を刺し、とうとうバカ殿は命を亡くす。
松平斉韶の刀さばき、もう少しなんとかならないものでしょうか?
そもそも、この人の教育係は何をしてたんでしょう!?
生き残ったのは、島田新六郎(山田孝之)と小弥太だけ・・・・・
新六郎は、自分が武士として生きることに嫌気がさして、女や酒に溺れて生きていた。彼は刺客となることを決めた時に一緒に暮らしてる(新六郎がひもなのか?)芸子のお艶(吹石一恵)に
「すぐ帰ってくる・・・もし、帰れなかったらお盆に帰ってくるから、しょうろう(精霊)焚いて待っててくんな・・・」
という場面があるけど、この時点で完全に死ぬことを覚悟してたんですね。
このお艶がこの映画の中でひときわ明るいイメージ。GOOD
バカ殿の剣が首に刺さって死んだと思ってた山猿の小弥太が、何の傷跡もなく普通に生きてるところがマンガみたい。彼のユーモラスな存在はこの映画の緊迫した雰囲気の中で重要な役割をしめていると思います。
中山道のでも小弥太と岸部シロウが演じてるの民とのやりとりも傑作です。
小弥太の思いを寄せる女性ウバシ、お艶の両方の役を吹石一恵が演じている。
山の中で自由奔放に生きて来た小弥太
何ものにも縛られずに生きていこうとしている新六郎。
この二人の若者だけが生き残り、世の中はもうすぐ明治の世の中になろうとしている。
最後、お艶のところに新六郎が帰ってきたのであろう彼女の笑顔で終わるところ、なかなかよかったです。(新六郎くん、赤毛のところ行くとか言ってたのはどうなった?)
点数を付けるとしたら、79点
(このブログを書くにあたって、ウィキペディアを参考にしました。)
この映画は、1963年(昭和38年)の「十三人の刺客」(東映京都撮影所製作、工藤栄一監督、片岡千恵蔵主演)のレメイク版とも言える作品。
このオリジナルは見てないが、・・実録タッチの作風による集団抗争時代劇として有名で、約30分に及ぶクライマックスの13人対53騎の殺陣シーンは、時代劇映画史上最長とされる~と言われてる。しかし、今回の映画の戦闘シーンはそれ以上に見応えのあるものだったと思う
ちょっと、歴史のお話となってしまいますが・・・
十三人の刺客達が命を奪おうとしている最悪お殿様、稲垣吾郎演じる松平斉韶(なりつぐ)のモデルは、江戸末期、明石藩主の松平斉宣。
斉宣が参勤交代で尾張藩領を通過中に3歳の幼児が行列を横切ってしまった。村民たちが斉宣に助命を乞うたが、斉宣は許さず幼児を殺害。この処置に尾張藩は激怒し、御三家筆頭の面子にかけて今後は明石藩が尾張藩の領地を通行することを断ると斉宣らに伝えた。このため明石藩は行列を立てず、藩士たちは脇差し一本を帯び、農民や町人に変装して尾張領内を通行したという。
実際は、この時殺害された幼児の父親が、斉宣を殺したようです。
斉宣は将軍の弟ということで、まさにこの映画の斉韶のように民のとこなど一切考えずにやりたい放題だったのでしょう。
チャンバラ映画をシアターで見たのは初めてだった。
後半の50分以上という戦闘シーン!もう寝てしまうのではと思ってたけど、なかなかの迫力。この映画の見所です
それに比べて、前半が暗い。松平斉韶(稲垣吾郎)がどんなに非人間的であったかがこの前半で述べられてるわけですが・・・
まず、尾張の牧野采女(うねめ)の妻の千代。この人の形相。眉毛が無くて、歯がお歯黒だったか?武士と結婚したらこんな風にするらしいけど。ちょっとびっくり。この人が斉韶に引きずられて行って暴行され、助けに来た采女は殺され、千代自身は自害。
あ~暗い映画 当たり前だけど、映画自身のスクリーンも暗いし~(江戸時代に照明は暗かったんだろうけど・・・)もう、こ映画来なけりゃよかったかな?とか思いながら見てました。
この次が・・・・もう最悪
ここでは、采女の父、尾張家起訴上松陣屋詰、牧野ゆきえ(松本幸四郎)の訴えなどを聞いた江戸幕府の老中の土井大炊頭利位(おおいのかみとしつら)(平幹次郎)が、すでに島田新左衛門(役所広司)に松平斉韶の殺害を命じている。
と言うのは、松平斉韶が老中になることが決まっていたので、このようなひどいことを江戸幕府の重要人物である老中としてやられたのではますます大変なことになり、苦しむ人も増える・・・と土井大炊頭利位は考えたわけです。(老中になる前にお命い頂かねば~!)
ここに登場するのが、松平斉韶に手足を切り取られて舌を抜けれたという娘。
この辺のところ、正直言ってちょっと冷や汗が出て気分が悪くなりました
あと松平斉韶が何人もの子供達を縄でくくって弓で射るシーン・・・・
それから、斉韶が、お椀にはいってるものも、お皿にのってる物も・・・食器の中の食べ物をすべてお膳の上にまき散らして、それを手で混ぜて食べてるシーン。
この人、気が狂ってるのと思いました。ウツケ?
こんな人にこそ、ちょっと時代ちがってたらロボトミーやるべきでは!!!
島田新左衛門が刺客を集め始める頃から、スクリーンが急に明るく~
このへんからは、この映画を楽しんで見ることが出来ました
私が注目してた刺客は、島田新左衛門(役所)の他、彼の甥である島田新太郎(山田孝之)、弓の名手で御徒目付、日置八十吉、浪人の平山九十朗(伊原剛志)、そして山猿の小弥太(伊勢谷友介)。
島田は、松平斉韶の参勤交代の一行が中山道のを通る時に攻めることを決める。このをまず買い取って、各場所に火薬や装置、いろんなものを配備する よく見てると、同じような装置が戦闘シーンで何度か使われてたりで、もうちょっと考えてよ!というところもあります。でも、山猿が石を縄につけて振り回して何人もやっつけるし、屋根の上から土砂が落ちてきたり、松平斉韶が逃げようとすると急に柵に囲まれて逃げられなくなったり、ある意味マンガみたいなところもあるけど、面白いです。
私が注目した刺客達は死なない!と思ってたのに~
若い日置八十吉がやられたときは、この人死んでしまうのかぁ~くらいに思っただけだったけど・・・平山九十朗が刺されたときは、ちょっとどうしようと思ってあせってしまいました。
敵の松平斉韶の一行はなんと200人以上。これを13人でやっつけようと言うんだから、まぁ、大変なことです。
最後、島田新左衛門と鬼頭半兵衛(市村正規)の一騎打ちとなる。鬼頭半兵衛は、松平斉韶のめちゃくちゃぶりが間違ってると思いながらも、主従関係を保ち主君に忠誠を尽くすことこそが武士としての道だと考えバカ殿斉韶を最後まで守ろうとする。
島田新左衛門と半兵衛は、かつては同門で腕を競い合った仲。
半兵衛が新左衛門にやられた後、半兵衛の生首を斉韶が蹴るシーン。なんか、これだけ尽くしてきた半兵衛が惨め!
武士の道と言っても、上に立つ人が間違ってるのにそれに忠誠つくしてもあかんわなぁ
この後、島田新左衛門が松平斉韶に刺されてしまう。同時に新左衛門が松平斉韶を刺し、とうとうバカ殿は命を亡くす。
松平斉韶の刀さばき、もう少しなんとかならないものでしょうか?
そもそも、この人の教育係は何をしてたんでしょう!?
生き残ったのは、島田新六郎(山田孝之)と小弥太だけ・・・・・
新六郎は、自分が武士として生きることに嫌気がさして、女や酒に溺れて生きていた。彼は刺客となることを決めた時に一緒に暮らしてる(新六郎がひもなのか?)芸子のお艶(吹石一恵)に
「すぐ帰ってくる・・・もし、帰れなかったらお盆に帰ってくるから、しょうろう(精霊)焚いて待っててくんな・・・」
という場面があるけど、この時点で完全に死ぬことを覚悟してたんですね。
このお艶がこの映画の中でひときわ明るいイメージ。GOOD
バカ殿の剣が首に刺さって死んだと思ってた山猿の小弥太が、何の傷跡もなく普通に生きてるところがマンガみたい。彼のユーモラスな存在はこの映画の緊迫した雰囲気の中で重要な役割をしめていると思います。
中山道のでも小弥太と岸部シロウが演じてるの民とのやりとりも傑作です。
小弥太の思いを寄せる女性ウバシ、お艶の両方の役を吹石一恵が演じている。
山の中で自由奔放に生きて来た小弥太
何ものにも縛られずに生きていこうとしている新六郎。
この二人の若者だけが生き残り、世の中はもうすぐ明治の世の中になろうとしている。
最後、お艶のところに新六郎が帰ってきたのであろう彼女の笑顔で終わるところ、なかなかよかったです。(新六郎くん、赤毛のところ行くとか言ってたのはどうなった?)
点数を付けるとしたら、79点
(このブログを書くにあたって、ウィキペディアを参考にしました。)