Noriko-McLane Movie Blog

自分の見た映画の感想を気ままに綴っています。
ネタバレの可能性もあるので、まだ見てない方はご注意下さい。

ザ・コーヴ

2010-07-27 | Weblog
ザ・コーヴ 'The Cove'(2010. 7. 22. Kシネマにて SAYOさんと)
第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞

この映画、東京の映画館で上映された時は右翼団体が上映中止を求めて来たとか~
ドキュメントと言ってるけど、作ってるシーンがあるとか、いろいろ話題になってました。でも、限られた映画館での上映のようだしそう簡単に見られないのでは~と思ってましたが・・・
Kシネマでは、ずっと上映しててよかったです(でも、確かに上映されてるシアターの数は非常に少なくて大都市で1館が上映している程度。ここのところが、まずおかしいと思います。どの映画館でも上映してみんなに見て欲しい映画だと思いました

この映画を作ったのは、60年代にやっていたTV番組’わんぱくフリッパー’の調教師兼俳優のリック・オリバー。私は幼い頃この’わんぱくフリッパー’を見てたので、リックの家が実際に番組の中で使われてたこと、(入江が、家の横まで来ていたので、イルカたちがそこに来ていた~その場所がそのまま番組で使われていた。)やフリッパーは、実際は5頭のイルカがその役をしてたことなど・・・・とっても興味深かったです

この番組のせいなのかお陰なのか・・・水族館やシー・パラダイスと言ったところではイルカショーが大人気となっていきます最初のころは、イルカに詳しいリックは、水族館のイルカが怪我をしたら治してあげたり・・・していたのですが・・・
実は、水族館のイルカはストレスだらけイルカは、海を1日に何千キロと泳いで仲間と連絡をとったり、海の中で先の様子を音で知るように耳がとても発達しているそうで、それがイルカ・ショーをやらされて、観客のざわめきや拍手・・・・・これではもうストレスがたまりにたまる。それで、イルカは薬漬けのようになってるとか?
ここのところが、私にとっては大ショックでした。この前6月にも鳥羽のイルカ島に観光で行って英虞湾のイルカ島でイルカのショーやアシカのショーを見てきたけど・・・・彼らもそうだったんだ

イルカの調教師だったリックがイルカ愛護の立場で活動して、このような映画を作ったことは意味があるし、彼の熱意はすごいものだと思う

私はもちろんリックの立場を応援したい。大地町の漁師は日本の文化と言ってるけど、日本人がイルカを食べること、まずイルカが食べられることも知りませんでした。ほとんどが、鯨の肉だと言って売られてるらしい。(確かにイルカは、鯨の一種。)
大地町では、どうして隠れてイルカ漁をしてるんだろう??映画によると、イルカ漁をする入り江は、立入禁止になってる。映画に見せられた程のたくさんのイルカを本当に九月から毎日殺すんだろうか?それだけの需要があるということなのか?和歌山県大地町付近では、イルカの肉をたくさん食べてるのか?そこのところが、すごく不思議に思えた。

それから、イルカの肉にはものすごい量の水銀が含まれてるそうです。だから、本当にこれだけの需要があるんだったら、水銀中毒も起こりかねない。(政府の基準100倍以上はあるから、食べ続けていたら恐ろしいことになる。)
このようなことを政府はどう考えてるんだろう。政府も見てみぬふりなのか?

確かに鯨を食べることはは日本の食文化としても、また捕鯨そのものが日本文化の一つとも考えられていたのでしょう。小学校のときに捕鯨の話が国語の教科書に出てきたのを覚えています。論説文で面白くなかったけど、鯨を銛で突く時にどのような銛でどんな角度で突くかなどの内容だったように思います。
しかし、今の海の状態では一般的にイルカよりもっと大きい鯨では、毒素たとえば水銀についてもイルカレベルよりももっと多く含まれているはず。

それに人間より大きな鯨を銛で突くという当時の鯨漁が日本文化として誇りに思われていたことも何となくうなずけますが、あのイルカ漁の様子は本当に酷たらしいだけ。
銛でつかれても、死ねないまま泳ぎまくってるイルカがやがて力尽き果てて動かなくなってしまう様子・・・血で真っ赤になった入り江。もう、二度と見たくない光景です。

この映画は、動物愛護だけの問題だけでは片づけられないいろんな問題を含んでいると思います。

イルカは、高い知能を持った動物だし、実際に海で鮫にやられそうになったサーファーの人が「その瞬間にイルカが何匹かやってきて鮫に立ち向かって助けてくれた。」と、映画の中で語っていました

大地町のイルカ漁は日本の食文化だと言って誇りを持ってやってると言ってるけど、そうではないと思う。ただ稼ぐため? イルカショーも?

大地町のイルカ漁は、謎めいて変なことが多い。これを政府や和歌山県はどう考えてるのだろうか?

私は、この映画を見てイルカ・ショーには行きたくなくなった。