Noriko-McLane Movie Blog

自分の見た映画の感想を気ままに綴っています。
ネタバレの可能性もあるので、まだ見てない方はご注意下さい。

プレシャス

2010-05-23 | Weblog
プレシャス
'Precious'
(2010.5.4. 二条シネマにて)
悲劇的な生い立ちの16歳のプレシャスの生き方を描いた作品。
父親に強姦されることによって2度も妊娠するなんて、信じられない

プレシャスのように父親に性的関係を無理矢理強いられるという内容が出てくる映画、・・・’サイダーハウス・ルール’とか・・・’ボンベール(帰郷)’も。サイダーハウス・ルールでは、それ以外は人間的にすばらしい人なのに~信じられないと思った。ボンベールでは、確か義理の父親に犯されて妊娠してしまうんじゃなかったかな?
こういう内容嫌です。目を覆いたくなる。

プレシャスの場合は~
学校でEOTOというフリースクールに通うことを勧められるが、母親のメアリーが生活保護をもらえなくなるからと反対。
この母親、もう少ししっかりした人だったらプレシャスもここまでひどい目にあわなくてもよかっただろうに~
母親がソーシャル・ワーカーの前で、この子が生まれた時に本当に嬉しくて、価値があって大切な!!という意味の'Precious'と、名付けたのに~と、語っている。真の父親が娘のプレシャスの身体を彼女がまだ小さい時から求めたというのだ。はぁ??信じられないです。それに、この母親もそれをどうして許しておくのですか?プレシャスがとうとう母親から逃げ出したように、まずプレシャスの母親が夫から逃げるべきではなかったのか?

それでも、プレシャスがEOTOに通い始めたことがよかったんだと思う。ここで、レイン先生に会えたことが彼女の考え方や人生を変えたから。。
レイン先生の役は、ポーラ・パットン。とても綺麗な黒人の女優。先生としてのキリッとした態度がとても素敵だった
プレシャスが2人めの子供を産んだ時に母親のメアリーがプレシャスや赤ちゃんに物を投げつけたりするので家を飛び出して、逃げてきた場所はEOTOの教室だったし助けてくれたのはレイン先生。レイン先生と会ってなかったら、母親と離れることもできなかったかも。

レイン先生の家にプレシャスが泊めてもらった時に 先生が女の人と暮らしてることを知って、プレシャスが、”レズって、母は最悪の罪と言ってたけど、悪いことじゃないんだ。レズは、私をレイプしないし、街角でドラッグを売らない!”と、考えます。(でも、レズの人もドラッグ売ってるかも~)
私も”レイン先生、レズだったのかぁ!”と、ため息でした。レイン先生のレズは、素敵かも??

プレシャスは二人の子供を抱えてたいへんだけどがんばろうとしている。でも、彼女の父親がエイズだったことから、彼女もエイズに感染してることがわかってしまう。なんという、悲しい運命なんだろう。
アメリカ社会は、こういう人にたいして決して冷たくはないんだと思った。レイン先生やソーシャル・ワーカーのワイスと出会えたのもそのお陰だし。
これから先、プレシャスが自分の満足できる人生を歩めたら最高だと思う。

前半、プレシャスが実際のひどい生活の合間に、自分が雑誌のトップを飾ったり、ファッションモデルになったり・・・彼女の夢がスクリーンに出てくるのがよかったです。ここでのガボちゃん(プレシャス役のガボレイ・シディベ)もう、プレシャスとは全然違う人でした

母メアリー役のモニークは、この役で第82回アカデミー助演女優賞に輝きました
自立できない女の悲しい役、なかなかの演技でした。

ソーシャル・ワーカーのワイスの役が、マラリア・キャリーだったんですね
地味な服装でお化粧もいつもと全然ちがうので、言われなければわかりませんでした。
看護士のジョンの役もミュージッシャン。レニークラヴィッツ。

点数を付けるとしたら、75点

ALPHA DOG

2010-05-12 | Weblog
ALPHA DOG
アルファ・ドッグ  破滅へのカウントダウン

(2010. GW DVDで)
この映画に関する予備知識なしで、ブルース・ウィリスが出てるからちょっと借りてみたのですが、恐ろしい映画でした
2006年にアメリカで公開された映画で、日本では公開されていません。これは、アメリカで実際にあった事件。
教養のない若者達の浅はかさが、こんなにひどい取り返しのつかない結果を招くなんて
アメリカ社会のひずみを見せつけられた気がしました。

ブルース・ウィリスの役は、息子のジョニーとドラッグの売買をしている男。
ドラッグを渡したのになかなか金を渡さないジェイクと対立して、ジョニーはジェイクの弟のザックを誘拐する。
誘拐と言っても、偶然道で会って、車で自分たちのたまり場へ連れて行く~ そして、仲間にザックを見ておくように言うと、仲間達はザックに結構やさしく接して友達のようになる。
ザックは、このとき何度も逃げるチャンスがあったのにどうして逃げなかったんだろう?自分自身に身に危険を全然感じてなかったんだろうか

しかし、仲間達が誘拐は非常に重い罪でザックを見張っていただけも終身刑になるかも~と吹き込まれたことから・・・・・

実際にザックの母が心境を話している場面もあり、これは現実のことなんだ!ということがありありと伝わってきて余計に恐ろしくなってくる。
ジェニーは、自分がザックを誘拐しておいて放ったらかし。 父に「今せめて自首すれば、刑も軽くなるからそうしろ。」と、言われても、「もう、ザックはきっと逃げてるよ。」とか、いい加減。~こう言ってる間に仲間の一人にザックは殺されてしまう。

この事件にかかわった若者たちの多くは、裕福な家庭で育っている。
でも、親が大きなプールのある家で大麻を栽培していて、その世話を息子にさせていたり・・・・親の常識のなさ教養のなさも悲しい気がした。
これが貧しい家なら、息子の方はこれではダメだと思うのかもしれないが・・・

きちんとした躾、教育をしてないとこんなことになるんだ・・・という恐ろしい例を見せつけられて気がした。
これは、アメリカ社会だけじゃなくて、日本でももちろん考えなくてはならないと思う。
アメリカも日本も今はまず親の教育が必要なのかもしれませんが・・・

点数は付けられませんが、見る価値のある映画です。

アリス イン ワンダーランド

2010-05-02 | Weblog
アリス イン ワンダーランド3D
’Alice in Wonderland'
(2010.5.1. 二条シネマにて マーさんと)
子供やティーンだけでなくて、大人も充分楽しめる作品です。
ファンタジーの世界なんだけど、キャラクターの奇想天外な風貌(化粧や顔の大きさ)にまず注目してしまいます

”不思議の国のアリス”のアリスが19歳になっているという設定 
アリスが貴族のイケテナイ男にプロポーズされるところ。このように大勢の前でプロポーズをするのが当時のやり方だったのでしょうか。びっくり!!
予期してなかったアリスは・・・
”Will you be my wife?と言われて、”Well・・・・Well・・・”と返事に困ってる間に・・・・白うさぎを見つけて追いかけて、ワンダーランドへと~
そして、’私を飲んで!’と書かれた瓶の薬を飲んでアリスは、小さくなってしまう

ワンダーランドでは、真の統治者の白の女王は追いやられて、独裁的で残忍な赤の女王が支配してみんなを苦しめていた。そして、’ワンダーランドの年代記には、アリスという救世主がこのワンダーランドを救う’と、書かれていた。だから、みんなアリスが来るのを待ってたのです。

まさか、自分がこの救世主であるはずがないと初めは思ってるアリス。
自分を助けてくれたマッド・ハッター(ジョニー・デップ)が赤の女王に捕まってしまい、助けるために赤の女王の城に忍びこむことに~(味方になってくれた犬に乗って
今度は、大きくなるケーキを食べ過ぎて巨大になってしまったアリス 赤の女王は、アリスのことをアリスだとは気づかずに仲良くしてくれるのですが・・・・

マッド・ハンターは、もともとは白の女王の帽子職人 赤の女王に捕まって、赤の女王の帽子を作ってるシーン・・・’シザー・ハンド’や ’妹の恋人’を思い出させてくれました。
お茶会の途中で赤の女王の家来たちが攻めてきてアリスがティーポットに隠れた時にマッド・ハンターが服を小さくササ~ッと作り直して上げるところもさすが、帽子職人だから出来る技

アリスは、白の女王の剣を取り返して・・・白の女王のもとへ~。ここで、やっともとの大きさにもどることができます。それから、運命の戦いが~その救世主となりたいという立候補者は結構いるのですが・・・

マッドハッター、Jデップらしい味が出てていいです。(さすがにティーンの間で人気No.1のJデップです。)白の女王は、アン・ハサウェイというよ仲間 由紀恵が似合わない化粧してるって感じでした (あの眉毛!唇の描き方、色、不自然な手の動き)アリス役は、オーストラリア出身の新人ミア・ワシコウスカ。(まだ、無名か?)

注目は、赤の女王です どうなってるのででょうか?この頭は?白の女王は、できものが頭の中にできてるんでしょう。~’とか言ってましたが・・・CGの産物でしょう 一緒に映画見たマーさんは、ヘレナ・ボナム・カーターがよくこんな役やるなぁ!と感心してました。だんな様のティム・バートンが監督ということなのでやったのでしょう。最近は、彼女は変な役をよくやってるようです。 ’スィニートッド悪魔の理髪師’(ブログ載せてるので見て)のミセス・ラベットの役は、すごくよかったです。
この他にも、太った双子の兄弟も変なキャラ。チェシャ猫、触ってみたいです。犬派の私もこの猫なら飼ってみたいです。それから、目玉をとられたけど、赤の女王の城でアリスに目玉を返してもらってアリスの味方となる動物(?)、私もこれに乗ってみたいです。その他、赤の女王に虐待されてる多くの動物さん達にはみんな注目でした

アリスが、小さいときに同じ夢ばかり見て怖がって、’自分はおかしいのだろうか?’と、お父さんに言うと、お父さんが’アリスはおかしいよ。優秀な人は、みんなおかしいんだよ。’というところ、いいです。お父さんは死んでしまったけど、この言葉が映画の軸になってる気がします。
だから、アリス、いつも自分の意志で自分の行く方向を決めることができるようになったのでしょう、世の中のつまんない慣習にしたがうことなしに。

点数をつけるとしたら83点