スペイン母子家庭生活奮闘記☆毎日ドキドキ@マドリッド

夫の仕事でマドリッドにお引越ししたものの、諸事情によりスペイン内別居生活。
母は毎日がんばるよ!

こっちのが・・・

2007年09月19日 | 季節の風景

秋はお祭りのシーズンだ。
私たちの住むM市でも毎年秋祭りが行われる。
スポーツやアート、中世の市場などさまざまなイベントが10日間程にわたって繰り広げられるが、その中にはやっぱりィ!?というかんじで闘牛や牛追いがある。

パンプローナのがあまりにも有名すぎて、牛追いといえばパンプローナのものだと思われがちだが、スペインのあちこちで牛追いは季節のイベントとして行われている。
規模は小さいかもしれないが、結構楽しめるものもあるらしい。

ここM市では、普段公共の駐車場になっているスペースが、お祭り期間中いきなり仮設闘牛場と化す。





牛追いはその闘牛場に続く路地を車両通行止めにして2日間行われた。
エンシエーロ・インファンティル(Encierro Infantil ちびっこ牛追い)もあるというのでびっくりしたが、なんのことはない、牛のかぶりモノをつけた一輪車で子供たちをおどかしながら走るというすごい文字通りの子供だましだ。
でもこれが結構楽しそう。
それにこの自転車牛、とってもよくできている。
剥製なのかもしれない。

一度じゃつまらないからか、スタート地点から闘牛場までを何往復も走り、大人も子供もキャアキャア喜んでいる。





それが終わるといよいよホンモノの牛さんが登場する。
パンプローナでは2時間も前に行ってもよい場所を確保することはできなかったが、ここでは楽々!
15分前でも余裕、余裕。
柵によじのぼってスタンバイする。

スタートの合図の爆竹が鳴る。
ええっ!?なぜか、闘牛場の方から牛が登場。
なんでだかわからないが、まあいいか。
大きめの茶系の牛が3頭。
ゆっさゆっさと体を揺らしながら走る。
カウベルがカラン、コロンとのどかな音をたてる。
パンプローナのに比べて随分のんびりした感じだけど、間近で見る牛追いは迫力があって十分に恐い。



しばらくしたら折り返してきた牛たちがまた目の前を通過してくれた。
今度は黒くて勇ましい牛が2頭加わっていて、スピードもかなり増していたし、走る人間の方もちょっと真剣で必死な感じが伝わってくる。
もしかしてあの茶系の牛はこの黒い牛を迎えに行ったのかしら?
さっきのより数倍恐ろしかった。

結局牛たちは私の目の前を2往復した。
大サービスだ。

パンプローナの牛追い祭りは、世界中から観光客が押し寄せ、酔っ払って無茶をする若者が街中にあふれる。
近年は本来の意味から随分ズレた祭りになり下がっていると言って嘆くスペイン人が多いようだが、ここM市の牛追いは地元民の純粋なお楽しみとしてほのぼのと行われる。
牛の数は少ないし、なんかのんびりしちゃってるし、走る人もぜんぜん緊張感に欠けてるけど、でも好位置を簡単にキープして見ることができて嬉しかった。

こっちの牛追いで十分かもしれない、と思ってしまった。