スペイン母子家庭生活奮闘記☆毎日ドキドキ@マドリッド

夫の仕事でマドリッドにお引越ししたものの、諸事情によりスペイン内別居生活。
母は毎日がんばるよ!

アマポーラ

2007年05月16日 | 季節の風景

5月。
マドリッドには今ポプラの花粉がまるで雪のようにふわふわと漂っている。
ポプラの花粉なんてものを初めて意識したような気がするが、花粉といってもそれは綿毛に近い。
家の窓を開けたりしようものなら、たとえ掃除をした直後でもじきに家中の床に綿ボコリが舞うことになる。
でもそれは綿ボコリではなくポプラの仕業なのだ。

ポプラは多くの人に鼻炎を引き起こすのであまり歓迎されないが、この季節、なんでもない土手や空き地にやさしい草花が咲き乱れていて思わず目を引かれる。

ちょっとした散歩でもいろいろな春の花が楽しめて贅沢な気分だ。
ドライブに出れば、高速道路の脇にも黄色や白、薄紫のやわらかそうな草花の絨毯がどこまでも広がる。
その中に、鮮やかな赤い花が点々と散らばって、風景をぐっと引き締める。
アマポーラ(ひなげし)だ。



日本ではけしの花をあまり見ることがない。
ましてや近所の空き地に自生するけしなんて。
でもここマドリッド近郊ではこの時期の人々のお楽しみとなっている。

昔、オーギュスト・ルノアールの「草の中を登る道」という絵を観たことがある。
その絵の中の雑草の咲き乱れる草原にやはりポツポツと赤い点々が描かれており、その赤と、草原の坂を登る女の人の傘の赤がリンクしていたのを覚えている。
あの赤はアマポーラだったんだ、とわかった。
そしてあの草原は、こんな草原だったんだ、とわかった。
なんか、うれしい。