God bless the USA!

沖縄での最高の5年間を終え、ニューヨークへ戻り、今度はシアトルへ。アメリカの良さをうんと語っていきたい。

不登校

2024-04-22 | Q and A
Q: アメリカにも 不登校ってあるんですか? 日本の取組みとどのように 違うのでしょう? 日本では無理に 学校へ行かせなくてもいいと言いますが、アメリカはどうなのでしょう?

A: アメリカで 不登校を起こしている お子さんをお持ちの お母様からの 問い合わせはよくあります。日本では 無理に学校へ行かせなくてもよいという 姿勢のため、それを アメリカでやってしまうと、つまり 学校を休ませてしまうと たいへんなことになります。 いや、おどかしているのではないのですが、アメリカでは 子どもは 教育を受ける権利があるということで それを 親が拒んでいるとみなされることがあるからです。そして 子どもを学校に行かせないのは 親の怠慢だと見られることがあるのです。そのため、ときには 警察も 介入して 子どもを学校に行くように 仕向けます。

実は 不登校児は パンデミックのあと、ものすごく増えたと言われています。それもそのはず、パンデミック中は 学校へいかなくてもよかったので、朝 遅く起きてきたり、 服もねまきのままであったり、人とかかわるわずらわしさもなかったりで 自由にいられたのにここで 突然学校へいかなくてはならなくなったからです。

ちょうど 長い 夏休みから 学校へ戻るのが億劫に感じられるように、パンデミックは 彼らにとって 長い 長い 夏休みであったのです。それに慣れてしまっていたので なかなか 学校の生活に戻るのがむずかしくなったのです。日本では5月の 連休あたりに 疲れが出ると言いますが、アメリカでは 9月から 新学期なので、だいたい11月あたりに不調を訴える生徒が増えると言います。特にパンデミックは 2年にも渡って続いたので、彼らの中には 大事な時期、家にこもっていたため、人との関係をうまく 保てなくなってしまった 子どももいました。がまんといった 人間として 社会の中で生きるためのスキルにかけている子どもも増えたと言います。

不登校の児童とは 年間18日以上 学校を欠席した子どものことを言います。それは全体の10%、欠席した場合でもあります。

それでは 具体的に 子どもたちが 学校へ行くことを 渋るようになったら どうしたらよいのでしょう?
アメリカで 不登校のことを School Refusal と言います。やはり ちゃんとしたことばがあるのですよね。

1.チームでのアプローチ
親が 一人で がんばっても これは 解決しないといいます。そのため、学校の先生や、ソーシャルワーカー、校長先生、などが 一体となって チームを組んで 取り組まないといけないと言います。

2.時間の問題
Time is of the essence というように 学校を渋るようになったら すぐに 対応するようにと言います。つまり、長引かせないことです。学校へいかない日が増えれば増えるほど 学校へ行くことから 遠のくからです。

3.ゆっくり 準備を
急には無理なので、まずは 1日、次は2日、あるいは 今日は学校のカウンセラーと会う、次は 1時間だけでも授業に出るというように じょじょに 慣らせていくという 方法を取ることを 勧めています。特に 学校というところが 怖いところという概念をもってしまった子どもにとっては 効果的でしょう。本人が 学校というところが 安全で comfortable environment to study という気持ちがないと 学校へ行きたいという気持ちが起こらないからです。

4.resiliency を育てる
子どもは いやなことは 避けようとするでしょう。また 痛みの伴うものは 避けたいと思うのは自然なことです。しかし、すべてにおいて自分の思うようにはならないということも 子どもは 知らなくてはなりません。 You don't always get what you want と英語ではいいますが、親の過保護はよくないということです。

5.be consistent and use assertive language
一貫性を持つということ。一度言ったことは 通すことです。さらに やるべきことを伝えるときは はっきりと しっかりと 伝えます。たとえば "as I told you"  言ったとおりにしてください。 あるいは "Put on your clothes" というように はっきりと伝えます。
そして なぜ そのような 行動を取らなくてはいけないのか、つまり その なぜ の部分を理解させましょう。特に ティーンに関しては 学校へ行かないと 卒業できない 卒業できないと 大学へ進めない 大学へ進めないと やりたい仕事ができない というように 高校を卒業しないとどうなるかといった その流れについても 伝えると効果があるかもしれません。知識があれば、知恵があれば、自分の将来のしたいことの選択肢が広がるということも強調したいところです。

6.学校は本来楽しいところ、家はつまらないところ
というように 指導するようにと言います。そのため、家にいることを決めても youtube は見てはいけない、ビデオゲームは いけません というように 家にいることが いかに 退屈かを 教えるようにと言います。

7.学校にも 自分の支えとする人がいること
友達は もちろんのこと、ほかにも 話せるカウンセラーがいたり、日本でしたら 保健室の先生であったり、そのような人がいることは 支えだと言います。 友達においても 友達が一人でもいれば 「ねえ、XXXくん、きっと あなたがくるの待っているよ」 というように 促すことができるでしょう。

8.なぜ 学校へ行きたくないのか
子どもを理解することは 大切です。それは さまざまな原因があるからです。特に最近では 心配性、不安性の 子どもたちが増えているため、そうなるともう メンタルな面での issue となります。ほかにも いじめがあったり、仲間はずれにされていたり、日本人であればことばがまだわからないことでいじめられたり、学習障害が隠れていたり、しょうがいがあるゆえに いじめられていたり、原因はさまざまです。そのあたりもしっかり 把握しておく必要があるでしょう。

いずれにしろ 親にとって 子どもが学校へ行かなくなることは とても大きな 問題です。そのためにも なぜ 学校へ行かなくてはならないのか、 なぜ 子どもの仕事は学ぶことなのか、そして 学校は楽しいところ 学ぶことは 楽しい、 友達といられるのは 楽しい、というように 子どもが学校に惹かれるように 導くのも ひとつでしょう。

個々のケースで 取り扱い方も 多少違いますので、ご心配である場合、ぜひ ご相談ください。
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