石原延啓 ブログ

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nobuhiro ishihara blog 

いわき行

2013-04-03 18:24:56 | Weblog


月、火と恩師を訪ねて福島県いわき市へ行って参りました。
いわき市は広くて、訪れたのは北端に近い久之浜。
第一原発から約30kmほどの距離ですが、爆発時の風向きの影響で南相馬とか浪江町ほど染量は高くありません。
何度か泊ったことのある宿は東電で働く人たちが長期滞在する契約をしているとかで、先生のスペースの地主老夫婦のお家にやっかいになりました。
以前と全く変わらない静かな里山の風景を見ながら先生と山のように話をしたのですが、たまたま太平洋戦争時の空襲の話になり、いわき市街地で暮らす4~5歳だった先生は度々防空壕に避難ししたり実際に米軍機が掃射しているのを見たりしていたとか。物心ついたばかりの先生はそういう緊張した生活が日常でずっと続くと思っていたのだけれども、終戦直後のある日ラジオから軽音楽が流れてきたのを聞いて、自分を覆っていた黒い霧のようなものが突然にパーっと晴れたと言っていた。それが凄くリアルに感じられたので、「逆に今回の原発事故は同じような目に見えない黒い霧に突然覆われてしまったということですね」と言うと、全くその通りですね、と同意されていた。
翌日は6号線を北上して境界区域ギリギリまで行ってみた。検問の場所は原発まで7~8kmくらいか。ここら辺りまで来ると除染作業もやっていなくて時間が止まっているような風景。結構交通量はありましたが、作業帰りか対向車に乗っているほとんどの人がフード付きの青い服を来てマスクをしていたので正直怖くなる。目に見えない分、放射能は怖いです。
その後いわき市街地まで南下して別の知り合いを訪ねてから帰京しました。
(写真は第一原発より約10km付近で見た積み上げられた巨大な袋の山。除染された土が入っていると思われる。)