石原延啓 ブログ

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nobuhiro ishihara blog 

Sihwa湖開発見学ツアー

2010-08-21 17:37:49 | Weblog


8/16
少し時間を戻して、オープンスタジオの翌日、私を含む外国人アーティストたちは地元の再開発に関する問題を調査するNPOが主催するバスツアーに参加。
ここに到着する際にも海の上を走るやたら長い道路(10kmくらいの道路を作って半島と島を繋ぎ海を遮断)が気になっていた。
我らが滞在しているSeongam島とその周辺は、実は国を挙げての大治水事業の特別区域だったのだ。
本土(朝鮮半島)とSeongam島を始めとする島々を道路を通して囲い、かつては海だった内側の人口湖・Sihwa-lakeを水が引いた後には企業誘致など再開発を行うという凄い企画。87年の施行以来、当然のように自然は大々的に壊されて公害が発生し多くの漁師たちが職を失った。
これだけ無茶ができるのは韓国がヒエラルキーの国だからなんだろうな。日本だったら左翼が騒いでどうにもならないだろう。



ツアーで訪れた場所のひとう、かつては潮目があって最も美しいとされた小さな島の辺りの海はすでに干上がって蘆が生えていた。そして島の山頂部にあったとされる古い神を祭った巨岩も周辺を埋め立てる為に削り取られて(上写真参照)なくなっていた。
日本人はこういういかにも「祟り」とかありそうな曰く付きの場所、ウェットな場所には手をつけないものなのだが、韓国の人たちはそういう点でドライなのかな。宗教観の違いでしょうか。



昼食は今回の滞在で一番美味。お豆腐(写真参照)でした。イベント続きで外食の辛いものが続いたからこういうのはありがたい。

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次に訪れた場所も広大な蘆の湿地帯。かつては一番深い場所で水深7mあったそうだが、今は見る影も無い。
なんでこんなところのど真ん中に恐竜の記念館があるのかと思ったら、そこから遊歩道を歩く事10分。蘆の湿原にぽっこりと顔を出す赤茶色の岩、高さは4~5mくらいなものだろうか。かつては小島だったのだろう、大きなものは上部が松林になっている。
水が引いた後にここで恐竜の化石が発見されたのだ。
何でもアメリカのモンタナ州やモンゴルのゴビ砂漠と並んで恐竜の化石研究の世界的に重要なポイントに指定されているとのこと。
皮肉な事に大枚を払った政府は再開発の手を止められて歯ぎしりしているらしい。



(左端上が我らが滞在中のSeongam島、赤い線の道路で本土と真っすぐ繋がって海が仕切られているのが分かる。)

最後は安山市側(本土、半島)にまで渡って自然公園となった蘆野原を鑑賞。人の良さそうな役所のおじさんが休日返上で説明してくれたのだが、この人こそ最初に化石を発見した当人だそうだ。私がヒーローだねとスタッフに問うと「とんでもない、お蔭で政府や企業は当てがはずれてカンカンでしょう!」とヒソヒソと話すのが可笑しかった。
レジデンスのアーティストの中には現地の社会的な問題を題材に作品を作る人も多く、こういった企画は大いに助けになるだろう。
実際に私もインスパイアされるものが多々ありました。



帰りは安山市から公共バスにのって50分でGCCへ戻る。
こちらのバスの運ちゃんはやたら飛ばすので凄く怖かった。。。
気がついただけでも3回は信号無視してたぞ。
割と大きな交差点で信号が黄色から赤へ。
既に交差点の車は動き始めているのにアクセル踏み込んだ時には肝を冷やしました。