ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

ナノテクノロジーには量子力学

2011-09-24 | 日記

我々の周りにある物体の運動はニュートン力学にしたがう。しかし、電子のような軽い物体(電子の重さは陽子のの重さの約1800分の1である)の運動は量子力学にしたがう。

正の電荷を持った金属球と負の電荷を持った金属球を並べておいたとしよう。放電が起こらないように表面をプラスチックスでコートしておくと、二つのボールは互いに引っ張りあってくっついてしまうであろう。水素原子は正の電荷を持った陽子と負の電荷を持った原子からできているが(9/6参照)、陽子と電子はくっついてしまうことは無い。量子力学では、ある時刻に電子が存在する場所を特定することが出来ない。電子がある場所に存在する確率だけしかわからない。電子が陽子の周りにぼやっと雲のように存在していると想像すればよかろう。

この電子は、陽子に束縛されているわけであるが、この束縛から自由にするのに13.6電子ボルトのエネルギーが必要である。1電子ボルトとは、電子を1ボルトの電圧で加速したときに電子が得るエネルギーである。自由な電子で運動エネルギーを持たない電子のエネルギーを0とすると、陽子に束縛された電子のエネルギーは-13.6電子ボルトということになる。この様子を図に示しておく。0より上のエネルギーは電子の運動エネルギーである。

陽子の周りに束縛された電子は、-13.6電子ボルトのほかに、図に示すように、-13.6/4、-13.6/9、---  -13.6/n*n のエネルギーをとることが出来る。nは正の整数で、量子数と呼ばれる。電子が持つことが出来るエネルギーをエネルギー準位と呼ぶ。下から順に、量子数1の準位、量子数2の準位 --- と呼ぶ。

明日は、今日の話に続いて、金属と半導体がどのように違っているかを説明しよう。

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