ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

ナノテク人工材料:不可能だったことが可能に

2012-03-22 | 報道/ニュース

ナノテクノロジーでは、ナノ粒子を用いていろいろな新材料がつくりだされている(9/23,2/17参照)。昨日述べたグラフェン分子も新材料の一つと考えてよかろう。これとは別に、自然界に存在する材料では実現出来ない性質をもつ人工材料(metamaterials)もつくりだされている。新材料と人工材料の区別は、前者では構成要素が互いに化学結合していて全体が一つの材料と見なし得るもの、後者はプラモデルのように部品を組み合わせて作った材料と考えてよかろう。

人工材料の例としてスーパーレンズ(1/23参照)、赤外線吸収係数が高い材料(3/14参照)について述べた。

最近、マサチューセッツ工科大学(MIT)を中心とする研究グループは、広い波長範囲の光を効率良く吸収する人工材料を開発した。現在のところ、計算機シミュレーションの成果ではあるが、その構造は下図のようなものである。それぞれのノコギリ刃状の突起は、ナノサイズの厚さの絶縁体と金属を交互に張り合わせたものである。図の上部に示すように、光は、突起の幅がその波長に一致する部分の金属に集中して吸収される。台形型の突起を用いることによって、広い波長範囲の光吸収が可能となる。広い波長範囲の赤外線検出に利用出来るだろう。太陽光発電にも利用出来るかもしれないが、このままでは光エネルギーが金属に吸収されて熱エネルギーに変化してしまう。効率の高い太陽光発電に利用するためには、さらにひと工夫必要であろう。

                                  
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アメリカのデューク大学の研究グループは、さらに複雑な構造の人工材料を開発している。フォートニックス(11/18,19参照)・プラズモニックス(3/9参照)を駆使して、レンズのように光ビームをコントロール出来るだけでなく、ホログラムの作成も可能であるという。


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