アメリカのイリノイ大学と国立アルゴン研究所の研究者たちは、損傷すると温度が上がりそのまま修復する電池を開発しようとしている。電池の損傷の多くは電極が破壊するものと考える。そのため、液体金属を含む小さな球状のカプセルを電池の中に混入しておく。電池や損傷すると、カプセルが破れ、液体金属が流出し電極を埋める。これによって電池が回復するという。
柔軟性のあるカプセルの中にナノ粒子を取り込め、デバイスの中の金属板などに生じたクラックを自己修復させようとする試みがなされ始めている。ピッツバーグ大学とマサチューセッツ工科大学のグループによると、カプセルが金属板上を転がり、クラックが存在するとナノ粒子を放出することにより修復し、さらに次のクラックを目指して転がり続ける。セレン化カドミウムのナノ粒子と表面活性剤とオイルをカプセルの中に混入し成功を収めている。カプセルの大きさはマイクロメーター程度でクラックの中に入り込むことが出来ないが、その柔軟性のため、クラックを見つけそこに停止することが出来るという。またカプセルの壁が薄く、かつセレン化カドミウムとクラックの吸着性のため、カプセル内の溶液がしみだすという。
この研究は、白血球が傷口を修復する手法にヒントを得たとのことである。
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