ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

どん底まで下がるとそこに大きな世界がある

2011-09-06 | 日記
アメリカの国立科学財団(NSF)の評価によると、ナノテクノロジーの経済規模は2015年に1兆ドル程度になるという。どこにそんな大きな可能性があるのか少しずつ考えてみよう。

その前に、長さの単位を記しておこう。1メートルの1000分の1は1ミリメートル、その1000分の1は1マイクロメートル、その1000分の1は1ナノメートルさらにその1000分の1が1ピコメートルである。ナノテクノロジーでは、ほぼ100ナノメートルより小さい粒子が対象となる。

我々の周りの物質は分子が集まってできている。分子はいくつかの原子の集まりである。物質の中には1種類の原子でできているものもある。たとえば、ダイヤモンドは炭素原子が作る結晶、ネオンガスはネオン原子の集まりである。さて、原子の中心には原子核(直径約1ピコメートル)がありそのまわりを電子が雲のように取り巻いている(電子雲と呼ばれる、その直径約0.5ナノメートル)。原子は約100種類あり、原子番号と呼ばれる番号がついている。1は水素、2はヘリウム、3はリチウム、4はベリリウム、5はボロン、6は炭素、という順である。原子核には原子番号と同数の陽子が含まれる。陽子は正の電荷をもち、原子核のまわりにはそれと同数の電子が雲のように取り巻いている。原子は、電子雲の形を変えることによって結合し分子を作ることができる。原子核には陽子とほぼ同じ重さの中性子が含まれる。中性子は電荷を持たず、原子番号の大きい原子核ほどより多くの中性子を持つ。

さて、我々の周りにある物質は、鉱石や植物や動物など出来上がった物質を加工したものである。ナノテクノロジーの根幹は、原子を並べて新しい機能を持った物質を作り出そうというものである。アメリカの理論物理学者ファインマンが1959年に、”There's plenty of room at the bottom (どん底まで下がるとそこに大きな世界がある)という表題の講演(http://www.zyvex.com/nanotech/feynman.html)を行い、この概念を提唱した。

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