アメリカの科学雑誌サイエンスとイギリスの科学雑誌ネイチャーはともに国際的に定評がある。サイエンスのREPORTSとネイチャーのLETTERSには、最先端の論文が掲載されている。このサイエンスの10月18日号に、DNAを用いてナノ粒子の結晶を作成する手法が示されていた。結晶の原子間の距離はほぼ10-100ナノメートル、ナノ粒子の大きさは5-60ナノメーターという。下の左の図はこのようにして作成した結晶の想像図を示す。図の色分けした丸印は種々のナノ粒子で、オレンジ色の線はDNA鎖である。
どのようにしてナノ粒子の結晶を作るかが想像できるよう、DNAを色々な形に組み上げることができることを示しておこう。下の右側の図は、枝分れしたDNAを組み合わせたものを示す。一番下の図の右側は、DNA折り紙という方法で作った格子構造の電子顕微鏡写真で、その左側は、交点付近のDNAの構造を模式的に示したものである。3次元的な構造を作ることも可能である。
このようなナノ粒子の結晶は、すでに一部実現されようとしているが、触媒、医療診断、光や電磁波に対してこれまで見られないような性質を示す新しい材料を作るのに役立つと考えられている。
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